2001年7月後半のdiary
■2001.7.18 夏眠り
■2001.7.19 真夜中の晩餐
■2001.7.20 /『マリア様がみてる いとしき歳月 後編』
■2001.7.21 保冷材
■2001.7.22 /『ばいばい、アース 上』
■2001.7.23 風呂場にいるようだ
■2001.7.24 /『ばいばい、アース 下』
■2001.7.25 もっと降れ〜
■2001.7.26 うまくいかない
■2001.7.27 『千と千尋の神隠し』
■2001.7.28 胃の不調/『ダブル・ギャンビット 影の王国11』
■2001.7.29 /『失踪HOLIDAY』
■2001.7.30 暑さ復活
■2001.7.31 あと一通だ。/『ラムラム王』
懸案だったメールを一通書き終えた。
このところ考える能力が低下して、こういう文章はともかく、相手との距離を念頭に置いて話題を選び、表現を考えて…という作業をする気力がもてずに、返事を延ばしのばしにしていたのでした。
友人との消息確認を目的とした文通みたいなメールなんで、そんなに気張らなくてもいいのでは、とも思うんだけど、うっかり気を緩めると夏場は画面を愚痴ばかりで埋め尽くしてしまいそうなんですよ。あ、それはここもおんなじだった。
最近の楽しみはNHKの連続テレビ小説『ちゅらさん』の城之内真理亜嬢(菅野美穂)。今週は、彼女の過去がとうとう明らかに?
武井武雄『ラムラム王』(銀貨社.1997.162p.1500円+税)[Amazon][bk-1]読了。大正時代に児童雑誌に掲載され、まとめられた童話の復刊。
おむらよしえさんのところで見て、題名の響きが忘れられずに図書館で借りてきた本。
挿画や装丁の丁寧さは、作者はとてもヴィジュアルにこだわる人だったんだろうなと伺わせる。巻末のプロフィールには「童画家、版画家、童話作家、造本芸術家など。」と記されています。きっと一本の線であろうとぜったいに手を抜いたりしない、妥協をゆるさぬ性分だったのでは。
と、勝手に憶測してますが、物語は男の子が生まれ、「フンヌエスト・ガーマネスト・エコエコ・ズンダラー・ラムラム王」という名前をつけられるところから始まり、かれのシュールな冒険と遍歴が描かれていきます。
いったいなにをおもったら息子の名前に「王」なんてつけるかな(苦笑)。
たしかに古くさいようなところもありますが、ものがたり世界にあふれる感性はけっこうおもしろかったです。
週末、ものすごいだるさに襲われていました。たぶん、気温が下がってほっとしたせいで、緊張の糸が切れたのでしょう。上半身を起こしていると動悸、息切れがする。せっかく涼しいのに、どこにもいかず(それはいつものことだが)、ぼーっと高校野球の県予選を見たりしていた。そのあとつづけてプロ野球を見たりもした。なにもしていないのに、はてしなく疲れるというこの悪循環。
眠気もひどくて、からだがこれまでの睡眠不足を取り戻そうとしているのか、と感じました。
ただ、一点勝ち越している九回裏、一死一塁の危機で眠ってしまった自分には、ちょっと驚き。捕手が捕逸してくれたおかげで目が覚めましたが
ようやく人間らしく過ごせそうに思えるところまで回復したら、もう暑さも復活です。
また気象庁の週間天気占いに一喜一憂する日々に戻るのね…。
乙一『失踪HOLIDAY』(角川スニーカー文庫.2000.238p.552円+税)[Amazon][bk-1]読了。ふしぎな味わいの短編+中編集の二編を収録。
「しあわせは子猫のかたち」は、劣等感から他人に壁をつくり、社会とは隔絶して生きようと決めた主人公が、大学生活のために移り住んだ一軒家で幽霊と奇妙な共同生活を送る話。
「失踪 HOLIDAY」は、母親の死で血のつながらない父親と暮らしてきた十四歳の女の子が、父の再婚を機に自分の居場所を失いかけ、家出をするが、それがなりゆきから狂言誘拐に発展してしまうお話。
いままでも作者独特の雰囲気がなんとなく気に入っていたのですが、「しあわせは子猫のかたち」の、孤独をさびしく感じることもできない主人公にさしのべられるひそやかでひかえめなあたたかさを、淡々とつづっていく描写はとても好きです。謎の理由を情に流されない方向で決着をつけていくやりかたも、やわらかなあわい情景をこわさず、しみじみとしたラストにつなげていて。いいなあ、この話。
「失踪 HOLIDAY」は、わがまま娘のありがちな話かと思わせて、クニコさんとの変わった交流や潜伏生活のようすをユーモラスに描いていて、とてもたのしかった。これもミステリー要素のつよい話だけど、最後の謎解きはなくてもよかったかなというのは個人的な感想。
挿画の羽住都さんは、タッチがやわらかで雰囲気にぴたりとあっていました。とくに、白い子猫の絵がかわいい。書影を載っけるぞーと意気込んだのに、Amazonを見たらなかった。がっかりです。ごらんになりたい方は、bk-1か霜月書房へどうぞ。
きのう外食してからずーっと胃の調子がよくないです。量が多くて消化しきれなかったようで、夕方になっても胃が重いまま。しかし、食後に薬を服用しなければならないので、なにか胃に入れる必要があり、むりにすこしだけ夕飯を食べた。
その後、夜中におなかが空いてめざめた。
朝は空きすぎてあまり食べられなかった。昼食はなんとか食べたものの、おやつにコーヒーを飲んだらまたぞろ胃が存在を主張しはじめました
せっかく少し涼しい気候を満喫できなくて、かなしい。
榎木洋子『ダブル・ギャンビット 影の王国11』(集英社コバルト文庫.2001.202p.419円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界の月を舞台にしたファンタジーシリーズ。『シャドウ・レイディズ 影の王国10』のつづき。
王宮にとらえられた瞳を助け出すために、やむを得ず兄王子白藍を傷つけてしまった月哉。顔面に重度のやけどを負った白藍は王座を追放され、逃亡した。傀儡の王を望む人見の巫女たちは、瞳の力を取り込むためにも次の国王として月哉を望み、王座が空白となることを恐れた人心をあやつって一行を囲い込むことに成功する。
あとがきによれば、あと一冊で完結するらしいですが、そのせいかせわしないストーリー運びでもっと書き込んで欲しいなあと思うシーンがいろいろ。
国王となることへの渇望は、この血脈に刻み込まれた呪いなのかもしれないですね。百雷や白藍のシーンは、もっともっとダークに華麗に描いて欲しいですー。
映画館のタダ券を消費するために出かけた。
暑いからって行くのを後まわしにしていたら、終わってしまったんですよね『マレーネ』。
友人とお昼を一緒にとることになったので、「なるべく早くはじまって、なるべく早く終わる」のを基準に選んだら、『千と千尋の神隠し』を観ることになってました。
メジャーな映画を混雑がピークの時期に見るのって、趣味じゃないんだけど(^_^;)。
予想通りでしたが、こんなに混雑する映画館に入ったのは、何カ月ぶりだろう…というくらい親子連れでにぎわっていた。座る席を見つけるのにちょっと苦労しましたが、懸念していた「冷房による冷え」はそれほど感じずに済みました。やはり、子供は体温が高いのでしょうか。
映画は映像が非常に美しくて、とくに水没した線路の上を走る電車のイメージが気に入りました。風で澄んだ水に波があらわれていき、線路に波のうすい斑がはいっては消える、幻想的なシーンです。色の数が多くて、とてもカラフルな映画でした。お湯屋のなかをもっと詳細にみたかったなあ。
…つまらない感想ですみません。
しかし、このところ見る映画見る映画、豚の出演が連続している。それも大きく肥え太ったやつ。今年は豚になにかあるのだろうか。
お昼前に友人と待ち合わせてイタリア料理屋へ。ランチセットを頼んで、二時まで喋りつづけた。
- あしべゆうほ『クリスタル・ドラゴン 18』(秋田書店ボニータ・コミックス)[Amazon][bk-1]
- あしべゆうほ『雷鳴の符』(秋田書店ボニータ・コミックス・デラックス)[Amazon][bk-1]
- 榎木洋子『ダブル・ギャンビット 影の王国11』(集英社コバルト文庫)[Amazon][bk-1]
- 橘香いくの『影の姉妹 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』(集英社コバルト文庫)[Amazon][bk-1]
を購入。
涼しくなってくれたのはとてもに喜ばしいことで、これで一息つけるかと期待したんですが。
どうやらこれまでの疲労が一気に吹き出したようで、ひじょうにだるさを感じます。
猛暑の中、ぶあつい本を読んでいたのは、文字通り逃避であったな…。あーだる。
いま、雷鳴がとどろき、辺り一面が暗くなり、湿った北からの風が吹きまくり、そして!
雨が降ってます〜。
ああ、何日ぶりだろ、こんなにまとまった雨が降るのは。
これで少しは連日の炎熱地獄が収まってくれるといいのですが。
風が涼しいなんて、数週間ぶりだ〜(感涙)。
図書館には午前中に行って来たんで、濡れることもなく。いやいや、すんごく、暑かったけども。
を購入。
PowerBookG3用のあたらしい電源アダプタが届いたんですけど…
iBookのとおんなじ、ヨーヨータイプで、見た目が本体と著しく合わない。
冲方丁『ばいばい、アース 下』(角川書店.2000.534p.2900円+税)[bk-1]読了。『ばいばい、アース 上』のつづき。
最高階級に属す四大剣士のひとり、ガフの後ろ盾を得て〈都市〉(パーク)で王に謁見した際、神の宿るとされる〈剣種の樹〉(ユグドラシル)はベルを見なかった。そのことに疑問を抱きつつも、〈旅の者〉(ノマド)となる資格を得るためにベルは試練を受ける。そのひとつ、カタコームへの絶望的な攻撃に際し、彼女と組むことになったのは四大剣士の一員である月瞳族(キャッツアイズ)の青年アドニス、弓瞳族(シープアイズ)の脚本者ギネス、水族(マーメイド)のベネディクティンたちだ。カタコームでは〈飢餓同盟〉(タルトタタン)に墜ちたかつての四大剣士のひとり、ティツィアーノが待ち受けていた。
…ほとんど上巻の半ばくらいまでの説明にしかなっておりませんが。
この調子で固有名詞を入れつづけると、自分の首を絞めそうなんでやめます。
とりあえず、名詞にふられたルビを見ていると世界のなりたちがおぼろに見えてくる仕掛けになっていて、その予想は、ほとんど外れなかったです。
世界の古い秩序の崩壊と、あらたな世界への旅立ちというのが、終わってみるとストーリーの骨であったよう。
しかし、ストーリーや舞台の謎そのものよりも(もちろんとても魅力的なのですが)、ベルという少女の魅力がこの本の魅力であるようなきがします。自分よりも大きな剣をふるい、ぶっきらぼうな言葉を話し、「なんと野蛮な(ビースティー)…」という周囲の非難をかすかに微笑して受け止める、どこにも属さない自分を肯定しつつ、郷愁に身を焦がす、孤独な少女。
彼女と対立する同等の存在として、世界への懐疑と絶望から身を堕とすアドニスとのやりとりは、恋未満の好意と行き違う思いに彩られてせつないです。アドニスのラストシーンには、じんわりきてしまいました。
水族のベネディクティン(ベネット)の、命を懸けたひかえめな思いやりや、足長族(フロッギー)のミストのいじっぱりなかわいらしさ、蛍族(ロイテライテ)の老指揮者ジンバックの軽やかな老獪さ、耳長族(ラビッティア)のキティ=〈賢い者〉とキティ=〈愚者〉…。とにかく、出てくるキャラクターすべてが個性的で、存在がかなしくて、それはやっぱり、この世界の成り立ちのせいなのでしょうか。生と死のはざま、ぎりぎりで生き抜いていく姿が、緊張感を持って描かれているせいかもしれない。
でも、読んでいるときはつるつるとすべる文章に、思考が追いつかなくて、ブレーキが利かずに読み飛ばしたところを、戻って読み返してみたり。苦労させられました。あとになってこの文章、ハイテンションモードの若木未生に似ているかもしれないと思った。世界の奇怪な華やかさは、野阿梓に似ているような気もしたのですが。
あと、剣にうかびあがってくる古代文字。逆さに読む癖がついて、ベルのとアドニスのの区別がつなかくなって、混乱しました
読み終えると疑問なところはけっこうあるのですが、とにかく、力作。敷居はかなり高めですが、ものがたりに入り込めたら、暑さが忘れられます。
重くて高いのが難点でしょうかねえ。いちおう霜月書房にも入れておきましたが、図書館で借りた方がいいかも。
ものすごい倦怠感。湯気のたつ風呂場にいるように暑いし、汗がにじんでくるし、意識朦朧。
冲方丁『ばいばい、アース 下』[bk-1]を読んでいるのですが、体液すべてが煮詰まってくるような環境で、頭んなかまでおなじ状況に。おもしろい〜。おもしろいけど、疲れる〜。なにより物理的に本が重くて、手が痺れる〜。うでだるい〜。頸痛い〜。
読み終えましたが、真夜中なので感想はあした。たぶん、あした。明日も暑いらしいが。
冲方丁(うぶかた・とう)『ばいばい、アース 上』(角川書店.2000.526p.2900円+税)[Amazon][bk-1]読了。独特な世界観を色鮮やかな言葉で饒舌に描き出す、ちからにあふれる異世界ファンタジーの上巻。
〈剣の国〉。自分の肩よりも幅広な巨大な〈唸る剣〉(ルンディング)をふるう少女ベルは、時計石(オクロック)から生まれた。彼女には尻尾も、鱗骨も、体毛もなく、大きな目玉も誇るべき角も、いかなる種族的な特徴もない。さらに巨大な剣なくしては、大地に自分をとどめることもむずかしい。浮き上がってしまうのだ。彼女は人々とは交われないと痛感し、まだ見しらぬどこにあるかもわからぬ故郷、自分の交われるおなじ種族を求めていた。
彼女の師、〈教示者〉ラブラック=シアンは、旅に出るのなら都市へ行き、〈旅の者〉になるための試練を受けなければならないという。旅立ちの決心をしたベルはシアンにそう告げ、旅の者になるための最初の試練を受ける。それは旅の者の血によって継承される呪いを身におびること。シアンの呪いは〈教示者〉であること、教える事以外に剣をふるうことができないという呪いだった。指に傷をつけて血を混じり合わせ、シアンはいう。
「呪いがいつか祝福に変わるときを信じ、受承せよ」
「1996年、第一回スニーカー大賞を『黒い季節』で受賞し、デビューした著者の、受賞第一作」と帯にありました。とはいえ、私はこの作品を読んだこともないし、著者の名を記憶にとどめていたともいえません。
去年の暮れに書店店頭で平積みになっていたのを見て、気になっていたのですが、あまりのボリュームと、上下巻二冊、それに見合うだけの価格と著者に対する知識のなさに手を出す勇気がなく、しばらく迷ったあげく図書館に予約をしたのですが…まさか、こんなに待たされることになろうとは。
しかも、到着したときには猛暑真っ盛り。正直、「読めるのかなあ。読まずに返してしまおうか…」と消極的な気持ちのまま、欲と二人連れで借りて帰ってきたのですが。
ものすごく取っつきにくい本です。しずしずと浅瀬に踏み込んでいくのではなく、暴力的に深みに投げ込まれたような、そんなめまいを感じました。
展開される世界は、独特のコトバをふんだんに用いてあらわされています。様々な用語にはいちいちルビがふられ、ルビは英語からドイツ語、日本語といろいろ。しかもその字面に抱いているこちらのイメージとも微妙に異なった概念を持っているのがわかるため、いちいち違和感にとらえられるのです。
なのに、著者は使用することばや概念や、事象に対する説明を極力さけているような気がするほど。読者に対してはとても不親切です。
でもこの不親切な文章には、とてもエネルギーがある。意味がしっかりととらえられないもどかしさをものともせずに、ひきこまれてしまうスピード感とある種の美意識が感じられる。ときどき、こういう言い回しってありなのという疑問がわくところもないではないけれど、読んでいて心地の良いリズムのある文章であるとはいえます。
そして物語をいろどる、さまざまな仕掛け。仕掛けの中にはコトバも含まれているようですが、剣士の部隊を楽隊といいかえる世界の、異様な、けれど魅力的な仕組みが、めくるめく展開の中で次第に明らかになっていく…たぶん。まだ上巻しか読んでいないので、これからどうなっていくのかは予断はできませんが。
というわけなので、具体的なことは下巻を読み終えてから。
とりあえず、借りてきてよかった。
、いや、蓄冷材?を毎晩頭の下に敷いて寝ています。商品名はアイスノン? 雪枕でした。
今野緒雪『マリア様がみてる いとしき歳月 後編』(集英社コバルト文庫.2001.220p.438円+税)[Amazon][bk-1]読了。『マリア様がみてる いとしき歳月 前編』のつづき。お嬢様学校を舞台にしたシリーズの八冊目。
卒業編のつづきは、いよいよ本番。卒業してゆく薔薇さまたちが過去を省み、それぞれのなれそめやらに思いをいたす、現在と過去の交錯する一冊。卒業をテーマにした小品集のような趣でした。
それぞれエピソードの断片のようで、ひとつひとつは楽しめましたが、なにかもうすこし軸となるものが欲しかったような…。
最後の白薔薇姉妹の話は、ふたりのキャラクターの繊細さとはべつに、やりとりに出てくることばの俗っぽい響きに他のメロドラマを読んでいるような違和感をおぼえました。
ともあれ、この次からは三人の個性的な薔薇さまはいなくなり、あらたな薔薇さまとつぼみたちの話に移行していくのでしょう。
…しかし、季節のずれはいかんともしがたいです。汗水たらしながら、お別れの季節の話を読んでも臨場感のないことはなはだし。もうすこし早めに読むか、いっそ、来年までずらしてしまってもよかったかも。
外出の疲れからひさびさにぐっすりと眠っていたというに…。
蚊の羽音で起こされて、気がついてみると、右手人さし指とその周辺をかぞえきれないくらい(密集していたのでカウントできるほど痕がくっきりしていなかった。すくなくとも十カ所?)刺されていた。
いくら装具をつけてて指の感覚が半分ないからって、これだけ刺されたら気付けよ…>自分。
人さし指は火にあぶられて今にも皮がはじけんばかりのソーセージのように腫れあがっていた。まるでゆびが動脈そのものになったかのごとく、どくどくと血が送り出されるのがリアルな感覚。関節は曲がらないし、伸びない。はずしてしまった装具は、ふたたび取りつけること不可能となり、腹立ち紛れにふとんから投げ捨てられた。
そして、蚊は。
私のゆびからたらふく食事をしていった蚊は。
ひとりで騒いでいる間に何事かと起きてきた母親によって、叩きつぶされた。
となりにむき出しの左手があるのにも気づかず、装具の間をかいくぐって苦労したろうに。なんのために食事をしたのやら。思えば、バカな蚊ではあった。薬漬けのたいして活きがよくもない血を吸ったために命を落とすとは。
吸血されて十二時間経過。まだゆび痛い。
チョコランタン(おかあさんといっしょ@NHK)の住人は、花火大会のあと、夏の一番暑い時期を眠って過ごすらしい。眠る前には水分をたくさんとって、のどが渇かないようにする。
なにしろ、けむくじゃらな着ぐるみたちなので、理由はよーくわかる。
私もいっしょに夏眠りしたい。
図書館へ、本の返却に行く。
帰りに
を購入。
ファイルの整理のついでに、不毛なことを始めてしまった。
始めるとある程度片がつかないとやめられない性分をなんとかして〜。
目がちかちかするう。
篠田真由美『龍の黙示録』(祥伝社NON・NOVEL.2001.320p.876円+税)[Amazon][bk-1]読了。日本を舞台に展開する吸血鬼テーマの伝奇アクション。
長身で身なりにかまわず、「女の子」と呼ばれる存在から隔たった自分と社会との折り合いをつけることに苦痛を感じる柚ノ木陶子は、生命保険会社を解雇されて求職中だった。彼女は失踪した父親のせいで崩壊した親友の家族への借金を返すために金が必要なのだ。学生時代からバーテンダーとしてつとめている店のママから、美術評論やオカルト関係の著作を持つ作家龍緋比古の秘書の仕事を紹介された陶子は、気のすすまないながら鎌倉在住の作家の家をたずねる。
ふつうの読みやすい伝奇アクション小説。篠田真由美にしては。
読後感がいつもとちがって、なにやらさわやかだったので、拍子抜けしました。そういう話、今まで読んだことなかったんで。
途中、吸血鬼の起源をあかしていくあたりも、ふーんという感じだったし。あまりの暑さに脳が半分溶けているため、おどろき中枢が麻痺しているのかもしれないけど。キリスト教関連の歴史を体験するシーンがふつうなのが、物足りなかったです。(ミリアムってマルヤムのことだよねー。マグダラのマリア。このあたりは高校で習った記憶が。)が、ヒロイン陶子のひととなりはけっこうすき。白皙の美貌の龍緋比古は…うーん。印象、薄い。