2001年11月後半のdiary
■2001.11.18 ふぬけ状態
■2001.11.19 /『魔法使いはだれだ 大魔法使いクレストマンシー』
■2001.11.21 /『魔道士の掟 1 探求者の誓い』
■2001.11.22 喉に違和感/『地上(ここ)より永遠(とわ)に キル・ゾーン』
■2001.11.24 /『ちょー魔王 上』/『ちょー魔王 下』
■2001.11.25 本末転倒
■2001.11.26 おなかも空いたし
■2001.11.27 免疫力が落ちているのか/『魔界の刻印 グイン・サーガ81』/『スカーレット・ウィザード 外伝 天使が降りた夜』
■2001.11.28 /『ベルガード館の殺人』
■2001.11.30 /『星虫』
図書館帰りに
- 須賀しのぶ『砂の覇王 5 流血女神伝』(コバルト文庫)[bk-1]
- 谷瑞恵『魔女の結婚 聖なる夢魔の郷』(コバルト文庫)[bk-1]
- 橘香いくの『踊る王宮の午後 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』(コバルト文庫)[bk-1]
を購入。
岩本隆雄『星虫』(ソノラマ文庫.2000.383p.571円+税)[Amazon][bk-1]読了。
夜中に読んで、すぐに図書館へ返却してきました(すでに延滞していた)。今手元にないのであらすじはおおまかに。
優等生の委員長を演じつつ、宇宙飛行士の夢に向かって努力をしている高校生、氷室友美が主人公。ある日、空からふってきた星のようなモノ…。それは地球上の人間ほとんどの額にとりついた虫だった。「星虫」と名づけられたそれは、人の能力を高める作用があるらしい。友美の額にとりついた星虫は、次第に成長していくが…
正統派のジュブナイルSF。中学生のころ読んだら、もっと共感できたんじゃないかなーとおもった。
疲れてひねくれた今読むと、まっすぐなヒロインたちの情熱やら、エネルギーやら、ストーリーの行き着く先も含めて、腰がひけます。真正面からの直球からは死球にならないように身を逸らすってことなんですけど。おもしろかったのですけど、私には無条件にまるのみできないってところかなあ。
ケイト・ロス(吉川正子訳)『ベルガード館の殺人』(講談社文庫.1996.552p.816円+税
Kate Ross "CUT TO THE QUICK",1993)[Amazon][bk-1]読了。十九世紀初頭のイギリスを舞台にしたミステリー。
ロンドン社交界で伊達男として通るジュリアン・ケストレルは、賭場で偶然助けたかたちになった名門貴族の跡取り息子、ヒュー・フォントクレアの婚礼に招待された。いぶかしみながらもひととき社交界から距離を置くのもわるくないと、フォントクレア家の所領にあるベルガード館に従僕のディッパーとともにおもむいたジュリアン。彼を待ち受けていたのは、復讐のために主家の弱みを握って娘との結婚を迫った金貸しクラドックと、名誉と体面のためにそれを承諾せざるをえなかったフォントクレア家とのあいだの、緊迫した険悪な空気だった。そんななか、ジュリアンに貸しあたえられた一室から、身元不明の若い女の死体が発見された。第一発見者となったジュリアンは、よそ者として不審の目で見られながら事件の解決に尽力することになる。
風邪を治そうと思っていたのに、寝るのはまだ早いからと手にとったのが運の尽き。
止められない止まらないで最後まで。早く寝るどころか、読み終えたら午前一時をまわってた。バカだ〜(泣)。
出だしから、クラドックが握るフォントクレア家の醜聞とはなにか?という謎でひっぱり、フォントクレア家内の一筋縄ではいかない親族関係や、冷血と評判の金貸しクラドックの娘とは思えない純情可憐なモードと、お坊ちゃんヒューのありがちではあるけどほほえましい恋の行方などなど、楽しみどころ満載です。そして、いきなり殺人事件が発生。被害者は身元不明の若い美女。しかも、密室。治安判事はフォントクレア家当主のロバート。謹厳実直で公正明大と評判のお人柄ですが、どうしたって身内には甘い。というかそもそも身内が犯人だなんて思いたくないので、よそ者が不利になる。
探偵役の伊達男ジュリアン・ケストレルは、容疑者にうってつけの胡散臭い男です。素性はあきらかにしない。従僕は元スリ。スタイルを気にし、懐は寂しく、大仰な台詞を吐き、けっこう私情にも走り、しかしなお公平な視線を失わない、こういうキャラクターは探偵役にはめずらしいのでは。
そして、フォントクレア家の女性の存在感が強烈です。ジュリアンが「ひれふしたくなる」と評したヒューの従姉妹誇り高きイザベルしかり、激情家のレディ・タールトンしかり、一見良妻賢母風のロバートの妻、セシリーしかり。
被害者の身元があきらかになると、筋が読めたかなと思ったのですが、最後まで「ええ?」と驚かせてくれました。
いやー、おもしろかった。
本屋でシリーズが平積みしてあったのを見て興味をひかれ、図書館で借りたのですが、これは当たりでした。著者がもう亡くなっていると、あとのほうの本に書かれていたのが残念です。
ところで、この本の舞台は十九世紀ですが、現代を舞台にしたおなじような枠組みのミステリを読んだ記憶があります。おなじポイントは、由緒ある貴族。田舎の領地にある館。領民は領主一族を良くも悪くも仰ぎ見て暮らしている。殺人事件が起きる。貴族の身内の犯行。捜査をするのも身内。というあたりだったと。なんだったかな〜。思い出せなくていらいらします。エリザベス・ジョージのリンリー警部のシリーズだったかなあ。それにしても、イギリスの社会って変化がゆるやかなんですねー。科学的な捜査方法が出てこないだけで、現代物とほとんど雰囲気が違わないような気が。
前回ひいてからまだ十日余りしか経っていないのに、またもや風邪です。
今年の風邪は鼻に来るのか、くしゃみ、鼻水、鼻づまり三点セットが復活。昨夜は早々と寝たし、うがいもうがい薬でやったのに〜。鼻が詰まると脳が溶けるのよ、酸欠で…。
というわけであんまり頭の回転はよろしくないんですが、ためると面倒なので書いておく。
栗本薫『魔界の刻印 グイン・サーガ81』(ハヤカワ文庫JA.2001.320p.540円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界大河ロマングイン・サーガの(まだ)最新刊。『ヤーンの翼 グイン・サーガ80』のつづき。
先月購入したのに、病院とずれてしまったので読む時機を逸して一月半。持参して電車で読みました。このシリーズに関しては、もう、あらすじをかくのもどうかと思うので書きません。
レムスとグインの対面では、双方の饒舌さにちょっとめまい。しかし、レムス君がこんな風になっていたとは。ノスフェラスをさまよっているときにはかわいい少年って感じだったのに。昔なにかで読んだ、「レムスは成人してからが見せ場」の意味はこうだったのかと、わけもなく感慨深かった。
茅田砂胡『スカーレット・ウィザード 外伝 天使が降りた夜』(中央公論新社C・NOVELS Fantasia.2001.254p.900円+税)[Amazon][bk-1]読了。ハーレクイン・スペースオペラ『スカーレット・ウィザード』の外伝というふれこみですが。『スカーレット・ウィザード5』のつづき。
これもなー。あらすじを書くたぐいの話ではない気がするので省略。
いちおう、ジャスミン亡き後の(というかなんといったらいいのか。永眠というと、意味が違うし)ケリーの人生を描いている、のでしょうか。
読みはじめてから、「いつになったら、話が始まるのだろう」と思いつづけて、ラスト一ページでようやく「なにかが始まった」。要するに、次の話への遠大なるプロローグだったわけです。次のシリーズには「スカーレット・ウィザード」ともうひとつ、別のシリーズの要素も入ってくるのでよろしくねという名刺代わりの一冊だった、ということなのでしょうか。
ひとつひとつのエピソードはかなり楽しく読めました。ただ、話の描き方が、今生きている人の話ではなくて、もうすでに終わったことだけど、こんなこともあったのよ、という遠い感じのものなので、単なるエピソードの羅列という感じになってしまっているのが、さびしい。
それがなくなるのが、ようやくラストにやってきてから、なんですよね。なので、ひとつのストーリーを読んだ気がしないわけです。こまぎれの回想録を見たような気分。
読後感、複雑です。でも、次に出るらしいシリーズを読むつもりなら、読んでおくべきなんでしょうねえ。
びょういん行き。
いつも感じることだけど、電車で座れないとものすごくダメージを負ってしまう自分が、かなり情けない。五十分くらいでしょうか、目的地まで。吊革につかまる手を何度も変えながら、なにも考えないように努力をしつつ、でも足も腕も痛くなってくるので、どうしても恨みがましい気分になってしまうのでした。
なにも感じないほど元気なら、そもそも通院する必要はないわけですがね。と、つい愚痴っぽくなってしまうのは、やっぱり疲れたから。
あ、そうか、肩が痛いのはこれが原因だったんだ。寒さのせいじゃなかった。
診察が午後からだったので、待ち時間がたくさん。帰りの電車は座れた。おかげで、帰り着くまでに本が栗本薫『魔界の刻印 グイン・サーガ81』(ハヤカワ文庫JA)[Amazon][bk-1]と茅田砂胡『スカーレット・ウィザード 外伝』(中央公論新社C・NOVELS Fantasia)の二冊読めました。
感想はあとで。
茅田砂胡『スカーレット・ウィザード 外伝』を購入。
金曜日(祝日)も仕事をしたのですが、今日も仕事です。
あした出かけなくちゃならないんで、ちょっと進めておいたほうがよろしかろうということで。
はい、きのう遊びました。J1残留を賭けた試合の三元中継を見ながら、本を読んでました。だらだらと。なにか気分が前向きに変わる楽しいことがないものでしょうか…。
野梨原花南『ちょー魔王 上』(集英社コバルト文庫.1999.194p.419円+税)[Amazon][bk-1]
野梨原花南『ちょー魔王 下』(集英社コバルト文庫.2000.230p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界ファンタジーコメディー「ちょー」シリーズの九、十冊目。『ちょー火祭り』のつづき。
サリタとヌホとレフーラの「レフーラ編」完結編。
サリタがオニキスをつれて苦しみながら延々と歩きつづけていたことの理由が、この話のメインだったのでしょうねえ。はあ。
そういえば、「レフーラ編」開幕巻のあとがきでそんなようなことが書かれていたっけか。レフーラの宰相閣下の隠された過去があまりといえばあまり。で、その後どうなったの、レフーラは? スマート・ゴルディオン「嬢」の大活躍がたのしかったなあ。
登場人物のほとんどが物語のなかで成長していくところが、このシリーズの魅力なのかもしれない。いちいち確かめてしまうのはけっこう不満もあるせいなのですが、文章に時々はっとさせられるので、ついつづきを読んでしまうのでした。
空気が乾燥してきて、外を歩いていると鼻の奥が痛いです。喉にもだいぶきているみたい。
そろそろ風邪対策をするべきか。といってもうがい薬でのうがいを敢行するだけですが。
榛野なな恵『Papa told me 26』(集英社ヤングユーコミックス)[Amazon][bk-1]を購入。
須賀しのぶ『地上(ここ)より永遠(とわ)に キル・ゾーン』(集英社コバルト文庫.2001.292p.533円+税)[Amazon][bk-1]読了。SFミリタリー陰謀ロマン(?)「キル・ゾーン」シリーズの最終巻。『叛逆 キル・ゾーン』のつづき。
二十冊目の「キル・ゾーン」はとうとう完結編。前の巻を読んだとき「このつぎで本当に終わるのか?」と懐疑的だったのですが、後腐れなくきちんと終わってます。すごい。それだけで感動してしまいました。個人的にはキャッスルのラファエルへの感情がどうしても恋とは思えなくて、それが最後まで居心地悪く残っていたんですけど、ここまですっきりと終わってくれればいいです。ユージィンとヴィクトールの愛憎関係の行き着く果ても納得できたし、エイゼンも彼なりに過去を克服したし。この巻だけとってみると、あんまり楽しくはなかったですけど、最終回ってそんなものですよね。
さあ、来月は「流血女神伝」だ。
テリー・グッドカインド(佐田千織訳)『魔道士の掟 1 探求者の誓い』(ハヤカワ文庫FT.2001.351p.660円+税
Terry Goodkind "WIZARD'S FIRST RULE",1994)[Amazon][bk-1]読了。異世界ファンタジー。アメリカでベストセラーになっている「真実の剣」シリーズの第一作を分冊形式で刊行する一冊目。
リチャードは、父親の死の理由を求めて森を探索していた。父親は家で何者かに惨殺されていた。兄はしかるべきものに任せるべきだと叱責したが、リチャードは自分で真実を見極めなければ気が済まなくなっていた。残された壺の中に入っていたツタは、森の案内人であるリチャードが見たこともない異様なものだった。リチャードは発見を誰にもあかさずにひとりで森を歩きまわった。そして、モミの木に巻きついて今にも枯らそうとしているツタを発見したのだ。
ツタを取り除こうとして怪我をしたリチャードは、今度は黒い影がよこぎったのを見た。〈境〉から魔力を持つものが飛び出してきたらしいという噂は、ほんとうなのだろうか。もう一度見て確かめようとしたリチャードは、ドレス姿で歩いてくる女性の姿を発見した。四人の男につけられている彼女を救うために、リチャードは走り出した。
「時の車輪」形式に一巻を五冊に分けて刊行する一冊目だから、この巻が導入部だということは始めからわかってはいたんですが、それにしても…長い。ディテールが細かく描写されること自体は、私としては好きなはずなんだけど、この本の書き込み方は私の好む方向と違うらしくて。読みはじめてしばらくは最後まで読み通せるのか、不安でしかたなかったです。
さらに、初対面の登場人物たちがとてもはやくうち解けてしまうことにはかなりの違和感が。ことあるごとに文化の相違についてのエピソードがからむわりに、相互理解にはたいして苦労していないし。ネーミングも、気になるし。そんなこんなの些末なあちこちにひっかかりまくって、ストーリーが動きはじめるまで大変でした。
動きだしたら、けっこう面白かったですが。
この先も読んでいいものか、迷うなー。〈境〉番のチェイスは好きだけどなー。挿画も好みなんだけどなー。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(野口絵美訳)『魔法使いはだれだ 大魔法使いクレストマンシー』(徳間書店.2001.304p.1700円+税
Diana Wynne Jones "WITCH WEEK",1982)[Amazon][bk-1]読了。並行世界を舞台にしたファンタジー「大魔法使いクレストマンシー」シリーズの一作。
「このクラスに魔法使いがいる」
魔法が禁止されていて、魔法使いであることがばれると火あぶりにされてしまうというのに、ラーウッド寄宿学校二年Y組の地理のワークブックの中にまぎれこんでいたメモには、こんなことが書かれていた。発見したクロスリー先生はびっくり。はたして、メモを書いたのは誰なのか。このクラスにはほんとうに魔法使いがいるのか。いるとしたら、それは誰なのか。いくつもの勢力に分かれて反目し合っているクラスメイトたちは、それぞれ自分勝手に憶測を巡らし、相手を陥れようとし始める。同時に、学校では魔法が使われたとしか思えない事件がつぎつぎに発生し始めた。
十二、三歳の自己中心的な少年少女たちがくりひろげる、エキセントリックでおかしな物語。中心となる人物はいるものの、あえていうなら二年Y組クラス全員が主人公といえるかも。どの子も個性的で、ぜんぜんいい子じゃない。他人を蹴落とし、自分はいい目を見ようとみんな一生懸命。「魔法使いがいる」というメモに触発されてそれぞれが勝手に魔法のことを考えはじめ、クラスどころが学校中に騒動がひろがっていくさまがなんともおかしいです。それぞれの書いている日記もおかしい。読んでてたのしかったです。
週始めの緊張はどこへやら。仕事とサイトに一段落ついて、図書館本のうちのハードカバーの八割を読み終えたと思ったら、なんだか気が抜けてしまいました。
朝からフィギュア・スケート(スケート・カナダ)の中継録画を見、午から野球のワールドカップ三位決定戦を見、夜はバレーボールのグランドチャンピオンカップ(?)を見。ふと気づいたら一日が終わっていた。書いててすごく空しい。
まだ借りた本は残っているので、なんとか性根をいれかえて読みはじめなければ。と思いつつ、とりあえず今日は寝ます。
そういえば、先日、カウンタが0になったかと思ったら、きょうは昼間、ずーっとサーバーがダウンしているようで、まったく繋げられなかった。
野梨原花南『ちょー火祭り』(集英社コバルト文庫.1999.198p.419円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界ファンタジーコメディー「ちょー」シリーズの八冊目。『ちょー海賊』のつづき。
海賊船コーイヌール号で認められ、「ドゥカ」という通り名をもらったジオラルドは、キャプテン・カッラの海賊島への上陸を許された。そこで出会ったキャプテン・カッラは、自分に一太刀くれてみろと、ジオラルドを挑発する。
レフーラ王宮に雇われ魔術師としてもぐりこんだスマート・ゴルディオンとパリスは、王宮中にほどこされた精緻な上に強力な魔力による結界を目の当たりにし、仕掛けた当人の目的をはかりかねていた。
魔法の説明などはおもしろかったんですけど。ところどころ、意味をとるのに苦労する文章があって、こまった。こまったといえば、私、この話の骨格がいまひとつ掴めないんですけど。ああ、カバー折り返しのあらすじをみて、なんとなく思い出したわ。「レフーラ編」の焦点は「ヌホ」でしたねー。ヌホとタロットワークとレフーラか。忘れないようにしよう。
妖精型ヴァデラッヅが、なんかかわいいです。