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2001年3月後半のdiary

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2001.3.16 後の祭り
2001.3.17 知らなかった/『チェンジリング 赤の誓約(ゲァス)』
2001.3.18 /『太陽の城 月光界秘譚2』
2001.3.19 アップダウン/『ルノリアの奇跡 グイン・サーガ78』
2001.3.20 これでは聞かないのとおなじ/『オーラバスター・インテグラル 月光人魚』
2001.3.21 『snatch』
2001.3.22 /『詩人の夢』
2001.3.23 はじめての○○文庫
2001.3.24 /『アマンダ』
2001.3.25 子守は大変/『月神の統べる森で』
2001.3.26 /『薔薇の荘園』
2001.3.27 ストレス解消に?
2001.3.28 ついてない/『星界の戦旗III 家族の食卓』
2001.3.29 開幕投手/『暁の女神ヤクシー 3 太陽の踊り子』
2001.3.30 セ・リーグ開幕
2001.3.31 花冷え
花冷え 2001.3.31(土)

 天気予報を見て寒いのは覚悟していたけれど、まさか雪が降ろうとは。
 普段なら絶対外歩きをしようとは思わないはずの天候でしたが、高校時代の友人と昼食をご一緒することになっていたので、出かけました。
 桜はいま真っ盛り。例年なら近くの公園に行く車で渋滞ができるはずなのに、さすがに今日は人出が少ないらしい。駅前の通りも土曜日にしては閑散としていた。

 ついでに本屋によって

を購入してきました。
 遅れたからもうないものと覚悟していたので、ラッキー。

セ・リーグ開幕 2001.3.30(金)

 いつもならそれなりに心の準備をしてのぞむ開幕なのに、今年は精神的な余裕がなくて、テレビ番組表もチェックしなかったので、はっと気づいたらもう中継が始まっていた。
 つい最近までのあたたかさがウソのように寒そうな横浜スタジアム。テレビを見ているだけの私まで寒くなったのは、試合内容のせいでしょうか。
 表が異常に長い展開は、開幕の緊張感を早々に失わせてくれました。
 だれてしまったので、ときどきG×T戦も見ていましたが、なんなんだ、あれは…。

 そういえば、開幕投手予想はニッカンスポーツのほうが正しかった。だからって、何がどうなるわけでもありませんが。

 高野史緒『ウィーン薔薇の騎士物語 4』を読み始めるが、子守が優先されて進まず。

開幕投手 2001.3.29(木)

 このところ、神奈川新聞のスポーツ面しか見ていなかった私は、すっかり三浦だと思っていたのですが、きょう、ニッカンスポーツのサイトを見たら、「開幕投手は小宮山」。
 さて、どちらが当たっているでしょう。

 小林めぐみ暁の女神ヤクシー 3 太陽の踊り子(角川スニーカー文庫.2000.242p.571円+税)読了。『暁の女神ヤクシー 2 楽園を求める男』のつづき。遠未来SFファンタジーの完結編。

 生き女神ヤクシーは、自分のなかに別の存在をはっきりと認識する。ヤクシーとは、自分ではなく、その存在の名前だったのだ。それでは、自分はいったいなにものなのか…。
 少女は心を閉ざしたまま、ストゥラ軍にとらえられた。過去の亡霊に悩まされて心を乱す異星人ジェイに、従者サリとの関係のあいまいさをつかれ、シュシは動揺する。サリとともに金烏の坐すオブルヤの神殿をめざすシュシ。前後してストゥラのワズマル少佐とバルキースのマヒーナタースも、神殿に足を踏み入れる。

 二巻を読んでからずいぶん間があいてしまいました。
 ようやく届いた第三巻。読みながら、苦闘いたしました。忘れてるんですよ…しくしく。

 科学技術が一度廃れて、古代の遺産をひとびとが使いこなせなくなっている、という設定が、唐突ではなく納得して受け入れられる世界が描かれていて、違和感なく読めました。
 ストーリーも文章も感心するくらいに無駄がなくて、かえってもうすこしディテールが増えてもいいのでは、と感じたほど。無駄をそぎ落とすと、一文、一文、ひとことひとことに気が抜けなくて、普段怠惰な読み方をしている人間には、きびしかった。
 金烏とヤクシー、ワイグルカの関係は、なるほど、かなり予想の範囲内でしたが、金烏の正体までは見抜けなかったです。あと、ヤクシーの存在そのものがどういうものなのかも、いまひとつ、理解していないような気がするなー。マヒーナタースをやっつけたヤクシーの力ってどこから出てくるのでしょうか。

 あと、それぞれの「自分探し」の旅は、シュシとジェイ、ヤクシーに関しては、かなり解決に近い形までたどりつき、めでたしめでたしなのですが、サリについてはどうなんでしょう。心中推し量れないところが、彼女の魅力ではあるのですが。

ついてない 2001.3.28(水)

 朝から調子が悪くて、バスの中で気分が悪くなってしまった。そのはずみで、またも左手薬指がロックされた。もうすっかり癖になってしまって、一日一回は起きているのだけど、バスに立って乗っているときに起きるとかなり困ります。親切な中年女性が席を譲ってくれたので、とてもありがたかった。

 不安なので遠出はあきらめ、図書館帰りには帰り道に通るところだけ寄ってきた。

を購入。
 『星界』はもう二刷だった。

 森岡浩之星界の戦旗III 家族の食卓(ハヤカワ文庫JA.2001.304p.560円+税)読了。スペースオペラ「星界」シリーズの最新刊。

 ジント、故郷へ還る。それだけのことが、これだけの背景をもった世界の中では、なかなか大変なことなのですな。
 あいかわらず、セリフが小気味よくて楽しいですが、今回大活躍なのは、エクリュア前衛翔士。こんなにかわった人ばかり出し続けて、ネタはつきないのだろうかといらぬ心配をしてしまいます。でも、なんとなくわかるなあ。他人の猫で遊びたいという気持ち。
 ああ、疲れて頭が働かない。すみません、こんな感想で。

ストレス解消に? 2001.3.27(火)

 このところ思うように自分のしたいことができないので、かなりストレスがたまっています。本を読むのもそうだけど、感想をきちんとまとめる時間もあまりなくて、適当なことを書き散らしている気がする。

 自分がずいぶん危ないのでは、と感じはじめたのは、変な歌をたくさん作りだしたからです。
 いうことを聞かない姪を題材に、適当なフレーズをつくって、歌っているのは知っていた(?)のですが、そのメロディーがいつのまにか頭から離れなくなっていたのでした。ふと気づくと口ずさんでいる。
 私は作曲なんかをする人間ではありません。鼻歌はよく歌うけど、替え歌とかも。
 今回のはふとできてしまったメロディーが、5分後もちゃんと歌えるという点で、私にとってはかなり画期的な出来事でした。
 できあがったのは、幼児番組を見せられているおかげなのか、長調のめちゃくちゃ明るい歌ですが、これを歌うと姪が大喜び。歌うたびにメロディーは変化するけど、サビの部分は決まっていて、そこにかかると一緒に歌います。自分の名誉に関わるような歌詞なのに、ちっとも気づいていないのが幼児だなー。何年後かにその屈辱的な内容に気づいて抗議したりするのだろうか。きっと歌はそれまで生き残っていないと思うけど。

 2001.3.26(月)

 トマス・バーネット・スワン(風見潤訳)薔薇の荘園(ハヤカワ文庫SF.1977.284p.660円+税 Thomas Bunett Swann "THE MANOR OF ROSES AND OTHER STORIES"1966)読了。歴史と神話を織りまぜて描く、日本で編まれたファンタジー中編集。

 「読者アンケートで選ばれた読んでみたいハヤカワ文庫の名作第三位」になって、ハヤカワ文庫創刊三十周年記念フェアで復刊されたのを機に購入したもの。
 再読のはずなのに、これほど初読とおなじ気分で読み終わる(つまり、覚えのあるシーンがほとんどなかった)とは、自分がかなり情けない。

 なかで比較的「これは読んだような…」度が高かったのは、ひとつめのローマ建国伝説を扱った「火の鳥はどこに」。高潔な人柄で理想家のレムスと、現実的なロムルスの双子の話は、たしか世界史の授業でローマ帝国をやっているときに読んだのだった。「狼に拾われた」エピソードなどを授業でやったはずがない。当時、ハマドリュアスに対してどういうイメージを抱いたかは定かではありませんが、たぶん存在をしっかり把握できなかったんじゃないかなー。今読むとエディングスの小柄な王妃系列になってしまいますが…。

 ふたつめはクセルクセス王のペルシャを舞台にした「ヴァシチ」。
 ここに収められた三編とも、人間ではない伝説上の生き物が心と言葉をもって登場するのですが、スワンの描き方はそれらの存在がこの世界にとっては自明の理であると同時に、作者にとっても読者にとっても「いて当然」という感じであまり説明してくれません。すでに概念になじんでいるひとはともかく、初めて接するものにとっては、イメージをつかみにくい、というところがあります。
 わたしにとって一番イメージしにくかったのが、この話。ゾロアスター教のイメージというのが具体的に浮かばないのです。でもやはり中近東、ジンというのはこのころからつながっている存在なのだな。

 表題作の「薔薇の荘園」は、少年十字軍の話というデータだけが頭に残っていたのですが、こんな話だったとは。どうやらシュウォッブの『少年十字軍』と混同していたみたいです。
 マンドレイク族というのは、マンドラゴラのこと?

 端正な物語を読んだなーという感触が残りました。
 同時に、記憶に残らなかった理由がわかりました。
 当時の私の知識では組み込まれたイメージがとらえきれず、この話の意図がほとんどくみとれなかったのです。
 あのとき、強引に貸してくれて、感想を要求した友人は、さぞがっかりしたことだろうなあ。

子守は大変 2001.3.25(日)

 世間ではミールが落下したり、地震が発生したり、パ・リーグが開幕したり、フィギュアスケートの世界選手権が開かれていたり、選抜高校野球が開幕したりしています。いつのまにやら、フランスに負けているチームもいましたね。
 いつもなら新聞やテレビのニュースでいらぬ情報まで仕入れている私なのに、いま現在は、別世界に生きているかのような日々を送っているのが悲しい。
 それもこれも、うるさくて手の掛かる三歳の姪のおかげなのですが。
 うちにやってきて二週間経ちましたが、すでにひと月くらいは経過しているような気分がしますです。あと二週間、忍耐力の限界まで試されることになるのでしょうか。
 きょうもほぼ一日子守をして過ごしました。読む本の厚さに、影響が感じられる今日この頃。テレビを見られないおかげで、本を読む時間そのものは減っていないのですが。

 たつみや章月神の統べる森で(講談社.1998.294p.1600円+税)読了。日本の縄文時代を舞台に、日の神に隠れてしまった月神にまつわる人々のものがたりをつづる、児童文学ファンタジー。

 すべての生きとし生けるものが、心を持ち、ムラのひとびとは月神のすべる森の恵みを感謝とともにうけとり、たすけあって生きていた。
 海からきたヒメカという日の神をまつる人々は、そうしたおだやかな秩序を無視し、土地をかこってクニと呼び、そしてムラに襲いかかってきた。
 ムラの長の長アテルイと月の神の恩寵あつい巫者クシイルケは、話し合いにおもむいたヒメカの民の集落で捕らわれ、逃げ出すときに深手を負ってしまう。

 東逸子さんの挿画が美しい本。
 日本の神話としての『古事記』や『日本書紀』のなかに、月神についての記述がほとんど残っていないことの理由を、縄文と弥生のふたつの文化がであった過程に見いだそうとするこころみであると、あとがきで作者が書いています。
 月を敬い、生き物たちと共生していた縄文の民が、太陽を崇め、稲を育てるために土地を所有し、動物と心を通わせることをしらずに自然を破壊する弥生の民に、駆逐されていく…というふうに進むのでしょうか。特別な運命のもとに生まれてきた少年ポイシュマと、ヒメカのワカヒコのあいだに育まれはじめた友情が、のちのドラマを予感させます。
 ポイシュマとワカヒコの成長とともにつづられていきそうな物語は始まったばかり。ただ重苦しいだけの話でなければいいなと思います。
 文化の衝突って、気力がないときに読むととてもつらい。感情移入すればするだけ、胸がふたがれる。いまの私としては、人間同士の諍いを生で読む気分じゃないのですね。ミステリのほうがなぜか気楽。あちらは人間の悪意が出てこないものはないくらいなのに。どうしてだろう。

 挿画からイメージされる縄文の民は、アイヌのひとびと。そしてムラの若き長アテルイという名前は、坂上田村麻呂の話を思い出させます。銀の髪の月神の巫者、血肉をもったカムイであるクシイルケと、その従兄弟のアテルイの関係は、これが児童向けでなければなーと、ちょっと思わせられました。

 ところで、「月神」にふってあるルビは「げっしん」なのでしょうか「げつしん」なのでしょうか。どちらにしろ、音読したときの響きがあまりよくないような気がする。

 2001.3.24(土)

 アンドリュー・クラヴァン(羽田詩津子訳)アマンダ(角川文庫.2000.474p.933円+税 Andrew Klavan "THE HUNTING DOWN AMANDA",1999)読了。ジャズの調べにのせて疾走する、ミステリサスペンス。

 マサチューセッツの海辺の街に、上空で爆発した旅客機が落ちてきた。大惨事となった事件の最中、バーで働いていたキャロルはその衝撃から事の大きさを悟り、店を飛び出した。家には五歳になる一人娘のアマンダが、ベビーシッターとともにいるはずだったが、事故の中心はまさしく、その家の方向だったのだ。
 半狂乱になりながら娘を捜すキャロルは、アマンダを黒焦げの男が抱きかかえてくるのにゆきあった。娘の口元から細く血が流れている。キャロルはすべてを理解し、そして意味をなさないように聞こえる言葉を口走った。
 「ああ、大変。どうしよう。また、やつらが追ってくる」

 アンドリュー・クラヴァンは、アメリカのミステリ作家。キース・ピータースン名義で新聞記者ジョン・ウェルズを主人公としたシリーズを発表しています。「日本では『秘密の友人』でブレイクを果たした。」と作者紹介に書いてあるけれど、それは読んでいない。ウェルズのシリーズは暗い感じのハードボイルドっぽいミステリでしたが、こちらはストーリーでぐいぐい読ませる、謎解きというよりサスペンス色の濃い犯罪小説でした。

 冒頭、飛行機事故の描写がなまなましいのですこし幻惑されたような気がします。基本は、女と出会って運命を狂わされた男の逃亡劇なのですが、そこに気づくのにけっこう時間がかかりました。
 というのも、主役がのっぴきならないところまで関わってしまうまで、読者ともどもストーリーの裏が五里霧中のままだから。つまり、これは犯人が謎なのではなくて、状況をかたちづくる情報そのものが謎な話なのですな。
 なんでこんなことに今まで気づかないの、私のバカ、と思ったのは、キャロルの娘アマンダの狙われる理由。なんだか唐突に明かされたような気がしたけれど、プロローグでちゃんと伏線が張ってあった。うかつ…。

 こんな訳の分からない状況で、それでも読み進められたのは、物語世界に雰囲気がたっぷりとあるからでしょうか。作者はジャズのファンで、章タイトルにゆかりの言葉を使用しているらしいです。そして翻弄される男はサックス奏者。音楽がシーンを盛り上げる効果を果たしているところがいくつかあって、わかるひとならもっと楽しめたのではないかと思います。残念ながら、私はジャズを知らないのでその部分はただ勝手に想像するしかないけれど。

 それにしても、このラスト。シビアな世界でハッピーなラストは白々しいもの。とってつけたようにみんなが幸せになるのはリアルじゃないけど、でも、これでは男があまりに哀れなような…。それとも、これで本望、なのでしょうか。

はじめての○○文庫 2001.3.23(金)

 本読みが進まないので、雑談です。

 先日、徳間デュアル文庫を初めて買ったので、ほかの文庫はなにを最初に買った(もしくは読んだ)んだっけ? と考えてみた。
 ここで読書記録のデータベースを開いてみようと思ったら、またもハードディスクが空回りするようになって、記録が開けない。いったいこのパソコンは…わたしは欠陥品をつかんでしまったのでしょうか。
 しかたないのであたまのなかからうろ覚えの記憶をひきずりだすことにします。

 まず、「文庫判」の文庫シリーズで、最初に読んだのは講談社文庫です。佐藤さとるの『だれも知らない小さな国』でした。
 新潮文庫はモンゴメリの『赤毛のアン』。角川文庫は『足ながおじさん』。だったと思う。
 朝日ソノラマのソノラマ文庫は、高千穂遙の『人面魔獣の挑戦』。どうしてシリーズの始めから読まないのだ、自分。

 集英社コバルト文庫は、氷室冴子の『クララ白書』。それと一緒に買ったのを覚えている、ハヤカワ文庫JAは、高千穂遙『ダーティペアの大冒険』。
 ハヤカワ文庫SFは、ハミルトンのキャプテンフューチャーシリーズ、だったような気がする。FTは、ロード・ダンセイニの『魔法使いの弟子』。ミステリは、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』。ミステリアスプレス文庫は、エルキンズの『古い骨』。

 創元推理文庫は、うーん、マキャフリイの『歌う船』かなあ。あ、このときはまだSFが別立てになっていなかったんですね。アイリッシュの黒いシリーズだったかも。サンリオSF文庫はマッキンタイアの『夢の蛇』。扶桑社ミステリーは、マクラウドのシャンディ教授のシリーズ。二見文庫は、マクスウェルの『キス・ミー・ワンス』。社会思想社現代教養文庫は、デクスターの『アレール姫の指輪』。

 集英社文庫は、佐藤愛子の『娘と私の時間』。これはエッセイですね。
 中公文庫は、栗本薫の『ネフェルティティの微笑』。徳間文庫は、平井和正の『真幻魔大戦 1』。文春文庫は、木村治美の『黄昏のロンドンから』。岩波文庫は、ゴーチェの『死霊の恋』。河出文庫は澁澤龍彦の手帖シリーズでしたと思う。講談社学術文庫は、牧野信也『アラブ的思考様式』。ちくま文庫は、『エッダ グレティルのサガ』。でもちゃんと読んではいない。

 ティーンズ系では、講談社X文庫は、小野不由美の悪霊シリーズで、ホワイトハートは小沢淳の『金と銀の旅』(という題でしたっけ?)。集英社スーパーファンタジー文庫は、前田珠子の『碧眼の少年』(?)。スーパーダッシュ文庫は、霜越かほる『双色の瞳』。小学館キャンバス文庫は、ひかわ玲子のクリセニアン年代記シリーズ。パレット文庫は、秋月こおの忍者のシリーズ(題名を忘れました(^_^;))。角川のスニーカー文庫は、なんか既存のシリーズものを選り分けてつくったレーベルだったから、ちょっとわかりにくいんだけど、無難なところで『ロードス島戦記』だったかな。

 富士見ファンタジア文庫は、田中芳樹の『灼熱の竜騎兵』とかいうのだったと記憶しています。
 メディアワークスの電撃文庫は、上遠野浩平『ブギーポップは笑わない』。
 幻冬舎文庫は恩田陸『上と外』。角川春樹事務所のハルキ文庫は、中野美代子『眠る石』。
 光文社文庫は神林長平『宇宙探査機 迷惑一番』。小学館文庫は著者を忘れた『大矢明彦 ベイスターズの真実』。

 と、こんなところでしょうか…。
 しかし、こんなことをだらだらと書いて、なんの役に立つのやら(^_^;)。

 データベースが開いたので、確かめてみましたら、創元推理文庫はアンドレ・ノートンの『魔法の世界エストカープ』でした。そっか、人に借りた本だったな、これは…。

 2001.3.22(木)

 松村栄子詩人の夢(ハルキ文庫.2001.398p.840円+税)読了。
 紫の砂漠を取り囲んで点在する集落とそれを取りまとめる書記の街。書記に育てられ、書記として望まれながら、詩人の道を選ぶシェプシと、変革の時代を迎えた世界の物語。とりあえず、SFファンタジー…といっておこう。

 昨年ハルキ文庫から刊行された『紫の砂漠』の堂々たる続編。
 しかし、私が読んだのは新潮社から1993年に出たハードカバー版。読んだあとで人に勧めたりしたにもかかわらず、いまでは内容がまったく思い出せない。『詩人の夢』を読んでみたら、少しはどうかと期待していたけれど、うむむむ。

 私はこの話の世界と文章の雰囲気、などが好きです。
 前作では異世界ファンタジーなのかと思われたところが、じつは…だったのですが、続編ではじつは…の部分がだいぶ大きなウエイトを占めるようになっています。
 かなり大きな事件がつぎつぎと起きるのに、物語が淡々と進むところもなんとなく好ましい。
 しかし、その距離を置いた描き方のせいか、主役にあまり馴染めない。そういえば、前作でもそんな気分がしたのでした。
 今回も、視点人物としてのつきあい以上に親しみもなく、ストーリーに注意を傾けていた私、最後のシェプシ関係の展開に、「どうしてそうなるのー」と思ってしまったです。
 そうなることへの必然性が、物語にはなかったような気がするんですけど…。それとも、あったのに私がシェプシに冷淡なばかりに見逃していたのか…?

『snatch』 2001.3.21(水)

 借りた本がまったく読めてないので、図書館に行くのはやめにして、映画に出かけた。
 今回も悩んだ末、観たのは『snatch(スナッチ)』。ガイ・リッチー監督の「新世紀クライム・ムービー」なんだそうだ。どうしてこれにしたかというと、定期購読しているメールマガジンにけっこういい感触のことを書いてあったからなんだけど、観たコンディションが悪くてごめんなさいという感じになってしまった。
 睡眠不足だったので、つぎつぎに切り替わる画面に眼がついていかない。もともと、外国人の顔を覚える力が不足しているのに、こんなに次から次へとおじさんたちが出てくると区別がつかなくなってしまいます。
 「あ、今の場面をもう一度見せてくれー」「今のおじさんは、さっきのヒトと違うのか?」と思っているうちに、どんどんカメラが移動してしまい、頭がクラクラ。
 なんだか笑えることをやっているのに、それを堪能できずに、わけがわからなくなってあくびをしている自分がいた。
 これがマンガならば、何度も前に戻って確かめられるのに。

 教訓。睡眠不足で映画館はもったいない。
 感想。ブラッド・ピットって立派な躰をしているなあ。

これでは聞かないのとおなじ 2001.3.20(火)

 世間は休日なのに、うちは別世界のようです。
 ひさーしぶりにラジオの野球中継を聞いたくらいが、休みの日らしき出来事かなー。
 デーゲームの中継は途中でちょんぎれてしまうのが、とてもイヤ。
 試合内容は…まわりがうるさくてよくわからなかった。

 若木未生オーラバスター・インテグラル 月光人魚(徳間デュアル文庫.2001.220p.505円+税)読了。日常に埋没する異常な出来事を大学生作家の目を通して描く、連作短編。

 鳴木喬士は作家の肩書きも持つ怠惰な大学生。
 ある日、いつものように学内を歩いていると、リノリウムの廊下にひとの爪が落ちているのを発見する。
 ひとの生爪。
 いつもの癖で妙な思考にふけりかけた鳴木に、「食べたいんですか」と話しかけてきたのは、おなじゼミに所属していると本人が主張する三島という男だった。

 という出だしの「人蝕譚――ひとがくれのはなし――」、表題作の「月光人魚」、小話の「秘密」の三編を収録した、伝奇あるいは幻想の小説集。
 「オーラバスター・インテグラル」というシリーズタイトルは、著者の別シリーズ「ハイスクール・オーラバスター」と世界を共有しているということを示していますが、ストーリーは独立していて、まったく初めてのヒトでも支障なく読めると思います。おそらく。
 キャラクターで重複しているのはひとりだけだし、物語の世界のトーンからしてかなり雰囲気が違います。語り手が大学生ということもあるだろうし、レーベルの違いもあるだろうし、書き手の成長という要素もあるだろう。コバルトよりも生活感がリアルになって、そのぶん救いのない世界のような気もしますね。てざわりがざらざらしていて、とんがっているような。
 いままでのオーラバスターの中からいちばん雰囲気の近いものというと、「遭神記」でしょうか。

 舞台が大学だからなのかな、読んでいて思い出したのは、夢枕貘が大昔にコバルト文庫で出した作品(の中の一短編)でした。題名も思い出せないのですが、異生物に卵かなにかを産みつけられる話だったような気がする。あちらのほうがうんとエロティックな話だったような気がするんだけど、ああ、思い出せない。気持ち悪い。探してみたけど、本も見つからないし。

アップダウン 2001.3.19(月)

 通院の途中、電車の座席に座れなくてとても不幸な気分を味わっていた。
 この間から身体の(というか関節の)調子が悪くて、吊革につかまる手がとてもつらく、しかし、目の前に座っているお嬢さんは気持ちよく眠っている。

 仕方ない。不幸と思わなければ不幸じゃない。わたしはフツーのことをしているだけ。
 と自分に言い聞かせていた矢先、ブレーキがかかって電車が前後にゆれ、そのときつかまっていた左手に衝撃が走った。

 痛みにおもわず手を離す。なんと、左手薬指の第三関節?というのか、とにかく、指をてのひらにつなげている部分が亜脱臼していたのだ。

 恐慌状態に陥って、そのうち顔から血の気がひきだしていることに気づいた。
 あわてて電車を降りた。顔が寒い。ホームでうずくまること、数分。
 あやうくもどしそうになっていた気分の悪さは、なんとか乗り越えられた。

 ずれた骨をどうにか元の位置にもどそうとひっぱってみるものの、こころみるたびに血の気がひくことを避けられず、そのままつぎにやってきた電車に乗って病院をめざした。

 もう、吊革にはつかまらない。
 つかまるものか。

 という、ショーゲキの体験をしたのち、病院につく前に、ゆびはなんとか元に戻りました。あー、ホッとした。こういう体験は初めてじゃないんだけど、左手に起きたのが初めてだったので、ホントに焦りまくった。ずれたまま戻らなかったらどうしようと、怖くて。
 これくらいで元に戻ったんだからやっぱり「亜」脱臼だったんだよね。本当の脱臼だったら、もっと痛いはずだと、勝手に予想しています。
 同時に最近、キーボードを叩くのも辛かったことを思いおこし、無理はやめようと思いました。
 医者にも言われちったしー。
 でも、これが気晴らしなのに、と思わないでもない。喉元すぎればなんとやら。

を購入。
 徳間のデュアル文庫を買うのは初めてです。

 栗本薫ルノリアの奇跡 グイン・サーガ78(ハヤカワ文庫JA.2001.295p.540円+税)読了。異世界大河ロマンシリーズの最新刊。『疑惑の月蝕 グイン・サーガ77』のつづき。

 通院時恒例、月一グイン・サーガ(^_^)。今日は、帰りの途中で読み終えてしまいました。
 題名である程度内容が予想されてしまいますが、あるひとつのことにどれだけ豊かな内実をともなわせることができるか、ということに関しては、やはりこの作家はすごいと思います。これだけいろいろな記述をつらねて、それでも行く先を見失わずに物語の舵を取っていくのは、大変なことだと思う。
 もうすこし、スピーディーに物事が進んでもいいのではないかとは、思いますけど、こんなに矢継ぎ早に続刊が出ているのだから、しようがないか。
 でも、来月は出ないんですね。このつぎはなにか持っていかなくては。

 2001.3.18(日)

 麻城ゆう太陽の城 月光界秘譚2(新書館ウィングス文庫.2001.247p.590円+税)読了。月のほうが太陽よりも重きをおかれる、月光界を舞台にしたSFファンタジーの短編連作シリーズ。『風舟の傭兵 月光界秘譚1』のつづき。

 登場人物が多く、それぞれにいろいろな背景を背負っていて、ストーリーも錯綜しつつ進んでいくこのシリーズ。どうやってあらすじを書けばよいのでしょう?
 この作家の作品は、とにかく設定の奇抜さが特徴ですが、このシリーズは長く書かれているだけにそれだけに終わっていないところが好きです。
 とりあえず、主役は妖魔のショッキング・ブルーといえるのかな。その主役はこの巻にはあまり出てこない。ショッキング・ブルーを妖魔全体の敵として追いかける弟の暗黒丸が、ひさびさにひととなりを見せてくれたような気がします。私が忘れているだけかもしれないが。
 物語をやわらかくするための案内役である緑魔は、月光界ではおばかさんで書かれているのですけど、最近ほんとうにおバカなのでちょっとイライラします。

知らなかった 2001.3.17(土)

 このところ一週間、我が家は阿鼻叫喚の巷だった。
 狂乱の夜が終わってほっとするのもつかの間、朝から晩まで悪魔のようなちび(もしかして、グレムリン?)が大騒ぎ。
 そのうえに仕事まで入ってきて、仕事の合間に子守をして、現実逃避に感想を書くという日々。
 テレビも新聞もほとんど見ていない。
 斎藤隆が抑えに転向なんていう事態も、まったく知らずに過ごしていた。
 ベタ記事の中でさらりと片づけてくれる神奈川新聞って、いったい…。それとも私が見落としていただけなのか。

 妹尾ゆふ子チェンジリング 赤の誓約(ゲァス)(ハルキ文庫.2001.326p.780円+税)読了。
 現代日本とケルト神話・伝説の世界が交錯する、幻想の力あふれるファンタジー。

 美前は、子供のころから自分に劣等感を持ち、うまく生きていくことができない社会とのあいだに、距離を置いて暮らしてきた。
 学生生活を終え、社会人となったいまも、彼女には〈妖精を見る視力〉があった。しかも最近になって目撃する頻度は高くなり、美前自身に危害を加えるようなものまで現れる。繰り返される無言電話。データの破壊。駅のホームから突き落とされそうになる。
 「狙われている」
 満員電車の中で出会った、黒いコートを着た金髪の男が耳元でささやいた言葉に、美前は愕然とする。

 社会になじめない平凡な女の子の前に、別世界から使者が訪れ、じつは彼女は特別な存在なのだと告げる。
 そういう、いかにもな枠をもった物語ではありますが、それがどんな作品になるかは、作者の資質と力量によって大きく変化するのですね。
 現代日本の描写に生活感が感じられ、そのうえで出てくるケルト由来のキャラクターが、ちゃんと地に足をつけているのは、それぞれの本質をしっかりつかんで「変換」しているからなのでしょう。
 暴力要素をふくむ幻想シーンって、私はいままであんまり読んだことないような気がしますが、それが唐突な印象を抱かせることなく、しかも迫力を持って展開されるのがすごい。
 とくに霊園のシーンには圧倒されました。
 日本のお墓にあのようなモノがやってくるとは…。(おじさんのはげ頭から…のところが脳裏に焼きついてしまった(^_^;))

 日本人の手によるものだからか、文章がすーっと頭に入ってくるのが心地よかった。
 似た感触の幻想シーンというとイアン・マクドナルドの『黎明の王 白昼の女王』なんかが思い浮かぶけど、あれは咀嚼するのに手間がかかった記憶があります。

 それから。
 ヒロイン美前のゆれまくる心情には説得力があります。普通の貴種流離譚では描かれないことが多いところだと思う。小野不由美の十二国記にもそういう感じがありましたね。
 無愛想な騎士リンの造形がけっこうツボ。

 ところで。本を開いて、あとがきがないことに気づき、さらには目次に「第一部」しかないことに気づいて、おや〜? だったのですが、やはりつづいていた。
 こんなところでおわるなんてー。

・著者ご本人によるサイト うさぎ屋本舗 works/CHANGELING

後の祭り 2001.3.16(金)

 眠気と戦いながら、三月前半のファイルをまとめる。
 あと、著者名索引から本の感想へたどったときに、つねづね、書誌情報までたどれないのはまずいだろうと思っていたのをなんとかしようとする。
 なんとかというのは、つまり感想の本文に書誌情報を埋め込めばいいわけですが。
 作業そのものも、コピー&ペースト&セーブしかないから、簡単なはず。だけど、その数が自分の首を絞める最大の原因なのであった。
 もっとはやくやっときゃよかった…。手が痛くなってきたのですこしずつやることにして、今日は途中まで。


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