2002年6月前半のdiary
■2002.6.3 とりあえず六月
■2002.6.4 W杯日本×ベルギー/『不滅の王 ハイスクール・オーラバスター』
■2002.6.5 あとすこしで真夏日
■2002.6.6 /『緋色の檻 後編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』
■2002.6.7 ウィルス禍
■2002.6.8 /『剣客商売 陽炎の男』
■2002.6.10 /『リビスの翼』
■2002.6.11 暑さと疲労、そして梅雨入り
■2002.6.13 事前確認を怠ると
■2002.6.14 W杯日本×チュニジア/『蜃気楼の彼方 グイン・サーガ85』
午後三時半にテレビの前に座るために、いろいろと調整。
試合そのものは、過去の二戦よりもはるかに落ち着いてみられました。こんなに堂々と試合をするチームだったっけ、などと失礼なことを考えながら。ときどきやってくるピンチにも、なんだか失点するような気がしなかった。それでも、試合終了のホイッスルが鳴ったときには嬉しくて、万歳をしてしまいました。
ついこの間、初めてのW杯に出たばかりのような気がしていたのに、初戦で引き分けたあと、勢いに乗ったのでしょうか。冷静になってみると、なんかものすごい速度で望みが高くなっていく感じがします。
ニュースの映像を見ると、日本中が歓喜と興奮につつまれているようです。もちろん、私もその一員なんですけど、街中に出て騒ぎに混ざりたいとは思えない(笑)。静かにしみじみと味わってます。
栗本薫『蜃気楼の彼方 グイン・サーガ85』(ハヤカワ文庫JA.2002.320p.540円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界大河ロマン「グイン・サーガ」シリーズの八十五巻。『劫火 グイン・サーガ84』のつづき。
気づかなかったのですが、半月の間にグイン・サーガを二冊も読んでしまった。五冊ぐらいため込んでいたのを消化して以来のことです、こんなこと。
立てつづけに読むとよくわかるのですが、本当に、進まない話ですね(苦笑)。ひとつひとつの出来事を裏にある人物の感情とともに何度も何度も念押ししながらの、実況中継のような描写がつづきます。
グインとリンダとナリスとヴァレリウスとイシュトヴァーンと、オールスター勢揃い。山場のシーン続出だったので、とくに念入りだったのかもしれません。
私は前巻でまたも行方をくらましてしまった、しようもないヤツが何をしているのかがとても気になりました。
無駄足を踏むことになります。
図書館が特別整理期間で休館なのをすっかり忘れていました。入り口が視界に入ったところで、自動ドアをふさぐように立て看板があるのに気づいて、「そういえば…!」。まぬけです。
先々週くらいから確認の必要性を感じていたのに、肝心なときにすっぱり忘れていたのですね。
仕方ないので本屋に寄って、栗本薫『蜃気楼の彼方 グイン・サーガ85』[Amazon][bk-1]を自棄気味に購入し、帰宅。
ところで、このサイトもいつのまにやら二周年を迎えていました。
とくべつなイベントを用意する気力がなかったので、昨年のつづき。プロフィールの読書遍歴に高校編をつけ加えてみた。でてくる書名でトシがバレる(笑)。
ここ数日、忙しくて日記を書いている暇がありませんでした。
子守りや家事や仕事やW杯や病院でへとへとです。
せっかく面白くなってきた『ラプソディ ―血脈の子― 下』[Amazon][bk-1]ですが、なかなか腰を落ち着けて読んでいる余裕がなかった。
それでも昨日は大気が乾燥していたので、暑くてもそれほどしんどい気分にはならなかったのですが、本日はとうとう梅雨入り宣言。
湿度も一気に上がって装具をつけているのが苦しいです。
円山夢久『リビスの翼』(メディアワークス電撃文庫.2002.340p.590円+税)[Amazon][bk-1]読了。近代ヨーロッパ風の異世界を舞台にして、突如名家の御曹司となった少年とかれをとりまく世界と社会を描く「冒険ファンタジー」。
肺炎で両親を亡くした少年トールは、コリンズ医師に引き取られた。大陸に広がる灰土病なる原因不明の病の調査におもむいた先に突然やってきたのはフェルトン・ブリューと名乗る中年の紳士。代々シーア鉄で財をなしてきた名家ゴーダ家よりの使者だった。トールの父親カールはゴーダ家の正当な跡継ぎだったが、二十年ほど前に母親のレイディ=ゴーダと対立した。行方をくらましたのち、一兵士として戦争に従軍したカールは戦死したものと思われていたが、数ヶ月前、父親からもらった記念の時計がゴーダ家に送られてきた。レイディ=ゴーダは孫であるトールの帰還を待っているという。
〈鉄のイツァーク〉と呼ばれる征服者を祖先に持ち、代々シーア鉄を豊富に産するザイン島の斜塔に居を構えてザインを支配する、〈翼蛇〉を象徴とするゴーダ家。その御曹司となってしまったトール。
かれの父親カールと祖母レイディ・ゴーダとの諍いの原因は、身が軽く頭に冠毛を持つ被征服民ウィーズルだった。ウィーズルはザインのもとの住民であり、ゴーダ家の館である〈ザインの斜塔〉も、もとはといえばウィーズルのものだった。
跡取りを失ったゴーダ家の、巨大な財力と権力をもつがゆえの苦しみをひとりで背負ってきたレイディ=ゴーダ。ともすると、厳格な老婦人として敵役にされがちな彼女の、ひとりの女性としての長年に渡る苦労と孤独がきちんと描かれているところに好感。
そして、被支配者として差別され虐げられて生きているウィーズル。
鳥のように骨の中が空洞で、体重はひとよりずっとかるく、脚力が強く…といった独特の個性を持ったウィーズルという種族がたのしいです。
トールの父親の話は、意外な方向へと展開しましたね。
それにしても、製造者責任の話になるなんて、なんて現代的なんでしょう。
世界の成り立ちなど、私にとってはどちらかというとSFを感じる話でしたが、ラストシーンだけは別。塔を吹き抜ける風と呼応するようなウィーズルの変化にはどきどきしました。
とても読みやすくてしっかりと構成された密な話だったと思います。
池波正太郎『剣客商売 陽炎の男』(新潮社文庫.1986.310p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。『剣客商売 辻斬り』のつづき。シリーズ三冊目。
おもしろかったです。ほかに書くことはないものかと思うんですが、連作短編とはいっても、すべてが流れの中で進むような印象で、なんだかいつのまにか読み終わってるんですよね。
今回は文庫本を借りたのですが、文庫には解説が付いてます。いまのところ、一巻と三巻しか見ていないわけですが、どちらも常盤新平氏。池波正太郎ファンの氏が、作品のどこに惹かれるか、とうとうと語っておられるのですが、一冊めの解説では堂々とネタばらしをされてしまいまして、大変がっかりいたしました。そりゃあ、ドラマや舞台やらをご覧の方にはすでに常識の事実なんでしょうけれど、せっかく初めて読みはじめたビギナーの興味を奪わないでほしかった。それがちょうど、私が「こうなるのかなあ」と予想したとおりだったのでよけいに力が抜けましたです。
一巻のことでいまさらなんですけど、今回ストーリーがそのような展開を見せ始めたところで、思い出してしまったのでちょっと愚痴ってみました。
ところで、女武芸者佐々木三冬さんですが、意識しはじめた男性にたいして女っぽく態度を変えるのは、私の趣味じゃないです。
妹が「ウィルスメールが着た」と大騒ぎして電話をしてきた。
メールを転送していた携帯電話で気づいてから「怖くてメールの受信ができない」状態になり、忙しくて電話をかけられないままに二、三日経過。その間に届くメールの返信もできずに不安ばかりをつのらせていたらしい。聞くとどうやらちまたで流行しているWindowsに感染するウィルスらしいので、Macには感染しないからと説得し、削除させた。これを機会にアンチウィルスソフトを入れるようにとこんこんと諭すが、実現するのはいつのことやら。ほんとうにMacを買わせてよかったよと思う瞬間です。
友人以外にアドレスを教えていないのにどこから来たのかといぶかる妹。それはあんたの友人からでしょう。でも、そんなところまでは面倒みきれません。
なぜなら、私の友人がいまウィルスメールで大騒ぎを演じているから。
どうやらこれもまた流行中のKlezとかいうのらしいんですが、自分に届いた上にべつの友人から「ウィルスメールが届いた」と指摘されてパニックに陥ってしまったようです。
それはわかるのですが、こちらの質問にも「わからない、できない」をくり返すばかりで、状況説明も曖昧なままでは助言のしようがありません。それでなくともMacユーザーの私は日々ウィルス情報をチェックしたりしていませんから(感染しないとわかればそれでおしまい)、Windowsとウィルスのことを調べながら答えているのに、情報がないから漠然としたことしか言えないし。
初心者とのやりとりで困るのは、「わからないところがわからない。状況説明がたりない・漠然としすぎている」といったところでしょうか。妹みたいにすぐそばにいて、画面を見ながら説明できるならともかく、情報がないと適切な答をさがすのも大変です。自戒を込めて、トラブル時にはまずは冷静に。
とにかく混乱状態なので、説明の載っているサイトを紹介しても頭に入らない模様。
ずーっとOSをバージョンアップせずに、当然ブラウザもメーラーもそのまんまで使いつづけていたため、問題がありすぎの状態だったことも背景としてあげられましょう。
もう、店でアンチウィルスソフトを買ってきた方がいいのではと言ってみたのですが、Windows95対応のソフトってまだ売っているのかしら。ちょっと不安になってきた。
夜中に暑くて輾転反側。ようやく寝ついたと思った明け方、ものすごい雷が。とどろく大音響。窓ガラスにビリビリと響き、ほんとに雷鳴か、すぐ近くに落ちたのかと、かなりびびりました。おかげで寝不足だー。
昨日の夕方もごろごろやってましたが、音はすごいのに雨はあんまり降らないんですよね。今朝の雷も雨はつれてきませんでした。ぱらぱらと小雨が申し訳程度にふったくらい。
昼前から子守りおばさんになったおかげで、きょうはもうイヤ、疲れた、早く寝たい、と思っていたはずなのに、フランス×ウルグアイ戦のものすごさに目が離せなくなり、風呂を先延ばしして最後まで見てしまいました。
ジダンを怪我で欠いて当初より不調のフランスですが、つくづくついていませんね。レッドカードが出たときには見ている私も驚きましたが、フランスベンチは信じがたい災難にまさに呆然といった感じ。その後の鬼気迫る展開に、めずらしく点数が入っている横浜戦そっちのけでサッカーに釘付け。どちらの国もこわいくらいでした。乱闘になるんじゃないかと思った瞬間が何度か。ファウルで倒しても、起きあがるのに手を差しださないシーンもあったし。まさに戦いという感じ。こわいといえば、主審の容貌もこわかったです(苦笑)。
結局引き分けてしまいましたが、ひとり少なくなってからのフランスは、自分たちの能力の高さを見せつけたと思います。しかし、絶対に勝たなければならなくなった次の試合、警告と累積警告のために出場停止の選手がふたりも。ほんとうについてないです、フランス。
橘香いくの『緋色の檻 後編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』(集英社コバルト文庫.2002.250p.476円+税)[Amazon][bk-1]。近世ヨーロッパ風の異世界を舞台にしたコメディーシリーズの十五冊め。『緋色の檻 前編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』のつづき。
腹違いの兄クライトン卿の招きにより、エクルントの郊外にあるウォクスリー館をたずねたフェリックス。母親の消息を求めるが答は得られない。フェリックスを心配して後を追ってきたコラリーは、かれが館から失踪したと聞かされる。私立探偵の皮を被る怪盗シュシナックとともにフェリックスの行方を捜索するコラリーだが、フェリックスの行方は杳としてしれなかった。
フェリックスが「母に捨てられた」傷とどうにか向かい合って克服する話。自分は捨てられるというトラウマから、大切な人をがんじがらめに縛りたいという欲望にさいなまれるフェリックス。実の父親と母親の間の真実や過去の出来事の真相を、現在の事件と絡ませてきちんと決着つけてくれたので、まずまずの読後感でした。
ふたりがラブラブになるのを待ち望んでいたわけではない(というか、やっぱりその過程というのが読んでて一番楽しいし)私は、フェリックスのいない間に強引な手段に出られず、非常に不本意ながら恋敵救出作戦に参加せざるを得ないシュシナック氏に同情(笑いながらというのが薄情)。
一読、これでシリーズ終了かと思わせるような落着の仕方なんですが、まだ続きそうなのはやっぱり、シュシナック氏の決着がまだだからでしょう。たぶん。
暑い暑い水曜日。最近日々暑さに文句をたれてますが、今日はことのほか暑かった。
その暑さの最中、二週間ぶりに図書館に行ってまいりました。そこで哀しい発見が。
『週刊ベースボール』購読中止。しかも、三月いっぱいで。
そういえば、最近見ないなーとは思っていたんですよ。ちゃんと棚に近づいて見ておけばよかった。貼り紙がしてあったのに、遠くから見ていただけだったのでまったく気づきませんでした。盗難のせいだと思うのですが、かなり残念です。がっくり。
- 橘香いくの『緋色の檻 後編』(集英社コバルト文庫)[Amazon][bk-1]
- 若木未生『熱の城 GLASS HEART』(集英社コバルト文庫)[Amazon][bk-1]
- 松井千尋『めざめる夜と三つの夢の迷宮』(集英社コバルト文庫)[Amazon][bk-1]
を購入。
余談。池上永一『あたしのマブイ見ませんでしたか』[Amazon][bk-1]って、『復活、へび女』を文庫に落としたものだったんですね。知らなかった。出版社も違うので、あやうく買ってしまうところでした。
四年前のことを思うと、なんて贅沢なという感じです。三試合で一点しかとれなかったところが、一試合で二点も。なのにやっぱり、勝てたんじゃあと思ってしまう。
準備万端整えて(笑)テレビの前に陣取っておったのですが、前半はまったく面白くなかったのでときおり『十二国記』を見たりしてました(話はやっぱりわからない)。
後半、先制点をとられてから俄然うごきが激しくなり、テレビのこちら側でも悲鳴がとびかい出しまして、失点シーンにはつい「なんだ、いつもとおんなじじゃん」と口走ってしまいましたが、稲本選手幻のゴールにはがっくりしましたねー。ワールドカップでも審判に恨みを持つ展開になろうとは。
それはさておき、二点とっても二点とられれば差し引き0。勝ち点1でも善良な日本人は大喜びですが、その少し後で韓国の素晴らしい試合を見てしまった日には、やっぱり勝ちたかったよな…と思ってしまう、無責任な傍観者。
野球の日程がとびとびなので、しばらくサッカー三昧に明け暮れそうです。地上波では中継が少ないのが不満だわ。
若木未生『不滅の王 ハイスクール・オーラバスター』(集英社コバルト文庫.2002.218p.438円+税)[Amazon][bk-1]読了。人を喰らう〈妖の者〉と戦う高校生術者たちの活躍を描くシリーズ。何冊目なんでしょうか。もうわからない(苦笑)。
『ヘヴンズ・クライン ハイスクール・オーラバスター』のつづき、というより、プレミアムブック『NEO』に収録された「シャドウ・イーター」のつづき、なんだそうです。そんなこと言われても、読んでません。でも、読んでいたところで、覚えているかどうかの保証はないんですが。
えーと、書くことがない(悩)。
最近の私がこのシリーズに感じることは、登場人物の状況の切迫さに、ものがたりの必然性が負けているようだということ。それぞれのキャラクターの苦悩や試行錯誤や葛藤はつたわってくるけど、〈妖の者〉と〈空の者〉の争いにリアルさを感じないんです。ひとつひとつの戦いはいろいろ目新しく工夫されているとは思うんですが、ふたつの陣営が争う切実な空気を共有できない。戦いの行く末を想像しても、世界に及ぼす影響みたいなものへとひろがっていかない。もう、若者の悩みにつきあう体力がないせいかもしれないですけど(苦笑)、読んでいてつかれます。
あと、内容がシリアスに生っぽく、文章が現代的になってゆくにつれ、炎将(名前が変換できない)まわりの時代劇な雰囲気がやたら浮いてますな。仰々しい台詞は、かっこいいですけど。
Amazonで既刊の検索結果を出そうとしたんですが、どうしてか三冊しか表示されないので割愛いたします。
週末から暑くてだらだらしています。半袖に衣替えして涼もうとしたら、体が冷えすぎて腹痛を起こしてしまったので、泣く泣く長袖復活。暑いよー(T.T)
まだまだ夏はこれから、というより梅雨にもなっていないのに、こんな状態で不安です。
一年でもっとも消耗する季節の前に、風邪なんかで温存していた体力を減らしてしまって哀しい。
風邪の悪化を怖れて図書館に行かなかったので、新たな本が補給できませんでした。それなら備蓄本(?)を読めばいいとエリザベス・ヘイドン『ラプソディ ―血脈の子― 下』[Amazon][bk-1]にとりかかりましたが、またもや進まない。そういえば、ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム・シリーズを借りてたのに、ちっとも読んでません(すでに延滞です)。このまま返却かなあ。
栗本薫『劫火 グイン・サーガ84』(ハヤカワ文庫JA.2002.318p.540円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界大河ロマン「グイン・サーガ」シリーズの八十四巻め。『嵐の獅子たち グイン・サーガ83』のつづき。
先月購入したはずなんですが、どうやら日記に書き漏らしていたようです。
激動の展開でストーリーは盛り上がってきています。そんな状況ではありますが、台詞が長々しく、いつまで喋ってるんだと後からはたいてやりたくなることがしばしば。特に夜の山道でくだくだ言い合っているふたり。せっかく緊迫しているところで緊張感のないことはなはだしい。だからぼんやりした頭でも読めるということはあるけれど、限度というものが…。