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2003年2月後半のdiary

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2003.2.17 買っちゃったよ/
2003.2.18 BSアンテナ取り外し/『アネイリンの歌 ケルトの戦の物語』
2003.2.19 話の結末/『恋ヶ淵 百夜迷宮』
2003.2.20 /『夏化粧』
2003.2.21 買っちゃった2/『剣客商売 春の嵐』
2003.2.22 LDプレイヤーとオープン戦と/『星の葬送 グイン・サーガ88』
2003.2.25 プレイヤー設置とSEEと眼科/『天気晴朗なれど波高し。 2』
2003.2.26 目薬と電器屋さん/
2003.2.27 /『黄金の拍車』
 2003.2.27(木)

 『ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション』[Amazon]は、特典ディスク2の途中まで見ました。「ホビットの一日」までかな。

 駒崎優黄金の拍車(講談社X文庫ホワイトハート.2002.220p.550円+税)[Amazon][bk-1]読了。13世紀のイングランドを舞台にした若者たちの事件簿(?)「足のない獅子」シリーズの続編。直接的には『開かれぬ鍵 抜かれぬ剣 下 足のない獅子』のつづき。

 西暦1278年、イングランド南ヨーク州。コーンウォール伯によって騎士に叙任されたリチャードは、領地となるストックスブリッジの城へと単身赴いた。前領主であるベインズと事あるごとに衝突してきた新たな若い領主に、使用人たちは戦々恐々。一方リチャードは、人心把握に加えて、ベインズの残した膨大でずさんな書類仕事にはやくも前途の多難をおぼえる。さらにリチャードは城内を視察する途中、地下牢で白骨死体を発見した。

 「足のない獅子」シリーズ騎士編の開幕。
 騎士となったリチャードとギルフォードですが、身分と住むところは変わっても、ふたりのしていることはほとんど変わらず。相変わらず事件に巻き込まれ、相変わらず娼館で情報収集をし、相変わらず神父に弱みを握られて、相変わらず仲が良さそうです。
 しかし自分の城内を治めるために働いているリチャードはともかく、ギルフォードはこんなに人の領地に一生懸命でいいのだろうか……従騎士の時にも仕事はなんにもしていなかったような気もするが。ブラッドフィールドでの描写が減ったせいで、アンジェラお祖母様の出番がなくなり、とてもさみしいです。新しい女傑キャラの登場希望。

目薬と電器屋さん 2003.2.26(水)

 昨日もらった三種類の目薬ですが、ひとつは一日に四回、ひとつは疲れたときに、もうひとつは乾いたときに差すようにと注意書きがしてあります。
 とすると、どんな状況でも一日に四回は差さねばならないわけですね。今の状況だと一日に十回くらいは固いのではないかと推測するわけですが。
 私は目薬を差すのが下手なんです〜。
 一滴目の中に落とすために、二倍無駄にしている気がします。もったいない、もったいない。どうやったらうまく差せるのだろう。なにかいい方法はないものだろうか。寝転がって差しても、うまく入らない。左目に入れるのが特に下手。利き目が右だから、左目のすぐ上に容器をかざしても真上にあるかどうかわからないのですな。あーもう、どうしてくれよう。

 DVDプレイヤー(+もろもろ)設置のために呼んだ電器屋さん(というか、独立なさったので電気工事屋さん?)。午後五時の約束で六時半にやってくるのは、いかがなものかと思う。入れ替える予定の壊れたVHSビデオデッキをいちいち検証してくれなくてもいいです。時間がもったいない。一時間以内にすべてが終わったのはさすがだと思いますが、領収書くらい持ち歩いてくださいね。ひとりで仕事をしているのなら、なおさらです。

 寝る前にビデオのチャンネル設定と時刻設定をやりました。最近の電化製品はつくりが安っぽいなと思ってましたが、設定はものすごく簡単でした。ちゃんと進化しているんだなと感心。
 さあ、これで夜中のスポーツニュースが録画できるぞ(?)

 『ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション』[Amazon]は、特典ディスク1の途中まで見ました。
 アラン・リーの絵がこんなにたくさん〜(感涙)。

プレイヤー設置とSEEと眼科 2003.2.25(火)

 昨日の午前中にVHSビデオ一体型DVDプレイヤーが届きました。三時間格闘しましたが、当初の予定通りに事は運びませんでした。
 私はビデオ接続を甘く見ていたと告白いたします。いまあるビデオデッキの接続を、そのまんま移し替えればいいんでしょと思っていたのですが、そんなに簡単なものではありませんでした。日曜日に抱いたイヤな予感があたってしまった。うちのテレビの裏側は、けして開けてはならない、魔物の住む空間だったのでした。
 …というのは大げさですが、開けてはならないどころか、テレビが大きすぎて重すぎて動かないので、後側の配線がどうなってるのかさっぱりわからないのですね。
 とりあえず工事中で映らないBS放送を除外して、地上波のアンテナとテレビと繋げておけばいいだろうと、その部分の端子を接続したのですが、なぜかテレビの電源が入らなくなってしまう。古いビデオデッキに通電していないとテレビが作動しないのです。DVDプレイヤーと接続して、こちらを通電させてもダメ。外部入力のほうに差してあるのもどこかに繋げる必要があるらしいんだけど、配線がわからないのと、差し込み口よりも差すもののほうが多いのでどうしようもなく。
 十一年前に買ったときにも「大きすぎる」と文句を言ったものだけれど、いまでも言いたい。なんでこんなにでかいテレビを買ったんだ! 大地震が起きたときにそばにいたら、絶対に圧死するだろうと思います。
 調べてみたらLDプレイヤーだけじゃなく、他にもいろいろと複雑なことになっていました、うちのテレビ。それを私も失念していたんだけれども。DVDプレイヤーを購入したときに設置も頼もうかなあと、ちらりと考えはしたんですが、きっと普通の業者が来ても、すぐにはできなかったと思う。そういえば、最初にこういう状態にしたときには電器屋さんが半日かかって設置してたような覚えが。うーむ、やっぱり、無謀でした。
 設置した電器屋さんに連絡を取ったら、来てくれるそうなので、とりあえずはゲーム機のようにテレビ前部のビデオ端子に繋げております。DVDを見るだけならばこれで支障はないしさ(負け惜しみ)。

 というわけで、『ロード・オブ・ザ・リング SEE』の本編は見ました。仕事で何度も中断しながら切れ切れにでしたが、とにかく最後まで。馬鹿正直に、最後のクレジットまで全部。午後三時ころから見始めて、十一時過ぎまでかかりました。どこがつけ加えられていたのか、ほとんど判別つかない記憶力。またもやサムのフライパンを確認できない視力。しくしく。

 見ながらショックだったのは、二メートル以内まで近づかないと、字幕が読めなくなっていたことです。先日映画館に行ったときにもずっと目をすがめてて、まずいかも〜と思っていたのですが、これでとうとう観念しました。このまんまだと、『二つの塔』もちゃんと見られない。重い腰をあげて眼科まで行ってきた。
 視力検査をしたら、メガネをかけても上から二番目がぼやける状態。これは見えないでしょうと検査技師に感心されました。でも、買ったときには0.8まで見えてたのよ〜。
 さらに、最近充血するし、目が乾くし、疲れるし、と感じていたのは、ドライアイのせいだということも判明。涙の量は減ってはいないけれど成分バランスが崩れていて、それで目が乾くのらしい。根本を治療する方法はないそうだ。目薬を三種類(結膜炎用・乾いた時用・疲れた時用)処方してくれて、メガネも新しくするように言われました。まあ、当然です。そしてパソコン仕事は十分ごとに休憩を入れるようにとも。これがなかなか難しいんですが。夢中になってると十分なんてあっというまに過ぎちゃうからな。せめて意識してまばたきするようにしよう。
 涙量を量る検査で、小さな紙の短冊を下まぶた目尻側にひっかけて五分間待つ、というのがとても辛かった。

 須賀しのぶ天気晴朗なれど波高し。 2(集英社コバルト文庫.2003.236p.540円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界ファンタジーシリーズ「流血女神伝」の番外編。『天気晴朗なれど波高し。』のつづき。

 名門ギアス家の三男で海軍士官になったばかりのランゾット・ギアスは、つぎの航海先は南洋であると告げられた。ワーデン神の島である剣島を通過するとき、すべての艦はワーデン神に敬意を表し、初めて通過するものは洗礼を受ける。そのうえ、ガゼッタ海軍にはもうひとつ、初めて洗礼を受けるものは、ひとつ芸をすべし、というしきたりがあるという。ランゾットは士官でただひとりの新米として、ワーデン祭でかならず何かを披露しなければならない。そこでトルヴァン・コーアが思いついた「凄い」芸とは、かつてランゾットの兄ウェインがワーデン祭で踊った、グンダホア・ジンガだった。

 えーと、この本はたしか買った日に少しだけ読んでほったらかしていたんでした。
 読みはじめたら一気の須賀しのぶの本には珍しい現象です。なにが途中でブレーキをかけたのか、いまとなってはよくわからないのですが。ネイさまのキャラクターがあんまり好きじゃないからかなあ。
 でも、ランゾットのダンスのレッスンの顛末や、娼家通いの内幕や、その他いろいろと楽しかったです。

LDプレイヤーとオープン戦と 2003.2.22(土)

 『二つの塔』はまだ見に行けないし、DVDプレイヤーもまだ到着しないので、LDで『薔薇の名前』を見ようとしたのですが(つながりは不明)、LDプレイヤーがビデオを通してテレビに接続されていたので(よくわからない)、録画のできないビデオではゆがんだ映像しか見られないのでした。画像はともかく、字幕がぶれるとなんにもわかりません。どうなっているのだ、ここの配線は。月曜日、DVDプレイヤーをちゃんと接続できるか、不安になってきました。

 オープン戦開幕。
 最初の中継が横浜戦だなんて、いったいどうしたのですか、テレビ朝日(たぶん、ヤクルト戦の認識だったのだと思う・笑)。こわごわ見始めたのですが、昨年の新人王投手を相手に意外にも(失礼)ちゃんとヒットが出る、点が入る。さらには本塁打が。期待していいのでしょうか、古木選手。

 かなり久々に『世界ふしぎ発見』を見た。はい、テレビ欄の「ロード・オブ・ザ・リング」の文字につられたのです。
 ニュージーランドというと、私にとっては『ピアノ・レッスン』[Amazon]の舞台です。なんか、じめじめじとじとしたイメージが染みついていて、あんまり行きたくないなあという印象(私は湿気に弱い)。
 番組は、映画とニュージーランドの自然を無理矢理むすびつけていたような気が。こんなに短い番組にCG製作の現場なんて入れなくてもいいのに。

 栗本薫星の葬送 グイン・サーガ88(ハヤカワ文庫JA.2003.310p.540円+税)[Amazon][bk-1]読了。『ヤーンの時の時 グイン・サーガ87』のつづき。

 この本は、月曜日に購入して帰路の電車で読み終えていたのですが、図書館本の感想を先に書いておこうと思って、後まわしにしてました。
 行方不明になっていた人が突然あらわれて、勝手な想いを吐きだしているのには苦笑させられた。こんなひとに対外窓口なんかをさせたら、絶対にとんでもないことになると思うのだけど。

買っちゃった2 2003.2.21(金)

 図書館へ本の返却をしに出かけ、足をのばして繁華街まで行ってまいりました。
 目的はもちろん、DVDプレイヤー、でございます。
 五十日のせいなのか道路が妙に渋滞して、いつもの一・五倍ほどの時間をかけてたどり着き(それでも本屋には寄ってから)、カードにポイントをため込んでいる某カメラ量販店へ一直線。
 DVDプレイヤーの売場で四十分くらい、ためつすがめつさせていただきました。いや、カタログ見てたんですが、結局メカ音痴にはどれがいいのかわからなかったのですよ。現物見ても中身はわからないけど、すくなくとも、値段がわかる。予算と機能とをつきあわせて、DVDプレイヤー単品にするかVHSレコーダー付にするかで悩んだ末、いま、ビデオ録画できずに困っていることを鑑みて、VHS付に決めました。ああ、これで本当によかったのだろうか? やっぱり単品にしとけばよかったかも。
 「お持ち帰りですか」と店員に尋ねられ、持って帰りたいのは山々でしたが、とうてい不可能なので配送を頼みました。届くのは月曜日ですって。お、遅い…。土日に見ようと思ってたのに…それでもって月曜日に映画館へ行こうと思ってたのに…。よく考えれば、はじめから無理なことはわかったはずなのですが。でもさ〜。

 ところで、配送のためにカーボン式複写紙に書かなくてよかったのが嬉しかったです。ポイントカードの登録情報で住所氏名がプリンタから出力されてくるので、その場で記入する必要がなくなってました。昔、CDプレイヤーを頼んだときには、筆圧が弱すぎて下の方まで写ってなくて、店員さんがなぞってくれたんですよね…。

 以下を購入。

 池波正太郎剣客商売 春の嵐(新潮文庫.1993.338p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。剣客親子の活躍を描くシリーズ十作目。『剣客商売 待ち伏せ』のつづき。

 「秋山大治郎」と名乗って辻斬りをする頭巾を被った侍があらわれた。むろん、大治郎とはなんの関わりもないのだが、目撃された男と体格はほぼおなじ。くわしく面相を見たものは殺されている。身の証を立てるため、大治郎は家から出られない生活を送ることになり、小兵衛は弥七、徳治郎の力を借りて、頭巾の男の行方を追うことになる。

 大治郎の名を騙って人を殺す頭巾の男の正体と目的はなんなのか。オールスターキャストでおくるシリーズ初の長編。
 背後には、大治郎の妻、三冬の父である田沼意次とその政敵の権力闘争が絡んでいるのですが、スケールが大きいぶん、事件そのもの、犯人そのものについての描写がおざなりになっているような気がしました。時代物ではこれが普通で、私のはミステリ読みの抱く不満かもしれないですが。
 ラストも闇に葬ったというかたちで、現実的かもしれないけれど、ストレスのたまる終わり方。頭巾の男についてもう少し掘り下げて欲しかった。男の事情がわかれば、事件そのものはうやむやでもカタルシスは得られたのではと思います。
 罪を着せられかかった大治郎がまったく活躍できないいっぽうで、弥七と傘徳が大活躍。出番の少ない三冬さんが要所で魅せているのが嬉しかったです。

 2003.2.21(木)

 池上永一夏化粧(文芸春秋.2002.342p.1524円+税)[Amazon][bk-1]読了。沖縄ファンタジー。

 津奈美は二十二歳になる島の女。東京で不倫をして、島で子供を産んだ。ところが、産婆のオバァにまじないをかけられて、息子の裕司は母親の津奈美以外の眼には見えなくなってしまった。まじないはかけた本人にしか解くことができないと、星見石のそばで出会った民俗学者の正徳オジィに教えられたが、すでにオバァは脳梗塞でぽっくり死んでしまったあとだった。ある夜、勤め先の豆腐屋で神の井戸掘りを見た津奈美は、神の三線の爪をひろった。彼女は、落とし物を材料に井戸の神と取引をすることを思いつく。

 おもしろうて、やがて哀しいものがたり。
 沖縄の透明な海と喪服の女という鮮烈なイメージからはじまるストーリーは、産婆のオバァの登場であっというまにいつものペースになっていきます。

 話の中心は、シングルマザーの津奈美が、見えない息子を元通りにするために神に教えられた試練を達成してゆく話。それに、正徳オジィの長年の研究である星見石の謎と、生まれるまえに母親からかけられた願いを才能として身に潜ませたひとびとの人生のひとこまと、なぞのおばさんの話がからみあっていきます。母親が子どもにかける願いというのは、そのまま子どもへの愛なんだということをしみじみと感じるお話でした。

 例によって各登場人物がそれぞれ強烈な個性で輝いていてますが、ヒロインの津奈美は『レキオス』のサマンサ・オルレンショーを彷彿とさせる強く美しい、炎のような女性。子どもを想うシングルマザーの気持ちって、これほどまでに燃えさかるものなのか。我が子のためなら、自分はどんな悪人になってもかまわないという熱い思いに突き動かされての彼女の行動は、迫力に満ちてました。
 正徳オジィや豆腐屋の親子、「フライングの女王」パトリシア、秘密倶楽部主宰の少女、おばさん、そしてハスキー犬のベジ。みんないい味だしてます。

 それにしても、オバァのこのまじないは…(苦笑)。まるで人生の退屈しのぎみたいに気がるに他人の人生を狂わせてますね。あっさり成仏してしまったところをみると、存分に心おきなく狂わせたんだなあ。オバァの葬儀は抱腹絶倒ものでした。毎晩井戸に飛び込むのに体操技をする津奈美など、こまごまとしたディテールがいちいちおかしかった。このユーモア感覚、大好きです。

話の結末 2003.2.19(水)

 を知らずに終わってしまった物語がけっこうたくさんあります。
 途中で興味がなくなって、見なくなってしまったテレビドラマ。買わなくなってしまったマンガ、小説。
 私は我慢強いというか、しつこいというか、どうにもついていけなくなるまでシリーズものにしがみつくタイプです。いまでもずいぶん長々と買いつづけている同一シリーズが複数あったりするのですが、そんな私でもすべてのストーリーを追いつづける体力気力はありません(財力も)。ヒトから借りていたものとか、家族が買っていたものとかがなにかの拍子に途切れたりすると、つづきを自分でとまでは思えなくて、そのままほったらかしになってしまうのでした。
 で、ときどき思う。「あの話は、そのあと、どうなったんだろう?」

 この「どうなったんだろう」という思い出で、一番古くてしかもいまだに疑問に思っているのが、子どものころに見ていたテレビアニメ『アンデス少年ペペロの冒険』。毎回楽しみにしていたのに、最終回だけどうしてか見られなくて、ずっと心残り。その後なんどか再放送を見る機会があったにもかかわらず、やっぱり最終回を見逃してしまう(最終回だけ見ようとしたのが間違い)。成長するにつれて再放送をやっていても見なくなり、でも「最終回だけ知りたいなあ」と思っているうちに放送が終わる。そして再放送もされなくなる。元のストーリーもほとんど忘れてしまいましたが、「最終回を見られなかった番組」としていまでも心に残っているのでした。

 と書いてきて、ネットになにか情報があるかもしれないと気がつき、調べてみました。
 ファンサイトを見つけたのですが、残念ながらまだ最終回のストーリーを載せているところはなかったです。ひとつ、途中までストーリー紹介をしているサイトがあったので、しばらくしたら、またのぞいてみよう。

 たつみや章恋ヶ淵 百夜迷宮(角川ビーンズ文庫.2002.223p.457円+税)[Amazon][bk-1]読了。「月神」シリーズの著者が描く、「時代劇ファンタジー」。

 江戸時代。札差の伊勢倉屋で手代をつとめるようになった竹二は、有能さと性格のきつさ、そしてきりっとした男前のせいで、先輩手代や同僚のやっかみを買っていた。ある日、古参の番頭が暇をもらうことになり、竹二は主人からその蔦蔵の役回りの後任に命じられた。仕事とというのは、伊勢倉屋の若旦那、松太郎のお目付役である。松太郎は美男子で教養もあり、物腰柔らかで性格もいいのだが、奉公人の間では「頭の中をチョウチョが飛んでいる」と囁かれるような奇行のめだつ人物だった。蔦蔵につれられて若旦那に引き合わされた竹二は、その場で梅吉という黒猫を「猫又だ」と教えられて、面食らう。

 時代物です。時代物っていう言葉は、ふつうに使うと「江戸時代物」という意味になるんでしょうか。
 それはともかく、わかりやすい文章ですらすらと読めました。「剣客商売」ほど手練れではないけれど、そのぶん時代物に不慣れなヒトでもそんなに戸惑わずに読めるんじゃないかと思います。江戸情緒はたっぷりと仕込まれてますが、さりげなく解説が入ってる。親切です。
 ヒトならぬモノが見えてしまう美青年のあるじ「松」と、お目付役の大人ぶっているけれども実際はまだうぶで、魔物を祓う力をもつ美少年「竹」と、ふたりにつかず離れず、甘やかしすぎず突き放しすぎずの用心棒「梅」が、魔物がらみの事件を解決するおはなし。
 すっきりと一冊で終わってますけど、捕物帖みたいなものなので要望が多ければシリーズになるらしいです。

BSアンテナ取り外し 2003.2.18(火)

 集合住宅全体でおこなう外壁塗装の工事がはじまりました。
 いまは足場を組んでいるところ。外に出っ張っている邪魔なものは撤去しなければなりません。というわけで、これから二ヶ月あまり、衛星放送が見られない。いつも見ているわけではなくとも、見られないとなると急に見たくなるものです。選択肢が狭まった…。

 ローズマリ・サトクリフ(本間裕子訳)アネイリンの歌 ケルトの戦の物語(小峰書店.2002.349p.1800円+税 Rosemary Sutcliff "THE SHINING COMPANY",1990)[Amazon][bk-1]読了。少年の成長を通して紀元600年頃にブリテン島で起きた戦争をうたった長編詩『ゴドディン』の世界を描く、歴史小説。

 ローマ人が去り、サクソン人の脅威が囁かれるブリテン島。グウィネッズのブリトン人小領主の家に生まれた少年プロスパーは、十二回目の命名日に父親から付人としてコンという名の少年を預かった。エイル育ちのコンは奴隷だが、従姉妹のリネットとともにプロスパーにとってかけがえのない友となっていく。ある日、行方不明の猟犬を探して森に踏み込んだ三人は、白い鹿を目撃する。おどろきと感動にうたれた三人はこのことを秘密にしようとしたが、噂は広がり、狩りが趣味だという王子ゴルシンが伴を連れてやってきた。

 なんてつまらないあらすじ紹介なんでしょう。穴があったら入りたい。
 ともあれ、白い鹿を殺さずに見送ったゴルシン王子に忠誠心を抱いたプロスパーは、その後、ゴドディンのマナゾク王の召集に応える王子に付き従って、ダン・エイディン(エジンバラ)へと旅立つことになるわけです。
 ダン・エイディンに集結したブリテン各王国の王子たちとその従者たちは厳しい鍛錬の末にそれぞれに信頼と友情を育んでいきます。かれらはアルトスの騎馬団にちなんで同胞隊と呼ばれるようになり、マナゾク王の庶子であるケレディグが隊長となります。かれらとサクソン人との戦いが、のちに詩人アネイリンに悲歌として歌われることになるわけです。

 話の中心は、プロスパーを通してみた同胞隊の結成と鍛錬、そしてサクソンとの望みのない戦いです。それにコンとの友情が絡んでくる。
 『ゴドディン』には、あまり現実的な戦のようすは記されていないらしいのですが、時代背景にあかるいサトクリフのこと、非常にリアルに同胞隊の足跡を描いていきます(途中、『辺境のオオカミ』の舞台などもでてきて、にんまり)。なんだか戦記物みたいな感じでした。それも悲劇で終わるもの。援軍があらわれず、戦はどんどん劣勢になって、味方は倒れてゆき、それでも誇りを失わずに最後まで戦うという。
 戦としては馬鹿げていると思うし、死ぬために戦うなんて無駄だとも思います。私はどんなことをしてでも生きていたいと思う人間なので。でも、仲間とのつよい絆から「死ぬときは一緒だ」と思う気持ちは分かります。そういう非日常的で濃密な関係への憧れもありますし。こういうシチュエーションは熱くなりますね。突入のシーンは淡々とした描写がかえって悲壮感を際だたせていて、胸にせまります。
 そして、王とカナンの対面シーン。王様ってのは孤独なものだなあとしみじみ感じるシーンでした。
 サトクリフの描く人物たちは、人間的なのですがとても気高い。人間のもっている最良の部分を描いているという気がします。だから英雄譚や伝説のようなたたずまいがあって、ファンタジーに通じるところがあるのだと思います。

 読み終えて『ゴドディン』についてもう少し知りたいと、ちょっと調べてみたんですが、原典の邦訳はないみたいですね〜。岩波あたりから出てないかと思ったんだけど。

買っちゃったよ 2003.2.17(月)

 本日は通院日で大都会まで出かけました。
 そして心中ひそかに思い決めていたことが。
 『ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション』[Amazon]を買おう。
 それでもまだ電車の中で、「やっぱりプレイヤーもないのに買うのも…」「でも、どうせビデオデッキもいかれてるんだし、DVDプレイヤーも買うなら今なのよ」とぐじぐじ逡巡していたのですが、「現物を見て決めよう」と店に入って手にとったら、レジ直行。お金を払ってしまったので、もう引き返せません。
 さあ、DVDプレイヤーを手に入れなくては(順序が逆です)。
 帰りに家電店でカタログを集めてきました。すべてオープン価格と表示されてて値段がわからないのが困りものです。
 しかしあれですね、いまはやっぱりハードディスクレコーダーなんですかね。DVDレコーダーつきの。売場でうっとりしているヒトが何人もいましたよ。もう少し安ければねえ。

 も購入。

 ローズマリ・サトクリフ『アネイリンの歌』[Amazon][bk-1]は読み終えました。感想はあとで。


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