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2002年4月後半のdiary

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2002.4.17 証明失効
2002.4.18 Internet Explorer 5.1 for Mac/『さらば、愛しき鉤爪』
2002.4.19 外出
2002.4.20 野球観戦
2002.4.21 亀の歩み
2002.4.22 /『ドミノ』
2002.4.24 G4で仕事/『黒と茶の幻想』
2002.4.25 /『駆け抜ける蒼き宿命 ダルリアッド』
2002.4.26 /『砂の覇王 7 流血女神伝』
2002.4.27 /『楽園の魔女たち〜月と太陽のパラソル(後編)〜』
2002.4.28 /『三国志 六の巻 陣車の星』
2002.4.29 ゴールデンウィーク前半
2002.4.30 また忘れた/『三国志 七の巻 諸王の星』
また忘れた 2002.4.30(火)

 またも見逃してしまいました、アニメ『十二国記』。
 先週は六時半からだと理由もなく思いこんでいて、テレビをつけたらべつのアニメをやっていた。
 きょうは「六時から」と肝に銘じていたはずなのですが、五時半からラジオ(ショウアップナイタープレイボール)を聴きはじめたせいで、意識が完璧に十二国ではなく、十二球団のほうに行ってしまって戻ってこなかった。気づいたのは七時半過ぎでした。
 たぶん、どうしても見たいという気持ちが足りないのでしょう。ビデオ録画の予約をしようともしないということからも、消極的な気分が推し量れようというものです。それでも好奇心は消えていないので、来週もまた悪あがきをくり返すような予感が(苦笑)。

 北方謙三三国志 七の巻 諸王の星(角川春樹事務所.1997.312p.1600円+税)(文庫版[Amazon])読了。『三国志 六の巻 陣車の星』のつづき。

 孔明が登場してから一気に動きだした感のある『三国志』。この巻のメインは「赤壁の戦い」でございます。
 不思議なのは、例によって知識不足の私なのに、どうしてか「赤壁」ということばに聞き覚えがあるのでした。でも読んでいても「そうだった」と膝を打つようなところはまるでなく、ただただ、スペクタクルな(?)合戦シーンに繰り広げられる男のドラマを固唾をのんで追いかけていくだけなのですが。
 あとでどうしても気になるので、データベース化してある読了本記録を検索してみました。
 すると、藤水名子『赤壁の宴』[Amazon]という本を、いつのまにやら読んでいたのだという事実が判明。うう、しかし、赤壁の戦いに関する知識はこれっぱかりも頭になかったぞ。きっと『赤壁の宴』は三国志関係の話ではなかったのでしょう。そうにちがいない。と思いこもうとしたのですが、どうやら駄目らしいです。「孫策と周瑜、若き二人の獅子を叙情深く描ききった」とAmazonのレビューにありました。あははは(笑ってごまかそう)。

ゴールデンウィーク前半 2002.4.29(月)

 いつもとちがうことというと、珍しく本を一冊ずつ読んだこと。
 きょうはその感想を書いたあと、テレビで横浜×ヤクルトとサッカーキリンカップを見ながら、北方謙三『三国志 七の巻』を読んで終わりました。いつもにもまして、動きの少ない連休であったことです。家の中でほとんど静止してましたね。野球中継の後半では生きた心地がしませんでしたが(汗)。ひとつ勝つことが本当に大変です。いまの横浜にとっては。
 後半はどうするかなあ。

 2002.4.28(日)

 北方謙三三国志 六の巻 陣車の星(角川春樹事務所.1997.310p.1600円+税)(文庫版[Amazon][bk-1])読了。『三国志 五の巻 八魁の星』のつづき。

 ほぼひと月ぶりにつづきが読めました。
 やっぱりこまかい状況はだいぶ頭から消えてしまいましたが、さすがに五冊も読んできたので「おもな」登場人物くらいはだいたい覚えていられたようです。
 今回のトピックスは、ついに孔明登場でしょう。いかに『三国志』無知とて、諸葛亮の名前くらいはしっているのです。で、なかなか出てこないのですっかり忘れていたのですが(苦笑)。
 孔明が参加したことで、劉備軍の体裁が整ったということなのか。戦闘がさらに激しく厳しいものになったような気がしました。王安の最期がかなしい〜。

 2002.4.27(土)

 樹川さとみ楽園の魔女たち〜月と太陽のパラソル(後編)〜(集英社コバルト文庫.2002.300p.533円+税)[Amazon][bk-1]読了。ファンタジーコメディーシリーズ「楽園の魔女たち」の十六冊目。『楽園の魔女たち〜月と太陽のパラソル(前編)〜』のつづき。

 海賊船〈アホウドリ号〉を駆り、行方不明の夫ジェイルの痕跡をたどって〈惑わしの海〉の奥へと進んでゆく〈楽園〉の魔女マリア。ペンギンの住む島で彼女が発見した遭難者は、だがしかし、別人だった。一方、魔術師組合は界を超えてあらわれた魔獣を捕縛するためエイザードとダナティアを召集する。

 マリアが「ジェイル様」を取り戻すために試練を乗りこえる話。
 とこれだけで言い捨ててしまうには未練が残るのですが。話の本筋はマリアのことなのに、同時進行のエイザードとダナティアのやりとりが意味深で困ります。これからのシリーズの方向を暗示しつつ、あくまでほのめかすだけで具体的な情報が出てこない。じれったいです。そんなわけで気が散っているせいか、マリアの話がなんともかるく進んでいくような物足りなさはありました。
 ともあれ、キャラクターをつきはなした地の文章がたのしいです。

 2002.4.26(金)

 須賀しのぶ砂の覇王 7 流血女神伝(集英社コバルト文庫.2002.230p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界歴史ロマン「流血女神伝」の九冊目。『砂の覇王 6 流血女神伝』のつづき。

 エティカヤの第二王子バルアンとともに大海賊トルハーンの世話になっていたカリエ。ところがルトヴィア帝国海軍が海賊退治に乗り出してきた。海賊王討伐の命を皇帝よりじきじきに受けてやってきたのは、トルハーンがルトヴィア海軍にいたころからの知り合いであるギアス艦長率いる第六艦隊だった。カリエはルトヴィア海軍と海賊の戦にまきこまれてしまう。

 今回もすごくおもしろかった。なにが不満といって、すぐ読み終わってしまうことが一番の不満というくらい。
 いつものごとく波瀾万丈の大波小波におぼれようが死にかけようが、けして諦めずに乗り越えてゆくカリエちゃんの姿がいさましい。こういうのをまさしく転んでもただでは起きないというのでしょう(笑)。
 舞台がルトヴィアに戻ってきて、懐かしい顔ぶれが出てきましたが、困難な状況はいささかも変化せず。善意の人間がどれだけいても改善しない厳しい現実が容赦なく描かれていますが、登場人物の発散するエネルギーが物語をぐいぐいとひっぱっていく感じです。

 ところで、とうとう登場人物紹介からも姿が消えてしまったエディアルド。本文中にもまったく姿を見せませんでしたね。今後はたして復活の出番はあるのでしょうか。

 2002.4.25(木)

 外出。きょうは図書館が付け足し。恩田陸を二冊返却した後で繁華街へ出て、

を購入。

 駒崎優駆け抜ける蒼き宿命 ダルリアッド(角川ビーンズ文庫.2002.224p.457円+税)[Amazon][bk-1]読了。「足のない獅子」シリーズの作者の、シリアス(耽美)ファンタジー。

 伝説的な義賊サマーレッドの孫息子であるロクレインは、ヴィニコーン族の王へ貢ぎ物を運ぶ戦士たちの一行を襲い、莫大な財産を手に闘神ルーグの神殿へ逃げ込んだ。無人のはずの神殿で祖父とロクレインは人離れした美貌を持つ若い男と出会う。ロクレインは男の心臓を剣でつらぬいた。だが翌日、盗賊を追ってきた王の偵察隊の前に立ちはだかった男は、死んだはずのあの男だった。「俺はルーグの命を受けてここを守っている」死なない男は王の偵察隊からロクレインたちを守った。男はロクレインに言う。ヴィニコーンの王になってみる気はないかと。

 買ったまま放ってある文庫がちょっとたまりすぎたと反省し、最初に手にとったものを読みました。ダルリアッドにヴィニコーン族、カレドニ族。なーんか聞いたことがあるような…と思っていたら、舞台のモデルは古代スコットランド。そういえば、この間読んだサトクリフの『辺境のオオカミ』についていた地図でこんな名前を見たのかもしれないです。あくまで部族名を使用しただけと著者は書いていて、たしかにいろいろとあちこちからもらってきて混ぜているような感じですが、肩の刺青とかルーグとかバロルとかの神さまの名前とか、雰囲気はスコットランドという気がします。イメージモデルというところでしょうか。
 話については、面白くないわけではなかったけど、とくべつ楽しくもなかった。つづきが書けるような展開にしないで、この一冊で決着をつけた方がインパクトが高まってよかったのじゃないかと思ったりしました。世界の雰囲気はけっこう好きだったので、ちょっと惜しい。

G4で仕事 2002.4.24(水)

 三月の終わりに大騒ぎをして揃えたPowerMacG4。なのに、仕事始めはすでに三週間も過ぎてから…。私はやってみたかったんですが(半分嘘)、原稿がやってこないので仕方なかったのです。
 しかし、ようやく来ました。四分の一くらいだけど原稿が。この日のために苦労してフォントを揃え、画像をコピーし、(そうだ、データのバックアップをCD-Rでする野望はまだだった)、プリンタのドライバソフトを探しまわっていたのです。さあ、と意気込んでG4のパワーボタンを押しました。
 作業をはじめての最初の印象は…「めちゃくちゃ速い」。
 というか、速すぎだよ。こりゃ(汗)。文章を入力した後、変換されるまでの待ち時間は、ないに等しいです。画面のスクロールは、今までの調子でやってると流れ過ぎちゃって、とんでもないところまで行ってしまいます。すべての動作がすいすい進んでいくため、息つく暇がありません。あわてふためきながらスピードに追いつこうとすると疲れます。ぜいぜい。
 ひとりでやっているのに常に作業を急かされているような感じがする。なんか、ストレスがたまりますー。軽いのにストレスがあるとは、これいかに。
 しかし、こんなに体感速度がちがうということは、これまで使っていたマシンがどれだけ遅かったかということで…あれだって、初めて手にしたときにはものすごく感動したのになあ。ああ、なんかイヤ。

 恩田陸黒と茶の幻想(講談社.2001.620p.2000円+税)[Amazon][bk-1]。三十代後半になった大学時代の友人男女四名が、緑豊かな南の島の森でそれぞれの個人的な過去の謎に向かい合う。

 利枝子、彰彦、蒔生、節子。四人は彰彦の発案でJ杉で有名なY島にやってきた。ともに通った大学を卒業し、社会人となってすでに久しい。そろそろ四十代。それぞれに分別も身につけ、社会と折り合いをつけてゆくことに馴れたように見えるが、それでもお互いに驚くほど変わっていないように見えていた。かれらは、やはり彰彦の提案による「うつくしい謎」を提示し、解き明かすという命題を肴にしながら緑深い太古からの森の中に踏み込んでゆく。

 何ヶ月も前に予約した『ドミノ』と、二週間前のこの本が同時に届いたので、結果的に恩田陸を立てつづけに読むことになりました。複数の登場人物がそれぞれに視点人物となって、それぞれの物語を語るという形式は、『ネバーランド』や『木曜組曲』と共通です。表面的なストーリーは起伏のない、簡単なものであるのに、人の心のうごきがドラマチックに描かれているので、ちっとも平坦な話ではありません。読み出すとすぐに引き込まれて、止められなくなってしまいました。

 恩田陸の魅力のひとつは、なにげない日常の裏にながれている繊細な感情の襞を、わかりやすい言葉で的確にすくいとることができるというところにあると思うのですが、その日常的でわかりやすいものと地続きのまんま、ときおりもの凄く強烈で非日常的な感情がふつうの顔をして登場してくるのがコワイです。

 この話でいえば、彰彦とその姉と蒔生と憂理の関係。それまで利枝子の、なんというかいってみればありふれたお話が、日常を営む社会人の過去の苦い思い出として回想されてきたあとで、とつぜん、非日常のひとびとの異常な過去にスライドしていた、ということにいきなり気がついて狼狽するような感覚。描かれてきた日常があんまりみごとに平日感覚なので、そのまま平日の気分でいたら、そこは異次元の犠牲の祭の最中だったみたいな。うーん、うまくいえない。

 しかも、その異次元でまた、うまいこと日常性をかもし出しているのが…あきれます(これは誉め言葉)。そのせいで余計に怖くなるんだけど。

 最後の節子さんの章が、とてもバランス感覚に優れて健康的な視点からのものだったので、私は救われました。彼女の話はそれはそれで身につまされるところもあるんですけど。あと、高所恐怖症の気持ちを表した彼女の発言にも共感しました。そうです、私は高所恐怖症(苦笑)。

 2002.4.22(月)>

 恩田陸ドミノ(角川書店.2001.342p.1400円+税)[Amazon][bk-1]読了。

 おもしろかったー。ドミノのようにつぎからつぎへと連続してゆく、群衆劇。名のある登場人物は二桁におよび、舞台もあちこちでバラバラに始まるんですが、なんの関連もなさそうだった出来事を、少しの混乱もなく、東京駅へと導いていく過程がすばらしいです。
 ドタバタ気味なので、いつもよりかなり戯画化して描写してある登場人物たちですが、それぞれに個性があってとても楽しい。とくに、俳句サークルのおじいさんたち…それに、宅配ピザ屋のお兄さんも(笑)。ほんとにちょい役でも、人物のよって立つ背景(過去)がさりげなく挿入されているので、その行動原理がいちいち納得できるんですよね。
 恩田陸の本でこんなに笑ったのははじめて。たのしいひとときでした。

亀の歩み 2002.4.21(日)

 昨日の疲労から復活できず。一日だらだら。

 去年のいまごろ購入した、エリザベス・ヘイドン『ラプソディ ―血脈の子― 上』[Amazon][bk-1]ですが、じつはときおり取り出しては、ちまちまと読んではいるのです。どうして一気に進めないのかは、よくわからないのですが…。本当になんでだろう? それはともかく、何ヶ月もかけて、ようやく半分くらいまでやってきました。まだ下巻もあるというのにさ。読了したときに、どの程度始めの部分の記憶が残っているか、とても心配です。
 だけど、そろそろ借りた本を読みはじめなければ…。

野球観戦 2002.4.20(土)

 ものすごーく久しぶりに、家族と横浜スタジアムへ野球を観に行きました。どれくらい久しぶりか、自分でもよく覚えていないくらい久しぶり。

 まず、JR関内駅でびっくり。スタジアム方面への出口の壁、一面にベイスターズのポスターが、それこそ壁紙のように貼ってあります。アングラ劇場の入り口かと思った(アングラ劇場を見たことはないのだけど、イメージで)。
 それから、球場のまわりに大きな広告塔がいくつか。さっきとおなじポスターの拡大版が、選手ひとりずつ掲示してありまして、思わず見あげてしまいます。はずかしーい。いえ、ポスター自体は恥ずかしくはないと思うけど、派手な宣伝に活躍が見合っているかを考えると…。

 開場してすでに三十分は過ぎようかというころに到着したのですが、チームの低迷を反映してか、自由席にはまだ空きがありました。土曜日のデーゲームなのに。想定外だったのは内野自由席が減っていたこと。ご無沙汰しているあいだに、グラウンド近くのいつも利用していた席は、ほとんど指定席になっていたのです。けち。あんなに見にくい場所なのに。

 試合開始まで、広島カープの練習をぼんやりと見ながら、オーロラビジョンに流れる映像をぼんやりと見物。オーナーがTBSになったんだなあと実感しました。やっぱり、以前のものと比べると画像処理やらセンスやらのレベルが格段に違います。アイキャッチャーだけを見ていると、ものすごくあか抜けたメジャーな球団みたい。あと、ダ・カーポの『ベイスターズを見に行こう』をはじめて聴けたのがうれしかったです。CD化してほしい。

 ところで、家を出るころは曇っていて風がつめたく、寒いかなーと案じていたのですが、席にたどり着いたら日が燦々で暑いくらいに。Tシャツでなく、セーターを着ていたので、真剣に後悔しました。で、脱水症状になったらイヤだとウーロン茶などで水分補給をしていたら、やたらにトイレに行きたくなり、列の真ん中へんに座っていたため、通路に出るために何度もひとさまに迷惑かけまくり。申し訳ありませんでした。
 その後は、水分をひかえたおかげで試合終了まで持ちましたが、時間が経つにつれ日が陰り、今度はふるえるような寒さに。屋外ではいろんな条件に対処しなければならない、ということをしばらくぶりに思い出しました。ふだん、こんなに長い間外にいることってないもので…。

 試合は、予想をくつがえして横浜ベイスターズが勝ちました。
 じつは先発が山田と出たとたんにちょっと期待してしまったのですが、相手は広島で高橋健だったので、それもあわーいものだった。それが人が変わったように打ち出す一番三番にびっくり。よほど調子が悪かったんですね、高橋投手。今シーズン、勝利に立ち会えたのはほんとうに運がいいと思います。宝くじに当たったような気分(失礼)。

 これで、紺野キタ『ひみつの階段 1』[Amazon][bk-1]が買えたら、申し分なかったんですけど、試合後に行ったのがまずかった。すでに売り切れてました。しかたない、オンラインで買おう。

・冲方丁『微睡みのセフィロト』[Amazon][bk-1](徳間デュアル文庫)を購入。

外出 2002.4.19(金)

 図書館に行った。
 前回予約した『三国志』第六巻を受け取りましたが、書架に行ってみると、ついこの間すっからかんになくなっていたシリーズ、全部揃っていました。もちろん、六巻も。悔しいので七巻も借りてきた(なにかがちがう)。
 繁華街に行った。
 あわよくばと思っていた二十日発売の本たちは、やっぱり出てなかった(開店直後だしねえ)。谷山浩子のニューアルバム『翼』[Amazon]をふたつめのレコード店でゲットして帰宅。

Internet Explorer 5.1 for Mac 2002.4.18(木)

 が、いつのまにやらリリースされてました。Mac OSXバージョンはAppleのソフトウェア・アップデートでダウンロードできるそうな。OS 8〜9バージョンは、マイクロソフトのマックトピアからダウンロードできます。
 インストールしたら、アソシエイトにもログインできました。あの苦労はなんだったのでしょう(T.T)。

 エリック・ガルシア(酒井昭伸訳)さらば、愛しき鉤爪(ソニー・マガジンズヴィレッジブックス.2001.516p.860円+税 Eric Garcia "ANONYMOUS REX",2000)[Amazon][bk-1]読了。冗談のような設定で大まじめに描く、「恐竜ハードボイルド」。

 ロサンジェルスの私立探偵ヴィンセント・ルビオ――人の皮を被って生活するヴェロキラプトルである――は、窮地に陥っていた。とある事件の捜査中に相棒であるアーニー(もちろん恐竜)が死亡してからこの方、ろくなことが起こらない。財界の大立て者(恐竜)レイモンド・マクブライト殺しの犯人は、人なのか、恐竜なのか。探っていた途中のアーニーの死は謎だらけだった。ルビオはそれを解明しようとして、地に落ちた。恐竜社会から落ちこぼれた。仕事は来なくなり、借金だらけ。しかたなく手を染めたはした仕事では失敗ばかりだ。
 だが、そこにひとつの光明が。ロサンジェルス最大の探偵事務所の下請けとして引き受けたクラブの火事が、どうやらアーニーの件に繋がりそうなのだ。

 あらすじ的にはごく普通のアメリカ私立探偵ものです。ですがこの話は普通ではありません。それを表しているのが題名。チャンドラーの『さらば愛しき女よ』[Amazon][bk-1]をもじっているのはわかりますが、なぜ「鉤爪」? 理由は、登場キャラクターが恐竜だから。この世界では、恐竜たちが矯正器具で体を締めあげて、人間の皮を被り、人間社会で人目を忍んで生きているのです。いったいぜんたい、なんのために?(笑)その理由は説明されていません。ただ、恐竜が人の皮を被ってそこらへんにいる、というのがこの話の核心なんですね。
 はっきりいってすごいバカ話です。
 だから、楽しむべきなのはディテールでしょう。最初のうちは文章だけで楽しむのはちょっと辛かったのですが、だんだん慣れてきて恐竜たちが懸命に人のふりをする滑稽さがわかってくるようになりました。恐竜の種類とその習性について、事前知識がもっとあるとさらに楽しかったかもしれないです。
 恐竜はハーブで酔っぱらうというのが何度も出てきますが、「スカボロー・フェアは、ドラッグ・ソングだ」というのには笑った。ルビオのお気に入りは、バジルらしいです。

証明失効 2002.4.17(水)

 二、三日前くらいからでしょうか。Amazonのアソシエイトセントラルにログインできなくなったのは。メールアドレスとパスワードを入力してログインしようとすると、

 "secure.amazon.jp."にセキュリティで保護された接続を確立できませんでした。サイトのセキュリティ証明で問題が発生しました。(証明は失効しています。)
 表示、あるいは送信する情報は送受信中に他人に読まれる可能性があり、また目的の宛先に届かない可能性があります。
 このページの読み込みを続行しますか?

 というダイアログが表示されるのです。
 こんなこと言われて「続行」するひとがいるんでしょーか?
 いや、何度やってもおなじなのでつい「続行」してしまったヤツがここにいます。そのあと、どうなったかというと、Macはフリーズしました。

 その後、解決方法をもとめてさまよいつづけること数日。
 というのもそんなに緊急なトラブルというわけでもなかったので、飽きたらすぐに止めてたんで無駄が多かったというのもありますが。
 私の環境はMacOS9.0.4にIE5.0。IEの「初期設定>セキュリティ」を見ても、どうすればいいのかわかりません。よくわからないままいじっていたら、認証局を削除してしまい、それまで何ともなかった別のサイトのセキュリティ接続もできなくなりました。青くなってマイクロソフトのサイトでIE最新版(といっても今まで使っていたのとおなじ。ぜんぜんバージョンアップしていないから)をダウンロードし、インストールしましたが、削除してしまった認証局は元に戻りません。思いついてヘルプを開き、「リセット」を選んでみたら認証局が復活。あーよかった。でも、Amazonの問題は未解決です。

 Googleで検索してもなんにもひっかからないので(あとになってみると、検索語の選び方が悪かったと思う)、Mac関係のトラブルシューターをあちこちふらふらしたあげく、たどり着いたのはAppleのTIL(Tech Info Libraly)
 それによると、解決方法は四つ。

  1. 「日付と時刻」コントロールパネルの設定が正確であるか確かめ、誤っていれば訂正する。
  2. 別のWebブラウザで試す。
  3. Webブラウザを最新バージョンに替える。
  4. それでも駄目なら、問題の発生するWebサイトに問い合わせる。

 1は調べましたが、無関係。
 3は偶然試していましたが、無関係。
 それで2ですが、Netscape Communicator4.5で接続したところ、やはり、警告が出ました。
 とすると、もうこれ以上個人で打つ手はないのか。Amazonに聞くしかないのかなー。それはめんどくさいから、いやだなーと、ぐすぐずしていたところ、あるじゃないですか、もうひとつ。
 というわけで、iCabの最新ベータ版(Pre2.71)をダウンロードして、これで接続してみましたところ、ログインできました。

 やはり、ブラウザが古かったのが原因みたいです。ネットスケープも最新バージョンを使えば大丈夫なのかもしれません。やたら容量が大きいのと、メモリを食うのであんまり気が進みませんが。しかし、IEはこれ以上新しいのは存在しないのに、困るなあ。OSX用のIEならいいのかしら。検索結果のリンクを作るときくらいしか、必要ないんですけど…。

 エリック・ガルシア『さらば、愛しき鉤爪』[Amazon][bk-1]を読んでます。


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