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2002年5月前半のdiary

最新の日記インデックス
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2002.5.1 黒インクはいつなくなるのか/『緋色の檻 前編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』
2002.5.2 /『ラプソディ ―血脈の子― 前』
2002.5.3 GWの一日/『本気になれない二死満塁? フルメタル・パニック!』
2002.5.6 理解したいわけではないですが/『月冠の巫王』
2002.5.7 やっと見た
2002.5.8 検索窓をつけました/『クイーンズ・ガード』
2002.5.9 忘れてました/『ICHIRO メジャーを震撼させた男』
2002.5.11 /『自慢にならない三冠王? フルメタル・パニック!』
2002.5.14 /『夜のフロスト』
2002.5.15 /『三国志 八の巻 水府の星』
2002.5.16 10連敗
10連敗 2002.5.16(木)

 図書館で「フルメタル・パニック!」をまたゲット。しかし、この次は三ヶ月待ちだそうな。まあ、いいけどね。

 うつくしく0が並んだバックスクリーン。横浜ベイスターズはつつがなく10連敗を完封負けで達成しました。これで開幕より積み上げてきた借金は20。もーう、嗤うしかないでしょう。
 この三連戦、どこかで雨天中止になってくれないかと祈っていたんですが、週間予報にたくさん傘マークが並んでいたのに結局一試合も流れてくれず。首位を陥落しかかった阪神タイガースに貢いで貢いで、なにか特典をもらいたいくらい。これから週末までは雨がふりそうだけど、今度は屋根のある球場でするのでよほどのことがない限り中止はなさそう(T^T)。
 なにより見ていてつらいのは、勝てそうな気配がひとすじもかんじられないこと。大洋時代からファンをしていますが、こんなに雰囲気が悪いシーズンは、初めてだ。
 選手も疲れているんじゃないかなー。うごきが素人目にもにぶいです。それで怪我人も増えているのかなとも思う。いっそ休みでも取れればいいんじゃないかと思うのですが、シーズン中のプロ野球選手にそれは無理。だから雨天中止を願っていたんですけどねえ。
 あさってからは東京ドームでG戦です。応援してます。なんとか普通の試合をしてほしい。

 今月号の『月刊ベイスターズ』は、やくみつる、みずしな孝之、両氏のマンガに笑わせられました。チームが弱いとネタは増えるのか…(苦笑)。

 2002.5.15(水)

 北方謙三三国志 八の巻 水府の星(角川春樹事務所.1997.304p.1600円+税)(文庫版[Amazon][bk-1])読了。『三国志 七の巻 諸王の星』のつづき。

 ふー。ようやく八巻です。さすがにちょっと疲れてきました(^_^;)。周瑜関連のエピソードがウエットだったからでしょうか。これまで余計はすべて切り捨ててざくざくと進んできたはずなのに、いきなり「せつない」とかいわれてもちょっと…。私ががさつなだけなのか(苦笑)。
 劉備軍の陣容がだいぶととのってきましたが、初期のころから出ているはずの趙雲がエピソード的にとても不遇なのが気になります。おかげでどういう人物なのかいまだにつかめない。得しているのは張飛だなあ。個人的には、孔明の知り合いの軍師(すみません、名前を失念。本も返却したのでわかりません)が、けっこう好きだったのですが、出てきたと思ったらすぐに退場してしまったのが残念。

 2002.5.14(火)

 R.D.ウィングフィールド(芹澤恵訳)夜のフロスト(創元推理文庫.2001.762p.1300円+税 R.D.Wingfield "NIGHT FROST",1992)[Amazon][bk-1]読了。イギリスの地方都市デントンの警察署に勤務する、ジャック・フロスト警部を主人公にしたミステリシリーズ、三作目。

 冷たい雨が降りつづく日々。流行性感冒が猛威をふるうなか、デントン警察署は病気欠勤者が続出。元気なものは超過勤務を強いられ、業務は滞りがちになっていたが、疲労困憊の彼らを嘲笑うかのように事件が頻発。そんななか、部長刑事に昇進したばかりのギルモア青年がデントン警察署に着任した。墓荒らしに、連続老女殺人事件に自殺。中傷の手紙はばらまかれ、少女の行方不明事件も未解決。感冒とは無縁のフロスト警部は、あてにならない直感を頼りに、ギルモア部長刑事とともに果てのない捜査活動に従事しつづける。

 日曜日に野球中継を見ながら読んで、月曜日に通院の合間に読んで、それでも読み終わらずに帰ってからも読んでいた。このシリーズ、つづきが出るたびに厚くなっていませんか。762ページの文庫本は重くてかさばって長かったです。でも、話はすんごく面白かったので不満はない。いや、持ち歩いて読む本ではないとはしみじみ思ったけども。

 デントン警察署のフロスト警部はだらしないおっさん。身なりにだらしないだけでなく時間にもだらしなく、規律にも書類仕事にもだらしない。さらに、お下劣なジョークが大好きで幼稚園児並の下ネタをさかんに披露しまくり、悪趣味な話で人を気味悪がらせる性癖も持っているという、あらんかぎりの「困った」要素を持ち合わせた警察官。
 「だらしなくお下劣」な警官というと私の場合もうひとり、レジナルド・ヒルの手になるダルジール警視というキャラクターが思い浮かぶのですが、あちらは学生時代はラグビーの選手で(筋肉が脂肪に変化して増殖しつづけてはいるが)肉体派、さらに強面でやり手。
 いっぽうフロスト警部は、だらしない生活を反映して衰えつつある肉体を引きずり引きずり、上司は敬して遠ざけるか、笑ってごまかすか、返事だけしてすぐ忘れる。まさに情けない中年男を絵に描いたような人物で。でもなぜか憎めない。上司のマレット警視が部下に対する思いやりに欠ける、体面ばかりを気にする人物として描かれているのと、フロスト自身が捜査に対しては骨惜しみしない、人に対する気遣いのできる思いやりを持った人物として描かれているからでしょう。

 それからこれは警察小説でもあります。
 警察小説と普通のミステリーの違いを私は、普通のミステリーはひとつの事件をじっくりと描いてゆき、警察小説は複数の事件を同時に追いかけ、ときにはすべてに関連が見つかることもあるが、複数のままにそれぞれ解決することもある、と受けとめているのですが、この本ではほんとうにつぎからつぎへと事件が発生してたいへんです。しかも、署内に流行性感冒(インフルエンザのことか?)が蔓延して人員不足。てんやわんやの騒ぎが事件とともに描かれていくのですが、このへんはコメディー風味。マレット警視と署員たちの攻防がおかしくてしかたなかったです。あるシーンでは電車の中であやうく吹き出すところだった。
 最後にはなんとフロストにアクションシーンの見せ場まであります。読み応えたっぷりの一冊でした。

 2002.5.11(土)

 賀東招二自慢にならない三冠王? フルメタル・パニック!(富士見ファンタジア文庫.1999.286p.520円+税)[Amazon][bk-1]読了。紛争地域で育ったために平和日本の常識が通じない戦争バカの相良宗介と、きっぱりさっぱり系美少女千鳥かなめの(SFアクション)(ラブ)コメディー「フルメタル・パニック!」シリーズ、と『本気になれない二死満塁? フルメタル・パニック!』の時に書きましたが、短編の場合はSFではありませんね。の短編集三冊目。

 予約数も落ち着いてきたのか、思いもよらずすばやく用意されました。この調子でいけば、遠からず新刊に追いつくのも夢ではないかも。

 コッペパンを注文するだけのために出張パン屋に怪我を負わせてしまった宗介とかなめが、臨時パン屋を営むことになる「すれ違いのホスティリティ」。
 中止しなければ自殺するという脅迫から球技大会を守るために、かなめと宗介が脅迫文の差出人を捜索する「大迷惑のスーサイド」。
 夜の街角に現れて女子中高生を強制的にポニーテイルにして去ってゆくという変態痴漢が出没。友人恭子が被害にあったためにおとり捜査に参加することになったしまったかなめ。新装備で援護すると意気込む宗介と、宗介を痴漢と間違えた暴走気味の婦人警官とのバトルに発展する「押し売りのフェティッシュ」。
 担任教師神楽坂恵里と美術教諭水星庵の恋を、とりもとうとするかなめ。協力するつもりではあるが人の機微に疎い宗介が間に立って混乱は増すばかりな「雄弁なポートレイト」。
 怪談話にまったく反応しない宗介をこわがらせてやると、近所で評判の廃病院につれてゆくかなめ。つぎつぎに発生する怪現象にも動じなかった宗介が、顔を青くして怯えた瞬間が読みどころの「暗闇のペイシェント」。
 書き下ろし。ミスリルの中佐テレサ・テスタロッサと陸戦隊の曹長メリッサ・マオが、大喧嘩。アームスレイブの模擬戦闘により決着をつけることになるが、テッサはASの操縦に関してはずぶの素人。請われてコーチ役を引き受けた宗介は、テッサの運動能力の欠如ぶりに天を仰ぐことになる「猫と仔猫のR&R」。
 の全六編を収録。

 おもしろかったです。気軽な短編集は宗介の非常識ぶりと暴走ぶりがたのしいのですが、昼食のパンを買うために窓から飛び降りるかなめもかなめだと思う、今日この頃(苦笑)。

忘れてました 2002.5.9(木)

 一冊、読み終えていた本の感想を書くことを忘れてました(苦笑)。

 ボブ・シャーウィン(清水由貴子、寺尾まち子[共]訳)ICHIRO メジャーを震撼させた男(朝日新聞社.2002.294p.1300円+税)[Amazon][bk-1]読了。

 ピュリッツァー賞候補になったこともある地元紙のシアトルマリナーズの番記者が描く、イチローのメジャーリーグにおける一年目のシーズンの記録。
 イチローは自分の選んだ代表者ひとりにしか取材を許さなかったので、日本人初の野手としてメジャーリーグに加入したイチローが、アメリカのメジャーリーグやメディアや、ファンににどのように受けとめられ、いかに認められていったのかが中心の本です。
 半分読んで、だれました。
 重複した記述が多いのと、やっぱりイチロー本人から得た情報がほとんどないのが物足りない。(思うように取材できないことに対する苛立ちはことあるごとに表明されておりますけど。)
 まわりの人間からの証言で人物を浮き彫りにするスタイルにしても、証言者がイチローのプレーに驚いていること以上の事実は伝わってこない。イチローの人となりを充分に知っている人はまだ少ないだろうから、仕方のないことではあるのでしょう。
 ひとつひとつのエピソードは面白いので、新聞のコラムなどで少しずつ読む分には楽しめるかもしれないけど、一冊の本としてまとめるのであれば、もうすこしつっこんだモノがないとつまらないですね。テクニカルな角度から深めてみるとか、そういう工夫がもう少し欲しかった。イチローが凄いということはわかりますが、どう凄いのか、なぜ凄いのかも教えてほしいのです。
 原書名がどこにも書いてないので、日本で企画して編集した本なのか。文章の書き方はとても公平で、読んでいて不快になるところはほとんどなかったです。

検索窓をつけました 2002.5.8(水)

 せっかくAmazonやbk1と提携しているのだから、もう少し営業活動をしてみようかと検索窓を設置してみました。なんか、それでなくても広告で本文がなかなか見えてこないのに、さらに下に隠してしまったような気がしないでもないのですが…。

 デザインを模索しているときに久しぶりにNetscape Communicator 4.5で表示してみましたら、日記のインデックスの文字が読めないくらいに小さく表示されて青くなりました。
 スタイルシートでフォントサイズを「smaller」と指定しているのですが、これがまずかったか。しかし、もう一段階上と思われる「small」にすると今度はIEではまったく文字が小さくならないんですよね。うーむ。どうしよう。
 そういえば、前回Netscape3で見ようとしたら、表示されなかったな…と思って自分のサイトに接続してみたら、やはり、駄目でした。その上、「あなたの見ているページは凍結されました」という物騒な表示が出てきたので、びっくり。もう一度IEで接続すると、ちゃんと表示されたので安堵しましたが。ううー。いったい何事なの。心臓に悪いです。
 現実にNetscape Communicator 4.5では見られないのだとしたら、「smaller」のままでもいいのだろうか…。なにか釈然としませんが。

 駒崎優クイーンズ・ガード(講談社X文庫ホワイトハート.2002.234p.550円+税)[Amazon][bk-1]読了。

 全国にチェーンを展開し、グレードの高いサービスを提供することで名高い「グランド・クイーンズ・ホテル」。貴志澄子はホテルの従業員として頭角を現し、この度、若いながらも課長に昇進することになった。しかし、変わり者社長の肝いりで新設された「処理課」は、直属の上司は社長で課の部屋もなく、三人の部下たちはなにやら訳有りのようす。そのうえ、発足早々にあたえられた課題は、フロントのセイフティボックスで頻発している盗難事件の解決だった。

 中世イングランドを舞台にした「足のない獅子」の作者の、現代日本物。ミステリーといおうかなんといおうか。本の後にある新刊一行紹介には「舞台はホテル。新感覚クライムサスペンス!」と書いてありますね。でも、サスペンスだろうかこれが…。ペースは「足のない獅子」と変わりない気が。
 課長、貴志澄子以下、機械担当藤代南水樹、情報担当櫻沢海、何の担当かまだよくわからないが子持ちやもめの伊波克人の「処理課」の面々は楽しいんです。でも、現代物はかなり現実性を考えた展開をしないとリアリティーがなくなるので、そのあたりがすこし物足りなかった。時代物だと許されるものでも現代だとヘンだと感じるのは、強固な現実にまっこうから対抗しなければならないからなんでしょうか。みんなが知っている世界でもあるし。

やっと見た 2002.5.7(火)

 ようやく見ることができました、アニメ『十二国記』(どうでもいいけれど「十に国旗」と変換するのをいい加減にやめてくれないものだろうか<ATOK12)。今日はプロ野球が雨で中止だったので、意識をずっと保っていられたのが勝因です(汗)。
 しかし、途中見逃したせいで話が見えません〜。杉本さんと浅野君はどういう役割を果たしていたのでしょう。とくに杉本さんがわかりません。なんで他国の麒麟と一緒にいるんですか、彼女。やたら自信満々なわけもわからないし〜。
 わからんわからんと思いながら見てましたが、なんか一回目よりも絵が綺麗だったような気がしましたが、錯覚でしょうか。

 ところで、ラストに出てきた楽俊のすがたに、「もっとふかふかだと思ってたのに〜」と不満の声を上げたら、横からちらちらと見ていた母に「なんだ、あの話だったの。始めに教えてよ。知ってたら、ちゃんと見るんだったのに」と文句を言われてしまいました。すみません、私、あなたがそんなにこのシリーズを好きだったとは知らなかったのです。そう言ってくれれば、もちろん教えていましたとも。本を一方的に押しつけて読ませたのは、私だったんですからね(苦笑)。

理解したいわけではないですが 2002.5.6(月)

 昨日から家族の「ホームページ」制作につきあわされていて、ほとほと疲れました。
 最初にジオシティーズのアカウントを取ったのが去年の八月。それから延々と「自分でやれ」と突き放してきたのですが、「某月某日までにつくらなきゃいけない」「できない」「わからない」「ちょっとしてくれればいいのに」と恨みがましく責められつづけたので、嫌気がさして結局…。

 適当に書いて適当にすませようという目論見が狂ったのは、Windows付属の「Front Page Express」のせいでした。
 Macのエディタで書いたHTMLファイルを渡して、本人に中身を書かせていたのですが、「できあがった」というファイルをブラウザで表示すると、予想とちがう画面が開かれる。ソースを調べると、あちこちに見覚えのないタグがあり、さらに書いたはずのタグがない。どうやらスタイルシートがわからない「Front Page Express」が、関連タグを自分でわかるよう、自発的に書き換えてくれたらしい。きー。
 その他にも、別のタグをコピーペーストしたら、入れた覚えのない場所にたくさんおなじタグが、しかも、タグをブラウザで表示するような変換作業を施した上でペーストされていたり。直しても直しても、開くと元に戻ったり(もちろん、保存はしている)。
 さらに、不要タグがあまりに長かったせいで、貧弱な検索機能では拾うこともできず。いらないタグを削除するのに小一時間費やす羽目になってしまったり。
 なにが気に入らない、「Front Page Express」。私には「Front Page Express」が理解できません。

 終いには業を煮やし、「新しいソフトを覚えるのは面倒だから使いたくない」と渋るのを説き伏せて、VectorからべつのWYGIWIG編集可能なフリーのHTMLエディタをダウンロードしてきました。始めからそうすればよかった(涙)。

 それにしても、作業のいちいちを人に頼るくせに、助言をちっとも受け入れない家族には参りました。
 人は年を取ると頭が固くなるというのは真実です。自分を省みて、気をつけなくてはいけないなーとため息とともに思うのでありました。

 たつみや章月冠の巫王(講談社.2001.334p.1600円+税))[Amazon][bk-1]読了。「縄文から弥生へと移りかわる幻の超古代」を舞台に描くファンタジーシリーズの四作目にして完結編。『天地のはざま』のつづき。

 助力を期待しておとずれた「アヤ」の国で、「ヒメカ」の国を支配下に置くための駒として利用されるワカヒコ。「アヤ」の国の支配者タヂシヒコの横暴を知った「ムラ」の民であるポイシュマとアテルイは、ワカヒコたちを救い出すために旅立つ。

 これまでの巻と比べるとずいぶん派手な話だなと思いました。
 戦いのシーンと神話に出てくるようなダイナミックな幻想シーンが多かったからかな。その分、個々の人物描写に深みがなくなっている気がします。一冊でまとめるために、ストーリーの上辺を繋げただけのような印象になってしまいました。ポイシュマとワカヒコの話と、シクイルケの話、両方をこのページに収めるのはちょっと無理だったんじゃないか。一応、大団円ということにはなっているのですが…これまでの読み応えと比べるとかなり大味。前巻から間髪入れずに続いているので、まとめて読んだらもう少し違う印象になったのかもしれないとは、思いますが。

GWの一日 2002.5.3(金)

 家族が出かけて静けさにつつまれている我が家に、一本の電話が。
 「退屈だから、遊びにいってもいい?」
 そして昼過ぎ、妹は付録二人を連れてやってきた。
 妹の退屈は変化のないがゆえの退屈ではなくて、阿鼻叫喚のちまたで相互理解不能な二匹の生物と戦場生活を送ることでつのるむなしさの裏返しなのでありました(大げさ)。
 つまり、毎日子どもといると大人の会話が欲しくなるというヤツですか。

 妹は我が家の冷凍庫からスパゲティーを出して解凍して食し、幼稚園年中児の姪はあちらこちらを徘徊しながらスパゲティーとパンを食べ、一歳児の甥はおろしてもおろしてもテーブルの上に乗りたがり、家の中は半時間も経たないうちに混沌の海の中へ…。

 「三時半になったら帰るから」といいつつ、三時二十分頃から昼寝をしてしまう妹。まとわりついてなんとか起こそうと試みる甥。しかし睡魔にとりつかれた母親を救うことはできず、あきらめたのか隣にねころがる。その狭い空間に嫉妬心を燃やして割り込む姪。「ぎゃー」「ふえーん」「うきゃきゃきゃ」

 四時過ぎに三人が帰っていった後、残された私は精神的な疲労でくたくたでありました。甥を何度もテーブルから抱き下ろしていたので、腕もだるかったけど。

 賀東招二本気になれない二死満塁? フルメタル・パニック!(富士見ファンタジア文庫.1999.258p.520円+税)[Amazon][bk-1]読了。紛争地域で育ったために平和日本の常識が通じない戦争バカの相良宗介と、きっぱりさっぱり系美少女千鳥かなめの(SFアクション)(ラブ)コメディー「フルメタル・パニック!」シリーズ、短編集二冊目。

 一冊目の『放っておけない一匹狼(ローンウルフ)? フルメタル・パニック!』を読んでから、ひと月以上経ちました。短編集のほうが回転が悪いんですねえ。
 ともあれ、ひさびさの「フルメタル・パニック!」大変楽しませていただきました。宗介は相変わらず暴走しているし、かなめちゃんの対処の仕方がどんどん馴れてきているところが楽しいです。
 とくに「一途なステイク・アウト」。宗介が入るぬいぐるみポン太君のモデルは、やはり某公共放送で長年親しまれていた教育番組のぬいぐるみキャラなんでしょうか(なんて回りくどい言い回し)。あの体型でアクションをするのはさぞ骨が折れることでしょう。というか、どうやったらそんなに体が動くの?

 関係ないけど、私、現在『おかあさんといっしょ』でやっている「ぐー! チョコランタン」のファンなんですが(笑)、ぬいぐるみ役者の方たちってほんとうに大変そう。先日はあのもたもたとした動きの鈍そうな体で、パラパラを踊ってたんですよ。びっくりしました。

 2002.5.2(木)

 エリザベス・ヘイドン(岩原明子訳)ラプソディ ―血脈の子― 前(ハヤカワ文庫FT.2001.534p.920476円+税 Elizabeth Haydon "RHAPSODY",1999)[Amazon][bk-1]読了。異世界ファンタジー三部作一作目の前巻。

 リリン族の若く美しい女性ラプソディは、追われていた。売春婦をしていたときの客だった警備隊長ミカエルは、いまだに彼女を自分の所有物だとみなしていたのだ。〈歌い手〉となっていたラプソディは警備兵らの追及の手から逃げる途中で、見知らぬ二人の男と出会う。すこしの間、自分を家族にしてくれと頼んで承諾を得たラプソディは、警備兵に男のひとりを紹介した。「こちらは私の兄(ブラザー)、名前は〈蛇の――アクメド〉」 そのとき、ラプソディは自分も知らないうちに〈命名者〉としての力を行使していた。男はほんとうに〈蛇のアクメド〉という存在に変化してしまったのだ。その場の難を逃れたものの、彼女は二人の男に同行を迫られ、思いもよらぬ場所へ連れてゆかれることになる。

 昨日です。やっと読み終えましたよ、長かった〜。本自体も分厚いんですけど、精神的にとても長く感じた「序盤」です。そう、前巻を読み終えて確信しました。話は始まったばかりです(涙)。
 どうしてこんなに時間がかかったか、考えてみたんですが、まず、始めに名前ですね。
 一番に出てくる少年がグウィディオン。なのにどーして「魂の伴侶」がエミリーなんですか。グウィディオンの偽名はサムだしー。ヒロインはラプソディで、悪役はミカエルで、グルンソルはフィルボルグ族で、つまり、文化的な基本線をどこに求めればいいのか判断しかねて、混乱するのでございます。ケルト伝説とアメリカ開拓物語がごった煮されているような感じなんですね。
 それと、始めのグウィディオンとエミリーの物語と本編のつながりが、なかなか見えてこないところ。
 さらに、ラプソディとアクメドとグルンソルの三人の旅が、すぐに地中へと文字通り潜り込んでしまって、ほぼ魂の旅になってしまうところ。三人の来歴が見えない状態で、延々もぐらのような道行きを読まされるのは疲れます。
 それでも興味をつないでいられたのは、〈命名者〉ラプソディのわざが現れるシーンがとても魅力的だからです。歌うことで奇跡を実現するときの不思議な感覚。それがもっとも鮮烈なのが、地中の旅の山場、大地の中心で燃える炎のシーンだと思います。

 ところで、地中の旅の長さには意味があったのだなあと、あとで思いました。意味はあるけど、やっぱり疲れた。地上へ出てきた三人のこれからの運命に期待を持たせて、話は下巻へと続きます。…私、いつ読めるんでしょうね(苦笑)。

黒インクはいつなくなるのか 2002.5.1(水)

 仕事してました。午後からずーっとプリンタを動かしていた。
 機種を変えたので印字スピードは増したのですが、今回は部数がひとつ増えたので、全体的な印刷時間はあんまり減ってくれませんでした。
 しかも、「黒インクが少なくなりました」表示が始めからずーっとプカプカしていたので、ずーっとそばに待機していなければならず、居心地の悪い仕事場の椅子で本を読んでいてへたばりました。あの姿勢で読書をつづけるのには限界があります。二冊読み終えた時点で、もうつぎに手を出す気力はなく。あとはネットをぐるぐるして時間をつぶしていた。
 ところで。「黒インクが少なくなりました」表示が出始めてから、インクが本当になくなるまで、二時間以上かかりました。

 橘香いくの緋色の檻 前編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険(集英社コバルト文庫.2002.252p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界コメディーシリーズの十四作目。『踊る王宮の午後 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』のつづき。

 真っ昼間に往来で(王妃候補?)コラリーと抱きあったとして、近衛騎兵隊の将校フェリックスは謹慎処分を受けていた。コラリーの祖父デローリエ男爵は、そろそろ婚約してはどうかとふたりに切り出すが、フェリックスはきっぱりと断った。そんなおり、エクルントからフェリックスを訊ねて弁護士がやってきた。かれの腹違いの兄ヘンリーの、二人の父親である故クライトン卿の遺産を弟に分配したいとの意向を受けてのものだった。フェリックスの人間不信の底には行方不明の母親エレーヌがいると喝破したコラリーは、フェリックスにエレーヌを探すようにたきつける。

 古びた貴族の館で展開するゴシックミステリーの趣。むろん、コラリーさんがひっかきまわしてくれますので、そうそうしっとりした話にはならないのですが。でも、クライトン卿(この呼び方はちょっとおかしいのではないかと思われるのですが。名前はヘンリーだからヘンリー卿じゃないかと)の行方不明の遺言書とか、存在をだれも知らなかった愛人とか、窓のない部屋とか、らしき小道具がてんこ盛り。
 フェリックスが過去と現在の迷宮にからめとられているあいだ、コラリーが元気にシュシナックと渡り合っている(?)シーンが楽しいです。


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