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2005年5月のdiary

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2005.5.5 ゴールデンウィークとは無縁な私/『GOSICK 2 その罪は名もなき』『約束の柱、落日の女王』
2005.5.7 パソコン観戦は疲れます/『All You Need Is Kill』
2005.5.10 だる/『風と暁の娘 パンツァードラグーンオルタ』
2005.5.14 寒いのですが/『銃姫 2 〜The Lead In My Heart〜』
2005.5.17 /『女神に守られて 女騎士・アランナ2』
2005.5.20 大きなアリ/『トリニティ・ブラッド Rage Against the Moons2 サイレント・ノイズ』
2005.5.23 /『影のオンブリア』
 2005.5.23(月)

 パトリシア・A・マキリップ(井辻朱美訳)影のオンブリア(ハヤカワ文庫FT.2005.398p.760円+税 Patricia A. McKillip "OMBRIA IN SHADOW",2002)[Amazon][bk-1]読了。古き都の過去と現在、光と影が交錯する、上品な味わいの陰影深い異世界ファンタジー。

影のオンブリア

Amazonでサーチ>>「パトリシア・A・マキリップ」既刊

 この世で一番古くきれいで力ある、豊かな都。影の分身を持つという都オンブリア。しかし、大公は死に瀕し、妾妃リディアはいまだ幼い嫡子カイエルと自分の今後を案じていた。都は、ひとが覚えているかぎり昔からそこにいる、得体の知れない老女ドミナ・パールの手に落ちようとしていた。孤独な少年の味方になってくれるのはだれだろう。大公家の庶子デュコンは、唯一ドミナに屈せずにいるように見える人物だ。カイエルにもやさしい。しかし、相手は冷酷な黒真珠である。どれだけあてになるものかはわからない――。けっきょく大公の死とともに宮殿を追い出されてしまったリディアは、父親の酒場ではたらくうちに、影の都の住人である魔女フェイの使用人、“蝋人形”のマグと知り合うことになる。

 『妖女サイベルの呼び声』[Amazon][bk-1]のマキリップの、久しぶりの新刊。喜び勇んで購入し、それはちまちまとゆっくり時間をかけて堪能させていただきました。たんに読むのが鈍いという噂もありますが。
 おかげでスピード感はほとんど味わえなかったんですけど、それを補ってあまりある幻想に浸りました。幾層も重なった世界があちこちで顔を出し、知らぬ間にうっかり踏み込んでしまったり、入ろうとするとみつからなかったり、時間の進み方が違ったり。こういうの好きなんですよね。迷子のときの恐怖を取り去って、幻惑と酩酊感だけ抽出したような、ふしぎな感触の物語です。

 全体的にリアリティーより虚構性がまさっているというか、いちおう、敵役として正体不明の老女ドミナ・パールが出てきますが、あくまでも悪という現象の象徴。冷酷な所行もさらりと流されて、どことなくかわいたおとぎ話の趣があります。
 ロマンス色があまりないぶん、感情移入のしどころが難しいような気もしましたが、私は魔女の蝋人形として育てられた少女マグを読むのが楽しくて、まったく問題はありませんでした。

 最終的には、オンブリアという都の、死と再生の現場にまきこまれた人々の、右往左往の物語、だったのかな。最終局面でおおっと思い、そして納得。そうだったのかあ、という感じです。魔女フェイの貫禄がとても好ましく印象に残りました。たいへんおもしろかったです。

 個人的には、オンブリア宮殿の中を手燭を持ってうろうろと歩いてみたい。迷子になりそうだけどね。

大きなアリ 2005.5.20(金)

 きのうはものすごく蒸し暑くて、さっそく寝冷え風邪などひいてしまいました。
 買い物に行くときにも風はないし、雲が頭上を覆っていて熱がこもっている感じで、倒れそうだったです。

 驚いたのは、普段見かけない巨大なアリがあちこちを徘徊していたこと。
 二メートルも進むと一匹はかならず足もとをうろついているため、ついうっかりと何匹も踏みつぶしそうになりました。たぶん未遂だと思うのですが。家の周辺だけかと思ったら、商店街までの道すがら、アリとの出会いが延々とくりかえされたのでだんだん妙な気分になってきた。

 普段からふつうサイズのアリはけっこういるんですよ、このあたりは緑が多いので。しかし、黒光りした巨大なアリがこれほどまでにおおぜいで闊歩しているのを見たのは、初めて。突然の陽気でアリになにかが起きたのでしょうか。地震の前触れかと不安になったりして。

 というわけで、たいへん薄気味悪い思いで帰宅したのですが、本日は気温が下がったためか、巨大アリの姿はほとんど消えていました。……いったい、なんだったのだろう。

 で、ネットで調べてみたところ、こんなサイトを発見。→【日本産アリ類画像データベース】。日本産アリ類データベースグループというアリの研究者や写真家の方々が作成されている、画像付のアリのデータベースです。すごい。あたりまえだけどアリばかりだ!
 しかし、私が見たアリがどれなのかはよくわからなかったです。もっとちゃんと見ておけばよかった。大きさからいったらオオアリかなとは思うんだけど……それでも画像よりでかかった気がするんだよな。

 吉田直トリニティ・ブラッド Rage Against the Moons2 サイレント・ノイズ(角川スニーカー文庫.2002.281p.514円+税)[Amazon][bk-1]読了。遠未来吸血鬼退治アクションシリーズ『トリニティ・ブラッド』の「Rage Against the Moons」第二巻。『トリニティ・ブラッド Rage Against the Moons フロム・ジ・エンパイア』のつづき。

トリニティ・ブラッド
吉田 直
角川書店 (2002.1)
通常2〜3日以内に発送します。

Amazonでサーチ>>「トリニティ・ブラッド」既刊

 吸血鬼とたたかう神父たちの活躍を描く、ゴシックな未来アクションシリーズ。基本的に「Rage Against the Moons」が連作短編で「Reborn on the Mars」は長編みたいです。しかも、連作短編には番外編のようなものがあるという、私にとってはわけのわからなくなる要素がてんこもりの込み入った構成です。もう、こういうときには余計なことは考えず、話を追うだけとなります。

 この巻は、あらたな味方の破天荒なキャラクターと、高周波破砕機(……だったかな、うろ覚えだ;)をもつ正体不明の敵との戦いが主軸。ストーリー展開がはやくて、余計な心理描写はなくサクサクとすすむので、読みやすかったです。

 しかし、前回壊れた〈殺戮機械〉トレス・イクスくんが前半修理中で出番がなく、ご登場までかなり読みたい気分が薄かったことをここに白状しておきます。

 どうやら私は、主役と思われるアベル・ナイトロード神父があまり好きではないらしい。なぜかはよくわからないのです。普段は昼行灯で緊急時に変身するタイプって、もともとはけっこう好きなはずなんですが。本来好かない、過去にうじうじととらわれている剣の達人(すみません、名前もふたつ名も忘れてます)の話のほうが面白く感じる理由も知りたいものです。

 というわけで、『トリ・ブラ』(と略すらしい)は私にとっては謎のシリーズです。理由がわかるまで読んでみようかなと思ってます。

 2005.5.17(火)

 タモラ・ピアス(本間裕子訳)女神に守られて 女騎士・アランナ2(PHP研究所.2004.320p.1500円+税 Tamora Pierce"IN THE HAND OF GODDES",1984)[Amazon][bk-1]読了。女の子向け異世界ファンタジー「女騎士・アランナ」シリーズの第二巻。『冒険のはじまりしとき 女騎士・アランナ1』のつづき。

女神に守られて―女騎士・アランナ〈2〉

Amazonでサーチ>>「女騎士アランナ」既刊

 性を偽って騎士をめざすアランナの、試練を受けるまでの日々を描く第二巻。あいかわらずのジェットコースターな展開で、あっというまに読めました。

 一巻では完全に孤立状態だったアランナですが、秘密を共有する人物を得た第二巻ではそのためにさらに性別を意識する機会が増えてきます。しかし、恋にとまどいゆれうごく微妙な乙女心の描写は、はっきりと言いましてかなりものたりないです。大人向けならえんえんと書き込まれそうなところが、すべてあっさりとすまされて、よく言えば読み手に預けられているというか。アランナと王子の関係は、わからなければそれでもいいの、そのままストーリーを追いかけてね、という感じ。たいへんに上品です。このシリーズの対象年齢がよくわかるなあ(笑。

 とはいえ、ストーリーは波瀾万丈でこちらだけを意識していてもけっこう楽しめます。一事が万事で、人間関係や物事の奥深くにはあえて踏み込まない描写なんですが、けしてあさはかではなく、深読みしてもそれほど破綻がない。物語自体がしっかりとしているということなんでしょう。映像化したら俳優の演技でどうとでもなるような。私としては、もっと肉付けされた話を読んでみたいなあと思うのですが。あ、これは一巻目の感想とおなじか(汗。

 しかしなあ、父親がいつの間にか亡くなっていたのにはものすごく驚いたですよ。いくら死んだ母親に心を持って行かれた抜け殻の父親でも、こんなにあっさりと片づけられるなんて可哀想。もともと心理描写は少ない話ですが、家族や故郷への思いまでが希薄にかんじられてしまうのは寂しい気がします。

 ところでこの本、ついうっかりと書誌データをメモらずに返却してしまったため、原書のデータがあやうく書けないところでした。うっかりもので英語の読めない私に救いの手をさしのべ、公式サイトでデータを確認してくださった松木響子さん、どうもありがとうございます。

寒いのですが 2005.5.14(土)

 以上購入。
 昨日今日と、関東南部はえらく寒いです。血行障害でまた足がしびれてきました。ストーブが恋しい。

 『のだめ』はとうとう変態の森に到達してしまった千秋の巻でした。「ミミズをください」に笑った。

 中島美嘉はNHKでやってたアニメーション『火の鳥』のエンディングテーマで気になっていたので買ってみました。CMのタイアップ曲が多いみたいですが、私はCMを見ないひとなんであまり知らない(汗。スケールの大きな曲とそうでないものとの落差がけっこうある気がする。それが嫌とか悪いとかいうわけではありませんが。ふーん、こういうのも歌うのね、という感じです。最近聴いていなかった雰囲気の曲が多めでした。笑い声から始まる曲には毎回ドキッとします(笑。

 高殿円銃姫 2 〜The Lead In My Heart〜(メディアファクトリーMF文庫J.2004.327p.580円+税)[Amazon][bk-1]読了。魔法を銃で発動する、異世界ファンタジーシリーズ、第二巻。『銃姫 1 〜Gun Princess The Majesty〜』のつづき。

銃姫〈2〉The Lead In My Heart

Amazonでサーチ>>『銃姫』既刊

 ううう、困った。またもあらすじが書けません。自分であらすじを覚えておくため(もしくは確認するため)に書いている感想なのに……とほほ。

 とりあえず、私はこのシリーズがかなり好きだと思います。文章も、ごくたまにあれっと思うけどおおむね読みやすいしリズムが好きです。前回感じた、むりやりギャグを書いているようなところはなくなったし、萌えなキャラクターの描き方にもそれほど嫌味を覚えず、具体的には巨乳で音痴なエルウィングに対する拒絶反応がかなり減りました。

 それに、あらたに登場したお兄さんたちが三者三様で楽しかった。当初からの敵役の神父(だったか牧師だったか?)がかっこよかったので嬉しいです。おもに挿絵のイメージだけど(汗。禁じられた世界をしって裏切った兄的な人物だったのね。

 というわけで楽しみました。おもしろかったです。つづきがよみたい。

 そういえば、きのう同著者のべつのシリーズが書架にあったので借りてみようかと思ったら、たぶん第二巻だった……すくなくとも一冊目ではなかったので断念しました。最近のライトノベルはシリーズの何冊目なのかがすぐにはわからなくて困ります。店頭だとカバー折り返しで確認できるんだけど、図書館は透明フィルムの節約のためにその部分を切り落としてあるんですよ……。すみません、貧乏で医療費がかさんでるんで自腹が切れなくて。

だる 2005.5.10(火)

 連休最後の日曜日にスタジアムへ出かけてから調子がよくありません。
 紫外線の浴びすぎでしょうか。それとも、0−18の負け試合を見たからでしょうか。

 五代ゆう風と暁の娘 パンツァードラグーンオルタ(メディアファクトリー.2004.416p.2381円+税)[Amazon][bk-1]読了。遠未来SFファンタジー。ゲーム「パンツァードラグーンオルタ」のノベライズ。

風と暁の娘 パンツァードラグーン オルタ

Amazonでサーチ>>「五代ゆう」既刊

 文明の崩壊した未来の地球。人類は地上の盟主の座を失い、かつて自分たちがつくり出した生物兵器の脅威と戦いながらほそぼそと生きのびていた。
 少女は物心ついたときから幽閉されていた。名はオルタ。だがだれもその名では呼ばない。彼女は村人に〈厄災の魔女〉とされ、人類に災いをもたらす悪魔として拒絶されて育った。ある日、人類の正当なる後継者を自認する帝国の巨大戦艦が、〈魔女〉を欲して村に襲いかかった。あっけなく崩れる幽閉の塔。とらわれようとするオルタを救うべく姿をあらわしたのは、伝説の救い主、青いドラゴンだった。

 五感に訴える迫力ある文章で描き出される、はるかな遠未来の光景と少女の孤独。青空に舞うドラゴンと、スピードと重量感にあふれる戦闘シーン。読み応えのあるゆたかな異世界の物語でした。ゲームのノベライズということですが、ゲーム未体験の私にも十分に理解できる充実度で、これはもう著者自身の世界といっても間違いではないと思います。
 基本的には、自分は何者かという根源的な問いを抱えたオルタと、彼女に寄り添うドラゴンの物語。その基本を膨大な細部とたしかな存在感を持つキャラクターが支え、オルタの謎から世界の謎へと物語は拡大していく。読んでいてわくわくするシーンと、息のつまるような想いを味わうシーンとがつづき、さいごまで緊張感がとぎれませんでした。物語展開はとてもストイックで、余分なシーンがひとつもない。最小限のページ数で最大限の物語を享受したような充実感をあじわいました。

 うーん、もっとなにか書きたいんですが、思いつかない(汗。とにかく、物語世界にどっぷりはまって、堪能させていただきました。

 あとがきにかいてあったのでちょっとだけ言及しますが、私は著者のべつの「パンツァードラグーン小説」を偶然読んだことがありまして、そのときはもっと予備知識がなかったのに本当にひきこまれて、未完であることに泣いたことがあります。その話の直接ではないけどぼんやりとしたその後もなんとなくわかったし、私としては大満足の本でした。元々のゲーム、私がシューティングだのアクションだのの反射神経が要求されるものが壊滅的に下手でなければ(マリオカートすらひとりでは最後までたどりつけない;)、プレイしてみたかったなー。自分でできなくても弟が側にいたらやらせて隣で眺められたのに……。

パソコン観戦は疲れます 2005.5.7(土)

 横浜×ロッテ戦、試合開始が午後一時半で、なのにテレビ中継開始が午後四時で。バカにしてると思いながらYahoo!の一球速報を見つづけていたせいで、すっかり眼精疲労に陥ってしまいました。しかも、四時直前に横浜の大チャンスが潰えてしまってさー。がっくりしながらつづきはテレビでと思ったら、やっぱりチャンスは一度っきりでした。

 たのしかったのは、聞きしにまさるロッテ応援団のど迫力でした。あおられたのか、ライトスタンドも最終回はかなり声が出ていたようです。あー、なんか楽しそう。見に行きたいなあ……。

 桜坂洋All You Need Is Kill(集英社スーパーダッシュ文庫.2004.274p.571円+税)[Amazon][bk-1]読了。

All you need is kill

 本を返却してしまったので、あらすじはパスさせていただきます。

 この本はたしか『S-Fマガジン』のどこかで見たので予約してみたものです。あとになって『よくわかる現代魔法』とおなじひとだと気づいたけどそれははまだ読んでません。

 出だしは、「うわーものすごいウェブ文体」とかなりひき、どうしようかと思ったのですが、話の仕掛けが明らかになるにつれ、次第に話にひきこまれてゆきました。おもしろかったです。冒頭はガンダムみたいなロボットシューティングものの印象だったのが、時間SFだったんですよね。あとがきを読むと「ああ、そうか」とわかるのだけど、コンピュータゲームをした体験そのものが現実になったような感覚でした。なるほど。

 ただ、やっぱり主人公男の一人称はちょっと浮ついていて、ヒロインの落ち着いた一人称との落差が激しいです。どっちかに統一して、釣り合いをとって欲しかった気がしました。でもそうすると、いまの若いひとにはキャッチーじゃなくなるのかな。ヒロインの回想が落ち着いている理由もわかるしな。うーむ。『よくわかる現代魔法』はそのあたり、どうなってるんだろうと思いました。読んでみようかな〜。

ゴールデンウィークとは無縁な私 2005.5.5(木)

 しばらくぶりに美容院にいってきました。頸が痛くてずっと我慢していたんだけど、あまりに髪がぼさぼさになってしまったので、帽子なしでは外を歩けなくなった(汗。でもやっぱり怖いので、たのんでカラーをつけたままカットしてもらいました。美容師さんには申し訳ないけど、ものすごく楽だった。さっさとこうしてもらえばよかったです。

 ゴールデンウィークに入って毎日仕事してたから、ぜんぜん休みという気がしません。唯一のお祭りは、対G戦三連勝くらいか。
 きのうは買い物に行く予定だったけど、予定外の人物がついてきたせいでのんびりと見て回ることが出来なくなって、お茶をする暇もなく帰宅することになってしまった。すこしでも待たされると怒り出す人間は、用事もないのについてくるなー。

 桜庭一樹GOSICK 2 その罪は名もなき(富士見ミステリー文庫.2004.411p.660円+税)[Amazon][bk-1]読了。美少女探偵と助手のキャラクターにほのぼの。気楽に楽しむライトなミステリー。シリーズ第二作。 『GOSICK』のつづき。

GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき

Amazonでサーチ>>『GOSICK』既刊

 本を返却してしまったので、あらすじはパスさせていただきます。

 第一次世界大戦後のヨーロッパの架空の王国で、留学生の日本人少年と高貴な血をひく謎の少女が、一見して本格推理もの風な事件に遭遇するおはなし。硬質な文章で描き出される退廃的かつきらびやかな世界と、少年少女のあいらしい交流がたのしい。山奥の孤立した村で、ヨーロッパにつたわる謎の高貴な民族とヴィクトリカの出自がからみあう物語は、なんとなくゴシックホラーというか横溝風? 自他共に認める優秀な民族が、ヴィクトリカがやってくるまで殺人事件の解決も出来ないのはどうなのかという疑問はうかんだものの、さいごまで面白く読めました。
 時代背景にしたがって、ふたりが未来への不安をにじませてきたのがせつなかったです。

 いわなぎ一葉(かずは)約束の柱、落日の女王(富士見ファンタジア文庫.2004.300p.580円+税)[Amazon][bk-1]読了。第16回ファンタジア長編小説大賞準入選作品。異世界ファンタジー。

約束の柱、落日の女王

 本を返却してしまったので、あらすじはパスさせていただきます。

 数千年前の世界に召還された軍人が、没落の時にある王国の女王と恋に落ちるお話。
 ……。たんに体質にあわないといってしまってもよいものか、見ているものが違うというよりも生きている世界が違うのではと思うほど違和感を覚える文章に翻弄されて、あまり楽しめなかったというのが本音です。この本を読んでからしばらく悩みました。私の日本語ってふつうではないのだろうか、他の人には通じていないのだろうかと。すくなくとも、この本の著者と私はおなじ言葉で微妙に違うものを思い描いているような気がしてならなかったのでした。これって、トシのせいなのかなあ。
 お話的には……歴史を変えてしまってもよいのですか……。この展開を素直に受け入れられないのは、こちらはやはりトシのせいなんだろうなあ(苦笑。


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