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2003年3月前半のdiary

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2003.3.3 いまだ復活せず/『落日の剣 上』
2003.3.4 /『落日の剣 下』
2003.3.5 はてなダイアリー/『舞姫打鈴(たりょん) 銀葉亭茶話』
2003.3.6 図書館そのほか/
2003.3.8 やっとようやく眼鏡/『魔女の結婚 終わらない恋の輪舞(ロンド)』
2003.3.10 『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』/
2003.3.13 /『アンブラと4人の王子』
2003.3.15 本拠地で勝てない/『蕾姫綺譚 銀葉亭茶話』
本拠地で勝てない 2003.3.15(土)

 横浜ベイスターズがオープン戦で五連敗。内野に穴がふたつもみっつもあって、ときに外野へも遠征するそうな。穴ははやく埋めてください。エラーで負けるなんて、イヤ。

 横浜スタジアムの人工芝が最新鋭の物にはりかえられたそうですが、先日NHKでは千葉マリンスタジアムの芝が最新のものになったと放送していました。見た目がかなりちがうのですが、どちらがより最新で、性能はどう違うのかを、私は知りたい。

 金蓮花蕾姫綺譚 銀葉亭茶話(集英社コバルト文庫.1995.286p.408円+税)[Amazon]読了。朝鮮半島を舞台にしたファンタジー「銀葉亭茶話」シリーズ二冊目。

 柳善華は、樹精の統領、樹王君と金剛山の守護地仙姫との娘で、蕾姫と呼ばれる。二百の齢を重ねながらもいまだ童女の姿を脱しない彼女は、金剛山の山中で怪我をした童子と出会う。高麗王の末子、王勢龍だった。幼ないふたりはおさないなりの真剣な思いを育むが、蕾姫の両親は娘の人との恋に憂慮を重ねる。人間と精霊、しあわせに添い遂げることなどあり得ない。そのうえ、勢龍の生まれがふたりの幸せを裂くのは時間の問題だった。

 読んでいるときの充実感と読み終えたときの散漫さ。どちらも感じてしまう一冊だった。思うに、作者はとてもこの世界を愛していて、とても欲張りなんだと思います。どの人物も丁寧に書かれていて好感持てますが、それがときに過剰とも感じられる。蕾姫視点か勢龍視点かどちらかいっぽうをあきらめれば、もうすこし話自体が締まるのではないかと、思うのですが。両方の視点からおんなじ出来事を書くのもいいけれど、いろいろ重複しているので省略できるところがあると感じる。枠の銀葉亭シーンがそもそも邪魔な気も。どうしても書きたいという熱意がどのシーンからも伝わってくるので、しようがないかなとも思いもするが。でもやっぱり、もったいないなあ。泣ける話なのに。

 2003.3.13(木)

 TTTを見てから、またSEEを見つづけてました。どこまでつづくか、自分でもわからない。

 アン・ローレンス(金原瑞人訳)アンブラと4人の王子(偕成社.2002.246p.1400円+税 Ann Laurence "THE HALF BROTHERS",1973)[Amazon][bk-1]読了。

 エバーニアの王には、四人の王子がいた。跡継ぎに悩んだ王は国を四つに分けて、それぞれを王子に治めさせることにした。問題は小さくて豊かな隣国ベルガモットのアンブラ公女の結婚相手だ。できるなら王子のひとりと結婚してもらいたい。未来のベルガモット女公の夫となれば、エバーニア全土の王となることもできるだろう。
 老いた女公が亡くなり、孫娘のアンブラ公女がベルガモットを治めるときがやってきた。四人の王子はそれぞれにベルガモットを訪れ、自分の得意分野を公女に教え込む。よき女公になろうと懸命なアンブラ公女は、のめりこむように王子たちの教えを受け入れてゆくが…。

 題名だけを見たときには、「アンブラという名のアラブ人の男の子が、ほらを吹いて宮廷に入り込み、四人の王子を手玉に取る話」というのが頭に浮かんだのですが、まったく違った(どうしてこういう想像をするのですか、私は(汗)。
 アンブラ公女がさまざまに助言に惑わされたあげく、自分にとってほんとうに大切なことを見つけるという、寓話です。寓話は本来あまり好きではないのですが、この本は年頃の少女の向上意欲にのっかるまわりの大人たちの描写が楽しいのと、四人の王子たちの個性がたんなるタイプ描写だけにはとどまっていず、ほんのりロマンス風味がないわけでもなく、読んでてとても楽しかったです。とくに脇役のおじさんたちが好きだなあ。遠藤淑子のエバンジェリン姫シリーズを思い出しました。アンブラ王女はもっと純朴ですけど。

『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』 2003.3.10(月)

 昨日の夕方、新しいメガネをゲットしたので、さっそく見に行きました『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』。
 悩んだ末に吹き替え版にしたのは、まだメガネになれていない不安と、ドライアイへの不安と、また吹き替え版が見たくなっても春休みにはいると上映時間がものすごく繰り上がってしまうという情報を仕入れたので。八時半に映画館にたどり着くことはできません、私。

 今回はAM9:40からの上映なので、おにぎり購入は見合わせ。途中でお腹が空くだろうとはおもったが、暗い映画館の中、見ながらビニール外して食べるのは不可能だろう。海苔の音もするし。
 ところがたどりついたAM9:05。まだ映画館は開館していなかった。しかも、三十分にならないと開かない。そこで私は駅前の売店までとって返し、ビタミンCの飴をひとつ購入してきた。おにぎりがダメでも、飴なら何とかなるだろうと思ったので。
 結局、十五分には開館した。ちんたらコンビニまで戻らなくてよかった。

 字幕版はいちばん大きい部屋で上映されていたが、吹き替え版は一番小さい部屋で、しかも一回だけの上映。つぎにひかえしは『レッド・ドラゴン』。当然、場内は『レッド・ドラゴン』仕様。雰囲気が〜。
 早めの上映時間の割りに入場者数は多かった。しかし、予想よりは少なかった。上映回数からも去年よりも規模を縮小しているのがわかる。前作でふるい落とされた人数は多いと見たのでしょうか。客層は、大人ばかり。まだ春休み前だもんな。上映が始まる前に、目薬をたっぷりと差して眼の準備をし、いざ出陣。

 それにしても、新しいメガネで見える世界は、あかるい。スクリーンもものすごくクリアに見えました。登場人物のいでたちがこまかく判別できて感動。いままでは、意識を集中して一生懸命に目を凝らしたところだけしか判別できていなかったんだ〜としみじみしました。半分の解像度で見ていた気分でしたよ。
 結局去年から原作も読み返さなかったし、極力情報を入れないようにしていたので、ほとんど初心者状態でしたが、DVDでおさらいはしておいたのでだいたいの事柄はつかめたような気がします。人物の見分けがつかないということはなかった。
 予想通り途中からお腹が空いて空いて、飴の包装をひんむきながら舐めつづけました。終わるころには舌が荒れて痛かった。
 以下、箇条書きで感想。

 見ながらも薄々感じていたのですが、帰り着いてネットで感想めぐりをしていて確信しました。
 私は、原作を、95%以上忘れ去っていました。フロドとサムの道行きのほうはぼんやりと記憶にあるのですが、人間たちの戦いはほとんど記憶にない。話がどういう方向に進むかだけが、ときどき霧の中の輪郭のない影のように見えるのです。細かいところの相違などはまったく気に留めようもないけれど、登場人物が増えても対応できる程度に思い出は残っていた…という。ある意味、もっとも幸せな観客だったかも…。

やっとようやく眼鏡 2003.3.8(土)

 眼鏡を買いに出かけました。
 いままでなにをもたもたしていたのか。それは私の近視の度がやたらひどいせい。度の入っていないフレーム見本をかけて鏡に映してみたところで、自分では似合っているのかそうでないのか判別できないであろうということが予測されたからでした。体質(?)のせいでコンタクトレンズも使えないのでねえ…。
 そんなわけで、センスにある程度信頼の置ける妹を頼りにしていたのですが、最近彼女は暇がなく、何度かため息をついたあとでやっと身柄を確保することに成功。もちろん、姪も甥も込みであります。

 眼鏡屋にはいると、心配した通り甥は展示されているフレームに触りたがり、すぐに妹に拉致されました。「赤い」という言葉を覚えたばかりだったせいか、どれを見ても「あかい、あかい」と連呼しつづけるのをバックグラウンドにして、店員さんと妹が意見を交わす間に何個かフレームをかけては外しをくり返し。だいたい一時間くらいでお金を支払い、引換券をもらうところまでこぎつけた。そのうち、甥は眠ってしまいました。いいなあ、幼児って。眠っても運んでもらえるから。十キロあまりを運ぶ方はたまったものではありませんが。

 その後、お礼としてドーナツ屋でドーナツをおごって、帰宅。しましたが、一緒に三人もくっついてきたので、夜中まで子守りと部屋の片づけに追われることになりました。はーあ。

谷瑞恵魔女の結婚 終わらない恋の輪舞(ロンド)(集英社コバルト文庫.2003.236p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。中世によみがえったケルトの魔女と陰険魔術師のロマンティック・ファンタジー「魔女の結婚」シリーズ七冊目は短編集。

 先日つづきを買ってから未読であることに気がついた。
 最近の私は読むペースどころか、精神のペースもどんくさいです。

「アモールがささやく夜」
 矢に当たったふたりの男女は確実に恋に落ちる。少年はアモールの弓矢の言い伝えを信じて義兄とメイドの仲をとりもとうとしていた。弓矢の威力を信じてしまったエレインの混乱がたのしい。

「ひそやかに樹の根に抱かれ」
 仕事に出かける間、マティアスはエレインを産婆の老婆の家に預けていった。人使いの荒い産婆にエレインは不平たらたら。水汲みの途中でカラスと格闘をしていた青年を助けたエレインは、甘い笑顔に気を許し、かれの住む家までついてゆくが、家の屋根にはぶきみなほどにカラスが群がっていた。十年間行方しれずだったという名家の息子を名乗る青年と、マティアスが彼にかけた呪いの間でエレインが奮闘する話。

「終わらない恋の輪舞(ロンド)」
 毎年ひとり、相手のいない年頃の娘が命を落とす村。彼女たちは魔物の夢を見て、山に誘い込まれる。神父の悪魔祓いは何度おこなっても効果が得られず、魔術師であるマティアスに依頼が来た。今年魔物の夢を見たのは十歳になる村長の娘だった。
 娘を助けるためにマティアスとの婚姻を画策する村長。それを牽制するため恋人同士のふりをするエレインとマティアス。恋人を演じることで突然縮まった距離に戸惑うふたりの変化が読みどころ。

 するすると読めてそれなりに楽しかったですが、短編はちょっと物足りないかなあ…。なかでは「終わらない恋の輪舞」がふたりの関係の進展がほの見えて満足度は高かったかも。本編よりも幻想度が下がっているのが残念。

図書館そのほか 2003.3.6(木)

 図書館へ行き、読んだ本と読めなかった本を返却。新検索システムがWindows仕様なので、マウス操作にいらつく。私の手ではクリックしにくいツーボタンマウス。DOS仕様のほうがなんぼか楽だった。上橋菜穂子の新刊をようやく予約。
 駅前の本屋にはすでにコバルトの新刊がなかったので、遠出。
 せっかく行ったのだから、中山星香『妖精国の騎士』文庫版のつづきを買おうと思ったのだけど、どこまで持ってるのか思い出せなくて、結局買えず。ビニールも紐も掛かってなかったから、中身を見てみたんですが、一度読んだとこなので判別できなかったのでした。いつもは解説者の名前で判別していたのに、ぬけてる巻があったせいでいまいち確信が持てなかったし。

 CDショップの売場がまた変わっていた。元あったところには、今度はなにが入るのだろう。

 外出するといつもより眼の疲れがはやい。やっぱり、見えないからだ。一生懸命見ようとすると、緊張が増すんだろうと思います。
 はやく新しいメガネを作らなくてはと思う。フレームをみてくれる人を確保するのがなあ。

 以下を購入。

 『SFが読みたい!』。2002年版はファンタジーの特集があったにもかかわらず、あんまり活用しなかった。今回はやめとこうかと思ったのだが、「作家別日本SF最新ブックガイド150」につられました。これって、何ヶ月か前に本誌のほうに載ってた企画ですよね。

はてなダイアリー 2003.3.5(水)

 はてなダイアリーベータ版テスターに応募してみました。
 基本的には別サイト用。ちびりちびりと遊んでます。

 金蓮花舞姫打鈴(たりょん) 銀葉亭茶話(集英社コバルト文庫.1994.236p.388円+税)[Amazon][bk-1]読了。朝鮮半島を舞台にした(歴史?)ファンタジー「銀葉亭茶話」シリーズ第一巻。

 仙境にある一軒の茶店『銀葉亭』。穏やかなあるじと茶の味を慕い、店は神仙たちの憩いの場となっている。ここで披露される話が主の琴線に触れれば、お代は無用。みずからを語らぬ半人半仙の美貌のあるじ李氏の、なぞめいた魂に触れることは客たちの興味の的だった。
 ある日、その銀葉亭に処女雪を統べる風精の雪華公主(そらこうしゅ)が訪れた。つねならば人とうち解けぬ風情のある美貌の公主が、いつになく饒舌に李氏に話しかける。そして彼女は語り始めた。かつて新羅の公主として生まれ落ちた、みずからの過去の哀しい恋物語を。

 再読。
 シリーズもの連続読破のネタがなくなってきたので、いままで遠ざかっていた「銀葉亭茶話」シリーズに目をつけました。といっても、読んだのはこれ一冊なんですが。
 比較的記憶に残っているシーンが多くて自分に驚いた。金蓮花の話はシーンひとつひとつが細やかであえかでみずみずしい情に満ちていて、ほんとうに陶酔できるんですが、そういう美点はほとんどデビュー文庫であるこの話でも変わりません。ただ、どうも展開がもたもたする。雪華公主の話と金庚信将軍の話が分裂してしまったようなかんじで、だからすぐに次の巻といかなかったんだなと思われました。
 それと、この話は少女小説なのでこういうラストが好ましいのでしょうが、私としては雪華公主がはじめの思いを遂げた方がより心に残る話になったような気がします。

 それにしても、一番しっかり覚えていたのは「あとがき」というのが、なんともいえない<自分。既読かどうかをたしかめるにはあとがきを見れば一発です。

 2003.3.4(火)

 ローズマリ・サトクリフ(山本史郎、山本泰子共訳)落日の剣 下(原書房.2002.410p.2200円+税 Rosemary Sutcliff "SWORD AT SUNSET",1963)[Amazon][bk-1]読了。副題が「真実のアーサー王の物語」、下巻副題は「王の苦悩と悲劇」です。『落日の剣 上』のつづき。

 下巻はアルトスが叔父の跡を継いでブリテン皇帝となり、絶頂期を迎えたのち、姉との不義の子メドラウトの出現、親友ベドウィルと妻グエンフマラとの密通を経て、騎士団の崩壊へと至る斜陽の物語。

 ストーリーの進み方はほぼ「アーサー王伝説」を踏まえたもので、あんまり生々しいので先を読むのが辛くなりました。
 とくに王妃関係のエピソードが強く印象に残った。いままでのアーサー王伝説だと浅はかにも感じられた王妃の存在が、ひとりの思慮深く誇り高い女性としてしっかりと描かれていたからでしょうか。出会いからはじまってアルトスとの感情の行き違いまで、説得力のある描写にのちの悲劇がひときわ逃れがたいものに思われてせつないです。

 それにくらべてメドラウトに関しては、つまり伝説ではモードレッドですけど、グエンフマラの説得力を欠いていたような。かれの母親であるイゲルナの設定にすこし無理を感じたせいかもしれない。メドラウトのような人物はサトクリフの物語にはあまり登場しないから、違和感を覚えたためかもしれませんが。

 それからこの本で圧巻なのは、サクソンとの戦の描写です。
 戦記物もかくやと思われるほどのものすごい迫力。戦術描写が緻密なうえ、戦の緊張感、昂揚感までその場にいるようにつたわってきて、どきどきしてしまいました。作者のあとがきに、現役の軍人の協力を得たと書かれていて、なるほどと納得。

 リアルな話には、マーリンもヴィヴィアンも関係ないというのが寂しかったですが、実際はアーサー王がキャメロットでのほほんと暮らしていたわけではなかったとわかって、ちょっとほっとした。そうじてリアルなアーサー王の造形には納得いたしました。
 それでいて「アーサー王」の物語の根幹に変化はなく、より骨太になった伝説を読んだような充実感がありました。
 伝説の最後に感じる、やるせないもの哀しさみたいなものもそのまんま。

 じつは私はこの最後の感じがあまり好きでなく、「アーサー王伝説」の再話を読むたびに嫌な気分になってました。子供向けの本を読んだときからそうで、ブラッドリーの「アヴァロンの霧」のときも、ホワイトの『永遠の王』のときも、サトクリフの『アーサー王 最後の戦い』のときもです。
 どうしてだろうかと今回考えた結果、栄華の果ての没落に決着をつけたあと、あたらしい道をきりひらいていく人物が登場しないせいなのかもしれないと思いあたりました。
 すべてが終わったあとで、せっかく築いたものも混沌の霧の中にかえってしまう、無常感。『平家物語』なら源氏が勝者としてあるのに、ここにはそんな存在もないんですもんね。そしてかつての王が未来の王としてよみがえることを願うなんて、後ろ向きな感覚だと思うのですが、どんなものでしょう。そういえば、イスラム教のマフディー(救世主)信仰にもかつてこんな感想を抱いた私…(汗。

 これがすでに伝説として流布している世界で、主人公たちの艱難辛苦の果てに一時だけの奇跡として王が甦り、世界は新たなものたちの手に渡される、という筋書きなら、けっこう好みなんですけど。矛盾していますね。

 2003.3.3(月)

 きのうは墓参りと子守りの一日でした。
 午前中に伯母夫婦のお墓に家族(プラス甥と姪)で出かけ、午後は姪とそこいらを散歩。
 調子に乗って小学校の学区をぐるりとめぐってしまい、最初に足に疲労が来ました。ものすごーく疲れたのに、万歩計は四千歩弱しか回ってない。一万歩への道のりはまだまだ遠いようです。
 やろうと思っていたことはまったくできず。あまりにも疲労したので眠くて眠くて、九時過ぎには床につきました。一日が短いです(涙)。

 ローズマリ・サトクリフ(山本史郎、山本泰子共訳)落日の剣 上(原書房.2002.446p.2200円+税 Rosemary Sutcliff "SWORD AT SUNSET",1963)[Amazon][bk-1]読了。副題が「真実のアーサー王の物語」、上巻副題が「若き戦士の物語」です。長すぎる…。

 ローマが撤退したあとの混乱期のブリテン。ブリテン国王アンブロシウスの甥アルトスは、サクソン人やピクト人、スコット人の襲撃に対抗してブリテン国内の結束を呼びかけるため、ブリテン伯爵として〈騎士団〉をつくりあげてゆく。

 先週はLOTRのDVDにかまけていたので、図書館本が未読のまま。あわてて絶対に読みたいものから手にとりました。
 この本は「アーサー王伝説」の元となったといわれている十二世紀のローマ=ブリテンの将軍アルトスの半生を、できうるかぎりの史実に基づいた上で再現し、アーサー王伝説をリアルに語り直そうとした物語。
 話を理解する上ではそれほどの支障はないのですが、時代背景を飲み込むのにすこし時間がかかります。いまでもきちんと説明できるかどうか自信がない。こういうところはイギリス人には自明の歴史なんでしょうけれど。

 それから、この話はもしかして、『ともしびをかかげて』[Amazon][bk-1]のつづきなのかなあ、と思いました。アクイラという名前はイルカの印章指輪とともにサトクリフの作品に頻繁に登場しますが、「奴隷となった過去があり、ローマ軍団の最後を見送った」アクイラというと多分…そうだと思うんだけどなー。

 アーサー王伝説の物語としては、いろんな要素がずいぶん現実的に納得できる形で取り入れられているのに感心させられてます。
 ということで、つづきはこれから。


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