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2005.2.3 「王の帰還 SEE」/『運命は剣を差し出す 2 バンダル・アード=ケナード』
2005.2.4 腰痛/
2005.2.7 /『リューンノールの庭』
2005.2.10 /『トリニティ・ブラッド Reborn on the Mars 嘆きの星』
2005.2.14 /『騎士(シヴァルリ)の息子 上 ファーシーアの一族』『騎士(シヴァルリ)の息子 下 ファーシーアの一族』
2005.2.17 お金を使うのって気持ちいいなあ(汗/『GOSICK』
2005.2.21 腕がおもい→不眠/『EDGE 4 〜檻のない虜囚〜』
2005.2.23 /『夜想』
2005.2.25 噛みしめてます/『舞闘会の華麗なる終演 暁の天使たち 外伝1』
2005.2.27 風邪の予感/『ブルーローズの秘密』
2005.2.28 昼食後の出来事/『イルカの家』『マリア様がみてる 特別でないただの一日』
昼食後の出来事 2005.2.28(月)

 昼食にコロッケとメンチカツを半分ずつ食べたら、えらい目に遭いました。胃が重いのともちがって、じわんと気持ち悪いのがつづくんです。おくびも出そうで出ない。あきらかに胃がはたらいてません。最近、油ものを食べすぎたかな。
 なにもする気になれないので胃薬を飲んだ後、正月に放送された映画の、妹が録画して貸してくれたビデオをぼんやりと見てました。

踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
織田裕二

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 いやはや。やっぱり私はテレビシリーズのほうが好きだなあ、と思います。去年の暮れに延々と再放送してたの、つい見つづけて一日を棒に振ってしまったしな(苦笑。

 ローズマリー・サトクリフ(乾侑美子訳)イルカの家(評論社.2004.324p.1700円+税 Rosemary Sutcliff " THE ARMOURER'S HOUSE",1951)[Amazon][bk-1]読了。16世紀大航海時代のイギリスを舞台に、船へのあこがれによってむすびついた少女と少年の交流を、都市住まいの鎧鍛冶師一家の日常とともに描く、児童文学。

イルカの家

 物心つく前に両親を亡くした少女タムシンは、祖母と冒険商人のマーティンおじさんと暮らしていたが、祖母の死後、ロンドンで鎧鍛冶屋を営むギディオンおじさんのもとに預けられることになった。ひとりもののマーティンには女の子は育てられない、という祖母の遺言のためである。船乗りになる願いはけして叶わないのだという現実と直面し、心細いままに故郷を離れたタムシン。迎えいれられたギディオンおじさんの家は美人のおばさんに大勢の子どもたちと犬と女中、徒弟などがいて、とてもにぎやかなところだったが、タムシンは新しい環境になじめずに孤独を噛みしめていた。家族の中で、共感できそうなのは次男のピアズだけだった。あるとき、タムシンは、鍛冶師の徒弟として修行しているピアズが、海と船への強いあこがれを押し殺していることに気がつく。

 四季にうつろう自然の輝きと何気なくつづいていく日常をていねいに描き、ときおりおとずれる非日常の不思議をさりげなくすくいとって心に留めるような。
 ひさびさに児童文学らしい児童文学を読んだ気がしました。なにより、こんなにほのぼのとして日常的なサトクリフは、はじめてという気が。いい意味で事件の起こらない、少女の日常を描いたおだやかなお話です。

 時代は大航海の時代、イギリスはヘンリー八世の治世中。王妃取り替えのエピソードや、有名なイングランドの弓兵のこともでてきますが、とくにロンドンの庶民の生活が、食べ物から家の構造、通りや市場のようす、港の景色などほんとうにこまやかに描かれていて、わくわくしました。それに、鎧鍛冶師のおじさんの一家の個性的でユーモラスなこと。末っ子のちびちゃんがまだ熟していないグースベリーの実を食べるエピソードは、いかにも三歳児らしくて笑ってしまいました。

 サトクリフらしいなと思ったのは、海に憧れる少女タムシンと、彼女と心を通わせあう少年ピアズの造形ですね。とくに不器量だけれど想像力が豊かで繊細なこころをもった、ふだんは頼りなさそうだけれど芯の強いピアズは、サトクリフ作品に繰り返しあらわれる少年たちの原型のような気がしました。

 余談。題名のイルカの家は、ギディオンおじさんの家の軒先のイルカの持ち送りの彫刻からきた愛称。イルカの印章指輪とは関係ありませんでした。

Amazonでサーチ>>「ローズマリー・サトクリフ」既刊


 今野緒雪マリア様がみてる 特別でないただの一日(集英社コバルト文庫.2004.195p.419円+税)[Amazon][bk-1]読了。『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』のつづき。

マリア様がみてる ―特別でないただの一日

 ようやくリリアンの学園祭です。この巻はたのしく読みました。待ちに待ったわりにページ数が少ないなあ、とすこし物足りない思いもしましたが。それに、山百合会の出し物はもっともっと障害続出で波瀾万丈になって祐巳ちゃんと祐麒くんがあわてまくるのかと思っていたので、わりあい平穏にまとまったなあ、とも思いましたが。前回のローマ煎餅の件といい、私、この作品に間違ったものを期待しているような気がしてきました(汗。
 このあと、祐巳ちゃんの妹選びでシリアスになるであろう物語にちゃんとついてゆけるか、ちょっと心配です。

Amazonでサーチ>>「マリア様がみてる」既刊

風邪の予感 2005.2.27(日)

 昨夜、道に関するドキュメンタリー(?)を見ていたら、湯冷めして寒くて寒くて仕方なくなって、内容は面白かったんですが、最後まで見ていられずに布団に入って寝ました。どうやら、風邪をひいた模様です。目覚めたら鼻づまりで、夕方になったら咳き込んできました。
 先週、インフルエンザに罹った妹一家の手助けでちびたちを預かったときには、(奇跡的に)何ともなかったのに〜(涙。

 仕方ないので、いちにちおとなしく本を読んでいましたよ。
 ハードカバーが重くて、腕の怠さが増したのが哀しい。

 球春到来。オープン戦、最初のニュースが危険球退場って……。今年も不安な(不穏な?)船出ですな<横浜ベイスターズ。あ、でも勝ったのか。

 松本祐子ブルーローズの秘密(小峰書店.2004.205p.1500円+税)[Amazon][bk-1]読了。少女向けのロマンティックな児童文学。第一回児童文学者協会・長編児童文学新人賞受賞の『リューンノールの庭』のつづき。

ブルーローズの謎―未散と魔法の花〈2〉

 夏休みに童話作家の叔母水無月サナのもとで魔女修行(?)にいそしんだはずの未散だったが、その後の音沙汰はまったくなかった。しかも、友人からは叔母さんが作家だなんて信じてもらえず、すこしでも自立しようとがんばって自力で焼いたクリスマスケーキはさんざんな出来。冬休みに入り、有名な絵本作家で画家の桐原省吾の死去が報じられた。父親からその画家が叔母と関わりがあり、自宅が近所であることを知った未散の元に、叔母さんから電話がかかってくる。しばらく留守にするので、家の留守番を頼むというのである。未散は桐原省吾の葬儀に行くという叔母に同伴を頼み込んだ。

 前作同様、気楽に楽しめました。気楽というのは、かろやかさがあって、重苦しくなくて、しかも長さがお手頃、ということです。内容は手堅くまとまっていて、安心して読めます。さすがに児童文学、という感じでしょうか。恋未満のほのぼのとした男の子とのやりとりと、幻想的なイメージの中にくるまれた人間の闇に関する謎解きでするすると読むことができました。精神的に疲れているとき、こういう話を読んでやすらぐひとときは得がたいものですね。
 ……すっかり疲れたおばさん状態で、スミマセン…(汗。

Amazonでサーチ>>「松本祐子」既刊

噛みしめてます 2005.2.25(金)

 先日『スパスパ人間学』で歯を噛みしめていると頸や肩に負担がかかって痛くなり、そのうち身体全体にゆがみが来る、というのをやっていたのですが、我が身に置き換えてみるとこれがまったく大当たりでした。

 最近頸の痛みがひどくてどんな姿勢だと楽になるのかも判然としないくらいなのですが、そうやって痛みに耐えている間は、やっぱり歯を食いしばっていたんです。そうか、痛いから噛みしめる、噛みしめるからもっと痛くなる、の悪循環に陥っていたのか……。でも、どうしたらもとの痛みがなくなるかはわからないので、いまのところあまり噛みしめないようにするしかないような。

 とはいえ、いままで噛みしめていたのはほぼ無意識だったので、ふと気づくとやっぱり奥歯に負荷がかかっているんですねー。難しいよう。

 とりあえず、来週金曜には整形外科に行くので、それまでは我慢だ……。

 茅田砂胡舞闘会の華麗なる終演 暁の天使たち 外伝1(中央公論新社C・NOVELS Fantasia.2004.222p.900円+税)[Amazon][bk-1]読了。破天荒なキャラクターの活躍するスペースオペラ。シリーズ番外編。『天使の舞闘会 暁の天使たち6』のつづき。

舞闘会の華麗なる終演 暁の天使たち 外伝〈1〉 C・NOVELSファンタジア

 図書館の書架にあったので借りてきました。短編二作を収録。あいかわらずキャラクターたちの活躍を楽しく読みました。
 一作目「嵐の後」は番外編と名乗りつつ、内容は前巻と表裏一体……らしいです。私覚えてないんで、確かなことは言えません(汗。二作目「宇宙一不幸な男」はほんとに番外編だと思われます。
 それにしても、ダンってほんとにあわれな境遇……。標準的な感性を持っているだけで、必要以上にまわりから非難されてる気がします。たしかに言われていることは正論なんだけどねえ。自立は大切ですが、そればかりを強要されるのもつらいです。他人の弱さにたいする寛容の精神が、もうすこし物語全体にあって欲しい気持ちになるのは、私が精神的に落ち込んでいるからだろうと思いますが。

 余談。一作目でケーキを焼くリィの姿に、つい先日読んだ少佐@『エロイカより愛をこめて』の姿が重なりました。あまい匂いを嗅ぐのも嫌なくせに、熱心にやっているところもそっくりだ…。

Amazonでサーチ>>「暁の天使たち」既刊

 2005.2.23(水)

 谷瑞恵夜想(集英社スーパーファンタジー文庫.1998.264p.495円+税)[Amazon][bk-1]読了。中世ヨーロッパを舞台にした、森と伝説のからみあう幻想的でロマンティックな物語。

夜想

 キリスト教の異端審問の吹き荒れる中世ヨーロッパ。森林地帯にある辺境の町ランベルグで、狼卿の異名を持つ領主のルビンスタイン侯爵は、人びとに畏れ疎まれていた。亡き師に代わってランベルグを訪れた男装の美少女アンジェルは、悪魔祓いの依頼人の侯爵がすでに世を去り、書簡は跡を継いだ現侯爵フランツからもたらされたものであったことを知る。悪魔憑きを自称するフランツは、両親と兄の死に疑いをもたれているうえ、縁談がまとまらないのだという。かれの妻となる予定だった娘たちは逃げ出すか、殺害されるかしているらしい。額の痣のために自身が悪魔と厭われつづけてきたアンジェルは、悪魔など存在しない、祓いとはひとびとの妄想を解くだけのものと告げるが、フランツはそれならば賭をしようともちかけてきた。アンジェルが悪魔の不在を証明できれば庇護を与えるが、できなければ、自分の妻になってくれというのだ。

 再々読、くらいでしょうか。本の整理中に出てきたので、思わず読み返してしまいました。やっぱり好きです、この話。
 深い森。自然の驚異をなだめるために生み出された、狼と赤いドレスの娘の婚姻は、ひよわな人間とあらぶる神との契約。
 ヨーロッパの黒い森につたわる自然神の伝説と、それを支えてきた古い家系のまとう影。それらの言い伝えは土地の生活に深く根ざしたものであるがゆえに、キリスト教がひろまっても完全に抹殺されることはなく、貶められ、ゆがめられてしまっても、したたかに受け継がれていく。
 そんな信仰のながれを底流にした夢のような不思議なエピソードと、斜に構えた男と頑なな少女のロマンスがさらりと、ひそやかに描かれていきます。形式としては悪魔祓いの依頼を受けたアンジェルが悪魔の正体を探す話で、捜査の過程で探偵が容疑者に惹かれてゆく話です。一目惚れをしたからとことあるごとに求婚され、からかわれていると憤慨していたアンジェルが、男の深く傷ついている内心と危険さに気づいていくにつれ……。この過程がさりげなく描かれているところが楽しいのです。
 現実離れしているのに存在感のある脇役たちも、魅力的。ふたりでひとりのメイド、マグダとマリア。盲目なのにすべてを見通している執事。塔に隠れ住んでいるフランツの妹カテリーナ。そして、アンジェルの従者で猫かもしれない(笑)ベル。
 現実の住人、司祭マルティンや、守備隊のアーウィッツも出番は少ないけれどそれぞれに印象的でいい役どころだったと思います。つまり、無駄な人物はまったくいなくて、それぞれが有機的に話にからんでいるんですね。

 あらためて読むと、なるほど『魔女の結婚』の作者の話だなあとうなずけるところもありました。細部は忘れきっていたので楽しかったです。
 やっぱり、シリーズじゃないもののほうが著者の持ち味に合っているんじゃないだろうか、と思うのですが。コバルトだと単発作品は無理なのでしょうか。

 ところで、この本、かなり以前から絶版になっていますが、【復刊ドットコム】でのリクエストもあんまり芳しくないようですね。面白いのになあ……。

Amazonでサーチ>>「谷瑞恵」既刊

腕がおもい→不眠 2005.2.21(月)

 先週末からパソコン仕事が入ってきたのですが、久しぶりにやったせいなのか、椅子と机の高さが合っていないからなのか(多分両方)初日から肩こりに悩まされるようになり、それでもつづけていたら、今度は腕がだるくて仕方なくなりました。そして肩のほうは、これって肩こりっていうより筋肉痛なんじゃないのか、右肩の違和感で戦線離脱なんてピッチャーみたいだよー、あはは。
 なんて笑っている場合じゃありませんでした。痛みで夜中に目が覚めるんです。目覚めの理由は肩だけじゃないんですが。じつは、最近入眠はそこそこ順調になってきた(洗髪したときに完全に乾く一歩手前でドライヤーを止めておくと、頭が冷えるのか寝付きがよくなるということを発見。風邪をひかない程度を見極めるのが技。だけど暑くなったら使えないだろうな)のですが、夜中(午前一時から三時くらい)にかならず目が覚めて、一、二時間寝付けないことが頻繁にあるんですよ。なので、肩が痛いと余計に寝付かれない。四十肩の前触れじゃなければいいんですが……まだ四十にはなっていないはずなのに……;
 現在、頸用にもらっている湿布薬をべたべた貼りつけてます。皮膚がかぶれ始める前に完治して欲しい。

 とみなが貴和EDGE 4 〜檻のない虜囚〜(講談社X文庫ホワイトハート.2004.271p.600円+税)[Amazon][bk-1]読了。「美貌の天才プロファイラー大滝練摩の事件簿」。『EDGE 3 〜毒の夏〜』のつづき。

EDGE〈4〉檻のない虜囚

 みずからの女性性を受け入れられない練摩は、記憶を失った藤崎がふたたび自分を異性として意識し始めていることにとまどい、かれのためを思って身辺から遠ざけた。藤崎の不在に慣れ始めている自分と心にあいた大きな空洞をもてあまし、練摩は依頼されてもいない連続動物虐待の事件を調べ始める。いっぽう、過去の自分と練摩への嫉妬にもがきながらも前向きに日々を過ごそうと決意した藤崎は、空手の道場に通い始めた。その帰り道、かれは、飼い犬を見失ったという若い女性と出くわす。しばらくして藤崎が発見した犬は、虐待を受けて瀕死の状態になっていた。

 おもしろかったです。
 事件そのものはいままでよりかなり小粒ですが、動物虐待の犯人である少年がひとまず自分の状態を認識し、周囲に働きかけていこうという気持ちになって、比較的円満に外向きの解決が得られたのが、よかったなあと思います。
 このシリーズはリアリティーが濃厚であるが故にいつも現実と重なって重苦しい雰囲気を漂わせていて、それがまた作品の魅力にもなっているわけですけれど、こう毎日悲惨なニュースばかりを見つづけていると、そのリアリティーにかえって抵抗感を感じてしまうこともあるわけで、じっさい、私はそのためこの本を購入してからしばらく読む気分になれませんでした。かつてアメリカ産のサイコサスペンスを立て続けに読んでいたときは、まったくの他人事、絵空事として楽しめたのたのが、もういまではそんな余裕がなくなってしまったんですね。あのときすでにアメリカ人はこんな不安の中で生きていたのかと思うと、申し訳なくなったりして。
 でも、今回は読後感がよかった。陰鬱な日々にかすかだけれど明るさが感じられたような気がしました。
 練摩と藤崎の関係はどうなるのか。ふたりの間の大きな障害となっている練摩の過去が呼び戻されたとき、どんな結末が待っているのか。次巻が最終話ということなので、期待して待っています。

Amazonでサーチ>>『EDGE』シリーズ既刊

お金を使うのって気持ちいいなあ(汗 2005.2.17(木)

 以上購入。精神的に低迷しているため、散財してしまいました。
オラクル―巫女ミラニィの冒険
キャサリン・フィッシャー



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 は、ふと目を落とした海外文学の棚で発見したもの。なにしろ「井辻朱美訳」なので買わなくてはと思いました。高かったけど。冒頭読んだところでは、ジッグラトがでてくるんで古代オリエントあたりが舞台のようです。ジッグラト……くさび形文字の模写がうまくできなかったことを思い出しました。幾何学的な絵を描くのが致命的に下手なんですよね、私って。まっすぐな線がどうしてもひけないのは、背骨がゆがんでいるせいだろうか。

エロイカより愛をこめて 31 (31)
青池 保子



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 今回は番外編集。少佐がケーキを焼く二作目は抱腹絶倒でした。楽しい〜。ロレンスってすっかり番外編要員なのですね。
 『エルガー』はのだめと千秋が三善家で演奏した曲。

 桜庭一樹GOSICK(富士見ミステリー文庫.2003.329p.600円+税)[Amazon][bk-1]読了。美少女探偵と助手のキャラクターにほのぼの。気楽に楽しむライトなミステリー。シリーズ第一作。

GOSICK―ゴシック

 1924年。第一次世界大戦後、ヨーロッパの小国ソヴュールに単身留学した新興国の日本出身九條一弥は、クラスから浮いた存在の十五才。かれは担任のセシル先生にとある役目を仰せつかってしまっていた。その役目とは、授業にまったく出てこないヴィクトリカなる謎の人物への連絡係。プリントを手に由緒正しい図書館の最上階をめざして長い階段をひたすらのぼると、たどりつくのは、かつての国王が愛人を住まわせるためにつくったという植物園だ。そこにもっともらしい顔をして本をひろげている金髪の少女ヴィクトリカは、妖精のような美貌に明晰すぎる頭脳、そして一風変わった性格をもそなえていた。退屈している彼女のために、一弥は仕入れたばかりの怪談と事件を話して聞かせるが……

 ミステリーです。本格ミステリーはあんまり読まないのですが、その理由はリアリティーがないからだと思っていました。ハードボイルドだの女探偵ものだのを好んでいたのは舞台と人物に生活感があって異世界ものと似た楽しみ方ができるからで、でなければサスペンスかサイコミステリを読んでました。しかし、よく考えてみると馬鹿馬鹿しいお遊びをまじめくさって描いた、虚構ばりばりなものけっこう好きなのかもしれません。いま、ドラマでやってる『富豪刑事』を、お馬鹿だなーと思いつつ時々見てしまうのはそのためか。このお話もわりとそういうタイプのような気がします。奇抜なキャラクターが動きまわったあげく話にきっちりと落とし前がつくのが楽しいので、トリックは二の次(あくまでも私の読み方ではです)ってやつですね。
 というわけで、ヴィクトリカと一弥のほのぼの素人探偵コンビがたのしいわけです。奇天烈な髪型の刑事もかなりヘンですが、やはりヴィクトリカのベタベタしない存在感が一番でしょう。全編作り物の話の中で、帝国軍人の家に生まれ優秀な兄にコンプレックスを抱く少年の、小さくて愛らしい理屈屋の女の子に対する感情の変化を楽しみました。で、少し困ったのは私の持ってる一弥のイメージがイラストとすこしだけ違うこと。ぜんぜん違うわけじゃないのが微妙です。うーん、どうしてこうなっちゃったのかな。ヴィクトリカはぴったりなんですけどねえ。イラストそのものはかわいくて好きです。
 ところで事件については……すみません、やはり私はミステリ向きの人間じゃないらしいのでパス(苦笑。

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 2005.2.14(月)

 ロビン・ホブ(鍛冶靖子訳)騎士(シヴァルリ)の息子 上 ファーシーアの一族(創元推理文庫.2004.349p.720円+税 Robin Hobb "ASSASSIN'S APPRENTICE",1995)[Amazon][bk-1]、
 ロビン・ホブ(鍛冶靖子訳)騎士(シヴァルリ)の息子 下 ファーシーアの一族(創元推理文庫.2004.318p.740円+税 Robin Hobb "ASSASSIN'S APPRENTICE",1995)[Amazon][bk-1]読了。重厚かつ繊細な生活感あふれる描写で、孤独な少年の成長と王家を巡る陰謀を描く、異世界ファンタジー。シリーズの開幕編。

騎士(シヴァルリ)の息子 上 <ファーシーアの一族> 騎士(シヴァルリ)の息子 下 <ファーシーアの一族>

 砦に連れてこられた六歳の名無しの少年は、六公国の支配者、遠視者(ファーシーア)の一族の継ぎの王子シヴァルリの庶子だった。少年はフィッツ(私生児)と呼ばれて厩舎頭の元に預けられることになり、シヴァルリ王子は後継者の地位を辞退して所領にひきこもった。父親に会うこともなく、動物の扱い、剣の扱いといった兵士としての教育を受けつつ王城で日々を過ごしていたフィッツは、ある日、王に出会い、かれに臣下としての忠誠を誓う。王はフィッツに王家の暗殺者となることを望んだ。かれはひそかにそのための教育を受けることになる。

 たいへん面白かったです。巡回先の複数サイトさんで好評なのを拝見して購入。
 王子の庶子として公にできない人生を歩き続けてきた人物の、有望だった父親を窮地に陥れたものとして受けるさまざまな理不尽と、その中でも見いだされるささやかな喜びに彩られた少年の日々、といった趣。ていねいな日常描写で、世界の質感を感じさせてくれる。
 支配者一族の持つ〈技〉〈気〉という不思議な力、さらに侵略者のもたらすおそろしい災厄にこの話の舞台が異世界であることを思い出させてくれますが、私が読んでいてもっとも共感し、楽しんだところは地に足のついた文章で描かれていく少年の日常でした。
 父親の従者だったおちぶれた厩舎頭のもとで動物たちと過ごしたり、厳しい剣の師匠(女性なのがすてき)との稽古をしたり、厨房での兵士たちとの会話があったり、と中世ヨーロッパ風の王城の生活が目に見えるように立ちあがってくる。この、厳しい指導者の下で苦闘し、反発しながら成長するというモチーフは、欧米の児童文学に似ているかも。クロスリー=ホランドの『ふたりのアーサー』みたいなこまやかなリアリティーがあって、読みながら主人公とおなじ体験をしているような気にさせてくれる。話自体はもっと過酷で辛辣なのでフィッツはつらい目に遭うことが多く、この雰囲気はちょっとサトクリフっぽい。主役の苦難をともに体験するのも読書の楽しみのひとつだと思える人にはおすすめ(苦笑)です。

 フィッツをとりまく人物はそれぞれに長所と短所を抱え、いろんな事情も背景にしょっていて立体的。人間だけでなく動物たちも個性的で、馬も犬もいきいきとしています。とくに犬たちの描写はほんとうに可愛い。作者の方は犬好きなんじゃないでしょうか。犬たちがフィッツに与えるぬくもりはかけがえのないもの。かれらの勇敢な行為には涙を誘われます。ただ、ブリッチは鷹の世話もしているはずなのに、そっちはあんまり出てこなかったのが残念。

 フィッツの運命が六公国のそれと密接に関わり合う終盤は、急激な展開とともにそれまで見えなかった背後関係が明らかになり、話の結末にふさわしいエンディングだったと思います……けど、まだフィッツの苦難はつづくんでしょうね。侵略者の正体もまだわからないし。いずれにしろ、現在のフィッツがあまり幸せそうじゃないから、物語もハッピーに進むことはないんだろうな、と推測されますが。

 個人的には不思議な存在感を放つ道化と、質実剛健で素朴で苦労性のヴェリティ王子がお気に入り。山の民の姫とうまくいくといいなあ。
 つづきをお待ちしています。

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猫! 2005.2.10(木)

ナーゴの猫町めぐり
モーリーあざみ野



ナーゴの子猫たち いつでもどこでもネコ町物語 ちいさなネコ町ナーゴ すてきなネコ町ナーゴ ゆかいなネコ町ナーゴ いつでもどこでも ネコ町物語…ナーゴ

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 ヨーロッパの架空の街ナーゴの猫たちの姿を繊細なタッチで描いた絵本。病院下の本屋でフェアをしていたのを見て「うっ、これ欲しいー」と思い、でも荷物になるからとあとまわしにしたら、駅前の本屋には影も形もなかったという……。買っときゃよかった。ちぇっ。

 本日は出がけに持って出る本を取り違えて、読みたかった本のつづきが読めませんでした。こういうときに限って、待ち時間が長いんだよなー。

 以下を購入。

 吉田直トリニティ・ブラッド Reborn on the Mars 嘆きの星(角川スニーカー文庫.2001.267p.514円+税)[Amazon][bk-1]読了。吸血鬼と人類との戦いを独特の雰囲気で装飾的かつエネルギッシュに描く、遠未来SFアクションシリーズ。

トリニティ・ブラッド―Reborn on the Mars 嘆きの星

 大災厄(アルマゲドン)によって文明と人類が壊滅的な打撃を受けて数百年。こつぜんと現れた異種知性体――吸血鬼(ヴァンパイア)との戦いは、教皇庁(ヴァチカン)の指導のもとに結集した人類側が勝利を収めつつあるようにみえた。しかし、まだ人類と“奴ら”の戦いはつづいており、吸血鬼の帝国と国境を接する自由都市イシュトヴァーンは、現実には吸血鬼の貴族によって牛耳られていた。教皇庁から派遣された神父アベル・ナイトロードは、到着早々、侯爵ジュラ・カダールの支配下にある市警軍とパルチザンの戦闘に巻き込まれる。

 キャッチフレーズは「ノイエ・バロック・オペラ」です。
 とにかく、若さの勢いにみちあふれた作品。吸血鬼もの、教皇庁もの(というよりイタリア・ルネッサンスもの?)、ハルマゲドンもの、既存のいろんなものをこれでもかとぶちこんで、耽美に装飾的に過激にエネルギッシュに展開させた、ゴージャスなアクション小説という感じでした。出てくるすべてのものに既視感があるのですが、その既視感をうまく利用され、さらにリズムと勢いのある文章によってねじふせられてしまったというか。でも、キャラをたんなる記号には終わらせず、きちんと人物のドラマを描いている(この話ではジュラ・カダールの悲劇が印象的)ので好感がもてます。挿画も話の雰囲気に合ってると思う。けっこう好きです、こういう雰囲気。映画『ヴァン・ヘルシング』[Amazon]みたいな感じでしょうか。映画よりずっとおもしろかったです。(というか、映画はちょっとあんまりな気がした)
 しかし、エネルギーあふれるあまりちょっと暴走気味の所も散見されます。まず一番に目につくのは敬語のあやうさ。いかにも“今風”な敬語が、これは古文かと言いたくなるような時代がかった言い回しと共存しているのにはかなり脱力させられました。まあ、これは世代間ギャップを演出するために意識してやってることなのかもしれませんけど。それから、読み流すとそのまま通りすぎてしまいそうなところの言葉の選択で、微妙な違和感を覚えるところがけっこうあった。この作者さん(亡くなられたそうですが)、語彙とか慣用句とかは豊富でらっしゃるんですけど、意味についてはあまり吟味しないで、受けとめたときの音感だけで使用しているんじゃないかなーという印象を受けました。だからまあ、そんな細かいことにはいちいちこだわらないで読め、という話なんだろうなー。実際、そんなつまずきがあってもちゃんと最後まで楽しめたので、それだけパワーのある話なんだと思う。なので、しばらく借りてみようと思います。しかし、このシリーズってどういう順序で読めばいいんだろう。刊行順でいいのでしょうか?

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 2005.2.7(月)

松本祐子リューンノールの庭(小峰書店.2002.214p.1500円+税)[Amazon][bk-1]読了。中学一年の女の子がはじめて親のもとを離れ、童話作家の叔母さんの家で変わった修行をさせられる、ふしぎな夏休みの物語。

リューンノールの庭

 中学一年の未散は、大好きな童話作家水無月サナの新刊を図書室で借りられないまま、夏休みに突入してしまった。しかも、毎年恒例だった家族旅行も父親の都合でできないかもしれないという。むくれる未散に「招待状」という題のメールが届く。差出人はなんと、水無月サナの童話の主人公〈ドラゴンD〉だった。あこがれの作家からのメールに有頂天になる未散。しかし、どうして水無月サナが未散のメールアドレスを知っているのだろう。両親に告げると意外な事実が判明した。水無月サナは本名皆月沙那子といって、未散の父親の妹、つまり叔母だったのだ。しぶる母親を説き伏せて、変わり者だという叔母の家へ赴く未散。大きな木と不思議な庭のある家には、とんでもない生活が待っていた。

 冬木洋子さん『月刊カノープス通信2004年11月号』を見て、興味を持った本。淡い恋未満つきのロマンティックな少女向けの児童書です。『魔女の宅急便』みたいな雰囲気で、うんと気楽に楽しめました。
 怪しげで厳しい美人の叔母さんと、奇妙な草のたくさん生えている「危険な」庭。童話のキャラクター、ドラゴンDそっくりの雑用ドラゴンロボット(かわいい!)などなど。伝統的な魔女ものアイテムに現代的ものが混じり合った、いかにも今風なファンタジーですね。それでいて、主人公の生活は家族や祖母との関係を含め、かなりリアリティーを持った描き方がされています。このあたりがライトノベルとは違うというか、児童文学だなあというか。出てくる人びとに、それほど個性は際だたないけどそこらへんにいそうな現実感があるんですよね。描かれているのは、幻想的だけれどもあくまでもひとりの少女の成長体験なので、そこに派手なキャラクター描写はなじまないのかもしれません。
 未散の叔母さんの存在感だけがくっきりとしているのは、彼女がこの話のテーマと非日常の象徴だからかなあ。冷たく理不尽に厳しいようで、じつはこっそりと優しい。素直な感情表現をよしとしない、プライドの高い孤高の女性。私、未散の誕生祝いのエピソードが、たいへん気に入りました(笑。

 続編があるようなので記しておきます。

・松本祐子『ブルーローズの謎 未散と魔法の花2』[Amazon][bk-1]

腰痛 2005.2.4(金)

 図書館へ行き、本を返却してきました。
 阿呆な失敗をしてたいへん疲れてしまったので、午後からふたたび『王の帰還』を吹き替え版で見ていたのですが、そのあと夜にBSでやっていた『アメリ』[Amazon]まで見てしまったため、すっかり腰が痛くなった。横になっても痛い。くう。

「王の帰還 SEE」 2005.2.3(木)

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション


 きのうの午前中にAmazonから届いたのでそわそわしながら昼食を食べて、午後からぶっつづけで見てました。
 ――つかれたー。
 ふたたび中つ国を感じることができるのが楽しくて、見ている間じゅう幸せでしたが、ものすごく疲れました。
 原因は長さ。とにかく長い。上映時にも長かったけど、それに特典映像がプラス50分もあるんですよ。全部で四時間超。
 話が複雑さを増して、場面の切り替わりが増えて、さらに緊張を強いられるようなシーンが連続。もし、これをこのまま映画館で見たら、終わったときには果てていたろうと思います。つけ加えられたシーンはサルマンの所を除いてどれも楽しみましたが、映画としてははしょってくれて正解だったと思う。だって、疲れるんだもん(まだ言うか;)。ストーリーが煩雑になって理解しにくかったと思うし(いかにもつけたしですか;)。
 ようするに、人間が集中しつづけられる時間には限度があるってことですね。本なら好きなときに休憩を入れられるけど、映画館じゃ「ここで止めてといて」ってわけにはいかない。DVDというものが発明されて手軽に手に入る時代でなかったら、この作品は映画化されなかったかもなあと思いました。

 と、終わるのもなんなので、内容について思ったこと。
 十ヶ月以上かけて原作を再読したので、映画館で見たときにわからなかったところがかなり解明されてました……おかげであらたな疑問というのも生まれたわけですが。アラゴルン配下の野伏たちっていないことになってたのかなあとか、メリーがモルドールへ出撃しているわとか。このあたりは主に映画にするために改変されたと思われる部分ですね。
 あとは、デネソールさん関係はあらためて見てもかなりかわいそうだったけど、なぜ、いつもひとりで食事をされてるのだろう(しかも玉座の隣で)とか、モルドールの門の前で軍団から馬の姿が突然消えてしまった理由は、やっぱりわからなかったようとか。
 こういうふうに並べていくと、ストーリー的にはどうでもよいところにこだわってしまうのが私なんだなあと、あらためて苦笑。

 追加映像では、王の癒しの手とかのエオウィン、ファラミア関係が嬉しかったです。
 一番残念だったのは、ナズグルの声がそれほど不快に聞こえなかったことかなあ。うちのテレビじゃスピーカーが貧弱で。やはりあれは映画館でひーひー言いながら聞くのがベストですね(笑。

 さあ、今度は吹き替え版で見ようっと。

 駒崎優運命は剣を差し出す 2 バンダル・アード=ケナード(中央公論新社C・NOVELS Fantasia.2004.286p.660円+税)[Amazon][bk-1]読了。戦乱の世を生きる傭兵達の日々を描く、異世界冒険活劇シリーズの二冊目。『運命は剣を差し出す 1 バンダル・アード=ケナード』のつづき。

運命は剣を差し出す〈2〉バンダル・アード=ケナード

 エンレイズとガルヴォ。二国間の争いはすでに三十年つづき、戦乱の中で正規軍に雇われる傭兵達の役割は日増しに大きくなっていた。エンレイズに雇われているバンダル・アード=ケナードは、そのなかでも腕利きで有名な傭兵隊である。その隊長ジア・シャリースの元に、ある日、ひとりの若い男が訪ねてきた。浅黒い肌、癖のある漆黒の髪、鮮やかな緑の瞳の、あきらかにこのあたりの出身ではない男は、さらに異様なことに顔の半分を刺青で覆われていた。顔見知りの商人の口利きということで、男を迎え入れ、マドゥ=アリ(狼)と名づけたシャリースとバンダルの者たちだったが、次第に新入りのうち解けぬ態度と尋常ならぬ戦闘力にとまどうことになる。

 前巻にひきつづき、たいへん楽しく読みました。この巻は、主役が隊長をつとめているにもかかわらず、前巻ではまったく出てこなかったバンダル・アード=ケナードの正体と、隊長がいなくなったあとかれらがなにをしていたかが明らかになる巻です。ジア・シャリース含めバンダル・アード=ケナードの面々が、新入りの感情を表さない変わった男(というより少年って印象だが;)マドゥ=アリを受容していき、マドゥ=アリがみなに心をひらいていく、そのありさまが、傭兵隊の請け負う仕事をこなす過程とともに描かれています。
 つまり、人間ドラマなんですよね。殺伐とした世の中で傭兵稼業に身を落とした男達の、熱き心のふれあいってやつですか。よこしまな意味はなくね(笑。これが現実の歴史に材をとったものなら、歴史冒険活劇とかにありそうな雰囲気です。えーと、つい最近見た「ホーンブロワー」とかと似ているかも。
 このエピソードはつぎで終わりらしいのですが、どうやらまだ出ていないらしい。残念。

 個人的には、隊長と新入りのふたりの関係に思い入れがあります。非人間的に抑圧虐待された過去を持つ、マドゥ=アリくんの造形がまさにわたしのツボらしいんです。ルーツは佐藤史生『夢みる惑星』[Amazon][bk-1]にあるのだと思われる(苦笑。

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