2001年1月前半のdiary
■2001.1.2 だらだら/『レキオス』
■2001.1.3 /『魔物をたずねて超次元! マジカルランド』
■2001.1.4 寒い/『妖魔をよぶ街 上』
■2001.1.5 要領が悪い
■2001.1.6 ご想像におまかせ
■2001.1.7 ファイナルファンタジーIX/『妖魔をよぶ街 下』
■2001.1.8 摂氏14度/『夢魔の旅人』
■2001.1.9 FF9その2/『タラスタロスの庭』
■2001.1.10 2001年 初図書館
■2001.1.11 FF9その3/『暁の娘アリエラ 下』
■2001.1.12 ちび悪魔/『暁の女神ヤクシー 1 鳥の呼ぶ声』
■2001.1.13 量の問題/『暁の女神ヤクシー 2 楽園を求める男』
■2001.1.14 FF9その4
■2001.1.15 寒い〜けど、いかねば/『puzzle』
氷点下の冷え込みに震えながら病院をめざす。
寒いとどうも体中に力が入ってしまう上、妙に早足になって筋肉痛の原因となる場合がある。
そうならないように気をつけていたはずが、やはり気づくと力んでいた。
今日は電車に乗る前に「パスネット」を購入。乗り継ぎ精算をしなくていいのって、らくちんですねー。小銭を扱わなくていいのもうれしい。バスカードのように付加価値があるともっといいのに。
機嫌良くはじまった一日であったが、いつもより予約時間が早かったことを失念していて、本屋にも寄れないまま一目散に病院に駆け込むことになった。本を持参していて、よかった。とはいえ、薬待ちのあいだに読み終えてしまったので、帰りに読む本を探しに結局あとで本屋に寄った。車中で読む本がないって、なんとなく不安なのです。
逡巡したすえ、吉野朔実『ジュリエットの卵 1』(小学館文庫)を購入。吉野朔実を読むのも、ずいぶん久しぶりです。
恩田陸『puzzle』(祥伝社文庫.2000.156p.381円+税)[Amazon]読了。孤島で起きた不可思議な事件の謎を解くミステリー。
診療待ち、検査待ち、会計待ち、薬待ちのあいだに読んでいた。
孤島を舞台に現役検事がふたり、実務を離れてくりひろげる事件の謎解き。
というふうに書くと、なんだかすこし違いますねえ。
こまぎれに読んでいたので、いろいろと考える時間があったせいか、長い物語のような気がしていたのに、実際は中編くらいの分量。うち捨てられた廃墟のような建物の中で、なにが起きていたのか。わかってみると、なんでそんなことが起きたのかのほうがわからなくて、かなり宙ぶらりんな読後感でした。不思議な話だった。
寒い。ので半日ゲームをしてた。
リンドブルムをぐるぐるしているうちに、時間制限イベントに入ってしまった。
「なんとか大会」。これが何度やり直しても優勝できない。ポイントの低い飛んでるやつを素通りしてみたり、まわるコースをかえてみたりしてみたが、どうしても最後にフレイヤさまに逆転されてしまうのだ。ぜったい無理なのかと思いはじめたころ、ひとつ行っていないところがあることに気づいた。いままで足を踏み入れなかった小路に入ってみると、そこにフレイヤさまが。私ってやっぱり間抜けだ
月曜日の通院にそなえて美容院へ行く。
肌が弱くなってしまったので、パーマなどはかけられないため、カットのみ。しかし、それでもけっこう時間がかかる。
というのも、ひとよりかなり多めな髪のせい。
毛量が少ない人には怒られそうですが、過ぎたるは及ばざるがごとしという言葉もあるように、多ければ多いなりに問題はあるものです。
髪が少し伸びただけですぐに型が崩れてしまう。量が多いので調整のために削いでもらった髪が中途半端に伸びてくると、もさもさした感じになって実にみっともないのです。頭隠しに帽子は手放せません。
それにカットに手間がかかる。なにも難しい髪型にしてくれと注文しているわけではなく、1センチ短くしてくれと言ってるだけ。美容師さんもせっせとハサミやレザーを動かしているのに、なぜか終わらないんです。床にはたくさんカットされた髪(1センチのカットにしては大量)が落ちているのに、鏡にうつっている姿をみても見合った量が減ってる実感はない。
最近のかろやかな髪型の流行についていくには、かなり厳しいハードルを超える必要があります。いや、そんな大それたことは考えてないですけど。
流行どころか髪型そのものも、最近は美容師さんにおんぶにだっこ。面倒な客だと思われているかもしれない。
小林めぐみ『暁の女神ヤクシー 2 楽園を求める男』(角川スニーカー文庫.2000.252p.571円+税)[Amazon]読了。未来SF。
オブルヤに住む神の御遣いである金の烏は、ヤクシーたる少女を選び、ヤクシーとともに在りつづけるという。ストゥラのクマリ王国への侵攻は、もう一方の大国バルキースへの戦端を開く一歩であると同時に、伝説の金烏を手にし、神の力を手に入れる事を目的とするものでもあった。
現在のヤクシーとともに逃亡することとなったシュシとジェイは、ストゥラとやはり金烏の存在を知るバルキースの両方から追われることになる。
抹殺されたクマリの第三王子であるシュシは、しかし、金烏の存在とその意味を知らされてはいなかった。女神を顕現させたヤクシーは、ワイグルカの裔、王家の血に連なるシュシに、契約を果たすように迫る。
だがシュシ自身は、自分の存在に確信が持てないままで、国王となることに意味を見いだすことができないのだった。
取り急ぎ二巻目を読み終えました。
あらすじは…あうう。書きにくい。ほとんど二巻目の内容には触れず、一巻のネタをばらしているだけのよう。申し訳ないです。
この巻になって世界のバックボーンがだいぶ見えてきました。ERFコーポレーションというのは、もしかするとあの本に出てきたあの会社、なのかなあ。こんなことを書いて、違ってたら大笑いだけど。
金烏とヤクシー、そしてワイグルカの裔の間の関係って、なにかテクニカルなシステム的なものかしら。
それとはべつに自分の存在に疑問を抱く人がどんどん増えてる。なにもみんなでおなじ事を悩まなくてもと、ちょっと思ってしまった。
みんな悩んでいる割にはテンポのよい展開で、ストーリーは無駄なく進んでいるという印象。
とぼけているのか真摯なのか見分けのつきにくい、シュシの従者サリがおもしろい。
それにしてもこれだけの広がりをもった話が、あと一冊で完結なんて、信じられない。三巻目を予約しなくては。
別名姪。昼過ぎにやってきて、夜九時までいた。おかげでやりたいことがなにもできなかった。PostPetのモモくまを見せながら、「あ〜、なんでこんなことしてるんだろ」とぼやく。(見張っていないと、なにをしてくれるか、わからないからです)
小林めぐみ『暁の女神ヤクシー 1 鳥の呼ぶ声』(角川スニーカー文庫.2000.248p.552円+税)[Amazon]読了。遠未来を舞台にしたSFファンタジー、と思う。たぶん。
惑星オディールの山岳諸国のひとつ、クマリ王国の寺院で僧兵として暮らす少年シュシは、ある日大教主マナン・ハイ百五十三世より宇宙連邦政府のある星からやってくるという異星人を案内するように命じられた。
異星人はジェイ・オーガスと名乗る雑誌記者。かれはマナン・ハイとの取材目的の面会の約束を取りつけてやってきたのだが、シュシが預かってきた手紙には理由の説明もなく面会を取り消すと記されていた。
クマリでは初潮前の少女をひとり選んで生き女神ヤクシーとして崇める習わしがあった。ジェイとシュシがもうひとつの取材先、もとヤクシーの女性宅を訪れているとき、町をゆるがす轟音が響き渡った。隣国ストゥラがクマリへの侵略を開始したのだ。
科学技術が進みすぎて弊害から世界が滅亡の危機に直面し、その後、なんとか復興を果たそうとしている遠い未来が舞台。
そのなかで機械文明を放棄した「後退惑星」にあるクマリ王国には、生き女神ヤクシーが存在するという、ここいらはファンタジーめいた道具立て。少女の生き神というと、ネパールのクマリを思い出すけれど、多分それがベースになっているのでしょう。
私は小林めぐみの初期の作品が好きでした。一見突飛で独特な世界は、無色透明な感じで、きれいな観念だけでつくられたもののような繊細なおもむきがありました。『ねこのめ』あたりまででしょうか。
その後、作品の読みやすさが増すとともに、私の好みとはずれた方向に作品傾向が変わっていきました。それで次第に読まなくなっていた。
書評サイトで書名を見かけたので久しぶりに読んでみることにしたのですが、この本に関してはかなりおもしろいと思います。でもだいぶ印象が変わりましたね。
シュシという主人公の個人的な葛藤を軸にすえてあるからかな。物語に入りやすくなっているようです。無邪気で自分勝手な女の子ヤクシーが、憎たらしくも愛らしく描かれているからかもしれない。
とりあえず、二巻は借りてあるのでつづきを読もう。
やっとリンドブルムにたどりつきました。
昼間の日光がテレビ画面に反射して、とても見づらい。もったいなくもカーテンを閉めて遮っているのですが、あんまり効果がない。細かいところが見にくくて、なんかいろんなものを見落としているような気がするなー。
ひかわ玲子『暁の娘アリエラ 下』(講談社X文庫ホワイトハート.2001.334p.630円+税)[Amazon]読了。異世界ファンタジー。『暁の娘アリエラ 上』[Amazon]のつづき。
政敵シャーガン公に対抗するためにムアール帝国の女帝ジリオラの娘を冊立しようとした勢力に、姉と間違われて誘拐されたアリエラは、自分を政治の駒として扱おうとするものたちとは別に、幼い頃から抱いていた「人々のためになにかをしたい」想いを実現するためにこの機会を利用しようと考え始める。彼女を救いに現れた兄のシリーンに、アリエラは自分の意志でここにいると言い放つ。
魔道士ギルドの一員であるシリーンは、アリエラの後見を務めるサディア公家のクライン公子に好感を抱けない。シリーンから報告を受けて魔道士ギルドの長グルク老とジリオラ、ザーンで暮らすシリーンの実母エフェラも首都オカレスクに駆けつけてくる。
妹を案じつつ、宮廷で退屈した楽天家のシリーンは、ボザーン公家の公女と都の散策を楽しもうとする。だが、ふたりで入った娼家でかれらをつけ狙う人ならぬ気配は殺気に変わった。
「女戦士エフェラ&ジリオラ」シリーズの姉妹編。
読み終えたあとで、どうしてこんなにすっきりしないのでしょうと考えました。
はじめ主役だと思っていたアリエラは、中心人物ではあるけど、どうも物語を引っ張る存在ではなかったよう。彼女は最初から最後まで行動するシーンがほとんどなくて、頭の中でじぶんについて考えつづけている。考え深いのはいいけど、もうすこし、流れを壊さないように、そして物語にそくして抽象化すべきところや、説明ではなく描写で表現するところもあってほしいなと思います。
そしてストーリーを牽引する役割を負ったシリーンといえば、そういう人物であることを強調しているものの、あんまり無責任過ぎはしないかなー。
いまは歴史の転換点だ、ムアール帝国存亡の危機、と何度繰り返されても、作品世界そのものに危機感があまりない。母親たちがたやすく救助に駆けつけてしまうのも、のんびり度を増しているような。
そして…なんだかプロローグだけで終わってしまったような気分でラスト。
このシリーズはエフェラとジリオラの物語が好きだっただけに、蛇足という感じが否めません。
ボザーン公家の三きょうだいがおもしろかったですけど、あとはえーと…。
ところで、ジリオラって傭兵やめてからなにをやって生計を立てているのでしょうね?
年が明けて十日目、私はようやく家から出ました(苦笑)。
行く先は図書館。
今年初めての図書館は、『週刊ベースボール』から。
十二球団戦力分析なる記事を読み、今年もペナントレースの苦戦を予想する。公式試合日程表も始めのほうだけながめる。今年の開幕カードはきついかもしれない。
去年からひきつづき読みかけの『SFマガジン』は、題名忘れたけど「○○のキーパーソン」という記事を眺めて終わる。若手中心にSF的センスをもったクリエイター(作家中心に漫画家や映像関係も)をセレクトしてある。読んだことのない作家が、ああ、こんなに…。
それから久しぶりに『ミステリマガジン』も見てみようと思ったら、あらどこにもない。どうやら購入をストップしてしまったらしい。ないものは読めないのでつぎは『月刊ベイスターズ』。しかし時間がなくなってきたので「金城龍彦インタビュー」を斜め読みして終わり。
帰りに本屋に寄るも、何も買わなかった。まずは平穏な出だしでしょうか。
システムを把握しきらないうちにストーリーはどんどん進む。いいのか、こんな雑なやりかたで。
前田珠子『タラスタロスの庭』(集英社コバルト文庫.2001.210p.438円+税)[Amazon]読了。異世界ファンタジー。
アニエスタの第二王子カァスタイーンは、幼い日に訪れた大国タラスタロスで、空中浮遊する庭園を見た。そこにいた人影に惹きつけられるかれにタラスタロスの第三王子ウリウルスは忠告する。タラスタロスの守護者には絶対に近づくことはできない、無駄なことはよせと。
ワルルーキの庶出の王女リィサルーヴァが亡命してきたとき、カァスタイーンの祖国は彼女をもとめる父王と第一王子の争いが内乱に発展した。
カァスタイーンは命長らえるためにタラスタロスを頼った。忍耐の日々を暮らすカァスタイーンは、かつて見た空中庭園にふたたび出会う。彼を迎えたのは美しい妖魔。ひとめで心奪われたカァスタイーンは、妖魔の心を得るためにある重大な誓約をすることになる。
これまでの作品のいろいろな要素をとりいれて、抽出しようとした作品のような気がする。
たとえば、妖魔と国との守護契約(誓約)とか、幼い日の思い出とか、内乱をのがれて亡命する王位継承者とかですね。
今回はそれを少し距離を置いて残酷モードで進めてみたという感じ。
でも、この作家の書くあやかしとか魔のものは、非人間的なまでの魅力を発揮するスーパーナチュラルな存在とはあんまりかんじられないので、カァスタイーンがあれだけの行動をとる動機にやむにやまれぬ切迫感がいまひとつ感じられません。
自由になりたいといってるわりに、いろんなところで力をふるっている。ホントに不自由しているのでしょうか、この妖魔。そう、束縛されているという妖魔が感じている抑圧もあんまり伝わってこない。
そんなこんなで話自体に説得力がいまひとつ。
書きたかった雰囲気などは想像できるんですけどねー。
昨夜から降りだした雪は、予想よりもはやく止みました。
うちの周辺はいつもほかより雪が深いのですが、今回はそれほど積もらなかった。
ほっとすると同時に、少し残念。
だけど、家の中まで芯から冷えてます。常時ガスファンヒーターをつけている居間はべつにして、人がいない部屋は10度。心筋梗塞などの予防のために電気ストーブを置いてある脱衣所が14度。人が入っている風呂場でも14度。
好奇心をおこして室温を計ってみて、知らなきゃよかったと思った。すきま風の多い古い住宅だからなー。でも、14度の風呂場で頭を洗うのはつらいです。北国の風呂場のほうが温かいのではないかと思う。
篠田真由美『夢魔の旅人』(廣済堂出版.2000.286p.1714円+税)[Amazon]読了。
十一編の幻想小説をおさめた短編集。廣済堂出版から刊行されたアンソロジー「異形コレクション」シリーズに収録された九編と書き下ろし二編に、それぞれ著者自身の解説を収録。
隠しテーマはイタリア。
今昔のイタリアに関係したいろいろな人物や風物、歴史的な建築物などをおりこんで、妖しく仕上げた作品集。
現実感が遠い、黄昏の夢のようなものがたり。こういう雰囲気、けっこうすきです。
をようやく始めました。買ったのは暮れなんですけど。
グラフィックがとても細かくて、情報量がすごく多い。見ためはとてもうつくしいんですが、いざキャラクターを移動させることになると、見えているのに行けないところがけっこうあったり。現在位置にポインタが出るのは親切ですね。以前はよく画面の中で見失ってたので。
あと、扉を手で押し開ける動作がちゃんとあるのに驚いた。体当たりが常識とばかり思っていたのに。それから、うきうきと跳ねるように歩くジタン(主役)の移動方法に慣れるのにすこし時間がかかりました。ハードは古い方のプレステなんで、ロードにもちょっと時間がかかるな。でも、なかなかわくわくする出だしでありました。
これをクリアするのに何ヶ月かかるかなあ…。アクション要素がすくなければいいんだけど。といってるそばから、ボタンを押してチャンバラの演技〜?
テリー・ブルックス(井辻朱美訳)『妖魔をよぶ街 下』(ハヤカワ文庫FT.1999.335p.660円+税
Terry Brooks "RUNNING WITH THE DEMON",1997)[Amazon]読了。『妖魔をよぶ街 上』のつづき。
平穏だったホープウェルの町を脅かしているのは、デーモンだった。ネストは死んだ母親の知り合いだったというジョン・ロスという男から、かれはデーモンを追っている〈言霊の騎士〉であることを告げられる。デーモンはネストのまわりに巧妙な罠を仕組み、彼女を孤立させ、あざわらう。ネストはなぜ、デーモンに目をつけられているのか。インディアンのオーリッシュ・アマネーが見せた幻影のなかで、若き日の祖母が〈喰らうもの〉とともに闇の中で踊っている姿を目の当たりにしたネスト。祖母が話したがらない過去には、いったいなにがあったのだろうか。
ちょっとあらすじをつくってしまったような気が。
上巻を読み終えても、つづきをすぐに読みたい気分にはならなかったため、かなりだらだらと読んでしまいました。
〈言霊の騎士〉というのはなんて割に合わない職業なんでしょう。ジョン・ロスって、名前は平凡でつまらないけど、過酷な運命とともに生きる存在には、かなり同情いたしました。かれの喜びって、事態を阻止できたときに感じるものと、人生の正しい道を選び取った満足感以外になにかあるのだろうか。
でも、この世の悪の裏にはデーモンがいるみたいな書き方は、あまりリアリティが感じられないというか。舞台が現代で描き方がかなり現実的なので、しっくりとなじんでいない気がしました。ジョン・ロスの体験する未来の現実が唐突な印象で。
テリー・ブルックス『妖魔をよぶ街 下』を読むけど、遅々として進まず。
結果、誉められない読み方をいろいろとやってしまう。とてもおすすめできないので、なにをやったかは秘密。
時間の関係でいつもはサイトのアップとメールチェックくらいしかしてませんが、ひさびさにネットサーフィンを試みました。
ひさびさなので、やらねばならないことが山積み。
まず、抗ウィルスソフトのデータをアップデート。それから、メールソフトのEudoraの使い心地がけっこういいので、これのスポンサードモード(広告が出るかわり、無料で使用できる)でのユーザー登録をする。
さらに外国へ住まいを移してしまったので賀状を送らなかった友人へ、いろんなグリーティングカードサービスを検討したあとでappleのiCardからeカードを送付。ここはappleがやってるサービスですが、Macユーザーでなくても無料で利用可。ただし、英語サービスなので少しの覚悟が必要。でも私が送れたほどなので怯えるほどのことはないはず。(ちゃんと届いていなかったりして…)
ついでに年賀状で「メールアドレスをとったよー」と知らせてきた友人の使用しているプロバイダを調べる。書いてあるとおりのアドレスにメールを送っているのに、「Host Unknown」で戻ってきてしまうのだ。その結果、アドレスのドメイン名に「ne.」が欠けていたことが判明。メールアドレスをつたえるときには、しっかり確認する必要があることを実感いたしました。
ここまで整然と進行してきたようですが、実際はとちゅうで「そういえば、あそこもずいぶん見ていない」と思いついたサイトを眺めていたりしたので、かなり時間がかかりました。やれやれ。
それから、ようやく本命の素材探し。
今回はテーマが明確なので、いつもより楽だろうと考えていたのですが、甘かった。なまじイメージがはっきりしている分、「これだ」と感じるものがなかなか見つからないのです。こんなものかなと思える壁紙を見つけて色違いでいくつかダウンロードするまで、どれだけ時間がかかったか、とてもこわくて言えません。
さらに、ページを作っている途中で、「そういえば、ちょうどいいワンポイントアイコンがあった」と漠然と思い出して、また接続してみたんですが、どこのサイトで見たんだかさっぱり思い出せない。ぐるぐるまわってけっきょくなんの収穫もなし。見つけたときにゲットしておけば、こんな阿呆なことにならなくてすむのに〜。
ことほどさように、要領が悪いです、私は。
見つけた壁紙を提供くださってるサイトの利用規約を読んでないことに、あとから気づくなんていつものことです。もっと計画的に行動しないと、電話代がかさんでしようがない。
たまにしかネットサーフィンできないから、自然に熟達するのを待ってたらいつのことになるやらわからないですな。あたまをつかえ、ということか。
毎年感じることだけど、国際オープンフィギュアのテレビの中継番組は見てると寒くなる。
テリー・ブルックス(井辻朱美訳)『妖魔をよぶ街 上』(ハヤカワ文庫FT.1999.334p.660円+税
Terry Brooks "RUNNING WITH THE DEMON",1997)[Amazon]読了。現代のアメリカを舞台にしたモダンファンタジーの上巻。
アメリカ合衆国イリノイ州にある田舎町ホープウェル。ネスト・フリーマークは祖父母とともに住み、クロスカントリーで記録を作る資質を持った十四歳の少女。彼女は生まれたときから人には見えないものが見えた。それを人に害をなす〈喰らうもの〉であると教えてくれたのは祖母だ。彼女の家系は祖母のまた祖母から、血筋に伝わる魔力でもってホープウェルの公園をひそかに守りつづけてきたのだ。ネストも森の精シルヴァンであるピックとともにこの仕事を受け継いでいた。だが、最近〈喰らうもの〉のうごきが活発になってきた。バランスが崩れかけているとピックは彼女に警告する。
一昨年の暮れに買ってからいままで積んであった本。「ランドオーヴァー」シリーズで知られるテリー・ブルックスですが、井辻朱美さんの訳だからと買ったらしい。
現代を舞台にして見えざる驚異とたちむかう話。舞台は夏の盛りで暑くて仕方ないという描写があちこちにあり、主役の少女は父親の顔を知らず、祖母とつながりがある。ここまでかたちは『レキオス』と似ているのに、雰囲気、まるで違います。背筋が緊張するような寒々しさ、そして暗さ。上巻を読み終えて、はーとため息をついてしまった。
全体の雰囲気がファンタジーというより、モダンホラーって感じです。下巻はこれから。
ロバート・アスプリン(矢口悟訳)『魔物をたずねて超次元! マジカルランド』(ハヤカワ文庫FT.2000.303p.600円+税
Robert Asprin "MYTH-NOMERS AND IM-PERVECTIONS",1987)読了。ファンタジーコメディーシリーズの八作目。
元師匠のオゥズを探しに、オゥズの出身次元パーヴにやってきたスキーヴ。師匠の身を案じるマッシャを帰し、秘密兵器を取り出した。それはバザールで購入した霊鬼(ジン)入りの小瓶だった。ところが呼び出された霊鬼はたった三インチのミニマムサイズ。おまけにしてくれるのはささやかな忠告程度だという。
悪評高い天邪鬼(パーヴァート)の次元パーヴでのオゥズ探しは、はじめから前途多難なようだった。
『魔法探偵、総員出動! マジカルランド』の前作。つまりまたやってしまったのですね、読んでない本のつづきを読んでしまうという愚行を。『こちら魔法探偵社!』のつぎがこの本で、そのつぎが『魔法探偵、総員出動!』なのでありました。
しかし、読む間になんの疑問も持たなかったのは、この本と『魔法探偵』が時間的に並行した物語だったから。スキーヴがいない間にほかの面々がなにをどうしていたのかという順序で読むか、みんなが大変だった間スキーヴはなにをしておったのかという順序で読むかの違い。よかった〜この程度ですんで〜。
とりあえず、自分はもう用済みと多少いじけて去っていったオゥズ探しの旅は、スキーヴにとって自分を見つめなおす機会になったもよう。身の丈にあった自己認識をもってこそ、人間関係も円滑にすすむのかも。重量級の『レキオス』のあとで、ちょっと息抜きの読み物でした。
正月二日。
テレビを見ながらだらだらしていた。箱根駅伝とか、大学ラグビーの準決勝関東学院×同志社とか、一日に録画した『世にも奇妙な物語』とか。樹木希林はやっぱりすごい。
池上永一『レキオス』(文芸春秋.2000.502p.2000円+税)[Amazon]読了。沖縄を舞台にくりひろげられる一大スペクタクルマジックリアリズム小説(なんや、それ)。
デニスは祖母と暮らす女子高生。母親は白人と日本人の混血で父親は黒人のアメリカ軍人だった。外見はまったく黒人にしか見えない彼女の中では、アメリカと沖縄が矛盾して存在していた。夜ごと訪れる悪夢のあとで、シーツに赤い汗がしみついている。
彼女の暮らす団地のそばにある天久開放地で、ある夜、「逆さの女」が大地から抜け出てきた。米軍は女に攻撃を仕掛けるが、ことごとく返り討ちにあう。相次ぐ爆発と炎上。デニスは異常によく見える目で天久開放地に描かれたペンタグラムと「逆さの女」を見てしまい、後悔する。女が彼女を見つけて笑った。
その夜からデニスの夢にはあの逆さの女が登場するようになった。「おのれええ、友庵ッ! どこへいったああッ!」女の叫びで醒めるかと思われた夢は、いつまでもつづいていく。意識を失うデニス。そして気づいてみると、逆さ女は彼女の守護霊になっていた。
こんなにもおかしくて下品で、なのに荘厳でスケールの大きなマジックリアリズム小説があったでしょうか。こんなあらすじではこのおもしろさは伝えられないです。
はじめのうち、めまぐるしく登場するあらたな(そして変な)キャラクターに翻弄され、なかなか読みすすめられなかったんですが、後半は一気。
沖縄の聖と俗が渾然一体となった風土とアジアの中心に位置する地理的な特性を十分にいかした物語。
それにユニークすぎるキャラクターのインパクトは強烈。天才で変態のサマンサ・オルレンショー博士はその筆頭でしょうか。「逆さ女」のチルー。ユタのオバァや、人間コンピュータのろみひー。圧倒的威圧感と人の考えを読む不気味さをそなえたキャラダイン中佐。普通の物語なら申し分なく重量級キャラであるはずのデニスが普通の存在に見えてしまうところが、うむむ。
そして、文章。とてもわかりやすいのに読むスピードをあげさせてくれない素通りできない密度の濃い文章。これに近い感じは最近読んだのではネルソン・デミルかなー。
個人的にツボだったのは、ユタのオバァのあらたな占い方法。インラインスケートで超絶技巧のフィギュアを滑る! 読みながら吹き出して、しばらくこのページから進めなくなってしまいました。フィギュアスケートファンが泣いて抗議しそうな映像が脳裏をぐるぐるまわっちゃいまして。(直前に観ていたテレビのせいで、オバァは樹木希林が演じてる)
とにかく傑作。読めて幸せ。
2001年になりました。今年もたわごとにおつきあいくださり、まことにありがとうございます。
新年のご挨拶をトップページでもしておりますが、なんか元旦にアップできず、間抜けになってしまいました。
賀状メールのせいなんでしょうか、接続はできたけど、繋がってるだけでなんにもできなかったんですよね。メールチェックもftpも、サイトのダウンロードもすべてエラー。電話代の無駄でした。
さらに正月早々、本を読み始めたら40ページまできたあたりで、「これ、読んだことある」と気がつくし。未読だと信じきっていた自分がおそろしい。しかも、40ページも読まないと気づかないし。
三雲岳斗『アース・リバース』(角川スニーカー文庫.2000.262p.533円+税)[Amazon]読了。SFロボットもの。
灼熱の溶岩に地表を覆われ、生きてゆくために必要なすべてのものを人工的に合成して得なければならない、そこは炎界(フレイムシー)と呼ばれていた。ひとびとは放浪する城塞都市国家リダウトのすべてを管理される閉塞の中で一生を終えていく。
メタンのホットスポットをめぐって各リダウトは争いをくりかえしていた。他のリダウトから自分たちの住むリダウト守る軍隊、その中核となるのがデミ・エンジェルと呼ばれる巨大なロボットを駆使するエリート部隊だ。
シグ・クルーガーはデミ・エンジェル部隊の一員だった。ある日任務に当たっていた彼は、自分が撃墜した敵機にとどめをささず、這い出してきた少女をみつける。かれは敵はただちに殺せというリダウトの規律を無視して少女を助けてしまう。ティアとなのる少女は、自分は「世界の果て」を見に行くつもりだったとシグに告げる。「世界の果て」それは楽園の伝説だった。
『M.G.H. 楽園の鏡像』がおもしろかったんで借りてみた本。
未来SF巨大ロボット風味とでもいうのか。正直、ロボットが出てこない方がもっといろんなところを描き込めて、厚みが出るんじゃないかなと思わせられた。映像的にかっこいいロボットの戦闘シーンも、文章で読むと通常兵器となんら変わらないような気がするのです。設定はけっこうおもしろいのに。
それから、主人公のシグの行動があまり納得できない。生まれ育ったリダウトを離反するのに、もうすこし強い動機がほしいです。原因となるティアが読んでてうれしい娘じゃないのがそう感じる理由なのかもしれないけど。
ロボットがなければ、ジュブナイルSFのイメージです。これだけの内容をコンパクトにまとめられるのは構成がしっかりしているからでしょうか。もうすこし、キャラクターが個性的なら世界にはなやかさがでたかもしれない。