Reading Diarybooksdiary最新
last update 2003.11.30

2003年11月のdiary

最新の日記インデックス
2003年 1月 2月 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月  >>
2003.11.1 反ダイエット/
2003.11.2 腰痛/『キーリ 死者たちは荒野に眠る』
2003.11.3 さらに腰痛/『終の神話・天泣の章 封殺鬼シリーズ26』
2003.11.4 /『コフィン・ダンサー』
2003.11.6 ヘッドマスターカラーだって/『東京少年』
2003.11.9 /『ハリー・ポッターと賢者の石』
2003.11.12 /『イスベルの戦賦(うた) 亡国の王女よ、誓え』
2003.11.16 クリエを購入するのこと/『魔女の結婚 哀しき鏡像の天使』
2003.11.18 /『プリンセス・ダイアリー 恋するプリンセス篇』
2003.11.21 腰痛悪化中/『デスティニイ―大空の子― 上』『デスティニイ―大空の子― 下』
2003.11.25 /『不思議なみずうみの島々 上』『不思議なみずうみの島々 下』
2003.11.27 朝寝坊/『銀盤カレイドスコープ vol.1 ショート・プログラム:Road to dream』
2003.11.29 苦しまぎれ/
苦しまぎれ 2003.11.29(土)

 映画のタダ券があったことを忘れ果てていて、11月中に見なければ使えなくなるので急遽外出。
 両親連れだったので、やってる中でもっとも無難そうな設定の『フォーンブース』にしてみました。ニューヨークのど真ん中に最後に残った電話ボックスで、通話を切ったら殺すという恐怖の電話を受けてしまった宣伝マンのお話。
 最近、小津映画が好きだという父には、これでも刺激が強すぎかと思ったけど、ほかには『キル・ビル』とか『マトリックス・レボリューションズ』とか『バッドボーイズ 2 バッド』しかないんだもん…。館内に入ってから上映まで間があったので宣伝チラシ集めて渡したら、『ラストサムライ』を見たいとダダこねはじめましたが、まだ先行レイトでしかやってないので却下。私はひそかに『王の帰還』の予告編を期待してましたが、やってくれませんでした。
 映画そのものは、好きというほどではないけど退屈することもなく、けっこう面白かったです。大作ではなく、人間の深層を深くえぐるとかいうわけでもないかわり、よくまとまった短編のようでした。テレビの『世にも奇妙な物語』みたいな感じです。両親の評は「変わった映画だった」。ああ、そうでしょうとも(苦笑)。

 その後、お歳暮送ったりいろいろしていたら、本屋に行く時間があんまりとれなかった。しくしく。

を購入。
 『ハリポタ』は、最近『となりのトトロ』[Amazon]を見るのに飽きて(もう半年以上毎週のように見てるので…子供って飽きないんだよなあ)、べつのものを姪に見せたい(というか、私が見たい)と思っていたところ、安く売ってるのを見つけたので買ったのですが、Amazonを見たらもっと安かった。悔しい。考えてみたらAmazonで買い物したことはなかったよ。これからはちゃんと見ておこう。とりあえず12月3日発売の、『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔SEE』[Amazon]とか。あ、でもポイント還元を考慮に入れるとおんなじくらいかも。

朝寝坊 2003.11.27(木)

 前日夜更かししたせいで寝過ごして、大慌てで病院へ。
 胃が働かず朝食が消化されない、電車は座れない、気分が悪くなりかける。着いたら着いたで、診療待ちに装具待ち。医者に湿布薬を頼んだら、いつもの二倍処方してくれたのだけど、それがものすごくかさばって重かった。お目当てのDVDは売り切れ。大都会の昼食時と重なって、昼ご飯がなかなか食べられず、空腹をかかえてうろうろしたり。
 ひどくついてない一日だった気がする。

 青池保子『エロイカより愛をこめて 29』[Amazon][bk-1]を購入。いつもの少佐と伯爵とミーシャに傷心をなぐさめられる(苦笑。

 海原零銀盤カレイドスコープ vol.1 ショート・プログラム:Road to dream(集英社スーパーダッシュ文庫.2002.284p.571円+税)[Amazon][bk-1]読了。少年の幽霊にとりつかれた少女の精神的な成長を、フィギュアスケートを通して描く、ドタバタコメディー……だと思う。第二回スーパーダッシュ小説新人賞、大賞受賞作品。

 桜野タズサは、十六歳のフィギュアスケート選手。一枠しかないトリノ・オリンピックの出場権を狙う、日本国内では二番手の選手だ。タズサの武器は、テクニック。だが最近ジャンプの失敗が相次いで、ライバルである第一人者、芸術性と確実性で勝る至藤響子に大きく水をあけられていた。グランプリシリーズの第一戦スケートアメリカで大惨敗をしたタズサは、ある日、頭の中から奇妙な声が聞こえてくることに気がついた。なんと、それはすでに死んでいるカナダ人の少年ピート・パンプスの、昇天できない不完全な魂の声だった。

 ご想像の通り、フィギュアスケートが題材、というだけで借りてきました(しかし、どこで存在を知ったのだったか。『SFマガジン』のレビューだったような気がするのですが;)。
 冒頭、読みはじめたとたんに「ああ〜こういうのが本当のライトノベル様式なんだなあ…」と妙に感心しました。勢いよく繰り出される、台詞と地の文がほとんどかわらない文章。たしかにテンポはいい。キャラクターもはっきりしている。荒唐無稽な展開を、マンガ風の明るいノリでかるくいなして進んでいくようなストーリー。
 フィギュアスケートという独特で一般には遠い存在の世界については、かなり現実に即しているのではないかと感じました。もちろん誇張は含まれているにちがいありません(それと、この間のソルトレーク五輪の不正疑惑のため、今シーズンから採点方法が変わったので、この話でお勉強しても現実の試合には応用できません)。競技については、フィギュアスケートの競技形式などを知らなくても、というか、フィギュアのことをあんまり知らない方が、理解しやすく納得しやすいような気がしました。
 私自身はもっと心理描写も情景描写も物理的位置関係も密に書き込まれた話の方がすきだし、競技の描写はわざの名前じゃなくもっと競技者の感覚ではどうなのか知りたいと思うので、かなり物足りなさはありましたが、読み進むにつれて慣れてきたのか、全日本選手権のショートプログラムのくだりあたりまできたら、けっこう楽しくなりました。考えてみると、このプログラムのところだけ、技よりマイムの描写の方が断然多くて、そのほうがよりフィギュアらしく感じられたような。
 と、フィギュア関係では、まあまあ楽しめましたが、基本的な設定に疑問を感じるとこもあり、ヒロインと彼女に憑依した幽霊の関係は、もうすこし繊細に描いてくれたら面白いのにと思いました。レーベルがコバルトだったら、そのあたりに踏み込んだものになったのかも。これ、スーパーダッシュ文庫だもんな。

・『銀盤カレイドスコープ vol.2 フリー・プログラム:Winner takes all?』[Amazon][bk-1]

 2003.11.25(火)

 ウィリアム・モリス(斎藤兆史訳)不思議なみずうみの島々 上(晶文社.2002.278p.2400円+税 William Morris "THE WATER OF THE WONDEROUS ISLES",1897)[Amazon][bk-1]
ウィリアム・モリス(斎藤兆史訳)不思議なみずうみの島々 下(晶文社.2002.310p.2400円+税 William Morris "THE WATER OF THE WONDEROUS ISLES",1897)[Amazon][bk-1]読了。十九世紀イギリスの詩人であり、現代ファンタジー文学の始祖とされるモリスの散文作品を集めた「ウィリアム・モリス・コレクション」全七巻のうちの二冊。

 森のほとりにある小さな商業都市アタヘイから、魔の森の魔女にさらわれた子供。子供は魔女の奴隷として育てられ、賢く美しい娘に成長した。バーダロンという名の娘は、魔女に言いつけられる仕事の合間に森の聖女と出会って母子のような情愛と絆をむすび、魔女のもとからの脱出を試みる。彼女の目の前に広がるのは、大きな湖。魔法のかけられた送り船で未知の世界に踏みだしたバーダロンは、湖に浮かぶ不思議な島々を訪問したのち、魔女の姉である極悪な女王の治める無為豊饒の島にたどりついた。そこでバーダロンは、囚われの身となっている三人の貴婦人と出会う。

 あらかじめわかってはいたことですが、現代文学とはまったく異なる考えのもとに書かれた物語です。なんて不思議な話だろう、というのが一番近い感想か。

 まず、ヒロインのバーダロンに感情移入するのが至難の業。さらわれて奴隷にされた、というふうに経過が描かれているにもかかわらず、そして本人もものすごく虐げられて悪のもとで暮らしているのはもう嫌です、みたいなことを散々言っているんですが、私には魔の森の魔女がそれほど悪いことをしているように思えない。中世を舞台にした話でこんなにのびのびと暮らしている奴隷なんて、めずらしいんじゃないかと思ったです、ホント…。
 まあ、そんなことをいちいち考えてはいけないんだろうと思いつつ、話を読み進めていると、そのうち、少女の冒険は囚われの貴婦人たちと探索する騎士たちの物語にのみこまれ、なんとそこで、ヒロインはあれほど世話になった貴婦人の恋人に、何の罪の意識もなく横恋慕することに。しかも、自分の美貌にまるで無頓着な天然ぶりを発揮して、まわりじゅうの男をふぬけにしてはふりまわす始末。
 そもそも、バーダロンが魔の森の魔女との生活にほんとうに不満をいだいていたのか、疑問。なにしろ、さらわれてから自分の母親のことをぜんぜん考えてない人物ですからね。森の聖女と出会ったのは、ずっとあとのことなのに。どうもこのヒロインはつねに自己完結していて、やわらかな人間らしさが感じられませんでした。途中からヒロインの行動ではなく、周囲の反応に注目するようになったら、苦痛が減った。どうやら私は読み方を間違えていたらしい。こういう昔の物語は、無理に感情移入しようと思っても無駄なのです。今回はなかなかそこにたどり着けなかった。

 というわけで、読むのにかなりの困難を強いられましたが、それでも読みつづけた理由は、かもし出される雰囲気が好きだったからです。
 中世のロマンス文学のようでもあり、幻想小説のようでもあり。不思議な湖の島々のパートは、なにかの教訓物語のようでもあり。魔女の存在が謎のままだったりして摩訶不思議な展開ですが、物語が進むとともに、文章の中から中世の森と湖と城と街の風景が、まるで立体模型のように脳裏に浮かび上がってくる感じです。私はストーリーよりも、その舞台の方に魅力を感じました。

Amazonでサーチ>>「ウィリアム・モリス・コレクション」

腰痛悪化中 2003.11.20(木)

 腰が痛くていけません。寝ていて痛いのが一番の困りもの。きっと、腰回りの脂肪の重みに骨が耐えられないんだわ。横向きになると重みで骨がずれていってるような気がする。股関節も痛くなってきた。腹筋と背筋を鍛えようと、にわかに筋トレしていますが、腹筋十回するのも大変です。アミノ酸のお世話になったほうがいいだろうか。

 エリザベス・ヘイドン(岩原明子訳)デスティニイ―大空の子― 上(ハヤカワ文庫FT.2003.646p.1000円+税 Elizabeth Haydon "DESTINY:CHILD OF THE SKY",2001)[Amazon][bk-1]
エリザベス・ヘイドン(岩原明子訳)デスティニイ―大空の子― 下(ハヤカワ文庫FT.2003.650p.1000円+税 Elizabeth Haydon "DESTINY:CHILD OF THE SKY",2001)[Amazon][bk-1] 読了。『プロフェシイ―大地の子― 下』のつづき。異世界ファンタジー三部作の完結編。

 旧世界から偉大なるサギアの根をつたってやってきたラプソディ、アクメド、グルンソルの三人は、悪霊を滅ぼす〈三者〉として予言された存在だった。旧世界から呼び込まれた破壊を好む悪霊フドールは徐々に勢力を拡大し、陰謀をめぐらせ、新しい世界にはふたたび混乱と破壊の世が訪れようとしていた。
 フドールの宿主を突きとめるため、星の力を伝える剣の担い手〈イリアチェンバール〉となったラプソディとフドールを追う宿命を持ったドラキア人のアクメドは、怪物ラクシャスの子供たちを見つけだす旅に出る。ラクシャスのすべての子供たちを救おうとするラプソディは、最後に残ったひとりの救出のために、フィリド教団の祈願者ラウロンの助力を得た。ところが、約束された援軍は来ない。ラプソディは極寒の見知らぬ森に防寒服もなく見捨てられ、死の淵をさまようことになる。

 ながかった。文庫本なのに一冊千円ですよ。どっちも約650ページ。ものすごく分厚くて読んでも読んでも終わらない。それでもなおかつ楽しかったです。ほんとうに、この話の世界描写は好き。音絡みの自然描写はとても生き生きとしていて、音楽と魔法のかおりをたいへん楽しみました。

 しかし、正直言ってかなり冗長だと思うところもありました。ひとつひとつは印象的だったり魅力的だったりするエピソードなんですが、枝葉が多すぎるせいで物語の勢いが殺されて、全体としてみると散漫な感じが残ります。設定を無理矢理使い切ろうとしているみたい。

 あと、この話にはクライマックスが二つあるんですよね。ひとつめが終わったときにかなりの達成感に浸ったのに、まだ下巻の半分くらいしか来ていない。それじゃあ、あとにはなにが? と思ったら、うーん、そういうふうに進むのか……。いや、たしかにこの話もとても盛り上がるし、楽しいシーンがあるし、感動的でもあるし、それまで張ってきた伏線の残りがすべて解決される、大切なところなんですが(ラプソディのロマンスの決着もつくし)、なにか釈然としなかった。楽しく読んでいるのになにかがひっかかる。とてももどかしい気分でした。

 もしかすると、それは単に私がアシェよりアクメドの方が好きだから、なのかもしれません。第一部の冒頭に戻って、この話はロマンスであるという基本に立ち返れば、たしかに納得できる構成です。でも、アシェが好きじゃないんだもん。ラプソディがアシェと幸せになってもならなくてもどうでもいいの。アクメドの使命が果たされて、アクメドが幸せになってくれればいいの。あ、そういう視点で読んでたから、アシェとラプソディの絡みが余分に思えてしまうんですね、きっと。そうか、問題は私がこのロマンスに感情移入できなかったところにあったのか。なるほど。

 ともあれ、緻密で豊かな世界描写と雄大なストーリーと、ラプソディとアクメド、グルンソルの三人のやりとりはとっても楽しかったです。ラプソディのロマンスに感情移入できれば、もっと楽しかったに違いありません。ハヤカワ文庫FTを久しぶりに堪能したーという気持ちになりました。

Amazonでサーチ>>「エリザベス・ヘイドン」

 2003.11.18(火)

 メグ・キャボット(金原瑞人・代田亜香子訳)プリンセス・ダイアリー 恋するプリンセス篇(河出書房新社.2003.284p.1600円+税 Meg Cabot "PRINCESS IN LOVE",2002)[Amazon][bk-1]読了。日記形式で描く、アメリカ版少女小説。『プリンセス・ダイアリー ラブレター騒動篇』のつづき。

 ミア・サモパリスはアルバート・アインシュタイン・ハイスクールの一年生で一番のっぽで貧乳な女の子。
 ミアにラブレターを送りつづけていたのは、期待していた親友リリーの兄マイケルではなく、ケニーだった。ミアは断ることができず、ケニーはミアのボーイフレンドになった。ミアはケニーに自分の気持ちをうち明けたいが、ふんぎりがつかない。ミアはケニーのおかげで生物の成績を保っているし、いつのまにかまわりのみんながカップルで行動するようになってしまったからだ。おまけに、ケニーをフッたらクリスマスに行われるパーティーに誰と行けばいいのかわからない。それでなくとも、ジェノヴィアのプリンセスとしておばあさまにいじめられていて、ママが妊娠してミアの代数の先生と結婚したっていうのに。ミアの苦悩は深まる。おまけにマイケルはクラブの女の子とつきあい始めてしまった!?

 読んでいて、三回吹き出しました。
 ああもう、おばあさま、最高です。自分勝手で傲慢で辛辣で、人を人とも思ってなくて、絶対に後に退くことができず、自分を通すことでしか自己表現できないおばあさま。なんか、私こういう強いおばあさまに弱いんですねえ。駒崎優「足のない獅子」シリーズのアンジェラおばあさまとかさ。
 ボーイフレンドがいないと嘆いていたミアは、自分が優柔不断なばかりに片思いされるつらさを味わうことになりますが、相手に引導を渡してやれない理由に自分の都合ばかり挙げる彼女に、あの身勝手なおばあさまの一喝が(まあ、おばあさまの言い分にもかなり打算が混じってますが)。
 とにかく、ミアの側の純粋さと打算がごちゃ混ぜになった葛藤は楽しく読めました。マイケルがつきあっている(とミアは思っている)コンピュータクラブの上級生をいつも「ミバエのクローンが作れる女の子」と呼ぶのがおかしい。どうしてそんなにハエのクローンにこだわるの(笑。

 それから、今回も脇役がさりげなくいい味を出してます。ミアのボディガード、北欧出身のラーズはちゃめっけたっぷり。同級生で中東の大富豪の娘ラナ・ハキム・バーバのぬけめない当世の女の子ぶりとか。リリーはリリーだし、一番個性がつかみにくいのは、ミアの片恋相手のマイケルですね。ほかにもジェノヴィアからやってきた王位継承権のあるデザイナー、セバスチャーノが新登場。とにかく国際色豊か。一昔前の少女マンガにもありそうな設定ですが、舞台がニューヨークだと違和感が全くないです。

「プリンセス・ダイアリー」既刊

クリエを購入するのこと 2003.11.16(日)

 先週の金曜日、パーソナル・エンターテイメント・オーガナイザー、クリエPEG-TJ25を購入しました。
 最初に見てから二週間は、長かったのか、短かったのか。店に行ったときも、内心は半分くらいしか決心してなかったのですが、「16日まで400円引き」というポップに背中を押されました。自分で自分に贈る誕生日プレゼントと言い訳し、ポイントカードのポイントを充当して一万円ちょっとで手に入れた。

 その後、MacOS9に繋げてある程度使用できるようにするために週末はほとんど潰れました(こういうときに限って、邪魔がたくさん入るのはなぜ)。
 接続用ソフトをダウンロード購入して、インストールの準備をして、という一般的な作業のほか、結局、OSのバージョンも9.1から9.2.2にアップすることになりました。Plam接続用ソフトを入れたら不安定になってしまったので(しかし9.2.2はこのPowerBookG3には荷が重いような。いまも動作も重いです〜)。

 Palmを使用するのは初めての私(というかどんな携帯端末においても初心者)。そこにはあらたな世界が広がっていました。Plamware(PalmOS用アプリケーション)を求めて、行ったところのないサイトをぐるぐるして、見たことのない用語を咀嚼しました。付属のマニュアルがMacでは読めず、情報はすべてネットで探しました。苦労したけど成果があって、達成感も大きかったです。テキストを、縦書き表示で寝っころがって読めたときは幸せでした。やったよー。錆びついた頭でもまだできることはあるんだーーー。という気分です。

 これから頸と腰の痛み軽減に役立ってくれることを期待しています。  

 谷瑞恵魔女の結婚 哀しき鏡像の天使(集英社コバルト文庫.2003.272p.514円+税)[Amazon][bk-1]読了。『魔女の結婚 星降る詩はめぐる』のつづき。

 ステファンと婚約したエレインは、ヨセフ騎士修道会の総長フリードリヒのつてでとある商人ハーヴェイの家に厄介になっていた。聖槍を宿すステファンの未来の妻として、キリスト教の教会に礼拝に出かけるエレインだが、ケルトの巫女としての自分を忘れることができない。ステファンはキリスト教徒と異教とが平和に暮らせる世の中をつくりたいという理想を語り、エレインもそんな彼に共感するが、マティアスを忘れることもできないと感じてしまうのだ。そんなときエレインは、親の決めた結婚相手を嫌って黒魔術師に頼ったハーヴェイの娘が、魔物の気配の漂う場所でなにものかに襲われているところに出くわした。ともに捉えられそうになったところを正体不明の誰かに助けられたエレインは、魔物に「伝えるべきは伝説の王にのみ」という奇妙な言葉を告げられる。

 読んでからずいぶん経ったので、話をかなり忘れてしまった…。
 えーと、今回はマティアスの苦悩の理由が「自分は父親のように相手を傷つけ、破滅させる愛し方しかできないのではないか」という恐れであることをエレインが理解する話です。つまり、理解が深まるがゆえに、距離は遠くなるというパターンですな。
 エレインの《流星車輪》とステファンの宿す聖槍、そしてタリエシンの竪琴の弦。さまざまな力ある物が話を彩ってまいりましたが、今回はついに聖杯のご登場。(聖杯というと、ビジュアルとして『インディ・ジョーンズ』シリーズの「レイダース」に出てきたものを思い浮かべてしまう自分はとても間違っているなと思います。だってものすごく安っぽいし。)

 エレインとマティアス、ステファンの関係の行方を描くところは、理屈っぽいせいでちょっと食傷気味ですが、ケルトの王が誕生するかもしれない物語としてはいろいろと試練があってこその結論のありがたみという気がしないでもないので、まあいいかーとつきあってしまってます。
 今回の読みどころは、術師ダイルに毒薬を飲まされたエレインをマティアスが看病するところですね。エレインが求めるもののレベルに乙女小説を感じました。

Amazonでサーチ>>「魔女の結婚」シリーズ既刊

 2003.11.12(水)

 新城カズマイスベルの戦賦(うた) 亡国の王女よ、誓え(エンターブレインファミ通文庫.2003.287.640円+税)[Amazon][bk-1]読了。ヒロイニックファンタジーシリーズの二巻目。『イスベルの戦賦(うた) 〈天の踵〉よ、来たれ』のつづき。

 共和国によって滅ぼされた北の王国の王女、イスベル。苛酷な試練をくぐり抜けて自由の身となった彼女は、黒き剣を背負い、女巨人ウィルガとともに故国の復讐を果たすべく旅をつづけていた。この旅に足手まといは必要ない。イスベルは奴隷となる運命から助けあげた町娘メーアをそのまま別れるつもりで手近の町に遣いへ出す。ところがメーアはたぐいまれな交渉の才を発揮し、予想を遙かに超えた品物を手にふたりのもとへと戻ってきた。品物だけではない。メーアは共和国の北方駐屯軍の司令官、つまりイスベルの仇である人物の噂まで聞き込んできたのだ。司令官エディオンの足跡を追って、イスベルたちは駐屯軍の本陣のあるシン=イイルの街に潜入する。

 物語はダイナミックに展開し、イスベルの復讐に胸に刻まれたしるしの謎がからみ、司令官エディオンとの出会いがあり、舞台は北方から共和国へと移ります。
 それにしても、やっぱり女たちが熱い(笑。
 凛々しい少女、強い女、したたかな少女、ときて、今度は可憐だけど押しの強い少女(エディオンの妹)です。それにくらべて、やっぱり男たちの印象が弱い。
 「蛮族の娘」を絶世の美姫に変貌させる、マイフェア・レディ風の展開になりますが、イスベルと男たちの関係はどちらがより強いかという、男性的な縄張り争い風の話ばかりで、色気はまったくなしです。イスベルに下された予言を思うと、彼女がだれと結ばれるのかはかなり重要なことだと思うんですけど、そんな余裕はまだないということか。そんな話の中で、おしゃべりなメーアとお堅いイスベルの間柄が、少女むけロマンスの男女の関係に見えてしまうのはなぜ(苦笑。

Amazonでサーチ>>「イスベルの戦賦」既刊

 2003.11.9(日)

 J.K.ローリング(松岡佑子訳)ハリー・ポッターと賢者の石(静山社.1999.462.1900円+税 J.K.Rowling "HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE",1997)[Amazon][bk-1]読了。

 三月に『二つの塔』を見に行ったとき友人が貸してくれた「ハリー・ポッター」。ようやく読み終えましたー。すみません、K様。いくらゆっ くり読むといっても限度ってもんがありますよね。ずっとほっぽらかしてごめんなさい。

 天下の「ハリポタ」。こんなに読むのが遅くなった理由は、ひとつは私は大ベストセラーはすべからく敬遠するひねくれ者だから。自分で買うには高いし、図書館で借りようにも、ぜんぜん書架に戻ってこない(2003年3月の時点で市内18館で157冊も所蔵していたのに!)。さらにひねくれ者なのでわざわざ予約する気も起きず。そして、期限なしで友人から貸してもらえたおかげで安心して、期限有り貸借本を優先して読んでたから……です。つまり、積極的に読みたいという気持ちにならなかったんですね。そういう人物に投げやりに読まれても本も不幸だと思うので、ようやく「読もうかなあ」という気分になるまで待ったのは正解だったような気がします。

 今回「読もう」と思ったのは映画を観たいと思ったから。じつは映画はずっと観たかったんですよねー。でも、身上として原作有りで原作を読む予定があるものは、原作を先に読みたい。そんなおりに第二巻の無期限貸借が成立したこともありまして、じゃー読むかと重い腰を上げました。

 前置きが非常に長くなりましたが、読んでみたところは、けっこう楽しかった。しかし、期待していたほどのめり込みもしなかった、という感想でした。なんの先入観もなく手にとって読んだら、ふつうに「おもしろかったですー」と書いたかもしれない。しかし、大ベストセラーであることを前提に読んでいるのでいちいち吟味してしまうことは避けられません。

 とりあえず一巻を読んで私が感じたのは、「このお話は枠みたいだ」ってことです。話が始まるとすぐにたくさんの手がかりが明確に与えられて、読み手は話の世界に簡単に入り込むことができる。主人公にもめだった癖はなく、読み手が同化しやすくなってる。反面、舞台の詳細や出来事の中身は、実際にはあんまり描かれていない場合が多いような気がしました。あたえられる手がかり(設定・アイテム)に既出のものが多く、ストーリーが定番なので、どんなシーンなのかの想像がしやすいのであんまり支障を感じないけど。
 既知のイメージをうまくつかってて、描写は読み手が自分の体験と好みを挿入して補うようになってる。無理に想像力を働かせなくても読める、というのか。読み手が超えることを求められるハードルがとても低い。RPGみたいだという感想をどこかで読んだ気がしますが、その意味がよくわかった。ゴーストやからくりの仕掛け満載のホグワーツという謎の魔法学校で繰り広げられる、RPG。勉強や日頃の行いで経験値をかせいで、イベントを発生させるの。最終目標はグリフィンドール寮がスリザリン寮に勝利すること、って感じかな。

 一章ごとに小さな結末を迎えて、どこから読んでもいちおうの満足感を得ることができるのは、連続ドラマみたい。もしくは一話読み切りのシリーズ連載マンガ。
 緻密な構成で細切れ読書でも楽しめるいっぽう、ぐいぐいひきこまれてしまうようなところは少なかった気がする。我慢して読むシーンがほとんどないかわり、物語の盛り上がりを演出する「ため」が弱いというか。(おかげで章ごとに休憩を入れてしまってなかなか読み進められなかった。)
 文章がたんたんと行き先を示しているだけなので、そのシーンで気分的に盛り上がれるかどうかは読み手がどれだけハリーとシンクロしているかが勝負なのかも。そこでとうに子供じゃない私の場合、ハリーという枠だけじゃなく、ハリーの感情とか感覚とかをもっといろいろ提示してもらわないとなかなか子供時代の感覚をおもいだせないわけです。最後の盛り上がるはずのところであんまり盛り上がれなかったのはそういうことなのかなーと。

 それと、この本を読んで他の本も読んでみたいという子どもにつぎに何を読ませるかは、ずいぶん悩ましいことだなーとも思いました。この本、ファンタジーの驚きとか神秘とかとは無縁ですよね。むしろ学園物の雰囲気に近い。でも、子供は自分は魔法使いの世界に興味があるんだと思ってるだろうし。そこで思い出したのは久美沙織の『ここは魔法少年育成センター』。こちらは児童というより生徒向けなんですが、「ハリポタ」を意識したという意味が本家を読んでようやくわかりました。なるほどー。日本の青少年に既知のイメージで魔法物語を紡ごうとすると、ああなるんですねー。

 なんだかだといろいろ書きましたが、面白かったのは確かです(私はロンのお母さんの手編みセーターのエピソードが好きだー)。手元につづきがあれば読むでしょう。というわけで、二巻は弟から強奪してきたのでそのうち読みます。そのまえに映画かな(笑。

Amazonでサーチ>>「ハリー・ポッター」シリーズ既刊

ヘッドマスターカラーだって 2003.11.6(木)

 雨だという予報を真に受けて傘持っていったのに…。晴れてんの(T.T)。

 装具のための通院。
 今回は一度で終わってくれました。しかし、前回装具屋が言ったことは嘘で、というか装具屋が勘違いしていたんですが、今度の装具はフィラデルフィアじゃなく、ヘッドマスターカラーなるものだということが判明。金属製のフレームでできてるので、スチロールみたいな素材でぴったりと頸を覆うフィラデルフィアより格段に蒸れない模様。しかし、ずんと高価。税額含めてぴったりの金額を用意してったのに、一万三千円も追加しなくてはならず、端数を合わせた苦労が水の泡でした。

 そのヘッドマスターカラーですが、装着するとしっかりと頭が固定される感じで、横を向けないばかりか下も向けません。たしかにここまで動かないと頸は痛くない。しかし、階段を下りるときの怖さときたら。

 自分をなぐさめるために、船戸明里『Under The Rose 1』[Amazon][bk-1]を購入。

 長野まゆみ東京少年(毎日新聞社.2002.140p.1100円+税)[Amazon][bk-1]読了。東京タワーの見える街で暮らす十四歳の少年の日常を、湿度の少ない透明な筆致で描いた小説。

 祝常緑(ことぶきときわ)は十四歳。親しい人にはロクと呼ばれている。黒椿を伝える家柄の出身であったという母親はロクが幼いころに家を出て、それきり行方がわからない。ロクは仕事上ひとつところに留まることができない父親のため、祖父と暮らしていたが、最近祖父が亡くなったため父親の従兄弟(便宜上叔父と呼んでいる)の家に居候することになった。独身の叔父との共同生活はきづまりで、ロクはなかなか馴染めない。そんな日々の中、ロクは自分で黒蝶椿と名づけた黒椿に興味を抱きはじめた。

 普通の現代小説。というとなんだか誤解を招きそうですが、これまで読んできた長野まゆみの話の中ではかなり一般向けな感じです。どこがそうなのかというと、ふつうに現代を舞台にしていることとか、主人公の少年がわりと普通の素直な性格であることとか、家族がテーマのようであるところとか、母親が出てくるところとかです。おもわず太字(苦笑)。登場人物はほとんど男だし、そこはかとなく同性愛の雰囲気は漂ってますが、とにかく母親がきちんとした人物として書かれていることにちょっと驚きました。(かなり変わり者ではありますが;)
 少年と彼をとりまく人々の日常を、植物に絡んだ謎とちょっとした波乱とともに描く、淡々とした味わいの小説。子供だった少年が、過去にあった大人たちの事情を知らされて自分のルーツに思い至る、地味だけど繊細な話。短編映画を観たような印象が残りました。東京タワーのイメージがモノクロームの写真のように懐かしいです。

 2003.11.4(火)

 ジェフリー・ディーヴァー(池田真紀子訳)コフィン・ダンサー(文芸春秋.2000.454p.1857円+税 Jeffery Deaver "THE COFFIN DANCER",1998)[Amazon][bk-1]読了。肢体不自由な天才的科学捜査官とその助手の美貌の巡査が、正体不明の暗殺者に挑むミステリーサスペンス。リンカーン・ライムシリーズの二作目。『ボーン・コレクター』の続編。

 アメリカ軍の基地から盗んだり海外から密輸した武器を卸していた実業家ハンセンは、FBIと市警の両方から追われる存在だった。不法行為の証拠隠滅を計る行動を部外者に目撃されたハンセンは、口封じのために「コフィン・ダンサー」とあだ名される伝説の暗殺者を雇う。三人の目撃者は小規模な航空会社の役員兼パイロットたちだったが、そのうちのひとりはリアジェット機に仕掛けられた爆弾によって飛行中に爆殺された。残る証人はふたり。ハンセンの公判まで、あと48時間。証人を守りきり、コフィン・ダンサーを捕らえるため、市警は科学捜査のスペシャリスト、元市警科学捜査部長のリンカーン・ライムに助力を依頼する。

 前作同様、タイムリミットのあるサスペンフルなミステリー。神出鬼没の謎の暗殺者コフィン・ダンサーとライムたちの罠の掛け合い、出し抜きあいにぐいぐいと引きずり込まれます。鑑識のプロフェッショナルである主人公が、現場から採取したわずかばかりの証拠物件から爆薬の種類や指紋の付き方、血痕の落ち方などから意味を読みとり、そこから犯人を特定する手がかりを得てゆく過程がとってもスリリング。今回はライムと助手をつとめるアメリア・サックスの微妙な関係に、証人のひとりであるパーシーというものすごく個性的な女性の存在がわって入り、理性的に進められる捜査活動の合間の熱いやりとりも読みどころ。勝ち気なサックスが、ライムとパーシーの「妙にわかりあった」関係に嫉妬するあたりはかわいいです。
 それとパーシーという女性の存在感が見事。小柄で美人ではなく、私生活は悪癖だらけ。にもかかわらずとびきり優秀なパイロットで職務には誠実。傾きかけた自分の航空会社を救うため、おとなしく証人として守られることを潔しとしない、エネルギーあふれる女性です。ラスト近くの飛行シーンには手に汗を握りました。
 おもしろかったー。
 ひさしぶりに単純に楽しい読書の時間でした。私にしてはめずらしく、最初に怪しいヤツを発見したし(笑。

・リンカーン・ライムシリーズ一作目
『ボーン・コレクター 上』[Amazon][bk-1]
『ボーン・コレクター 下』[Amazon][bk-1]
・リンカーン・ライムシリーズ三作目
『エンプティー・チェア』[Amazon][bk-1]

さらに腰痛 2003.11.3(月)

 腰痛が治りません。椅子に腰掛けているとだんだん悪化していく感じ。
 パソコンに向かうとてきめんなので、何度も席を外すのだがいっこうに改善しない。作業ははかどらないし。なんだか苛つきます。夜のストレッチは特別入念にやりましたが、やっぱり痛い。
 湿布薬がどんどん減っていくので、このつぎ病院に行くまで持つか、心配。

 霜島ケイ終の神話・天泣の章 封殺鬼シリーズ26(小学館キャンバス文庫.2003.268p.543円+税)[Amazon][bk-1]読了。平安の昔から生きつづけるふたりの鬼と陰陽師たちの活躍を描く伝奇アクションシリーズ。『玉響に散りて 封殺鬼シリーズ25』のつづき。

 神島隆仁の死により、変化してゆく本家内の力関係。三家とも次期当主を前面に出してゆく時期となり、佐穂子と達彦はそれぞれに責任を背負う覚悟を定める。自由になったふたりの鬼は、あらためて神島との契約を結ぶこととなった。羅ごうによってもたらされる災厄を防ぐ手段として必要な剣を得るために向かった箸墓で、弓生は柿色の異形に選択を迫られる。「おまえは人を生かしたいか。滅ぼしたいか」。

 前向きな佐穂子とおのれの存在をあらためて受け入れた感のある達彦に比べ、くだけた外見とは裏腹にうじうじと兄との関係を引きずっている三吾がかわいい(?)巻。
 鬼としての生に決着をつけることを迫られてぐるぐる深みに沈んでいく弓生にくらーい気分になって、天狗の思うままに操られそうになったところで、雄叫びたかく登場の聖に癒されました(笑。秋川のおじさんたちがほっとした自分たちに困惑している姿が楽しい。
 ところで、何巻か前に「羅ごう」の正体がわかった、とか書いた気がするのですが、この巻で本当にその正体が判明したような……(汗。
 簡潔な文章でテンポよく描きだされる夜の湿度とつめたさ、暗さが印象的。

Amazonでサーチ>>「封殺鬼シリーズ」既刊

腰痛 2003.11.2(日)

 腰が痛い。朝から痛い。
  昨日、私はなにかよからぬことをしたのだろうか。二歳児と手をつないで歩いてたからかなあ。どうしても身体が片方にかしぐから。
 あんまり痛いので湿布薬を貼りました。あー、じわじわする。

 壁井ユカコキーリ 死者たちは荒野に眠る(メディアワークス電撃文庫.2003.282p.550円+税)[Amazon][bk-1]読了。遠未来を舞台にしたSF風ファンタジー。第九回電撃ゲーム小説大賞〈大賞〉受賞作。

 幼いころ、キーリは気がついた。この惑星に教会はあるけれど神さまはいない。大戦争の後、天然資源の枯渇した惑星では、戦争のために開発された〈不死人〉と呼ばれる存在が悪魔の手先として狩られていた。育ててくれた祖母が亡くなった後、キーリは教会付属の寄宿学校で生活している。幽霊が見えるために変人として周囲から浮きあがっているキーリの、唯一の話し相手は同室の少女ベッカだ。休暇の前日、家族と観光旅行に行くというベッカとともに鉄道の駅にむかったキーリは、そこで若い男の死体をみつけた。

 穏やかな暗さみたいな雰囲気を感じさせる文章でつづられる、幽霊の見える少女と人工的な不死の男、そして喋るラジオの物語。短編の連作形式。黄昏を迎えた植民惑星で、孤独な少女キーリの見る幽霊の過去と、つねに生あるものに置き去りにされてゆく不死人であるハーヴェイの過去がからんだり、重なり合ったりしてすすんでいくストーリー。生と死のワンシーンを淡々ときりとって印象深いお話でした。
 鉄道で移動していくこととか、車掌さんのエピソードのせいなのか、なんとなく松本零士の『銀河鉄道999』を思い出しました。いろんな人物(幽霊)のそれぞれの人生が、ちょっともの悲しいけどあたたかな視線で描かれているからでしょうか。それとも、レトロな機械が出てくるからかも。

 すべてを台詞で説明してぐいぐい進んでいくような書き方ではなくて、描写によって状況がだんだんにわかってくるような書き方がかなり好きです。つづきもあるようなので、借りてみよう。

反ダイエット 2003.11.1(土)

 かねて目に痛いと感じていたウェブセーフカラーから離れる準備として、試験的にトップページのみ配色を変更してみました。んで、彩りをそえるため、右側にちょっとしたお薦めコーナーを開設してみた。ほんとはきちんと「本屋さん」をつくってみたいんですが、根気がなくてですね。
 それから、ほとんど利用のない掲示板を別サイトのものと統合しました。閲覧上の不具合がありましたら、こちらへお知らせくださるとありがたいです。

 本日はまた妹たちとお出かけしました。昼食は駅前に新しくできた和風パスタ屋へ。どうせちびふたりは大して食べないんだからとセットメニューをふたり分頼んだのだけど、姪は自分で選んだメニューのくせに大してどころかほとんど食べてくれず、デザートも半分以上残してくれたので大変でした。湯葉とモッツァレラチーズと卵のパスタなんて、くどすぎです。しかも残されたデザートはレアチーズケーキ…。胃にどっかりどころじゃありません。すぐさま胃薬のお世話になる私。

 しばらく100円ショップなどで買い物した後で三十過ぎにしてコーヒーに目覚めた妹の希望でスターバッ○スへ。子供用ジュースを頼んだのに、これをまた三分の二以上残した姪に一口しか飲まない甥。「ふたりでひとつを分けたらよかったのに」と言ったら、「ひとりにひとつずつないと喧嘩になる」と妹。あー、そうですか(-_-;) 自分用のカフェラテを飲んだ後、飲み残しのジュースを未練たらしく飲みつづけていたら、胃がはちきれそうになりました。なんというか、もうこれ以上働くのは嫌ですってかんじの鈍重感。うえ〜。

 よほど限度を超えて胃にものを詰め込んでしまったらしく、その後数時間経ってもお腹が空かないので困りました。いつもとは逆の順序ですが、食べるとダメになりそうなので先に風呂に入りました。夕飯は抜いてしまおうかと思ったりしたけど、薬を飲まなきゃならないし。結局、冷凍の肉まんを解凍して一個、ヨーグルトとリンゴを一切れというしようもない夕飯を食べて。その後、体重計にのったら、前日夜よりも600グラムも増えていたので泣きました。
 私、ホントにダイエッターなんでしょか。とほほ。


Reading Diarydiary最新)・books

当サイトの画像および本文は管理人「ゆめのみなと」に著作権があります。
本サイト内の画像や文章の無断使用・無断転載はご遠慮下さい。
Copyright(c)2000-2003 Yumenominato. All Rights Reserved.