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last update 2005.1.24

ごく個人的な2004年ベスト

読了本リスト著者名索引
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管理人が2004年に読んだ中から選んだお気に入りの本。
「2004年に読んだ」というだけで、出版されたのは大昔の本もあります。順番にはとくに意味はありません。ちなみに2004年に読んだ本は全部で115冊でした。
下の著者名をクリックすると、その項目についての雑文に飛びます。

J.R.R.トールキン『指輪物語』評論社文庫

 映画『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』[Amazon]公開にあわせて刊行された、文庫版の追補編を読んだことをきっかけに二十年ぶりくらいに再読しました。読み終えた後にはやはり凄い作品だったというしみじみとした感慨が。文章によって描きだされる中つ国の豊穣さといったら、みごとと言うしかありません。大地と大気といった物質的なものだけではない、精神世界もふくめた幾層にもわたる豊かなイマジネーションをゆっくりと楽しませていただきました。小説そのものとしては、ときに破綻していたり、ペースが鈍いと感じるところもありましたが、物語世界の背景によこたわる大きな神話を考えると、作者の思い入れがあふれてしまったような細部へのこだわりに悪い印象は持てません。映画は、その思い入れをまずはストーリーとして磨き上げるために削ったのだと思いますが、これだけ豊かな余剰部分があると読み手にもそれに対する思い入れがあるわけで。すべての思い入れを満足させるのは不可能だよなーとも思ったのでした。傑作というより記念碑といったかんじの作品です。

あさのあつこ『バッテリー』教育画劇、他

 2004年のはじまりはこの本からでした。思春期にさしかかった少年達の、いまだ方向定まらぬほとばしるようなエネルギーが、野球と中国地方の自然とともにこまやかに描かれていく熱い物語。けして明るい話ではないけれど、その分現実感が濃厚です。

須賀しのぶ『女神の花嫁 流血女神伝』『暗き神の鎖 流血女神伝』集英社コバルト文庫

 上質な異世界戦記物と思われていた「流血女神伝」ですが、神と人との相克を描く濃厚なファンタジーであったことが判明。2004年は、上中下巻が揃ったところで一気読みのパターンで堪能いたしました。登場人物それぞれに人生がありますが、女神に翻弄される波瀾万丈の運命を、前向きにしぶとく生きてゆくカリエちゃんに拍手。

ローズマリ・サトクリフ『夜明けの風』ほるぷ出版

 ひさびさに児童文学系のサトクリフを読んだような気が。戦で所属していた世界を失った少年が、変化の時代を荒れ果てた大地を踏みしめて辛抱強く生きていく姿が印象的でした。まさに夜明けの風を感じるクライマックスにしみじみ。

壁井ユカコ『キーリ』メディアワークス電撃文庫

 ノスタルジックな未来の風景の中で、淡々と描かれる少女と不死人と幽霊達の物語。映像的で温度の低い文章が印象的。

雪乃紗衣『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』角川ルビー文庫

 中華風異世界を舞台にした、元気でけなげな女の子がまっとうにがんばるシリーズ、開幕編。ほどよく力の抜けた文章はテンポがよくて品もあり、すらすら読めて笑わせてくれます。ヒロインに恋した王様の子犬のような姿が可愛い。かれが恋未満の関係をどう発展させていくのか、興味津々です。

アン・ペリー『災いの黒衣』創元推理文庫

 2004年に読んだ数少ないミステリーの中では、これが一番でした(といっても出たのはずいぶん前だけど)。登場人物の陰影ある描かれ方が印象深かった。イギリスのヴィクトリア朝ものとしても楽しめた一冊。

賀東招二『つづくオン・マイ・オウン フルメタル・パニック!』富士見ファンタジア文庫

 白状いたします。2004年はこのシリーズを何度も図書館から借り出しては読み返していました。どこがそんなに好きなのかというと、笑いとシリアスの絶妙なバランスと、堅実なストーリー運びかな。キャラクター達の造形が好みということもありますが。こういったきっちりと構成されたタイプの冒険アクションものはけっこう好きなんです。ヒーローもので育ったからでしょうか(笑。というわけで、しっかりと物語世界になじんだところで読んだ日常崩壊編は、かなりの衝撃でした。このストーリーのつづきが気になりますが、短編集がどうなるのかも心配です。

そのほかの印象に残った本 順不同

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