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2004年6月のdiary

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2004.6.2 赤い手袋を手に入れた/『天より授かりしもの』
2004.6.5 /『キーリ 4 長い夜は深淵のほとりで』
2004.6.7 「トロイ」/
2004.6.11 とても待ち遠しいらしい/『楽園の魔女たち〜楽園の食卓 前編〜』
2004.6.12 「なにかを手に入れたくて」/『カオス・レギオン 03 夢幻彷徨篇』
2004.6.14 球団合併/『君の嘘、伝説の君』
2004.6.16 時間がないのは何のせい/『七姫物語 第二章 世界のかたち』
2004.6.18 私的日傘の条件/
2004.6.29 急降下/『しゃばけ』
急降下 2004.6.29(火)

 だらけてます。
 別サイトを移転してからもうじきヒト月。こっちも九月一杯までに移転しなくちゃならないんですが、どうにもこうにもやる気が起きません。
 開設四周年に読書遍歴のつづきを更新しようと思っていたのですが、なかなか書き上がらずに日々だけが過ぎてゆく。手をつけてそろそろ一ヶ月たつというのに。
 そしてベイスターズはとうとう所定の位置へ。今年はヤクルトと中日に決定的に弱いんだよねえ。この二チームと順繰りに当たっている限り、調子はどんどん下がる一方かも。先日の広島戦大逆転負けで、すっかり熱意が冷めてしまった。今年のペナントはもう終わりか?

 畠中恵しゃばけ(新潮社.2001.250p.1500円+税)(文庫版[Amazon][bk-1])読了。とぼけた味わいの幻想伝奇小説。第十三回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作品。

 江戸で廻船問屋と薬種問屋を営む大店の長崎屋。商売は繁盛していたが、十七になる若だんなは生まれたときから体が弱く、たびたび寝込んでは生死の境を行ったり来たりしていた。そんなかれに五歳のころから付き添って、世話を焼いているのが仁吉と佐助。五歳ほど年上のふたりの手代は、若だんなを囲い込むように大切に扱うが、そのやり方がどうも世間の常識から外れている。じつはふたりはひとではなく、どうしてか祖父が連れてきたあやかしなのである。ある日、過保護なふたりの手代に隠れてこっそりと夜に他出した若だんなは、帰り道で刃物を持った強盗に出くわしてしまう。

 なんだかとっても楽しい本でした。
 出てくる妖怪がおどろしいというより可愛いからかな。顔は怖いけど小さな子供みたいな鳴家とか。へそまがりで根に持つ付喪神の屏風とか。
 若だんなは千両役者にもなれそうな美少年らしいのに、そういう描写がいっこもなくて、自分の力なさに歯がみする青少年で、やっぱり可愛い。
 時代物で妖怪がたくさん出てきて、殺人事件があって、捕物帖みたいになるのかなーとおもいきや、最後はきっちりとファンタジー。
 軽妙な文章でするすると読める。みんなで甘いものを食べるシーンが何度もあるのが、ほのぼのとした味わいです。

私的日傘の条件 2004.6.18(金)

 今欲しいのは日傘です。黒い日傘。今流行のショートタイプ。
 白っぽいので折り畳みのものは持っているんですが、もうかなりの年季もので折り皺が薄くなって穴が空きかけているので、そろそろ新しいのが欲しい。
 で、最近売場に出没中。
 前の一本を購入したときはいくら探しても黒いのは見つからなかったんですが、紫外線防止には黒がもっとも効果有というのがすでに定説となり、売場の半分くらいは黒の日傘が占めているようです。
 しかーし。
 どうして日傘のデザインってフリルとかレースとかが多いんでしょうね。
 私が欲しいのはシンプルカジュアル。ジーンズはいてる時にさしても違和感を感じないデザインなのに、そんなのには滅多にお目にかかれない。
 さらに、どうして日傘にはジャンプ傘が少ないんでしょう。
 握力のない私は、あのガチッとした金具はさすときはまだいいけど、閉じるときにものすごく苦労する。指を挟んだりするととっても痛いし哀しいから、あんまりうれしくないんですけど。
 それからもうひとつのハードルは価格です。ちょっといいかなと思うと、ン万円。デパートで探すとお値段がよろしすぎるのでスーパーに河岸をかえてみたら、今度は他の条件がクリアできないよー。
 いま使用している日傘のように、夏の終わりのバーゲンまで待って買ったほうがいいのでしょうか。

 以上購入。
 写真につられて買った後、アイルランドじゃなくてスイスのごちそう本のほうが目的に近かったかもと、すこし後悔。
 『ファインディング・ニモ』[Amazon]の発売日だったらしく、あっちでもこっちでも売っていたけど、面白いのでしょうか。甥姪に買ってやったら喜ぶかしらん?

時間がないのは何のせい 2004.6.16(水)

 最近時間に余裕がないのはナイター中継のせいだ、ということが今頃になってわかってきました。
 ナイター中継がないときとあるときとでは、生活パターンが全然違うのです。
 私は基本的に地上波の中継しか見られない。だからベイスターズが地方に巡業(ちょっとちがう)に出ると、とたんに余裕が戻ってくる。つい先日まではほとんど中継カードがなくて雨で中止もあったりして、かなり暇だった(雨の中延々つづけて、相手チームに恨まれた試合もありましたが)。というわけで、少し本が読めました(このところあげていた感想は、先週貯めたものだった)。

 今週はちがいます。対G戦はどこでやっても中継がある。テレビ中継が時間の都合で途絶えても、まだラジオ中継が残っている。火曜日の試合は投手戦だったのでわりと速く終わった。しかし、それでもふだんより三十分遅く風呂に入った。本日は打撃戦。風呂の時間はゆうに二時間遅れ。睡眠時間も削られている。だから本が読めない(ストックが無くなったのでまたしばらく更新なしかも;)。
 しかし。それでも、勝ってくれれば幸せな一日なのです。ふだんはあまり勝ち負けを問題視していない私だけど、なぜか対G戦だと違う。本日はFマリノスも勝ってくれたし、心持ち気分が明るくなりました。我ながらお手軽だとおもいます。

 できればこのまま前回三タテ食らった屈辱をはらして欲しいものです。が。問題は先発投手です。明日、投げるのは誰だ。まったく名前が思い浮かばない……。

 高野和七姫物語 第二章 世界のかたち(メディアワークス電撃文庫.2004.278p.570円+税)[Amazon][bk-1]読了。少女視点の淡々としてたおやかな筆致で戦乱の時代を描く、異世界ファンタジー。『七姫物語』のつづき。

 七人の宮姫による後継者争いの最中にある国、東和。四宮ツヅミに擁された琥珀姫を流刑とした、空澄姫を擁する七宮カセン。最年少の宮姫が開いた戦端に、均衡状態を保っていた他の宮姫と彼女たちを擁する都市もおのおのの望み、志に従って動きはじめる。空澄姫と彼女の侍女を同時に演じる孤児の少女カラは、軍師トエと武人テンとともに、カセンの都市内で冬祭りを迎えようとしていた。

 みずみずしさの感じられる文章で淡々と描きだされる情景がうつくしい物語。
 ものすごくシビアな状況で話は進んでいくのに、このしなやかというかやわらかというか、そんな文章のおかげで殺伐としないところが、この話の特徴か。ヒロインであるカラの素直だけれど芯の強い、そして何ごとに対しても偏見を持たずにありのままに受け入れてゆくまなざしが、ここちよいです。
 カラのキャラクターはときにあまりに出来過ぎているのではと、感じてしまうこともあるけれど、彼女は幼いながらにすでに共犯者で、自分がなにをしているのかはきちんと自覚している。そのあたりの緊張感が、彼女をどんどん成長させていくのですね。
 考えてみると、道徳的にはあんまり誉められた話ではないのだが、その信念にのっとった嘘の付き方あたりがいかにも動乱ものっぽくて好きです。生きていくためにはいろんなことをしてゆかなければならないけれど、なにをするかを選択するのは自分。そしてその選択の結果は自分の責任として引き受けていく覚悟が必要なんだよと、そういうことなのでしょう。

 ところで、話はまだまだつづいておりますが、つづきはまだ出ていない模様。他の宮姫様たちの個性もわかってきたところなので、はやく読みたいんですけど。

Amazonでサーチ>>『七姫物語』既刊

球団合併 2004.6.14(月)

 最近、いろんなところでいろんな事が起きるので厭世的になり、もう少々の事件では驚いたりしないような気持ちになっておりましたが、こんなところの事件だとまだ充分に驚くことができる自分を発見。
 近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブが合併?!!!(イクスクラメーションマークの多さが私の驚き度をあらわしている;)

 選手やコーチなど、現場の人たちはものすごく不安だろう。気の毒だ。ファンだって不安です。親会社が変わるというだけでも相当にショックなんですから(それに、近鉄ファンとオリックスファンはまったくことなる気質の人たちという気がする。そのへんも複雑だ)。

 けれど、現状の日本プロ野球のシステムがこのまま変わらないならば、この先もこういうことが起きるのかもしれない、とも思う。新聞には一リーグ構想再浮上とありましたけど、一リーグしかなかったらオールスターも日本シリーズも出来なくなっちゃうんですよ。つまらないじゃないかー。オールスターはともかく、日本シリーズは存続して欲しい。横浜が日本シリーズに出たときの感動は忘れられないですよ。
 もっとプロ野球界全体が共存繁栄できるようにいろいろと改革できないものかな。特定球団が全体をふりまわし周囲もそれに追従しているような、いまの仕組みはフェアじゃないし、試合を面白くもしていないと思いますのですが……。

 しかし、そんなことはもう、ドラフトやらなんやらが問題になるたびに思ってきたし、マスコミでも何度も取りあげられているのに、全然前向きな方向に動いている気配がないですからね。そのうち日本プロ野球は消滅するのかもしれません。←厭世モード復活。

 そうしたら、私はFマリノス(ここにも合併球団が;)の応援に専念するだけですが。

 清水マリコ君の嘘、伝説の君(メディアファクトリーMF文庫.2003.263p.580円+税)[Amazon][bk-1]読了。現代青春ファンタジー小説。

 浅井操は中学二年になったばかり。クラス替え早々の授業で読書感想文を読まされることになり、居心地の悪い思いを味わったが、その後、ある女子生徒に作文をくれないかと頼まれる。人形のような容姿をして、ふしぎな存在感のある彼女は、神鳥智奈。操は智奈の存在をそれまでまったく知らなかった。とはいえ、いつもつるんでいる高見以外の人物とはあまり交流を持たない操にとって、ひとりの女子の存在を知らないことなどまったく特別なことではなかったのだが――。

 『嘘つきは妹にしておく』が面白かったので借りてきた本。
 現実的な存在感を持たないふしぎな少女と交流するうちに、現実と嘘の境界があいまいになっていくような感覚は、ひきつづき。都市伝説や特定世代の伝説を絡めて、この本のほうがより辻褄のあった結末であるように思います。登場人物たちの日常が、いかにも普通に暮らしている人間らしいところが好感度高し。その合間にふっと訪れる一瞬の夢のような時間が印象的。

「なにかを手に入れたくて」 2004.6.12(土)

 二ノ宮知子『のだめカンタービレ 9』[Amazon][bk-1]、妹が買ってきてくれたので、さっそく読みましたー。期待にたがわず、面白かった。コンクルは、まあ予想通りの結果といえばそうなんですけど。でも、わかる人にはわかってもらえたって感じですね。努力は報われたというか。後半少しダレた気がしたけど(のだめの家族の話のあたり)、でも読み返したらそこらへんでも笑いましたです(のだめ家族に翻弄される千秋。うぷぷ)。
 そして、この次からはパリが舞台なんですねー。パリ在住ののだめ……なんか、想像つかない(笑。次巻は九月発売なんだそうで……こんな広告が載ってるコミックス、初めて見た気がする。それとも、最近はこれが普通なのか。

 四回読んだあとで妹に貸したので、またしばらくはブラームスと既刊で楽しみます。

 冲方丁カオス・レギオン 03 夢幻彷徨篇(富士見ファンタジア文庫.2004.256p.495円+税)[Amazon][bk-1]読了。『カオス・レギオン 02 魔天行進篇』のつづき。

 聖法庁配下のただひとりの黒印騎士団員ジーク・ヴァールハイトに匹敵するため、敵対することを選んだ聖地シャイオンの少年領主レオニス。かれはジークに恨みを持つ複数の人間を集め、刺客として送り込んだ。刺客たちの用意した舞台は、増殖器の暴走で魔獣の巣窟となった都市ルカである。三日で叩く。そういって封鎖された城壁内に足を踏み入れるジーク。魔獣との戦いの最中、ジークと離ればなれになってしまった従士ノヴィアは、自分とジークに対する疑心暗鬼から、レオニスの刺客の仕掛けた罠にはまってゆく。

 あるがままの自分を受け入れて、自身を取り戻すノヴィアの物語……かな。
 香りによって人の記憶を操る〈銀の乙女〉フロレスがこわいです。過去にジークに妹を殺されたと信じていて、復讐に駆りたてられているわけですが、どうやら他人の記憶だけではなく、自分の記憶も混戦している模様。現在の記憶を失って過去を追想するジークとノヴィア。今回は個人的な葛藤の物語といえるかも。
 記憶は人間をその人たらしめている重要な要素。記憶を変えるということは過去を改変される、ひいてはその人自身が改変されるに等しい、残酷な行為なのですよねー。香りでそんなことできるのか、しかもピンポイントで、というような疑問は置いておいて、記憶が変質して人格も崩壊するという出来事は、実際現実に歳をとれば誰にでも起こりうるんだよなーと、作品とすこしべつのところで感慨深かった。

 なんとなく思い出されたのが、梶尾真治の『サラマンダー殲滅』(上[Amazon][bk-1]・下[Amazon][bk-1])。記憶を扱っているという点で。雰囲気とかはちょっと、いやかなり違いますが。

Amazonでサーチ>>カオスレギオン」既刊

とても待ち遠しいらしい 2004.6.11(金)

 本日は『のだめ』9巻の発売日ですね。
 昨日通院帰りに、あわよくばフライングで店頭に並んでいないものかと期待して探したんですが、残念ながらありませんでした。本日は出かける予定がないし、というより家にいなければならない用事があるので、手に入れられまへん。というわけで、明日出かける予定の妹に託しました。

 かわりに、『ブラームス 交響曲第一番』[Amazon]を買ってきてみたり。R☆Sオーケストラの初公演で演奏していた曲です。交響曲って、長いなあ……。第一番しか入っていないCDを買ったんですけど、もったいなかったかなどと後悔したりもしたんですけど、いまのところ一番だけで充分です。

 ところで、妹と、クラシックのコンサートに行ってみたいね〜という話をしていたら、いつのまにか東京ドームに泊まりがけでプロ野球を見に行きたいという話に変化していた。でも、必ず楽しく終わるとは限らないのが野球観戦の哀しいところなんだよな。最近じゃエースもあてにならないし(というより、エースと呼べる存在がいるのか;)。

 樹川さとみ楽園の魔女たち〜楽園の食卓 前編〜(集英社コバルト文庫.2003.256p.495円+税)[Amazon][bk-1]読了。『楽園の魔女たち ミストルテインの矢』のつづき。

 楽園の魔女たちは、魔術師組合の昇級資格試験を受けていた。ところが、どうやっても突破できそうにない不可能な課題ばかりを課され、全員が途中棄権をしてしまった。結果を待ちながら、この試験は自分たちに対するいやがらせではないのかと話し合う魔女たち。そこに入った突然の依頼で試験の審査は中断。魔女たちは緊急出動を要請される。依頼者は、魔女たちのひとりダナティア皇女殿下の三番目の兄にして宿敵である、帝国のレイトワ皇子だった。

 このシリーズ、久しぶりに読んだ気がする……と思ったら、去年の七月以来だったのですね。久しぶりなはずだ。予約を入れるのをコロリと忘れていたのですが、書架で見つけて借りてきました。このタイトルで完結なのだそうです。すでに中編まで発売されていた気がする。
 殿下とサラとエイザードの決着(……って書くと三角関係みたいだ;)がついたところで、この話は終わるのかなあと想像しているんですが、殿下とサラの方にはすこし進展があったけれども、エイザードはなにをしているんでしょうか。もったいつけた展開(? 書き方?)が憎らしいです。もうすこし説明が欲しい、と思うのは私の物覚えが加速度的に低下しているせいでしょうか。暗黙の了解ごとが多すぎると感じてしまう。
 ファリスちゃんのどこまでもどこまでも純朴な人柄がたのしいぞ…。

Amazonでサーチ>>『楽園の魔女たち』既刊

「トロイ」 2004.6.7(月)

 梅雨に突入してじめじめと蒸し暑い中、友人と一緒に映画鑑賞に行ってまいりました。
 今回見たのは『トロイ』。
 太陽の眩しい、いかにも乾燥してそうな、埃っぽくて暑い映画でした。
 セットは豪華、衣装も絢爛でしたが、なんといっても、登場人物達の肉体が暑苦しい、いや、素晴らしい。

 主演のブラッド・ピットは以前からいいカラダしてるなあと思ってましたが、知性派ふうのヘクトル役のエリック・バナもじつは筋肉隆々。子犬のように兄ちゃんを頼りにしているパリスのオーランド・ブルームだって、けしてひょろりとしているわけではありません。
 アキレスとヘクトルの一騎打ち場面はものすごい迫力でした。でも、あきらかにアキレスの方の動きがはなやかに演出されてましたね。

 洋画を見た後で日本のテレビを見ると、役者の身体の違いに愕然となります。某大河ドラマの剣士のひとりなんて、あんな細い頸で剣が振れるかーと見るたび思う。ハリウッドの映画スターって、肉体を維持するのにいろいろとやってんだろうなあ……。

 はっ。映画の感想になってませんが。

 ギリシア神話をほとんど忘れていたので、名前を覚えるのが大変でした。それに英語読みの違和感が拍車をかける。ショーン・ビーンが登場したとき、ちょうど前の席のおじさんが身動きしたせいで字幕が見えなかったんですよ。で、しばらくボロミアは何の役をやってんだろーと考え込んでしまいました。ヘレンじゃない方のヒロインの名前は思い出しては忘れるし。かわいかったけど。

 全体的な感想は、にいちゃん、可哀想だなあ。よっぽど弟のことが可愛かったんだねえ。でした。弟はかなり可愛かったので見捨てられない気持ちは分かりますが。しかし、あのあとトロイは誰が統治したんでしょーか…。

 観賞後、お茶とケーキを楽しみながら、なぜか話題はプロ野球のことばかりだった(苦笑。

 2004.6.5(土)

 ↑今週のお買い物。
 それと本屋で見つからなかったロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』[Amazon][bk-1]をe-honで注文。

 壁井ユカコキーリ 4 長い夜は深淵のほとりで(メディアワークス電撃文庫.2004.317p.570円+税)[Amazon][bk-1]読了。ノスタルジックな雰囲気の遠未来SFファンタジーシリーズの四冊目。『キーリ 3 惑星へ往く囚人達』のつづき。

 ハーヴェイがなにも告げずに姿を消して一年半。キーリはベアトリクスと兵長との生活をつづけていた。なんの連絡も寄こさないハーヴェイは生きているのか死んでいるのかもわからない。いや〈不死人〉だから、たぶん生きてはいるのだろうけれど。キーリは自分が十六になったことを主張することもなく、なんとなくハーヴェイに腹を立てながら、表向きは淡々と日常を過ごしていた。そんなある日、ベアトリクスがキーリの母についての手がかりを受け取る。三人はウエスタベリをめざして旅を始めた。

 返却期限ぎりぎり滑り込みで読んだ本。実物で確認がとれないので、あらすじがかなりいい加減かも知れませんが、ご容赦を。
 今回はキーリとハーヴェイが再会し、自分にとってのお互いの存在を確認し合うお話、でしょうか。
 キーリにとってハーヴェイと自分との間におかれた異物がベアトリクスであるならば、ハーヴェイにとってのそれはあの少年(すまん名前忘れた)なんだろな。
 なんとなーく、恋愛めいた方向に話が進みつつあるのかなあ。わたしは、女の子と生きることに疲れたおじさん(;)の交流、という雰囲気でこの話を受けとめていたので、認識を改めたほうがいいのかと思いはじめているところだったりします。
 ベアトリクスの威勢のいいキャラクターが、旅の雰囲気をハーヴェイとの淡々としたものとはちょっとだけ違うものにしていて、変化があってよかった。
 途中の無人駅でのエピソードや、キーリの母親のエピソードは、ノスタルジックでとてもいい雰囲気でした。  

Amazonでサーチ>>『キーリ』既刊

赤い手袋を手に入れた 2004.6.2(水)

 ↑というのは冗談。土曜日に小学校の運動会に行って、日焼け止めを塗り忘れた手の甲がまっかっかに灼けたというお話でした。五月の陽射しは強い。日焼け止めを塗って帽子を被っていた顔も、一段階は確実に黒くなってしまいました(T.T)。しかも、ものすごーく暑かったんで、「曇って気温はそれほど高くならない」と予想した気象予報士を逆恨みしました。でも、翌日はもっと暑かったんだよな。

 その後、鏡を見るたびぼろぼろになった肌にため息をついてます。夏を迎える前にこんなになってしまっては、これから先が思いやられるというもの。手の甲の赤さは薄らいできましたが、黒く変化しているだけともいう。そうだ。ここ数年本格的な日焼けをしていなかったから忘れかけていましたが、私って灼けると黒くなる質だったのだ。やばいです。

 アン・マキャフリー(赤尾秀子訳)天より授かりしもの(創元推理文庫.2004.124p.540円+税 Anne McCaffrey "AN EXCHANGE OF GIFTS",1995)[Amazon][bk-1]読了。中世ヨーロッパ風の世界を舞台にした童話めいた中編。

 王国の王女ミーアンは、自分の天より授かった才能、天賜(ギフト)を否定され、とある男爵との婚姻を厭って出奔した。めざすのは、昔やさしかった父親とともに訪れた森の狩猟小屋。今は見捨てられた荒れ放題の小屋で、ひとりで生き抜こうと決意していたミーアンだったが、お姫様育ちでなにもできない自分を自覚して途方に暮れる。そこに、ウィスプと名乗る不思議な少年があらわれ、協力を申し出た。

 文庫にしては薄くて、ページに飾り絵がついていて、絵本のようなおもむき。
 話自体も、あまり密度が濃くなく、ささやかなおとぎ話といった印象でした。
 ミーアンがおかれていた立場が回想でしか語られないからかな。彼女がギフトによって虐げられていたことがあまり実感できない。童話だから深刻にならないようにつづっているせいかもしれませんが。ウィスプとの関係があいまいなまんま、それで最後にこうなるのも、なんとなく釈然としなかった。なんか、以前マキャフリイの短編で似たような展開の話を読んだことがある気がするんですが……あまりに昔のことなので思い出せません。
 とりあえず、おとぎ話の雰囲気を味わうことはできましたが、ミーアンのギフトをもっとあざやかに描いてくれると嬉しかったかなあとは思います。

 ミーアンのフルネームからすると、スペインあたりが舞台なのかと推測。描写にこれといった特徴があるわけではないのですが。


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