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2004.10.3 どろーん。/『銀朱の花』
2004.10.5 よく降るなあ/『異端者達に捧ぐ鎮魂歌 スクラップド・プリンセス3』
2004.10.7 『ササキ様』+bk1リンクツール/『夜明けの風』
2004.10.14 通院+カードリーダー/
2004.10.16 整理整頓/『娼婦殺し』
2004.10.19 とても不安/『真・イズミ幻戦記 暁の国1』
2004.10.22 物忘れ/『グアルディア』
2004.10.23 連続外出/『つづくオン・マイ・オウン フルメタル・パニック!』
2004.10.28 風邪ひき+スパム/『銀盤カレイドスコープ vol.3 ペア・プログラム:So shy too-too princess』
2004.10.30 雨ばっかり/『世界の涯の物語』
雨ばっかり 2004.10.30(土)

 もうじき十月も終わろうとしていますが、今日も雨降りです。今年の十月はほんとうに雨と曇りばっかりだったなあ。ずっと頭を押さえつけられているような抑鬱感に浸って、事件災害のニュースばかり見ていると気分が鬱々としてきます。秋晴れはどこへいった。さすがに寒くなってきたので衣替えはしましたが、洗濯してもきちんと乾いていない感じで、夏物をしまい込むのがためらわれます。でも置いておくところはない;

 風邪は完全に鼻にきました。息が、くるしい。

世界の涯の物語
ロード・ダンセイニ 中野 善夫 中村 融 安野 玲 吉村 満美子

by G-Tools
 ロード・ダンセイニ(中野善夫,中村融,安野玲,吉村満美子訳)世界の涯の物語(河出文庫.2004.373p.850円+税 Lord Dansany "THE BOOK OF WONDER",1912 "TALES OF WONDER",1916)[Amazon][bk-1]読了。幻想短編集。

 後をひかないので夜更けにすこしずつ読むのに最適。そうやってちびちびと読んでいたら、最後にたどり着くまでにえらく時間がかかってしまいました(苦笑。全部で33編かな。毎晩読んだわけじゃないんで二月くらいかかってるかも。「驚異の書」と「驚異の物語」の合本です。とにかく、めくるめく、という言葉がぴったりの、ファンタジー短編集。ふしぎな話、奇妙な話、驚く話。ふつうではない世界(つまり異世界)の断片を堪能しました。あー、感想が陳腐だ。

Amazonでサーチ>>「ロード・ダンセイニ既刊」

風邪ひき+スパム 2004.10.28(木)

 風邪をひいてしまいました。先にひいた家族の症状を追いかけるように喉の痛み→鼻水という経過をたどっています。ただ、原因は寒さじゃなくて寝冷え。一日だけ夜中が暑かったときに、布団が暑くて蹴飛ばして寝ていたせいなのです。くやしい…。

 最近、またまたスパムが目立って届くようになりました。数もさることながら内容が内容で、メールチェックが不快。対策はとったつもりだったのですが、移転告知が行き渡った頃からひどくなってきたような気がする。一部2バイト文字に変えるくらいじゃ、駄目ということでしょうか。検索で対策方法を探したら、アドレスのデシマルコード変換というのをみつけ、JavaScript化より簡単そうなのでやってみることにしました。ついでにメタタグも追加。

 海原零銀盤カレイドスコープ vol.3 ペア・プログラム:So shy too-too princess(集英社スーパーダッシュ文庫.2004.287p.590円+税)[Amazon][bk-1]読了。『銀盤カレイドスコープ vol.2 フリー・プログラム:Winner takes all?』のつづき。

 トリノ五輪で華々しい成績を収め、一躍フィギュアスケート界のセレブとなった桜野タズサ十七歳は、狭苦しい日本を脱出。本拠地をアメリカに移した彼女の勢いは、まさにとどまることを知らなかった。ところがあるとき、親友のペアスケーターであるシンディが回復の見込みもわからない重傷を負い、パートナーのオスカーがひとり取り残されるという事態に遭遇。タズサは友情とペアへの興味に突き動かされて、ワンシーズンだけのペア転向を宣言するのだった。あのプリンセス・タズサがペア転向? 周囲の驚きを驚嘆に変えるべく練習に励むタズサたち。しかし、敵は思わぬところ――プリンセス自身のなかに潜んでいたのだった。

 減らず口タズサ健在。あいかわらずの傲慢ヒロインで共感しにくい話ですが、距離を置いて騒動を楽しむという、まさにゴシップ感覚で読みました。ペアスケーティングはシングルより文章にするのが難しいのではと思ったけど、けっこう想像ができた。このプログラムは見てみたい気がする。結末は……まあこんなものでしょう(苦笑。

 そういえば、今年もフィギュアのシーズンに入りましたねー。中継はいつからするのだろう……。

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連続外出 2004.10.23(土)

 きのう忘れてきたジーンズを受け取りに、また出かけました。途中で妹たちと合流してお昼を一緒に食べた。姪っ子がどこで食べるかで意地を張るのですったもんだしたり、甥っ子がデカレンジャーパジャマやデカレンジャートレーナーやデカレンジャーガチャガチャの前でうごかなくなって地団駄踏んだり、いろいろあって、はー疲れた。
 晴れの予報だったのに途中から曇ってしまい、だんだん寒くなってきたので、風邪をひくのが嫌でさっさと帰宅しました。が、帰り着いたら風邪引きがテレビを見ながら唸っていて、電話して買い物をしてくればよかったと思いました。
 そして夜は地震……。何度も揺れるので怖かったです。

 賀東招二つづくオン・マイ・オウン フルメタル・パニック!(富士見ファンタジア文庫.2004.288p.540円+税)[Amazon][bk-1]読了。SFアクションラブコメディーシリーズ「フルメタル・パニック!」の長編第六作。

つづくオン・マイ・オウン―フルメタル・パニック!

 ミスリルの傭兵である相良宗介が、女子高生千鳥かなめの護衛をはじめて九ヶ月。ミスリルは陣代高校およびかなめの周辺で起きた事件について徹底的な隠蔽を計ってきたが、それももう限界に近づいていた。このままの日常がつづくことは、ないだろう――生徒会長の林水に警告された宗介が、かなめにある提案をすることを逡巡していたとき、ふたりの目の前にテッサの兄レナードがあらわれてかなめをミスリルの敵対組織アマルガムへと勧誘する。レナードを拒絶したかなめを守って宗介は逃亡を開始するが、そのときすでにミスリルは本部に攻撃を受けて大混乱に陥っていた。アマルガムは、ミスリルを本格的に敵とみなして全世界規模で殲滅作戦を始めたのだ。

 つい、魔が差して購入してしまいました。いままでずっと借りて読んでいたのにな……(汗。
 とうとう破壊された日常。これまで積み上げてきたディテールがあるだけに、そのインパクトは計り知れないものがありました。自分の世界そのものが目の前で破壊されていく衝撃に打ちのめされて、かなめはほとんど見せ場がありませんでしたねー。そのうち立ち直ってくれると思いますが。
 今回断然かっこよかったのはテッサちゃん。絶体絶命の状況に追いつめられながらもゆるがぬ精神、凛とした姿勢、そして部下を思う懐の広さ。ううーん、すばらしい。浮き足立つ部下達が一斉に背筋を伸ばして敬礼するシーンはまるで戦争物みたいでした(おい)。
 そして宗介ですが、かれの悪あがきともとれる必死な行動は、たしかにプロとしてはあるまじきものなんでしょうが、愛するものを守ろうとする(恥ずいなー)ひとりの青少年としてはとても正しいのだと思います。多分に偶然や幸運が味方してくれたりもしてますが、それでも最後のシーンは偉いと思いました。
 話がシリアスになってきたのでお笑いはかなり減りましたが、とぎれなくつづく緊迫の中でもそれとなくおかしみを誘うところがあるので重たくなりすぎないのもよかった。とくに、陣代高校の生徒の避難行動がとても迅速だったところがすき(笑。

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物忘れ 2004.10.22(金)

 以上、購入。
 なんだかたくさん買ってしまったのですが、ほんとうは本じゃなくて、カードリーダーとCDを買いに行ったはずだったのですよ。その途中で本屋に入ったのが運の尽き。さらに、文庫売り場じゃなくてマンガ売り場に先にいきゃーよかったよ、と。『指輪』は予定の中に入ってて、図書券で買うつもりだったからいいんだけどさー。しかも、こんなに買ったくせに多分出ていたはずのDWJの『デイルマーク』は視界に入らなかったのか買い逃してくるし。

 財布が心細くなってしまったので、CDはピックアップしていった中から安いのを選んで(のだめと千秋の出会いの曲)、カードリーダーのことは途中から本当に忘れ去りました。ついでに、裾上げを頼んでいたジーンズを受けとってくるのも忘れた。三ヶ月越しで忘れてた、クレンジング、プラスマッサージ用(でもクレンジング材の入ってない)オリーブオイルはようやく手に入れたけど。

 最近、本当に物忘れ激しいよなあ。不安だ……。

 週末の遠出は、家族が風邪をひいたので延期となりました。でも、時間の余裕ができたんだから行きたいとこを調べとけと、言い渡されてしまった。どうやら観光に連れて行ってくれるらしいんですが、関西って名所がありすぎて、どこがいいのやらぜんぜんわからん。大阪拠点で日帰りってどれくらいまでが範囲なんだよ……。

グアルディア
仁木 稔

発売日 2004/08/25
売り上げランキング 53,268


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 仁木稔グアルディア(早川書房.2004.470p.1900円+税)[Amazon][bk-1]読了。遠未来のラテンアメリカを舞台に、遺伝子工学によって生み出された特殊な人々の、陰謀と戦いと破壊と愛を描くSF小説。

 22世紀末にウィルスの蔓延により人類は壊滅的な被害を受けた。放射能に汚染され、空と海を奪われて文明は後退を余儀なくされた。そして2643年のラテンアメリカ。戦乱の故郷を離れて、文明と秩序の保たれた最後の土地ラティニダードを目指す難民達。あるとき、難民を襲った山賊が、そこに紛れ込んでいた黒髪の若者JDと金髪の少女カルラの、親子を名乗るふたりによって皆殺しにされた。おそらくは生体甲冑アルマドゥラの感染者であると推測されるJDの並はずれた戦闘能力に目をつけたレコンキスタ軍の総統アンヘルは、コンポステーラ参詣団の守護者となったふたりに監視としてムタシオンの少年ダニエルをつける。

 あらすじ書くのに果てそうになった……(汗。
 アンヘルのグアルディアの少年ホアキンや、その親父で故人のクリストフォロ、ダニエルの妹で千里眼のトリニ、レコンキスタ軍のユベール将軍なんかも入れた方がいいんだろうな、と思ったのだが、ぜんぜんまとまらないので、省略。カバー裏のあらすじ、すごくうまいなあ……さすがプロです。

 とにかく、このお話は読みながら世界を理解していくのが楽しいので、あんまり説明すると興を削ぎかねません。世界を統括するコンピュータとか人類壊滅とか、文明後退、治安悪化、暴力沙汰頻発に武力衝突に、なんやかやと、あらためてみると驚くほどイズミと似てるんですが、雰囲気は似て非なるというか、最初のうちはマジックリアリズムなのかと思いました。とくに、コンポステーラ参詣団をダニエル視点で語ったあたり。とぼけたような感じでとんでもない内容がつづられているんですけど、それがほら話みたいなんですよ。このまま進んだらどうなるんだろうと思っていたのだけど、そのままは進まなかったので、ほっとしたというか残念だったというか。それからあとは、まっとうにかっこいいSFという雰囲気になりました。アルマドゥラの戦闘シーンは圧巻。

 それからオペラが出てきて、愛について語り始めたら俄然文学的になったような。生体甲冑やら生体端末やら、遺伝子操作やらいろいろと複雑な仕掛けはあるんですが、この話の根本は自分とはなにか、愛とはどこからうまれてくるのかってことなのかと思います。ラストはうまくまとまっていて、余韻もあるけど、ちょっと予定調和的な感じもしました。これでもいいけど、これだけの話なんだからもっと突き抜けた終わり方もあったんじゃないのかなあ、という。図々しい感想ですが。

 読み手にはちょっと不親切な、心理描写のない、クールというか映像的な文章で、これだけのことを描ききったのはすごいと思う。たしかに生硬なところはあるけど、私としてはイズミよりも格段に読みやすい文章でした。殺伐としたところはほんとうに殺伐としているんだけど、それほど気にならないのは品があるからかなとか。

 あと、地名が現在のラテンアメリカとスペインとが重なっているようなのと、歴史的なレコンキスタと重なっている(たぶん。ちょこっとだけかじった知識によるので、あまりたしかではない)ところも、独特な雰囲気をかもしだしてると感じました。それにスペイン語。アンヘルがエンジェルだったら、ぜんぜんイメージ違いますもんね。
 読み応えのある重厚なSF小説。たいへんおもしろかったです。

とても不安 2004.10.19(火)

 週末に遠出をすることになりそうで、方向音痴の私は今から怖じ気づいています。同行する家族がすでに行ったことのある土地なので安心して任せようと思っていたのに、「どうやってたどり着いたのか、全然覚えていない」などとほざいてくれたので……。行くところが観光地じゃないから、地名を聞いてもなんのイメージもわかない、というのも不安の要因。住んでる周辺ならなんとなくあのあたり、というふうに地理的位置関係がなんとなくわかるんだけど、それがないのが漠然とした心許なさを誘うらしい。せめて地図でも見て、知識を増やしておきます。

真・イズミ幻戦記 暁の国1(徳間デュアル文庫)
若木未生著

出版社 徳間書店
発売日 2003.04
価格AA ¥ 590(¥ 562)
ISBNAA 4199051392
超人気SFアクションシリーズ5年ぶりに再始動! 従来同様、イラストは人気漫画家・岡崎武士氏。 [bk1の内容紹介]

bk1で詳しく見るAAオンライン書店bk1

 若木未生真・イズミ幻戦記 暁の国1(徳間デュアル文庫.2003.197p.562円+税)[Amazon][bk-1]読了。近未来SFアクションシリーズ「イズミ幻戦記」の……何冊目だったっけ、外伝含めて八冊目?

 マザーコンピュータの暴走と大地震により世界は崩壊した。第11地区と呼ばれる極東の島国は、強力な電磁シールドに阻まれて外界との交渉が断絶。コンピュータ〈ジュリア〉による人間狩りに対抗して生きのびるために武器を手に取ったひとびとは、あるいはレジスタンスとなり、あるいは暴力によって他者を支配するものとなった。急速に砂漠化の進行する厳しい環境で、ひとつの伝説が生まれた。その名はイズミ。〈ジュリア〉の放つロボット達をものともせずに殲滅するスーパーヒーローだ。渡辺拓己と叶省吾というふたりの少年の突発的な融合によって生まれた奇跡は、ある事件を境に人の前から姿を消す。アスカに破れたイズミは消滅し、同時に拓己の行方はわからぬままとなっていた。省吾はレジスタンスの帥ファミリーに身を寄せてキョウトの再建に意を注いでいた。

 積読本より発掘されたもの。すごく久しぶりのイズミちゃんでした。出たのが五年ぶりらしいですが、買ってからも放置してたからなあ……。あまりに久々すぎてどんな話だったか全然思い出せなかったのですが、そのあたりはきちんと考えられていて状況説明からの導入です。おかげで、話がなかなか始まってくれなくて、別の意味で面倒だったりしたんですが(苦笑。しかし、この「真」というのはどういう意味でしょう。(徳間刊でこれがつくとべつのなにかを思い出すんですけどー。)

 最近こういう文章に接していなかったため、ちょっと慣れるのに時間がかかりました。タイトというか、小刻みに言葉を投げつけてくるような文体で、情報量が多い。そのうえに視点人物のいない外からの描写。というわけで、意識的にひろいあげながら読まないと、意味が頭の中でつながってこないんですよね。ううむ。リズムはいいんだけど、なかなか映像になってくれない。これは歳のせいだろうか。

 とにかく、イズミです。たしかにこの話の手触りはイズミなんですが、まだイズミが出てきません。ふたり組の片割れもまだ行方不明で、話はほのめかしだけで終わってます。つまり、あらたなプロローグ、まだプロローグ。個々の登場人物のあれから後はどうしてた、はいちおう網羅されていますが、もちろん、以前からの謎は謎のまんま。つづきが気になるなー、というとこで終わりです。読まないで続刊待ってたほうが気分的には楽だったかもしれません。

Amazonでサーチ>>「イズミ幻戦記」既刊

整理整頓 2004.10.16(土)

 夏の間に無気力を満喫していたため倉庫となってしまった部屋を、先週からようやく片づけ始めました。

 まず、iBookのためにそろえたアプリやらをしまう場所をつくるために、もう使えないから記念にしかならないしそんなものを置いておく場所はない、漢字Talk時代のアプリを整理。
 『ArtSchoolDoubller』だの『AldasSuperPaint』だのの箱に、「そういえばMacを買ったのってお絵かきをしたかったからなんだよなあ……」と思い出しました。マウスで最初に描いた絵は『赤ずきんチャチャ』の似顔絵だったっけ。あまりにも描きにくいのですぐにペンタブレットArtPadIIを購入したのです。それからずーっとデスクトップの操作はペンタブレットで、ノートはトラックパッドでしているので、いまだにマウスがうまく使えないんですが。

 それから、液晶の映らなくなったPowerBookG3の、途中でトラブって放置していたデータ移動のつづき。OS9でフォーマットしたHDDはOSXでは読めなさそうなのが判明した(読ませようとして破壊してしまい、作業が頓挫)ので、データはいったんiMacに移して、本格的な移行はあとでゆっくり考えることにした。それでふたたびSONY製マルチスキャンディスプレイにPowerBookをつないでもらい、中身を丸ごと外付けHDDにコピー。
 PowerBook本体はその後初期化してリストアしてついでにデータ消去のためWipeInfoをかけてみた。たぶん、液晶の壊れたノートなんて売れないだろうしな……。

 その後、HDDをiMacにつないで、メールデータの移動を懸命に試みるものの、インポートはどうしてもできず。Microsoftユーザーデータを入れ替えたら読めるんですが、それだともともとiMacに残してあったメールがいっしょに読めないではないか。というわけで、こちらは必要なメールの内容を順次テキストに変換して別保存するしかないなー、という結論に。OutlookExpressって……ぷんぷん。

 InternetExplorerのブックマークは、さすがにインポートできましたが、こちらは既存データとのダブりが多くていらないものを削除するのにとっても手間がかかりました。もともと整理してなかったのが悪いのだが……。使えないブックマークを置いておいても仕方ないと思い立ち、リンクチェックまで一度にやったので、これには疲労困憊。
 ここまでやったら腰に来たので、いったん終了。
 果たして、残りをする気力がわいてくるのは、いつでしょう。

 アン・ペリー(浅羽莢子訳)娼婦殺し(集英社文庫.1999.574p.895円+税 Anne Perry "PENTECOST ALEEY",1996)[Amazon][bk-1]読了。ヴィクトリア朝時代のロンドンが舞台の時代ミステリ。シリーズの14作目らしいが、邦訳はこれが最初。

 切り裂きジャックと呼ばれた連続殺人事件が未解決のまま収束してより二年後。ホワイトチャペルの街娼の無惨な死体が発見された。目撃者の証言と遺留品と思われる金属製のバッジ、カフスボタンから、犯人は富裕な紳士階級の男と判断され、上流社会に関する事件を専門とするトーマス・ピット警視が事件の捜査に当たることとなるが。

 同著者の『災いの黒衣』がおもしろかったので、借りてみました。シリーズはべつ。しかし、最初の邦訳が14作目というのはどうなんでありましょう。主役のピット警視とつれあいのシャーロット、その妹のエミリーといった、おそらくはシリーズおなじみと思われる登場人物の人となりがよくわからないというか、行動の必然性が納得できないというか、あんまり魅力的に思えないとか、そういう不満は感じましたが、話自体はかなりおもしろかったです。

 ヴィクトリア朝の影の部分の色濃いミステリー。警察の捜査も階級差によって滞りがち。その壁を乗り越えてできるだけ公正な解決を目指すのが、こうした社会背景を取り込んだミステリに出てくる警察官の主人公ですが、この作者はとくにその傾向が強いように思った。だからといって当時の社会規範を超えるような解決が待っているわけではなくて、どうにもやるせなさの残るラストなんですが。それでも、真実が判明するというだけで一応のカタルシスが得られるのが、ミステリーのよいところなんですね。

 ところで、訳文ですが、これくらいの時代物には、ふつうに流れる文章の方が似つかわしいのではないかと思いました。この訳者のかたの特色だということは知ってますけど。

Amazonでサーチ>>「アン・ペリー」既刊

通院+カードリーダー 2004.10.14(木)

ヨーロッパの世界遺産〈2〉フランス・イギリス・ベルギー・アイルランド
講談社, 水村 光男, PPS通信社

発売日 2004/05
売り上げランキング 350,440


Amazonで詳しく見る4062568306

 以上、購入本。『世界遺産』はほんとはDVDが欲しかったのだけど、さすがに某雑誌のイタリア編はすでになく、TBSのは高いので類似の文庫本を。なんで2なのかというと、街並みの写真が気に入ったからです。これはG-Toolで文字化けしなかったですね。いったい何が化けて、何が大丈夫なんでしょう。
 その他、『森絵都の本』[Amazon][bk-1]のあさのあつことの対談をちょっと立ち読み。

 さて、本日は通院日でした。涼しくなったので外歩きがとてもらくちんでした。それで気が大きくなって(?)、カメラ量販店に立ち寄ったりしてました。

 じつはメインパソコンをiBookにしてから、デジカメ用コンパクトフラッシュが読めなくなっていたのです。PowerBookにはPCカードスロットがあったのでPCカードアダプターに突っ込んで読み書きしていたのですが、iBookにはカードスロットがない。デジカメをまだ使いたければカードリーダーを購入する必要があるのだと、夏を越してようやく思いいたった次第。

 さいわい、売り場にはたくさんのメディアリーダーがありまして、目移りするほどでした。んが、大きさとデザインとお値段と七つのカードが読み書きできる、というのにつられて目をつけたものの仕様に、対応OSにMacOS9が入ってないのと、コンパクトフラッシュには読めない容量のものがあるらしいことに気づき、購入を思いとどまりました。iBookはXだけどiMacは9のままだし、自分が何メガバイトのコンパクトフラッシュを使っているのか、忘れていたんです……。帰宅して確認したら、8MBでした。つまり、付属品をそのまま使っているだけなんですが。というわけで買わなくてよかった。読める方にも読めない方にも記載されてなかったから、8MBは。たぶん少なすぎ?(汗。

『ササキ様』+bk1リンクツール 2004.10.7(木)

 今日は図書館帰りに繁華街へ。目的は姪が行方不明にしてくれた万歩計だったのですが、ふらりと寄った本屋でみつけて思わず購入してしまいました。懐かしくて。つい出来心でサイン会の整理券をもらってしまったんですけど、たぶん、行けません、すみません。今日なら並べたんだけど。

 bk1のブリーダーリンク作成ツールを使用してみる。

冷たい心臓(福音館古典童話シリーズ 38)
ヴィルヘルム・ハウフ作・乾侑美子訳・T.ヴェーバーほか画

出版社 福音館書店
発売日 2001.09
価格AA ¥ 2,625(¥ 2,500)
ISBNAA 483401780X

bk1で詳しく見るAAオンライン書店bk1

 このあいだG-Toolsで文字化けしてしまったのとおなじ本だけど、ちゃんとコピペできました。これなら使えるかも。しかし、bk1とAmazonと両方で画像を使うとごちゃごちゃとして混乱しそうだわ。なにか法則を考えなくちゃいけませんな。

夜明けの風
ローズマリー・サトクリフ作・灰島かり訳

出版社 ほるぷ出版
発売日 2004.07
価格AA ¥ 1,890(¥ 1,800)
ISBNAA 4593533848

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 ローズマリー・サトクリフ(灰島かり訳)夜明けの風(ほるぷ出版.2004.487p.1800円+税 Rosemary Sutcliff "DAWN WIND",1961)[Amazon][bk-1]読了。六世紀のイングランドを舞台に、少年の成長とローマからサクソンへと移り変わる社会の変動期を描く歴史小説。

 十四歳の少年オウェインは、サクソン人の侵入に抗う王のもと民族の誇りと父祖の土地をかけた最後の戦いの途中で昏倒し、気がついたときにはただひとりの生き残りとなっていた。ともにやってきた父と兄の遺体を確認したのち、かれは、王の猟犬ドッグとともに最後に軍団が集ったウィロコニウムの街を目指して歩き始める。戦闘で負った傷が悪化し倒れたオウェインを救ってくれたのは、サクソン人から逃れて農場を営む陶工夫妻だった。息子としてともに暮らすようにと誘う夫妻に別れを告げて、ふたたびウィロコニウムに向かうオウェイン。しかし、かれを待っていたのは荒れ果てて無人の、とうに見捨てられた街でしかなかった。自分の世界が終わってしまったことをようやく実感したオウェインは、廃墟となった街でただひとり暮らしていた孤児の少女レジナと出会う。

 淡々とした簡潔な文章で描き出される情景に、しみじみ〜といたしました。
 異民族の侵入によって、それまでの自分の世界が壊滅してしまうという悲壮な体験を経て、絶望し、それでも懸命に生きることをやめずに前進しようとする少年。おなじときを経験した犬との同志的なつながり。自分よりもさらに過酷な運命を生きてきた少女との出会い。過去との決別。苦渋の決断の末に受け入れた過酷な運命の果てに、異質な侵入者でしかなかったサクソン人との心理的な距離が、すこしずつ縮まってゆく数年間。ケルトの風俗と北欧系の文化が交わっていく日常の描写も興味深いです。白馬テイトリのエピソードが神話的で印象的。
 ブリトン人のおじいさんエイノン・ヘンの、時代を俯瞰して見る広く柔軟な視点によって、オウェインが自分の生きている時代を感じとるシーンは、支配者が代わり社会は移ろっても、断ち切ることのできない流れがあることを感じさせます。いっぽう、オウェインの個人的な人生も、ほかから切り離された孤独なものではなく、たしかに時代とともに歩んできたんだということに思い至らせてくれる。感慨深いシーンでした。

 ところで、度重なる苦難のもとでもなおかつ前を向き、生きていこうとする力は、いったいどこからわいてくるものなのだろう、と思います。オウェインは自分の属している世界が終わってしまったと感じたのち、変化していく時代を徐々に受け入れていきますが、そこには悩みやためらいや苦い思いはあっても、絶対の拒絶、死という選択肢は始めからないように思えるのですよね。いまなら状況の変化に適応できず、精神的に参ってしまう人が続出しそうなんですけど。というか、あらためて思い返しても、サトクリフのお話の登場人物は、ほとんどが精神を病んでもおかしくない過酷な状況にいますわね。でも、みんな自分で自分の道を歩んでいく。転んでも起きあがる。強いよなー。この強さが、サトクリフの物語を気高いものにしているんじゃないかな。なんというか、人間としての生命力の強さなのかなー。ただ強いんじゃなくて、しなやかにしたたかに強いの。

 それから、オウェインはイルカの紋章指輪の継承者でもあります。というわけで、この本はサトクリフの「ローマン・ブリテン」シリーズの掉尾を飾る作品であるらしいです。うーん、そういわれてもどれとどれがそうだったかなんて、すっかり忘れておりますが……。一度時系列順に並べてみようかなー。

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よく降るなあ 2004.10.5(火)

 またも雨です。朝から晩までずーっと降りつづけている。こういう状態は最近無かったような気がします。おまけに寒い。妹の熱は病院に点滴に通ったおかげでなんとか下がった模様。しかし、ここで無理をさせるとまた悪化するかもしれない。というわけで、今日も姪はやってきた(苦笑。

 榊一郎異端者達に捧ぐ鎮魂歌 スクラップド・プリンセス3(富士見ファンタジア文庫.1999.302p.520円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界ファンタジーシリーズ「スクラップド・プリンセス」の三冊目。『赦されざる者達の騒動歌 スクラップド・プリンセス2』のつづき。

 世界を滅ぼすと予言された〈廃棄王女〉である十五歳のパシフィカは、ともに育った血のつながらない双子の兄姉シャノンとラクウェルとともに逃避行の旅をつづけている。ラインヴァイン王国の外辺境へと脱出するためモスバーグ河を渡ることにした一行は、準備のために逗留したイースト・モスバーグの街でベルケンスという大男に出会う。マイゼル教の異教検察官だと判明したベルケンスだったが、卵料理をおごってもらったパシフィカはすっかり仲良くなってしまい、三人は素性を隠したままかれの雇った船に同乗させてもらうことになった。

 図書館の書架にあったので(以下略)。深く考えずに読める一冊。少々物足りなくはありますが、すっきりとまとまったストーリー。主役の三きょうだいはみんな生き生きと書かれてますが、私はラクウェルの繰り出すとんでもない魔法が愛嬌があって好きです。

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どろーん。 2004.10.3(日)

 妹が風邪ひいて一時摂氏40度ちかい熱を出して一週間。甥と姪の世話に明け暮れてます(現在進行形)。毎日子守、毎日テレビアニメ、毎日デカレンジャー。頭も身体もへとへとです。はやく元気になってくれよう。

 金蓮花銀朱の花(集英社コバルト文庫.2004.235p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界を舞台にした、すこしハードな乙女向けメルヘン。

 辺境の村に住む十四歳の少女エンジュは、生まれ持った異相のためひとびとに忌避され疎まれてきた。愛し、庇護してくれた両親を失ったのち、エンジュは叔父夫婦にひきとられたが、ひどく蔑まれたあげく下女としてこき使われるようになった。彼女のことを心配してくれるのは従兄弟であるタスクだけだ。内乱が終わり、新国王によって人足仕事から解放されて帰還したタスクの社会について語る言葉は、外の世界に疎いエンジュには理解の外だ。そして、自分が成人する二年後まで待ってほしいという言葉も、ひどく現実味のうすい話としか考えられない。自分は希望などもってはいけないのだと、エンジュは思っている。しかし、ある日、王都からやってきた国王の遣いがつらく苦しかった彼女の運命を変える。かれらは異相のエンジュを「聖なる乙女」と呼び、国王のもとへ来てほしいと頼むのだった。

 図書館の書架にあったので借りてみました。大甘王道シンデレラ物語かとおもいきや、かなり展開はハード。けなげなヒロインが苦境から脱出するかと見せかけて、そこにはさらに非道な運命が待ち受けているのですね。全体的な雰囲気はやさしげで、話の収まるところも一見前向きな乙女向けストーリーなのですが、途中けっこう残酷な性的エピソードが挟まれています。こういうエピソードはあまり簡単にあつかってほしくないなあ、というのが個人的な感想。籠の鳥のエピソードは、金蓮花らしくていいなと思いましたが。この展開でラストをこうおさめるのはちょっと強引なのではという気がする。それもなんだかちょっと尻すぼみな感じだし。すべてが終わった後の晩年の後日端みたいな、淡々としたラストのせいだろうか。ヒロイン、まだ十代なのになあ……。それと、エンジュと王様の話なんだと思っていたんですが、じつはエンジュとアリシアの話だったような気がする。最後まで「聖なる乙女」の存在意義がわからないのも不満。異相は、エンジュの運命を翻弄するためのたんなるアイテムなのでしょーか。
 そんなわけで、ひといきで最後まで読みましたが、どうも釈然としないんですよね、読後感。金蓮花の話にはよくあることだけど(苦笑。これってつづきがあるのかー。それを読んだらすっきりするのだろうか……。うむむ。

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