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last update 2004.8.1

profile

管理人について

名前
ゆめのみなと。もちろん本名ではありません。1998年にちなんでつけた別サイトの名前からもらった。
すみか
都会をはずれたところ。どこへ行くにもバスが必要。
性格
出不精。ものぐさ。方向音痴。吝嗇。暑さと湿気が苦手。さらにクーラーが超苦手。
糧としていること
読書。テレビによるスポーツ観戦(おもにプロ野球、ひいきは横浜。その他はフィギュアスケートとか)。最近ゲームは全然してませんハードを買うお金がなくて; 最後にやったのは「幻想水滸伝2」?
読書傾向
ファンタジー中心にエンターテイメント。ファンタジーは和洋軽重問わず。ミステリは英米ものに偏りがち。SFとホラーはそれなり。だんだんページが薄くて重量の軽い、挿し絵のたくさん入ったものの比重が多くなってきた。さらに、読むペースがどんどん鈍くなってきた。
最近好きな作家
ローズマリ・サトクリフ、妹尾ゆふ子、上橋菜穂子、須賀しのぶ、冲方丁、池上永一あたり。
あんまり作家に執着しなくなった気がする。
最近好きな本
いま手に入るとすぐに読むのは、賀東招二「フルメタル・パニック!」シリーズと冲方丁の本くらいかな。「フルメタ」の長編は何度か読み返してます。そのわりに購入していないけど;
最近好きなまんが
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』!!!。数年ぶりにマンガにハマりました。
好きな音楽
サラ・ブライトマン、ザ・コアーズ、新居昭乃、谷山浩子、尾崎亜美など。『のだめ』の影響でクラシックをすこし聴くようになりました。

読書遍歴

幼稚園編

 すでに記憶は定かではないうえに、このころの私はひたすらぼんやりした子供だったため、当時の状況はあまりよくわかりません。
 で、終わらすわけにもいかないので、ただよう霧のなかに目を凝らしてみると、

 そのときどきの年齢むけに発行される月刊誌を買いあたえられていたような気がする。
 そのほかにはディズニーアニメの絵本なども見ていたような気がする。そのなかには『眠れる森の美女』と『わんわん物語』があったのはたしか。なぜこの取り合わせなのかは、わかりません。後者は裏表紙の「犬二匹がスパゲティを食べている絵」がとても印象に残っている。

 それから、幼稚園で『そらいろのたね』(だったとおもう)をながめていたところ、最後までたどりつくまえにお帰りの時間になってしまい、そのつづきはいまだに目にしていない、という思い出がある。またみせてもらえばいいのだということを、思いつきもしなかったというあたりが、私のぼんやり加減を象徴しているようなエピソードですね(苦笑するしかない)。

 いずれにしろ、絵本にかこまれていたとか、絵本が大好きだった、とかいう記憶はないです。ほかのなにかに夢中だったという覚えもないんだけど…

小学校編

 いまだ両目はあききらず、あいかわらずぼんやり生きていた小学生時代。本は自分で探すものではなく、人からあたえてもらうものでした。いま思うと一年間に十冊と読んでいなかったような気がします。

 忙しかった親は子供にあたえる本を選ぶ余裕もなく、そのときの話題になっているものをとりあえず買っていたようです。
 いつ頃読んだものかの記憶は定かではないけれど、
 『大草原の小さな家』が有名なローラ・インガルス・ワイルダーのシリーズ。ロフティングの「ドリトル先生」シリーズ。佐藤さとるの「コロボックル」シリーズ。「スプーンおばさん」シリーズ、などを読んでいました。
 シリーズものが多いのは、やはり選ぶ面倒が少ないからだったのでしょうかね。ぽつぽつと買ってくるのをぽろぽろと読んでいたので、おそらくひとつのシリーズを読み切るのに一年以上(もしかすると数年間?)費やしていたと思われます。
 それから、中川李枝子『いやいやえん』や『ももいろのきりん』はかなり好きでした。そのころ作者のことは念頭になかったので、あとになっておなじ作者だということに気づいたのですが。

 ただ、読んだ数が少ないので内容はかなり鮮明に覚えていますね。とくに食べ物のでてくるシーンをよく覚えているのは、なぜなのでしょう。食い意地は張っていないつもりなのに。

中学校編

 ようやく眼がひらいたのは、小学校時代もそろそろ終わりに近づいたころでした。最初に視界に入ってきたのは、本ではなくマンガ。
 それからというもの、むさぼるようにマンガを読みつづけた中学時代。それまで何も知らなかった分、もろに影響を被りました。マンガについては収拾がつかなくなりそうなので書きませんが、このころ読んでとくに好きだったのは萩尾望都の『スターレッド』。毎日がマンガの貸し借りばかりで過ぎていたような気がする。

 ところが、本を読む習慣はなかなか身につきません。一年の時にめぐりあわせで図書委員になっても、何の感慨ももたないばかりか、「なんでこんな面倒な部署に…」と不快を感じたくらい。そこでブックレットになっていた芥川龍之介の『』を強制的に読まされて、「こんなにむつかしいモノは、私にはまだ無理である」という結論に達したせいで、図書室にもほとんど寄りつきませんでした。(当時、図書室はなくて、書庫のようなものしかなかったんだけど)(不器用で本に透明フィルムを貼るのもうまくできなかったし)

 夏休みに読書記録というのをつける宿題が毎年出て、これのために一年の時に読んだのが、モンゴメリの『赤毛のアン』のシリーズ(新潮社刊の村岡花子訳)。始めはけっこう楽しく読めたけど、シリーズが進むに連れてアンがどんどん大人びていくのについていけず、あとのほうは記録をつけるためだけに読んでいた。ようするに、読書の技術も、本人の人間性もまだ子供だったんでした。

 そんな私に転機が訪れたのは、二年の時。高千穂遙「クラッシャー・ジョウ」シリーズをカバー絵(安彦良和)に惹かれて読みまして、「こんなマンガっぽい絵のついたお話なら、私にも読めるなあ」と思ったのでした。というわけで二年の夏休みにはこのシリーズを出ている分だけ読んだ。

 それから氷室冴子『クララ白書』を発見し、新井素子『いつか猫になる日まで』を発見し、栗本薫『ぼくらの気持ち』を発見(「時代」じゃないの、「気持ち」が先なの)。自主的に本を買って読めるようになったのは、だから、中三になってからということになりますねー。三年の夏休みは「グイン・サーガ」を読んで過ごしました。といっても当時はまだこんなに出てはいなかったんだけども…。

 高校受験を控えたころ、仲間内でちょっとブームだったのが筒井康隆の『家族八景』。やたらと多くなった自習時間に、「○○先生のいまの心境を〈七瀬式〉にあらわせ」などという問題を書いたノートを回して、真剣に回答しあっていました(勉強しろよ)。

高校編

 「趣味は読書です」とはじめて大きな顔をして言えるようになったころ。手にする本のうちマンガと活字の割合は、まだ8:2くらいでありました。マンガを読む速度と本を読む速度にも、著しく差があったような。

 とりあえず、このころの私はハヤカワ文庫の回し者でした。ビジュアルから入ったマンガ好きにとって、当時漫画家の挿画を採用していた出版社はほぼ早川書房だけという状況では、当然の成りゆきだったと申せましょう(古いなあ…)。初めて手を出す作家は、たいてい萩尾望都の絵と混みでした。

 ファンタジーをファンタジーという言葉とともに認識したのもこのころ。こちらは、まずはじめに中山星香ありきでした。トールキン『指輪物語』もグイン「ゲド戦記」もルイス「ナルニア国ものがたり」もこのころ初めて読んだのですが、夢みる少女だったので(笑)マキリップ『妖女サイベルの呼び声』とかリー『冬物語』とかに夢中になりました。FT文庫はだいぶ読みました。アイゼンシュタイン『妖魔の騎士』なんかも好きだった。

 小遣いはほとんどマンガに消えていましたが、幼稚だった私よりも遙かに大人びた読書をしていた友人がいて、つぎからつぎへとジャンル本(+マンガ本も)を(半ば押しつけるように)貸してくれたので、読む本には困らなかった。アンドレ・ノートン「ウィッチ・ワールド」シリーズとか、リン・カーターの「ゾンガー」シリーズなど、自分なら手を出さなかったであろうシリーズものもたてつづけに読みました。
 マキャフリイの「パーンの竜騎士」シリーズや、C.J.チェリイ「色褪せた太陽」三部作、ムアコックの「紅衣の公子コルム」シリーズなどは、進行具合を確かめ合いながら読んだりしてた(苦笑)。しかし、なぜか感想の交換などはほとんどした覚えがないのだった。まだ感想を自分の言葉であらわせるほどに、内面が深化していなかったので、訊ねられても答えられなかったことがしばしば。友人には申し訳なかったです。この場で謝罪。

 そのほか、変わらず読んでいたのが氷室冴子、新井素子、栗本薫(このころはまだ「グイン・サーガ」以外の本も読んでいた)といったあたり。氷室冴子は新刊が出るのを待ちかまえて買ってました。私は『雑居時代』がとくに好きなんですけど、そういうひとにはあまりおめにかかったことがありません(なぜだ)。

 そういえば、高校三年間は中学生のころあれほど面倒がっていた図書委員をやっていました。図書準備室に入り浸って学校司書の先生にえらく迷惑をかけていた(といまにして思う)。あいかわらず、透明カバーを貼るのが下手で空気の皺だらけにしてしまい、「もうやらなくていい」と命令されてしまったのも今は思い出。
 定期試験の前に『アルジャーノンに花束を』の改訂前の黄色い本を借りて読みふけって、試験勉強どころじゃなくなったという思い出もあります。書架から中公新書ばかりを手当たり次第(といっても科学方面は敬遠していた)にとって読んでいたこともありました。

 高校に入る直前に現在の持病に罹って、それから延々と病院通いがつづいているのですが、そのころから今に至るまで、楽しみは帰り道に寄る書店だったりします。考えてみると、病気にかからなかったらこんなに本を読む人にはならなかったかも。

大学編

 いままで生きてきた年月の中で、もっとも多くの金額を図書購入費として費やしていた時代。

 大学生協は本が一割引で買えたのですが、田舎故に新刊が入るのが遅かったので、待ちきれずにけっきょく一般書店に毎日通っておりました。マンガと合わせて、一軒の本屋に相当貢いだような気がしている。
 ひきつづき、ハヤカワ文庫のめについたあたりには、ほとんど手を出していた。大原まり子とか神林長平とか野阿梓とかを読み出したのは、このころだったと思う。SFとFTとJAの新刊の中で、作者で選んだのと挿画で選んだのは半々ぐらいだったんじゃなかろうか。天野喜孝とか中山星香とか内田美奈子とか萩尾望都とかのカバー絵の本をたくさん買いましたです。井辻朱美の訳した本もずいぶん読みました。ムアコックやリーやスプリンガー。ほかにはジャック・ヴァンスの「魔王子」シリーズなんかも好きだった。
 ハヤカワ文庫以外だと、ブラッドベリとか平井和正とか、ときどきサンリオSF文庫とか(マッキンタイアの『夢の蛇』が好きだった)を読んでいたような。

 それから、ミステリーやホラーにも手を出すようになった。はじめは定番のアガサ・クリスティー「ミス・マープル」ものなどを大人しく読んでいたのですが、そのうちアイリッシュ、チャンドラーをはさんで、ジャック・ヒギンズ『鷲は舞い下りた』(改訂以前。改訂版は未読)や逢坂剛のスペインものなどにひろがっていきました。トム・クランシーは『レッドオクトーバーを追え』だけは面白かった。あと、テイストがまったくちがうけど、マーフィーの「トレース」シリーズとか。スティーヴン・キングの『ファイア・スターター』に出会ったときはびっくりでした。どうしてこれが最初かというと、映画化されたからです……映画は観てないんですが。キングにはしばらくはまりました。

 あいかわらず氷室冴子は好きで『なんて素敵にジャパネスク』シリーズなどほとんどを買っていましたが、ライトノベル(という言葉はまだなかったですが)系には疎かった。
 それでも、夏休みに親知らずを抜いて苦しんでいたときに妹の本棚で見つけた久美沙織の『丘の家のミッキー』を制覇したり、弟の本棚から菊地秀行の「吸血鬼ハンター」シリーズや「トレジャーハンター」シリーズを発見したりした(もちろんあるだけ読んだ)。
 それから忘れちゃいけない(といいつつ忘れかけてますが)田中芳樹『銀河英雄伝説』を読んだのもこのころ。友人から借りて一回。それをまわし読んだ弟があとで古本屋で買ってきたのをもう一度読んだかも。

 シリーズものをあきらめきれない病気はすでに発症していて、なにかきっかけがないかぎり延々読みつづけてました。後の方になると、いい加減にしか読まないので話も把握できなくなってるんだけど、それでも読む。読んで忘れる。時間の無駄だと思うのだが。どういうシリーズを読んでたかというと、平井和正の『真幻魔大戦』とかフランク・ハーバートの「デューン」シリーズとかです…。もう、いまでは全然内容も覚えておりません(苦笑)。

 大学のお勉強関係でアラブ、イスラーム関係の本もそれなりに読みました。思い出は平凡社刊の前嶋信次・池田修訳『アラビアン・ナイト』全巻読破(卒業後までひきずったけど)。
 大学図書館ではおもにレポート用におんなじ本を何度も借り出していた。そのほか、高くて重くてとても買えないような本を眺めたり。そういえば、空き時間にたまに思いついて夢野久作『ドグラマグラ』をちびちびと読んでましたが、結局冒頭しか読めなかったという思い出が。

 卒論のテーマを決めるためにあちこちを物色しているうちに近所(といってもバス、電車乗り継ぎしてようやくたどり着く近所)の図書館に通うようになって、それは現在につづいております。

乱読編・オンラインネットワーク化以前

 大学卒業後、これといった区切りのない今までを過ごしてきたワタクシ。このあといったいどういうふうに時代を区切っていいのか、ずいぶん悩みました。
 とりあえず、卒業後十年くらいの乱読時代とそれ以降の現在にいたる流れを区別することにし、乱読時代をさらにふたつに分けることにしました。それが市立図書館のオンラインネットワーク化で区切られるのは、以前と以後で読む本が劇的に変質したからです。どういうふうにかは、以後を読んでいただけるとわかるかと(今回はそこまでたどりついてませんが)。

 まず、図書購入費を湯水のごとくつかえる心境ではなくなった私は、市立図書館の常連客となり、書架で目についたものを片っ端から借りる、という行動に走りました。
 最初に目を配るのは新着図書の棚。当時は新着図書を表に出す曜日が決まっていたので、それに合わせて図書館に通っていたのです。新着のめぼしい本→文庫のめぼしい本→ハードカバーのめぼしい本→児童書のめぼしい本、と館内を一周して、雑誌を読んで帰宅、というパターンがかなり長いことくり返されました。というわけで、このころ私が読んでいたのは、図書館の書架にある本、あるいは友人に借りた本、ごくたまに、自腹を切った本、ということになったのでした。ケチのはじまりです(苦笑。

 それで読んだ本の中身はというと、ファンタジー、SF、ミステリー、児童書、翻訳文学、日本現代文学、たまに歴史という感じでしたでしょうか。記憶が混沌としているのと読んだ量が膨大なのであまり詳しいことは書けないんですけど、とりあえず印象に残っているもの。

 SF・ファンタジー編。
 ブラッドリー「ダーコーヴァ年代記」「アヴァロンの霧」、エディングス「ベルガリアード物語」、井辻朱美『風街物語』『エルガーノの歌』、フィースト『リフト・ウォー・サーガ』、マクラオド『哀しき女王』、ローハン「ウィンター・ワールド」、ひかわ玲子「女戦士エフェラ&ジリオラ」『イスの姫君』、妹尾ゆふ子『風人の唄』、神月摩由璃『幾千の夜を超えて』、長野まゆみ『天体議会』『耳猫風信社』、ダンカン「力の言葉シリーズ」、小沢淳「三番目の月の物語」、小野不由美『魔性の子』、ターナー『トナカイ月』、カシュナー『吟遊詩人トーマス』、ビーグル『心地よく秘密めいたところ』『風のガリアード』、パワーズ『アヌビスの門』、ヨーレン『光と闇の姉妹』、マカヴォイ「ナズュレットの書」、アウル「始源への旅立ち」、カート・ヴォネガット・ジュニアの本、谷甲州「航空宇宙軍史」シリーズ、エフィンジャー『重力が衰えるとき』、ビジョルド『戦士志願』、神林長平「敵は海賊」シリーズ、大原まり子『タイムリーパー』「イル&クラムジー」シリーズ、コードウェイナー・スミスの本、シェタリー&ブル編『魔法都市ライアヴェック』、ハンブリー「ダールワス・サーガ」、久美沙織「ソーントーン・サイクル」、ネヴィル『8(エイト)』、佐藤亜紀『バルタザールの遍歴』、リー「パラディスの秘録」、ジョナサン・キャロルの本、ライバー「ファファード&グレイマウザー」シリーズ、ベンマン『石の笛』、ジョーンズ『七年目の魔法』、ラッキー『女王の矢』、高野史緒『ムジカ・マキーナ』、ピーター・ストラウブ『ゴースト・ストーリー』……。
 息切れがしてきました。まだまだあったと思うのに、読了本データベースを見ていてもわけが分からない(汗。基本的にこのジャンルはつねに読んでいたのが確かなので、もっとも多くの冊数をこなしていたはず。

 ミステリー編。
 ミステリーは翻訳物が多いです。そして、シリーズものが。さらに女性作家のものが多いような。ちょうどこの時、女性探偵が主人公のシリーズというのがはやっていて、その関係の本はずいぶん読んだ。
 アンソニー「女情報部員ダビナ」シリーズ、パレツキー「V.I.ウォーショースキー」シリーズ、グラフトン「アルファベット(キンジー・ミルホーン)」シリーズ、マクラウド「シャンディ教授」シリーズその他、ルース・レンデルの本、P.D.ジェイムズの本、ディック・フランシス「競馬シリーズ」、ドイル「シャーロック・ホームズ」シリーズ、エルキンズ「スケルトン探偵」シリーズ、ピーター・ラヴゼイの本、ポーラ・ゴズリングの本、トレヴェニアン『バスク、真夏の死』、シューヴァル&ヴァールー「マルティン・ベック」シリーズ、マクベイン「87分署シリーズ」、ブラウン「シャム猫ココ」シリーズ、トマス・ハリス『羊たちの沈黙』、ケラーマンの臨床心理士のシリーズ、ギルマンのおばちゃまシリーズ、ライア・マテラのロースクールのシリーズ、グライムズ「リチャード・ジュリー」のシリーズ、ジャネット・ニール『天使の一撃』、ピーターズ『修道士カドフェル』シリーズもこのころ読みました。ユージン・イジーのシカゴの暗黒街の話とか、トマス・マクスウェルの『口づけをもう一度』とか、エリザベス・ジョージのリンリー警部のシリーズとか。ナンシー・ピカードの「ジェニー・ケイン」シリーズとか。レジナルド・ヒル「ダルジール警視」シリーズとか。まだまだいろいろと読んでますが、もう、支離滅裂ですね。ミステリーは『ミステリマガジン』の書評を参考に選んでいたこともあったけど、基本的に書架にあるものを手当たり次第でした。

 日本のものだと、そういえば宮部みゆきをこのころ読んでいた記憶が。最初に読んだのは『パーフェクト・ブルー』でした。北村薫や加納朋子を知ったのもこのころか。篠田節子『イビス』『変身』とか、坂東眞砂子とか、あと、お話的にはそれほどでもなかったんだけどキャラクターの書き方が好きだった森雅裕とか。そういえば大沢在昌とか船戸与一、高橋克彦とかも読んでみたなー。いまはあまり手を出す気になれないけど。このあたりは弟の影響でした。

 児童書編。
 図書館は児童書の宝庫です。買って読もうと思ったら大変なことになる冊数を、子供のころ読みそこなったスタンダードから新刊までまとめてお世話になりました。
 メアリー・ノートンの「床下の小人たち」シリーズ、マージェリー・シャープ「ミス・ビアンカ」シリーズ、トラヴァース「メアリー・ポピンズ」シリーズ、アラン・ガーナーの本、モリー・ハンター『砦』、マーヒー『めざめれば魔女』、カニグズバーグの本、ペイトン「フランバーズ屋敷の人びと」、イルメリン・サンドマン・リリウスの本、プロイスラー『クラバート』、モンゴメリ作品集、ジョーン・エイキンの本、ハリス「ヒルクレストの娘たち」シリーズ、荻原規子『空色勾玉』、竹下文子『アイヴォリー』、アリグザンダー「プリデイン物語」などなど。それからローズマリ・サトクリフの本、とくに印象に残っているのは『王のしるし』ですが、どの作品も好きです。
 手を出すもののほとんどが翻訳物なのは、やっぱりファンタジーに目がいってしまうからですね。岩波書店や偕成社といった老舗の他に、このころ福武書店(現ベネッセ)が一時的に児童書に力を入れていて、そこから出ていた本をけっこう読んだなという記憶があります。

 翻訳文学編。
 このジャンルはSF・ファンタジーとどこが違うのかと問われると非常に返答に困る場合が多いですが、あきらかにそれとは違うものも読んでいて、しかしそれとファンタジーに近いものの区別が私には困難だという理由でここに入れておきます。
 ジョン・ファウルズ『魔術師』、アーチャー『ケインとアベル』、ダレル「アレクサンドリア・カルテット」、ジョン・アーヴィング『サイダーハウス・ルール』、マルセル・パニョル『愛と宿命の泉』、ジュースキント『香水』、イタロ・カルヴィーノの本、フォレスター「海の男ホーンブロワー」シリーズ、ポール・オースター『ムーンパレス』、ジャネット・ウィンタースン『ヴェネツィア幻視行』、アニータ・ブルックナーの本、リリアン・ヘルマン『ジュリア』、プーシキン『オネーギン』、フェイ・ウェルドン『魔女と呼ばれて』、シュティフター『石さまざま』、ベッケル『緑の瞳』、マルセル・シュウォッブ『少年十字軍』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ミス・リード『村の学校』、イサク・ディーネセン『バベットの晩餐会』『七つのゴシック物語』、ケン・フォレット『大聖堂』、アゴタ・クリストフ『ふたりの証拠』、マーガレット・アトウッド『侍女の物語』、エーコ『薔薇の名前』、パオラ・カプリオーロ『エウラリア 鏡の迷宮』、ラウラ・エスキヴェル『赤い薔薇ソースの伝説』、E.M.フォースター『天使も踏むを怖れるところ』。などなど。

 そういえば、「超訳」が話題になったシドニイ・シェルダンの本を、超訳が出る前のハヤカワ文庫版で数冊読んだなーという思い出が。けっこう面白かったのですよ。超訳は『ゲームの達人』しか読んでませんけど。

 その他。おもに日本現代文学。
 だいたい書架にあるものを書名などのインスピレーションで借りることが多かったです。
 読んだのはおもに池澤夏樹、堀田あけみ、山田詠美、塩野七生、鷺沢萌、島田雅彦、松村栄子、宮城谷昌光、皆川博子、吉本ばなな……のようです。いま見ると、実にとりとめのないラインナップでございます。あと、橋本治の『窯変 源氏物語』を全十四巻読んだのは、ずいぶんと達成感のある出来事でした。

 ところでこのころもまだライトノベルなるジャンル意識は薄かったですが、氷室冴子の他に前田珠子と若木未生を読みはじめていました。買い始めた理由は……やっぱり挿画でした(こういう人間がライトノベルの基礎を作っていったのかしらんとも思う)。そういえばひかわ玲子はすでに読んでいたんですが、妹尾ゆふ子も読んでましたが、それらは私にとってはあくまでもファンタジーだったので、それとコバルト文庫は別物という意識があった気がします。あと、『ロードス島戦記』は私にとってはゲームブックでした。

 ともあれ、この時期が私のいままでの人生の中でもっともバラエティに富んだ読書生活を送っていた時期であることに間違いありません。もう、こんなことをしようとは絶対に思わないし、だいたいこんなに読むパワーは気力、体力ともにどこにもないです。この項、書くのもたいへんに疲れました。途中でさらに項目を分けようかと思ったくらいです。過去の自分にいろんな意味で呆れました。


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