2001年8月前半のdiary
■2001.8.2 /『ちょー美女と野獣』
■2001.8.3 暑中見舞い/『リセット』
■2001.8.4 /『影の姉妹 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』
■2001.8.5 祝 通算100勝/『風花の序 櫻の系譜』
■2001.8.6 IT化の落とし穴か
■2001.8.7 くぼた尚子/『桐原家の人々 4 特殊恋愛理論』
■2001.8.8 性格がすさむ『東方ウィッチクラフト』
■2001.8.9 性格がすさむ2
■2001.8.10 帰宅後おなかが空いた
■2001.8.11 スポーツニュースの扱いは小さいけど
■2001.8.12 初心者のハードルは高い
■2001.8.13 知らないうちに/『ノービットの冒険 ―ゆきて帰りし物語―』
■2001.8.14 /『深き水の眠り』
■2001.8.15 ふしぎ
図書館へ行くと、どうしてこんなにいろんな本を読んでみたくなるのでしょう。
そんでもって、どうして帰宅すると意欲はうせてしまうのでしょう。
きょうもまた、分不相応にたくさん借りてきてしまったさ。
おかげで購入した本がぜんぜん読めてない…。途中で止まっている本の長いリストができてしまいそうです。なんとかしなくては。
毛利志生子『深き水の眠り』(集英社コバルト文庫.2000.292p.552円+税)[Amazon][bk-1]読了。「ファンタジック・ホラー」。
高校一年の名和沙月は、すべてがゆっくりとした少女。友人と出かけた帰り道に彼女は赤い髪をした青年に出会った。かれは吼と名乗り、沙月の腕に刻印を残して去った。あきらかにふつうの人間ではない吼の気配に、沙月は怯える。
翌日、沙月の学校は突然休校になる。それは殺人事件のためだったのだが、なにも知らずに好奇心から友人たちと学校の中に忍び込んだ沙月は、一学年上の成瀬玻瑠佳とはち合わせをする。玻瑠佳には人ならぬものが「見える」という噂があった。沙月は、玻瑠佳の目の中に、なにものかの存在を感じ取る。
すみませんー。
読み終えたのはちゃんと14日なんですけど、これを書いているのは15日で、現物がすでに手元にありませぬ。図書館に返却してきてしまいました。固有名詞くらいメモしとけばよかったよー。あらすじ、これでよかったのか…
スーパーファンタジー文庫で「カナリア・ファイル」シリーズを書いている毛利志生子のコバルト第一作。
「カナリア・ファイル」の中にも出てきた水蛇の巫女・蛇巫(だふ)の存在がクローズアップされるお話です。
きまじめで硬質で地に足のついた物語の語り方は、私にとってはファンタジーというよりミステリーのものです。展開もミステリーっぽい。理知的ではあるけど生理的ではないからかな。突発的に現れた蛇巫である沙月のとまどいと恐れ、蛇巫の家系に生まれて自らを律して生きてきた玻瑠佳の孤独と苦しみといった要素はありますが、それよりも友人関係のアヤとか、感情のもつれとか、他人に対する責任とか、感覚よりも感情のおはなしでした。
成瀬家と千年契約しつづけている水蛇・静河氏と、まだ若い水蛇・若竹丸のキャラクターの違いは、単に経験と年齢の差なのだろうか。
ジオシティーのサービスにはジオメールというPOPメールサービスがついていると、思っていたのに、「サービスは終了しました」になっていた。
ということで、家族のサイト用に転送メールアドレスのサービスを探していたのですが、思わぬ発見をしてしまいました。
私が使用している転送アドレスのサービスが、いつのまにか終了していたのです。
何の通知も来ていないのに…
きょうもちゃんと転送されてきたのに…
狐につままれたような気分ですが、サービスのサイトにははっきりと「終了させていただきました」と記されており、それはほぼひと月にはなろうかという過去の出来事であるらしい。
そういえば、広告メールがぜんぜんこなかったような記憶があるなあ。
このままどれだけ使いつづけられるのか興味もあるけれど、事故が起きたりするのもイヤなので、また別のサービスでアドレスをとりました。以前のアドレスは入力するのが簡単でうれしかったんですけど。
パット・マーフィー(浅倉久志訳)『ノービットの冒険 ―ゆきて帰りし物語―』(ハヤカワ文庫SF.2001.431p.800円+税
Pat Murphy "THERE AND BACK AGAIN",1999)[Amazon][bk-1]読了。J.R.R.トールキン作『ホビットの冒険』をスペースオペラの舞台に移し替えてものがたる、たのしい冒険ストーリー。
宇宙の片田舎、小惑星群の居心地のいい家に住むノービットのベイリー・ベルドンは、ある日うち捨てられたメッセージ・ポッドを拾った。ポッドは銀河系でいちばん大きく、いちばん金持ちで、いちばん有名なクローン一族であるファール家の紋章で飾られていた。ベイリーは律儀に宛名人にポッドを預かっている旨の無線メッセージを送った。それが大冒険のはじまりになろうとは、夢にも思わずに。
まず、はじめに書いておきますが、私はJ.R.R.トールキン著、瀬田貞二訳の『ホビットの冒険 上下』(岩波少年文庫)を読んでいました。が、主役がホビットのビルボ・バギンスで魔法使いの老人ガンダルフがでてきて、洞窟の中にゴクリという名の哀れな存在がいたこと以外、なにも覚えていませんでした
だから、この本を読みながら「これはあれだよね」というふうに思い出すことは、まったくなかった。どうしてここまで忘れられるかなと感心するほどになんにも出てこない。かえって、「ここを中つ国に移すとどうなるんだろう」と想像してしまう始末。まったく情けなかったです。
というわけで、物語をはじめて読む楽しさを満喫いたしました(苦笑)。
ノービットのベイリーが、自分の居心地のよい家に思いをはせつつ、困難には実際的な性格を遺憾なく発揮してなんとか切り抜けていく、正統派のスペースオペラ。
世界の設定やいろんな小道具が、SFらしさを十分に演出していて、読んでいてとてもたのしい。ファール一族のシブたちが個性的で自分勝手で、まったく手に負えない感じで、自分たちのために尽力しているベイリーに文句たらたらなのもおかしかったし。
女宇宙海賊のギターナのインパクトの強さ。出番がこれだけなんて、もったいない。そして私がいちばん好きだったのは、戦闘機の身体をあやつる構成体のフラッフィです。こういう存在ってなんか好き。茅田砂胡『スカーレットウィザード』のダイアナもそうだけど、大原まり子「イル&クラムジー」シリーズに出てきたマヤとか、神林長平「敵は海賊」シリーズのラジェンドラとか。
うーん。『ホビットの冒険』、また読もうかな。
家族がサイト(ホームページ)をつくりたいというので、まず手始めに、無料でできる「Yahoo!ジオシティーズ」を紹介しました。
ジオは自分で眺めたときには登録画面を見てイヤになったのですが、初心者にはマニュアルというかヘルプ類の充実が決め手。あとからフォローするのが面倒だ、というこちらの思惑も絡みます。
本人はPC歴は長いものの、ほとんど仕事用のアプリケーション(CAD)しか扱わないため、WindowsPCについては素人。ネットに関しては昨年購入したノートパソコンでメールをたしなむ程度です。
「Yahoo!」の画面に「ホームページ作成」の表示があるから、それを選べばいいよ、と伝えたのですが、しばらくして「そんなものはどこにもない」と文句を言ってきた。どうやら、文字が小さくて見つけられなかったらしい。しかし、見つけられないのを「どこにもない」ことにしてしまうあたりに、前途の多難がひしひしと感じられるのでありました。
ジオシティーへの参加画面を呼び出して、手順を説明。「市民登録フォーム」が出たところで、もういいかなとまかせたのですが、しばらくしてお呼びが。入力に時間がかかりすぎたため、予約してあった番地に別の人が入居してしまったらしい。
キーボードで文章を入力しつけないところにもってきて、フォームの入力にも慣れていない。さらに、ブラウザが不安定で画面が二重に見えたりする。これはいったいどうしたら治るのか、私にもわからない。という状態なので、仕方ないとはいえる。
しかし、画面の「下記の他番地に入居しますか」という問いかけにyesの意思表示をしているのに、切り替わる画面は「下記の他番地に入居しますか」。先に進まない。何度やってもおなじ画面が戻ってくるので、しかたなくもう一度、空き地探しからはじめることに…。
フォーム登録も二度目ならスムーズにいくかと思いきや。メールアドレスを二度入力するのをすっとばしたりするので、何度もやり直しをさせられる。ブラウザはあいかわらず不安定。そんな困難を乗り越えて、ようやく、登録を完了。
メールをチェックして、「ようこそ、Yahoo!ジオシティーズへ!」の確認メールを受け取り、スペースのURLをクリック。
するとそこに「市民ID ○○さんのホームページ」という画面が表示され、めでたしめでたし。
となるはずだったのですが、そこでふたりは愕然とした。
市民IDがまちがってる。
いや。この場合まちがってるんじゃなくて、まちがえた、ですね。登録フォームに間違えて入力し、気づかずにそのまま登録してしまっただけ。
一番最初に入力する情報なのに、なんで間違えるかな〜。と内心思ったものの、チェックしなかった私も悪かったので、ヘルプなどをさがしまわり、なんとか「プロフィールエディタ」なるもので変更できることを突き止め、変更した。このとき、変更通知がメールで来るかと思ったのですが、音沙汰ナシ。そういうものか。
ここまでするのに、午前中、午後とほぼ一日かかりました。なのに建設予定地を確保しただけ
ブラウザが不安定だったり、OSが不安定だったりするのも時間がかかる要因ではありましたが、そちらは私では手の施しようがありません。
二週間以内にサイトを作成しないと、削除されてしまうらしいけれど、このあとちゃんとつづけていけるのだろうか。とっても不安だ。
一日、記憶喪失…というより忘れたい。それほどだらだらと無意味な一日。
パット・マーフィー『ノービットの冒険』[Amazon][bk-1]をちびりちびりと読んでます。
ようやく元気が出たのは、「TVKテレビをご覧のみなさまには誠に申し訳ありませんが、放送を終了させていただきます」のあとのクレジットが邪魔な画面で、左翼席へ飛び込む打球と、跳ねるように踊るように、満面の笑みを浮かべてものすごいスピードでダイヤモンドを一周する打者走者を観たあとで。
いくら佐々岡が得意だからってこんなに打ったらかわいそうじゃないか、谷繁!
しかし寝る間際になって元気になるのも、意味がないような…。
友人と昼食をご一緒するため、外出。
外はとても蒸し暑く、内は冷え冷えと寒い。
前回、スパゲティで胃もたれに苦しんだので「健康粥セット」なるものを食べてみた。おいしいけど、ぜんぜん腹にたまらない…。でもチャーハンはやっぱりもたれそうだったしなー。
下半身すっかり冷え切って帰宅。
栗本薫『ヤーンの翼 グイン・サーガ80』(ハヤカワ文庫JA)[Amazon][bk-1]を購入。
ひきつづき、Windows98ノートパソコン上のLAN接続の設定。
「Outlook Expressの接続設定はInternetExplorerと共有」になっているはずなのに、「送受信」をしようとするとダイヤルアップを始めようとする。あちこちいじっても治らない。
だいたい。Windowsのシステムがわかっていないのだ、私は。Macの知識をもとにそれらしきところを開いてみると用語がちがうは、複雑だはで、ちんぷんかんぷんなのだ。でも、ブラウザはちゃんと接続された。どうしてメーラーだけ、頑固にダイヤルアップに固執する?
煮詰まってしまったので、河岸をかえる。
自分のPowerBookでWEBを検索。「Windows98 LAN接続 Outlook Expressの設定」でひっかかってきたサイトを片っ端から眺めていく。かなりかかってようやく、それらしき情報を発見。
どうやら、OutlookExpressはアカウント別に接続設定をしておかねばならなかったらしい。なんと面倒な…。
「このアカウントはLANで〜」を選択して「OK」を押し、それから「送受信」を押したら、やっとダイヤルアップをせずに送受信のアクションが始まった
つぎに。
妹から預かったiBookのメンテナンス。
真夜中にメールを打っていた妹は、突然はじまった付属検索ソフト「Sherlock 2」の「ボリュームの索引作成」に怯え、作業の途中で強制終了をかけてしまった。それからネット接続がうまくいかなくなったという。
まず、起動させるのと同時に「デスクトップファイルの再構築」をし、念のため付属メンテナンスソフト「Disk First Aid」で診断。異常なし。こいつはPowerBookが昇天しかけていたときも「異常なし」を連発していたので、あまり信用できませんが。
Nortonのアンチウィルスでウィルス検知。異常なし。ユーティリティーの「Disk Doctor」で診断。エラーを修復。
私のいつもの場合なら、これで治ることはほとんどないのだが、このiBookは初診なので電話線に繋げてネットに接続してみる。
なんだ。繋がるじゃん。
ついでに「Sherlock 2」の「索引予約」設定からチェックをはずしておく。デフォルトではこれが夜中の12時に始まるようになっているのである。知らずにいるとびっくりするよ、確かに。
しかし、データのバックアップとユーティリティーソフトの準備は指導しなければなるまい。ケチな妹は「高い」を理由に抗ウィルスソフトも入れておりませぬ。Macでなかったらどうなっていることやら。
ふた仕事を終え、ようやく本が読める…と思ったのもつかの間。
家族がやってきてのたもうた。
「ブラウザがダイヤルアップをするようになった」
…。
図書館帰りに繁華街へ出て家族と合流し、ルーター、ストレートケーブル、LANカードを購入。
帰宅して昼食後、勝手に接続設定を始めてしまった家族の、あとが続かないのを仕方なくフォローする羽目に陥る。
明日にすればいいのに〜。
Windowsはわからんというのに〜。
説明書通りにやっているのに横から文句つけるな〜(できなかったくせに〜)。
なんとかブラウザからネット接続はできるようになったものの、なぜかメールソフトがダイヤルアップを始めようとするのを止められず。疲れて、やめる。
竹岡葉月『東方ウィッチクラフト ―垣根の上の人―』(集英社コバルト文庫.2001.220p.438円+税)[Amazon][bk-1]読了。
中学三年生の観凪一子は、通う中学の隣にある有名私立高校御堂学園(通称・御学)の一年生滋賀柾季にあこがれていた。金髪ながら曲がったことが大嫌いな友人、堀江朔実にあきれられ、たしなめられつつも、お年玉を集めて購入した双眼鏡を手に、きょうも滋賀君ウォッチングに励む一子。その一子の視線の先に、御学校舎の屋上にて小さな黒いモップのような犬と格闘しているとおもわれる滋賀柾季の姿が。一子は猛然と駆けだした。
出だし、なかなか読みすすめずに何度も中断していたせいで、きょう返却することができなかった本。
ページにして半分くらいを過ぎたあたりからは俄然おもしろくなったんですけどねー。
一子が滋賀君の○○○になるまでのいきさつと、並行して描かれる「路上強盗事件」があんまりかみ合わなかったというか。
クライマックスで滋賀君が叫ぶ(?そうだっけ)魔女の心構えはなかなかよかったと思うのと、滋賀君のキャラクターはけっこう好きだな。
まったく雰囲気が違うのだけど、竹下文子の『スターズ』[Amazon][bk-1]を思い出しました。
e−hon経由で注文した
が到着。
『極楽蝶々』は、本屋で目的のブツが見つからなかったときに「代わりについ」購入してしまったものなんですが、とうとう最後まで買ってしまいました。わざわざ注文してまで。
私は一時期くぼた尚子がとても好きで、『LaLa』時代は舐めるように読み返していたものでした。発表の場を移されてからは絵柄の変遷もあってかなり遠ざかっていたのですが…やはりくぼた尚子はくぼた尚子だった。小気味のよい台詞がたのしい。つよがって見せているけど実は繊細なキャラクターと、大ボケで突っ込まれまくりでも土壇場にはつよいキャラクターのかけあいが、好きです。ストーリーは昔よりもお気楽度(ありふれ度も)が増している気がしました。男性キャラクターの地位がかなり落ちている気も。レディース誌掲載だからでしょうか。
茅田砂胡『桐原家の人々 4 特殊恋愛理論』(中央公論新社C・NOVELS Fantasia.2001.242p.900円+税)[Amazon][bk-1]読了。『桐原家の人々 3 恋愛統計総論』のつづき、というかシリーズ番外編で完結編。
もうじき中学生になる春休み。桐原零は両親とともに出かけたドライブの帰り道、後部シートでとろとろと眠りかけたときに耳にした両親の会話におどろく。田舎も親戚もないのだと聞かされていた両親の結婚の背後には、いろいろとこみあった事情があったのだ。父親俊美の「ぼくはお義父さんに殺されたって文句は言えない」という言葉に、黙っていられなくなった零はつい声を出した。「お父さん、誰に殺されるの?」
そのとき、零の目を車のヘッドライトがまぶしく射た。母親の悲鳴と父親の叫び。それが、零の、両親についての最後の記憶となった。
「桐原家の人々」最終巻は「長男」零の目から見た桐原家の歴史。
事故で両親を失い、茫然自失のまま父親の兄、つまり伯父の家庭に迎え入れられ、そのままめまぐるしく展開される悲喜こもごもの日々を、パワフルな人々のペースに巻き込まれつつ過ごしていく零の姿を描いております。その状態はまさに「圧倒されている」。シビアな状況を乗り越えていくというより踏みつけていくかのような桐原家なんですが、ただパワフルなだけじゃないこまやかな心配りがあちこちにあって、読んでいて気持ちのいいシリーズです。
零の親友となる城段輪とのエピソードがあらたな見せ場でしたが、基本的には今までのおはなしを語りなおしたというかんじで、新鮮味はすくなかった。零の人格が桐原家基準でいけば「平凡」だからかもしれない。
私がこのシリーズで一番謎なのは、真亜子さんがいかにして零を男性として認識するにいたったか、なんですけど、それはまったく描かれていない。ちょっとがっかり(笑)。
あと、三つ子の幼い日の姿がかわいいですね。零の中学校入学式に真亜子さんが同伴したときは、「乳腺炎になるぞ!」と忠告したくなりました。
それから、こんなに美男美女の価値が低いはなしというのも、珍しいかもとおもいました。出てくる人間、ほとんど美形で大安売り状態。ここまで「ととのった顔」を強調して描写しているのに、それが話の中であんまりお得な状況を生み出さないのでした。桐原家なんてみんな美形なので、美形である意味がない(苦笑)。
あたらしい双子の話、読んでみたいなー。またまた、うりふたつで超美形で、性格はああいうの(笑)で、三つ子がふりまわされる話とか。
病院に行った。会計で呼ばれたので財布を出そうとしたら、「コンピュータが壊れて領収書を出せないので、このつぎ来院した折りに払ってくれ」と言われた。
きょう払っても、来月払っても、結局はおなじ金額なんだけど。しかし、来月二月分も払うのは、なんかいや(笑)。
茅田砂胡『桐原家の人々 4』(中央公論新社C・NOVELS Fantasia)[Amazon][bk-1]を購入。帰りの電車で読了。
野村弘樹投手、おめでとうございます。「もう(一軍マウンドでは)見られないかと思った」と解説の大矢さんがいわれたとおりの危惧を抱いていただけに、喜びもひとしおです。しかも、相手はG。完勝で貯金が2。おまけにセ・リーグ連続試合無失策の記録を更新(これは正直、途絶えたと思ったが
金蓮花『風花の序 櫻の系譜』(集英社コバルト文庫.2001.236p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。「学園呪術ファンタジー」の二作目。『夢弦の響 櫻の系譜』のつづき。
もうじきクリスマスを迎えようというある日、当麻杜那はプレゼントを買おうとしていた矢先に父親が新幹線の事故に巻き込まれたことを知る。杜那の父親杜生は軽傷だったにもかかわらず意識を取り戻さない。「審神者(さにわ)」である田所冬星のみちびきにより霊視をした杜国がみたものは、海に降る雪のイメージだった。
現代の陰陽師、当麻杜那と、巫女の孫で依まし体質の栗花落砌の高校生ふたりを軸に、幻想のうつくしさと人を思いやる心が繊細に描かれているシリーズです。このシリーズだけ、読んでいれば、物語を堪能して、「おもしろかった」と本を置けるのですが、以前に出ていた「月の系譜」シリーズと物語世界がおなじなので、どうしても関連づけて考えてしまいます。
「月の系譜」シリーズの登場人物がそこかしこにあらわれ、「ほら、この裏にはあんなことやこんなことがあったじゃない」とささやくのですが、ですが、思い出せない…(T.T)
代表的なところでは能楽の宗匠、天才の名も高き各務宗春氏。かれが巻き込まれた事件って、確か読んだことがあるような気がする(するんじゃなくて、実際に読んだはず)のに、どういうのだったっけ〜?
京都の御前、若王子千尋ってーのも見覚えありますねー。あ、さすがに真澄さんはおぼえております。とすると、かれの背後にたたずむ少女というのは…
ともあれ、このつづきはもう出ています。きっと私が手に取れるのは何ヶ月もあとなのだろうけど。
橘香いくの『影の姉妹 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』(集英社コバルト文庫.2001.274p.514円+税)[Amazon][bk-1]読了。『黒い塔の花嫁 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』のつづき。異世界コメディーシリーズ十二作目。
アニエスは従姉妹であるリゼットを陥れ、まんまと「レヴィ・ストローク公爵令嬢」になりかわってしまった。
リゼットの身の証をたてるためにこっそりと首都ローランスへ帰還したコラリーとフェリックスは、アニエスがすでにラクール伯爵と結婚したことを知る。もちろん、「レヴィ・ストローク公爵令嬢」としてだ。コラリーはラクール伯爵に忠告しようと「脅迫文」を送りつけるが…
あいかわらず、コラリーとフェリックスの会話はおかしいです。
しかし、物語はいろいろ要素をとりいれてうまく構成しようとしたあげく、散漫な印象になってしまった気がします。だれかさんは展開上是非とも必要な人物なのに、物語上はじゃまな気がしたり。
アニエスさんはけっきょく、不幸な人物ということでした。個人的にこういうコメディーの中での「悪役」は、自分のことをすべて把握した上で悪行をまっとうするキャラクターが好ましいので…。ちょっとうっとうしかったかな。
思いついて、AppleのiCardから暑中見舞いを送った。
こういうサービスは同時に同内容のものを複数の相手へ送れるので、メールアドレスを打ち込む面倒さえ厭わなければ、使ってみてもよいと思っています。メールで送られたURLにもう一度接続する必要のあるサービスはあまり好きではないので、一度受信するとカードも受信されるこのサービスをもっぱら愛用している。
画像を選んで文章を打ち込み、メールソフトのアドレス帳からメールアドレスをコピー&ペーストして、送信。よし、できた。
と、そこで気づいた。
最高気温が摂氏二十度を超えず、「寒い」と不満を訴えていたオランダ在住の人間にも、「暑いですねカード」を送ってしまったことに。
グローバルなメディアであるが故の失敗といえましょう(?)。
北村薫『リセット』(新潮社.2001.366p.1800円+税)[Amazon][bk-1]読了。『スキップ』『ターン』につづく、「時と人」三部作の第三作。
…この本のあらすじは、書いたらいけないような気がするので、書きません。
ものがたりは、「獅子座流星群を見た」という少女の思い出話から語りおこされます。
北村薫の、日常にながれる繊細な機微をすくいとる描写は、さすがです。戦時中の、フツウではない精神状態を現実に体感しているかのように味わえるのが、すごい。
しかし、あまりにもこまごまとくり返される日常描写に、私は途中で倦んでしまったことを白状いたします。とくに、第二部。いったいいつまで、この「なにも起こらない状態」がつづくのだーと、ストレスを溜めつづけました。暑さのせいで、忍耐力もいつもよりはやくすり減るようです。
なので、ようやく、何事か展開らしきものが先に見えてきたとき、ちょっとがっかりしたのでした。いままでの「時と人」で披露されたような驚きをあじわいたかったのに。
すこし期待をしすぎたのでしょうかね。これだけ読んでみれば、それほど悪い話ではないと思うのだけど。
ご参考までに、私は『スキップ』より『ターン』の方が好きです。
野梨原花南『ちょー美女と野獣』(集英社コバルト文庫.1997.254p.438円+税)[Amazon][bk-1]読了。既刊十四冊の異世界ファンタジーシリーズ、第一巻。
トードリア国の世継ぎの王子ジオラルドは、親友の魔法使いタロットワークの裏切りに合い、獣に姿を変えられ『絶望の森』深くにある館で暮らしていた。『絶望の森』で獣に命を救われたジェムナスティ国の国王は、娘をひとり礼にやろうと約束する。絶世の美女ダイヤモンド王女は獣と心を通わせ、ついに愛の誓いとして口づけを交わす。呪いがとけ、人間にもどったジオラルドに、しかし、ダイヤモンドの態度は冷たかった。姫の好みは、獣のかれだったのだ。
挿絵に気を惹かれつつ、奇抜な題名に発売当初購入を躊躇し、その後も予約する勇気がもてずにいたシリーズ。けっこうあちこちで評判がいいようなので、思い切って借りてみました。
序章がとてもわかりにくくて、ちょっと閉口。違う暦が出てくるので、ジオラルドが奸計にかかってからさぞ月日が経っているのだろうと早合点してしまいましたが、なんと、二年しか経過していなかったのですねえ。それがわかったとき、ようやくこの世界に馴染めたような気がしました(^_^;)。
地の文は硬質で必要最小限(品はある)。会話とテンポが(ギャグ)マンガ。
というわけで、あまり世界の空気とか雰囲気とかは望めなくて、会話の掛け合いを楽しむお話。ひっぱってひっぱってひっぱった敵役リブロ・ゼロネームの正体が、あれなのが、その証拠のような気がします。
ヒーローとヒロインの役割が定番と逆で、何事もダイヤモンドがリードしていく展開なのがおもしろい。かろやかで、さわやかなコメディーでした。
ただ、私の好みとしてはもうすこし世界に書き込みが欲しいですね。マンガだと絵柄そのもので雰囲気がつくれるので、とても得だよなあと思う。小説は地の文でそれをする必要があるけれど、テンポをはやくしようとするとあまり書き込めない。その意味で、この本には挿絵が不可欠だろうと思います。
ものすごく蒸し暑い中、図書館へ行って来た。寄り道、ナシ。
私が図書館を利用するのは、お金とスペースの節約が一番の理由(未知の本に出会ったり、雑誌を読んだりするのも、お金を出してまでは欲しいとは思わないけど気になる情報をタダで得るためなので、結局は節約かと)ですが、個人的に「外の空気を吸いに出る」という理由もかなりあります。しかし、このクソ暑い中ではそんな理由はナシにしてしまいたいと、心の半分以上で思っている。しかも、私は冷房が大の苦手(というより苦痛)なのだった。でも、行く。
交通アクセスが極端に悪いわが都市の図書館の、行ける範囲内でもっとも徒歩の距離が短いところへ通っているんですが、それでもバス電車を乗り継いでおります。直線距離でもっと近いところはあるのだが、そこへ行くにはバス電車バス乗り継ぎなのです。
現在、バスは無料パスがあるにしても、時間的にも体力的にも金銭的にも、けっこうコストがかかる図書館通いではあります。
だから一時は元を取ろうとして(苦笑)ハードカバーばかり借りていた。当然、荷物はものすごく重くなっていた。
もうそんな体力はどこにもないですが。
体力といえば、インフルエンザでひと月寝込んだあと、延滞図書を返却に行ったら、「予約図書十冊すべてハードカバー」が準備されていて、貧血起こしそうになったことが。
ひとり六冊二週間が規定なのに、ちょっとむり〜と泣きついたら、次の週へのばしてくれたので安堵しました。そのあと、しゃかりきになって借りた本を読んだ覚えがありまする。
二、三年ほど前にその図書館でアンケートをとっていたのに回答しました。
質問には、月に何回くらいここにくるか、交通費はどれほどかかっているか、蔵書に関する不満はないかなどが並んでおりました。最後に要望をフリーで書く欄があったので、実現はかなり困難であろうと思いつつ、「図書の予約、通知をウェブでできないものか」と書いてみた。
財政難で文庫本を補強する透明カバーをケチったりしているのを見ると、さもありなんと思いますが、現在もまったくその気配はありません。その当時もウェブで蔵書検索というのはできましたが、それから前進していない。タッチパネルだけだった館内検索機にキーボード入力機が導入されたことくらいかなあ。
予約本の状況は電話で問い合わせというのができるのですが、電話代を払ったあげく機械音声の非常に聞きづらい書名読み上げを聞くくらいなら、カウンターで直に尋ねた方がらくだし、はやいです。
それに、冷静になって考えると、私のように「読む本の三分の二以上を図書館で借りている」人間がウェブで本を予約したりすると、タガがはずれて自分の限界を超えて注文したりしてしまいそうです。だから、私にとってはこれでいいのかもしれない。返却期限が迫っているのに未読本が山だとストレスになるし。
ただ、いまでも「自分はいまどの本を予約しているか」という情報は欲しかったりします。自分がしたことなのに、忘れてしまうのですよ。とくに続き物。本屋に並んでいるものと、自分が読み終えたものと、予約しているものとに時差があって、わけがわからなくなることがあります。
ところで数年前から図書館で利用者のことを「お客様」と呼んでいるのですが、聞くたびに違和感を覚えることばです。だからといって、ほかに言いかたを思いつきはしないのだけど。
前後して処方箋薬局や病院の事務でも「〜さま」と呼ばれるようになったのは、なにか理由があるんだろうか。病院のはポーズだけつけているような感じがむずむずします。事務方だけというのも気分が悪い一因ではある。医者の態度はまったく変化ないですから。
なんだかとりとめない文章ですね。図書館の話から逸脱してしまった。
著者名索引が煩雑になってきたので、もうすこしこまかく分類しようとしたのですが、「ア行」だけで挫折しました。すみません〜。