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2003年4月後半のdiary

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2003.4.17 /『野望の果て ダルリアッド』
2003.4.21 /『玄琴打鈴(ひょんぐむたりょん) 銀葉亭茶話』『伽椰琴打鈴(かやぐむたりょん) 銀葉亭茶話』
2003.4.22 /『神の守り人 来訪編』『神の守り人 帰還編』
2003.4.25 買い出し/『ストーム・ブリング・ワールド1 星の降る都市』『ストーム・ブリング・ワールド2 星を輝かせる者』
2003.4.27 病んでいる/『盗まれた蜜月 後編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』
2003.4.28 /『聖竜師の誓い 下 ドラゴンファーム3』
2003.4.29 足が潰れるかと思った/『ソード・ソウル 〜遙かな白い城の姫〜』
2003.4.30 /『キャラクター小説の作り方』
 2003.4.30(水)

 大塚英志キャラクター小説の作り方(講談社現代新書.2003.310p.760円+税[Amazon][bk-1]読了。

 図書館で、借りる物がなかったので新着棚から拾い出してきた本。
 「スニーカー文庫」(角川書店刊のティーンズ向け文庫レーベル)のような小説、を書くにはどうすればいいのか。ノウハウを指南しつつ、文学というものの全体を見渡しての考察や作家としてのこころざしのあり方などを、けっこう熱く語っている本でした。
 物語でない本を読むとどうしても眠くなるので、私はきちんと「読んだ」とは言えないのですが、実作者としての実感などを読むと、社会意識のある作家は自分の創作のことだけを考えているわけではないんだなと、当たり前のことをあらためて認識させられたり。そうでない作家もいるんだろうけど。

 個人的に、ここしばらく「世界観」ということばの使われ方に違和感を抱いていたのですが、それは業界用語だったのだという記述に、目から鱗が落ちました。同時に、第十講の「主題は「細部」に宿る」に書いてあることとも、関係がある気がします。たぶん、テーマと関連がないこまごまとした(些末な)設定を世界観と定義しているような発言に違和感を感じるのです、私は。「ネイティブ・アメリカンの世界観」とか「アラブ、イスラームの世界観」とかはわかるけど、異世界ファンタジーの世界設定イコール世界観という使い方に馴染めない。世界観は人間が持つものだという意識が、昔、民俗学や文化人類学の本を読んでいたときに植えつけられたのでしょう。

 この本を読んで、キャラクター小説が本当に書けるものかどうかは…がんばれば、一冊くらいは仕上げられる、かもしれないな、という感じ。やはり結局は本人の努力と才能次第だろうと思うし。

足が潰れるかと思った 2003.4.29(火)

 午前中から夜まで、子守りの一日でした。
 二歳児の甥が、ころころ転げながら部屋中を走りまわり、あちこちぶつかり、落っこち、ぶちあたり、いきなり人に肉弾戦を仕掛けてきて、「きゃーきゃー」言いながら顔をひっかくので、生きた心地がしません。
 突然足の甲に飛び落ちてくるの、やめてよ。

 青木祐子ソード・ソウル 〜遙かな白い城の姫〜(集英社コバルト文庫.2003.232p.476円+税[Amazon][bk-1]読了。中世ヨーロッパ風異世界ファンタジー。2002年度ノベル大賞入選作家のデビュー作。

 広大な領地を持ち富み栄えるフィン公国。首都ウスカの中央にある白い城を眺めることのできる小さな塔に、当主であるフィン三世公の愛娘レアミカ姫は住んでいる。城の堅苦しい生活を嫌うレアミカは、神の宿る剣を手にしたという公国の創始者フィン一世公にあこがれ、並みいる求婚者をはねのけていた。ある日、北方の領地からやってくる剣の名手の若者アモンの相手をするように父親に言いつけられたレアミカは、剣士が城へたどり着く前に剣の戦いを申し込め、と騎士シドに命ずる。アモンが逃げればそれで良し、戦いを受けたところでシドにはかなわない。かれは夕食の席でシドを連れたレアミカの前で恥じ入ることになるのだ。

 出先でなんとなく手元が寂しくて買ったみた本。
 レアミカが主役と思って読んでいると、途中で存在感がどんどん薄れてしまう。いっそのこと、主人公をアモンにして、フィン一世公と剣の伝説をメインにおどろおどろしく話を組み立てた方がよかったんじゃないかと思います。とにかく、話に焦点が欲しいです。
 文章は地に足がついていて読みやすいし、ひとの生活感などが標準よりも感じられる描写ですが、そのなかに「リクエストする」とか「アウトだ」とかいう言葉が混ざり込むのは興ざめ。

 アモンを主役に据えた、食えない王子さまの道中記とかだったら読んでみたいかも。

 2003.4.28(月)

 久美沙織聖竜師の誓い 下 ドラゴンファーム3(ハヤカワ文庫JA.2001.478p.740円+税[Amazon][bk-1] 読了。『聖竜師の誓い 上 ドラゴンファーム3』のつづき。

 ちまちまと再読しつづけてきた「ドラゴンファーム」シリーズの最終巻。
 世の中の理不尽はいろいろあるけれど、「ぜったいにあきらめない」心をもって頑張るフュンフの前向きなお話。
 正直言って今の私には、「こういう人たちが本当にいてくれればいいよなあ」としか思えない。つまり、ぜんぜん現実的に思えないんだけど、それは私の心が疲れているからでしょうかね。
 前に読んだときに、レースが終わってからは怒濤の展開のように感じていたのは、ラストの奇跡的な出来事を連続してたたみかける書き方がそれを演出していたんだなとわかりました。
 こまかいところのあれこれまで、愛情一杯で書かれているところがこのシリーズのたのしさですが、いまの気分だと、上のほうが好きかも。

病んでいる 2003.4.27(日)

 信じられないくらい長い間キーボードを叩きつづけているせいか、最近やたらに入力を間違えるようになってきました。ATOKの変換もメチャクチャになってきた。たぶん、妙な文節で妙な文章を変換しているせいだと思う。自分がどういう文章を入力していたのか、ときどきわからなくなることがあります。
 腰痛も慢性化しそう。眼も疲労気味。でも、たのしい。困ったものである。

 やっと連敗が止まったと思ったのに、ベイスターズ。二死後に十点も取られるか。こんな予言、当たって欲しくないからするのに、どうして当たってしまうのよ(T_T)

 橘香いくの盗まれた蜜月 後編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険(集英社コバルト文庫.2003.262p.495円+税[Amazon][bk-1] 読了。異世界ロマンティックコメディー。シリーズ十七冊目で本編完結編。『盗まれた蜜月 前編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』のつづき。

 怪盗〈シュシナック〉に結婚式前夜に盗み出されたコラリーは、ブローデルの植民地であるアルカイスに連れてこられ、〈シュシナック〉の積極的な求愛から身をかわすのに懸命となる。ところが、反ブローデルの地下組織の派閥抗争が激しくなる中、有力派閥のリーダーと懇意の〈シュシナック〉も争いに巻き込まれる。〈シュシナック〉によって砂漠の遊牧部族に預けられたコラリーは、やはり抗争に巻き込まれて部族が全滅させられる中、単身駱駝に乗って逃げだす。いっぽう、コラリーの後を追ってアルカイスにやってきたフェリックスは、ブローデル情報部を基点に反政府組織の動向を探りはじめる。

 〈シュシナック〉の魅力にひきこまれつつあったコラリーが、どうやって彼との決着をつけるか、が見所だった最終巻。
 まさか、そうくるとは…いや、多分そんなことだろうとは思っていましたが。
 ともあれ、食えない王様を肴にしたフェリックスとアル・サーリムのやりとりとか、ボナバンの思いがけない活躍とか、どこまでも変人のフェリックスとか、楽しませていただきました。〈シュシナック〉は今回真面目すぎてつまらなかった(笑)。

 王道ストーリーは、やっぱりくっつきそうでくっつかないあたりが一番楽しいよなー、と思う今日この頃。

買い出し 2003.4.25(金)

 図書館へ本の返却に行った後、繁華街へ出て、結果的に買い出しに行ったかのように本を買い込んでしまいました。本屋が改装で店舗の半分が閉鎖中。地下街のあちこちに臨時店舗が散らばっていて、目当てのものを見つけるのが面倒だった。しかし結局は文庫しか買わなかったので、あんまり実害はなかった模様。児童書売場がふたたび独立していたことに、すこし嬉しさが。

 冲方丁ストーム・ブリング・ワールド1 星の降る都市(メディアファクトリーMF文庫.2003.240p.580円+税)[Amazon][bk-1]
 冲方丁ストーム・ブリング・ワールド2 星を輝かせる者(メディアファクトリーMF文庫.2003.234p.580円+税)[Amazon][bk-1] 読了。
 「カルドセプト」というゲームの世界設定をもとに描かれる、異世界ファンタジー。

 エルライ公国の跡取り息子であったリェロンは、十二才の時に侵略者〈黒の駆使者(セプター)〉によって故国を滅ぼされた。絵を描くことを愛する優しい少年だったリェロンは、父親と姉の仇を討つために〈黒の駆使者(セプター)〉に対抗する勢力である〈サダルメリク〉の一員となる。
 風の神殿に身を置きながら優秀な〈駆使者〉として王宮に仕える父親を持つ少女、アーティミスは、十二才の時に神殿の試験を受けた。
 四年後、〈サダルメリク〉を統括する予知者アヅマがひとつの予知をした。予知をもとに下された命に従い、リェロンは同僚のゼピュロスとともに風の神殿ラーハンへ赴く。彼の任務は、神殿で〈駆使者〉をめざす学童として日々を過ごしているアーティミスを、それとは知られずに守り通すことだった。

 活発で強気な女の子を、正体を偽ったボケ少年が、本人に気づかれずにガードしようする。生まれる誤解を乗りこえて、次第に少年と少女は惹かれあっていく…というストーリーは、舞台を異世界ファンタジーに移した「フルメタル・パニック!」みたいです。
 著者お得意の絢爛豪華な描写はおとなしめ。そのぶん、心理描写とコメディの割合が増えている。お笑いのセンスは本家のほうが上でしょうかねえ。
 とりあえず、面白く読めましたが、もっとハードな物語(あるいは書き方)のほうが著者の持ち味にあっているような気がします。

 王道ストーリーは、どれだけ無理なく読者に共感させるかだなあと、しみじみ感じる今日この頃。

 2003.4.22(火)

 上橋菜穂子神の守り人 来訪編(偕成社.2003.290p.1500円+税)[Amazon][bk-1]
 上橋菜穂子神の守り人 帰還編(偕成社.2003.318p.1500円+税)[Amazon][bk-1] 読了。
 「人の世界と精霊の世界が混在するハイファンタジー」「守り人」シリーズ第四作。『夢の守り人』のつづき。

 新ヨゴ皇国との国境近くにあるロタ王国のシンタダン牢城から飛び立った、敵襲を知らせる鳩が到着して、まだ半クルン(三十分)。救援に駆けつけた騎馬兵たちが見たものは、霜のように降りかかる月光に照らしだされる大勢の人間の骸だった。いちように喉を噛み裂かれて横たわるひとびとは、処刑台を中心にして放射状に散らばっていた。そして巨大な獣の爪痕のような削れあとが、あちこちに――城壁にすら刻まれていたのだった。
 女用心棒のバルサは、薬草師タンダとともに新ヨゴ王国の国境付近にたつ秋の草市をおとずれたおり、人買いに虐げられるふたりの子どもを見かける。人目をひく美しい顔立ちの兄妹が野良犬と罵られる姿は、彼女自身の子どもの頃のことを思い出させた。その夜の宿舎でふたたびふたりの姿を見つけ、取引の行われている部屋の前で様子をうかがっていたバルサは、少女の悲鳴ののち、鳥肌の立つようななにかが部屋から飛び出してくるのを感じた。

 ロタ王国建国伝説にまつわる、〈おそろしき神〉タルハマヤと虐げられしタルの民の秘密。政治の表舞台に立たぬ代わり、タルの民を監視しつづける〈猟犬〉シャカルの民が追いかける、タルの少女がもたらす災いとは。壮大で神秘的な精霊の世界の出来事と、現実の人間の世界の入り組んだ政治関係やひとのこころの織りなすあやを、淡々として力強い文章で描き出す、力作。
 タルの少女アスラに自分の過去の姿を重ねて、その命を救いたいと願うバルサのこころが、ものがたりの全編を貫いていて、まさに「守り人」シリーズだなと思わせられました。

 物事は視点を変えればまったく別のものに見える可能性がある。しかし、人に与えられた視点を受け入れるばかりでは、故意にゆがめられたものを見せられても区別をつけることができない。ひとは自分の見たいものを見たがるもの。自分の望みすら、自分でゆがめてしまうこともある。弱さを受け入れて、視界を広げ、ほんとうにめざすものはなんであるのかを見つけたとき、いつまでも後悔することなく誇ることのできる行為にたどりつくのだと、アスラの姿に教えられました。

 いつもながら、ファンタジーは重たい真実を真っ向から描くことのできるものなのだと感じさせてくれる物語です。
 この世を潤し、災厄を運ぶ聖なる川の流れや、聖なる泉によって育まれた苔むす巨木の森の光景の目に浮かぶような描写に心奪われました。『虚空の旅人』の海底の描写も美しかったけど、幻想の森というのは格別ですね。

 2003.4.21(月)

 金蓮花玄琴打鈴(ひょんぐむたりょん) 銀葉亭茶話(集英社コバルト文庫.2002.232p.476円+税)[Amazon][bk-1]
 金蓮花伽椰琴打鈴(かやぐむたりょん) 銀葉亭茶話(集英社コバルト文庫.2002.196p.419円+税)[Amazon][bk-1] 読了。
 いにしえの朝鮮半島を舞台にした幻想恋愛譚「銀葉亭茶話」シリーズ。六冊目と七冊目でひとつの物語。

 初夏の夕暮れ、仙境の茶店「銀葉亭」にあるじ李月流を尋ねて訪れた老尼僧は、背に大きな葛籠を負っていた。隠すことのできぬ疲労をその身に刻みながら、差しのべられた助け手を頑なに拒み、尼僧は重たげな葛籠を月流のすまう庵へと運び入れる。葛籠の中身は、男の遺骸であった。尼僧の月流への願い事は、柳一葉というこの男に深く関わりがあるのだという。若くして命を失った才能ある男に大恩を受けたという、尼僧のうち明け話が始まった。

 出来過ぎるがゆえに一族の期待を一身に背負う兄が、自分と比較されて育つ弟といつのまにかすれちがってゆき、その結果、大変な苦難に見舞われる。
 どちらが悪かったというわけではないのに、掛け違ってゆく一葉と一樹の兄弟の仲が、繊細に流れるような文章で綴られていきます。こまやかに描きこまれた情景が、ひしひしと胸にせまってくる。仲違いの話は読んでいて「どうしてそこでそういう行動をとるの」とイライラするものと、「ああ、どうしようもなくそうなってしまうのね」と嘆いてしまうものと、ふたつありますが、このお話はあきらかに後者でした。おそらく、兄弟だけでなく、ふたりに多大な影響を及ぼしている父親の描写がしっかりしているからなのでしょう。説得力があるのですね。
 ほんとうに金蓮花の本は読みながら感情移入してしまいます。この話も、要約してしまえばよくある話なんだけど、神童と呼ばれた兄を主役に据えてこれだけのめり込ませるのも、ただものではないという感じ。読みながら何度も泣けそうになりましたです。

 なんだかだ言いながら、つまり私は金蓮花の描く物語が好きなんですわ。
 毎回読み終えた後で、数時間くらい「どうすればもっと感動的に終われたのか」と考え込んでしまうのも、愛ゆえでしょうか。
 今回は、「銀葉亭」の枠がなければもっとすっきりした話になったのかなと、そして最後の牡丹のエピソードを削ってしまえばさらにすっきりするんじゃなかろうかと思いましたが…そしたらぜんぜん恋愛譚にならないし(私は恋愛譚として読んでなかったらしい)、「銀葉亭」でなければ売れないかも…とも思い至りました。全部の要素を入れて、なおかつ美しく読ませる構成力、私には不可能だわ…。いや、だれも私にそんなこと頼んでませんって。

 2003.4.17(木)

 すいません。生きてます。
 月曜日に手に取ったある本が、まったく面白くなくて、それならすぐにやめればいいのに、あたまが半分トリップしているせいで冷静な判断が下せず。またおんなじ本を手にとって読んでみたりして、やっぱりぜんぜん面白くないので進まない……という、非常に馬鹿で無駄な数日間を過ごしてしまいました。
 でも、もうわかった。骨身にしみました。もう、このひとの本は借りません。もう、展開がとか、雰囲気がとか、そういう次元じゃなく、肌に合わなくなってる。かつては何冊も買って読んだものなのだが。歳をとったせいで感性も変わったのだろうか。

 駒崎優野望の果て ダルリアッド(角川ビーンズ文庫.2002.220p.438円+税)[Amazon][bk-1]読了。いにしえのイングランドに似た世界で神と人間の愛憎を描くシリーズ二冊目。『駆け抜ける蒼き宿命 ダルリアッド』のつづき。

 闘神ルーグにその美しさを愛でられ、孤独な永遠の生を生きつづける青年トゥーレ。かれはある日、森の中に捨てられた子どもを拾い上げ、命を救った。すでに係累のすべてが死に絶えたトゥーレにとって、久しぶりに持った人とのつながりだった。子どもは養父母のもとで成長し、その様子をトゥーレは遠くから見守りつづける。その様子に、ルーグは不安を隠さない。大神バロルのもっとも気に入りの孫であるルーグだったが、人であるトゥーレへの度を過ごした執心は神々の顰蹙を買っていた。常日頃よりバロルの自分に対する扱いにルーグとの差を感じていた森を司る神は、トゥーレの救った子どもの素性を利用して、ルーグを感情的な罠に陥れる。

 そんなこんなでやっとちゃんと読める本にたどり着いたよ…という感じの一冊。
 しかし……。
 神との愛憎(男同士)。神々の相克。人間と神との契約。出生の秘密。部族間の抗争…と美味しい要素がつまっているにもかかわらず、雰囲気があっさり。こういう話はもっとねちねちと暗く妖しく描いてもらわないと物足りない、と思うのは私だけか。話が骨格だけって感じなのですね。この作者の現在の文章には、感情のもつれよりも活劇要素の濃いもの、話に仕掛けがあるもののほうがあっているような。そういえば、デビュー作ではそんな妖しい雰囲気もあったような気がします。もともと、こういう話を描きたかった方なのかもしれない。

 もうひとつ気になるのは、神さまの世界の描写が人間世界っぽくて、神さまたちもとっても人間に近く、ざっくばらんなところ。もうすこし神秘性をあげて神々しくしてくれると、神さまが理不尽でも納得できるんだけど。いや、この神さまたちはあんまり理不尽ではないか。そうか、理性的な神さまたちだから、神秘的ではないのか。なるほど。

 今回、トゥーレの拾った子どもに関わる部族関係の描写に、ちょっと混乱してしまいました。部族名と王様の名前がいちどきにふたつもみっつもでてくるんで、区別が…。どうやら脳内一時記憶メモリの性能も落ちているらしいです。しくしく。


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