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2002年3月前半のdiary

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2002.3.1 /『イリヤの空 UFOの夏 その1』
2002.3.3 腰痛悪化/『疾(はし)るワン・ナイト・スタンド フルメタル・パニック!』
2002.3.4 /『穢土 ―エド―』
2002.3.5 サーバーメンテナンスのおしらせ/『魔女の結婚 さまよえる水は竜の砦』
2002.3.6 『ロード・オブ・ザ・リング』
2002.3.7 /『三国志 三の巻 玄戈の星』
2002.3.9 /『揺れるイントゥ・ザ・ブルー フルメタル・パニック!』
2002.3.10 /『カーマイン・レッド セトの神民 前編』『カーマイン・レッド セトの神民 後編』
2002.3.12 /『ソング・オブ・ザ・リバー 上』
2002.3.13 /『三国志 四の巻 列肆の星』
2002.3.14 嬉しい悲鳴/『放っておけない一匹狼(ローンウルフ)? フルメタル・パニック!』
2002.3.15 /『終わるデイ・バイ・デイ 上 フルメタル・パニック!』『終わるデイ・バイ・デイ 下 フルメタル・パニック!』
 2002.3.15(金)

 賀東招二終わるデイ・バイ・デイ 上 フルメタル・パニック!(富士見ファンタジア文庫.2000.202p.420円+税)[Amazon][bk-1]
 賀東招二終わるデイ・バイ・デイ 下 フルメタル・パニック!(富士見ファンタジア文庫.2001.270p.480円+税)[Amazon][bk-1]読了。
 SFアクションコメディーシリーズ「フルメタル・パニック!」の長編第四作。

 女子高生千鳥かなめの護衛任務についている相良宗介は、相変わらず戦争バカのまま周囲に多大な迷惑をまきちらしていた。一方、〈ミスリル〉では裏切り者を捕らえるため、宗介の同僚、クルツとマオがシチリア島に潜入していた。首尾よく進むかに見えた作戦は、思わぬところからほころびはじめる。マフィアの部隊に追われて逃げるふたりを応援に駆けつけたのは、中間テスト直前の宗介だった。

 まったく意味をなさないあらすじ紹介だ…。
 この話のポイントは宗介の成長とスタンスの変化だと思うんだけど、上巻ではそこにかかわる部分までの前置きがかなり長い。

 それまで生きることだけで精一杯で、動物のように刹那的に過ごしてきた宗介が、かなめの護衛という名目があるとはいえ、平和な世界で過ごすうちにしだいに人間として目覚めてきた。マオに人生設計を問われて考え込む宗介。すべてはかわっていくのだという漠然とした不安。そんなときに下された命令。それまでであればなんの疑問ももたずに服従していたはずの命令に、とてつもない拒絶感をいだく。そんな自分を持て余す宗介は、次第に任務に支障をきたすようになり…
 ネタバレしないようにと思いつつ、けっこう書いてしまったような(汗)

 宗介は悩んでますが、かなめはとてもかっこよかったー。普通の女子高生にこんなことできるかと思いつつも、行動にうつすまでの心理描写がきちんとされているのでそれほど無理がない。ヒーロー形無しの活躍で爽快でした。いちおう、アーバレストと仲直り(?)した宗介も最後に見せ場がありますが、やっぱりかなめでしょう、一番えらかったのは。

嬉しい悲鳴 2002.3.14(木)

 図書館へ行ったら、予約していた本が六冊到着。とりあえず、「フルメタル・パニック!」は即座に読むとして、問題なのは『琥珀の望遠鏡』と『グローリアーナ』。どういうペース配分をすれば二週間で両方読み終えられるでしょう。つづきが読みたくて『三国志』も借りてしまったし。ちょっと不安。

 賀東招二放っておけない一匹狼(ローンウルフ)? フルメタル・パニック!(富士見ファンタジア文庫.1998.252p.520円+税)[Amazon][bk-1]読了。長編は「SFアクションコメディー」の「フルメタル・パニック!」の短編集一冊目。こちらはちょっと変わった学園ラブコメディー、だと思います。
 平和な日常にまったく適応できない宗介の、大ボケな言動が巻き起こす小事件の数々。
 本人(宗介)が一生懸命なだけ、余計に笑いを誘います。
 しかし、この世界には変人がまだまだたくさんいたんですね。宗介だけじゃなく。

 2002.3.13(水)

 北方謙三三国志 四の巻 列肆の星(角川春樹事務所.1997.324p.1600円+税)(文庫版[Amazon][bk-1])読了。『三国志 三の巻 玄戈の星』のつづき。

 あらすじ書かずに感想だけというのも、けっこう大変だということがわかってきました。
 これだけ一生懸命読んでいても、中原の勢力図がいまひとつぴんとこない情けない私、そのうえ一族がぞろぞろ出てくると字面だけで人物を判別することの限界を思い知ることに。そうか、氏だけで見分けていたのか、私は…。
 そんな読み方をしていても充分面白いです、この本は。

 この巻は張飛(だったよね、たぶん)と従者の王安(だったっけ。すでに曖昧)の、いかにも男の主従といったやりとりが目をひきました。命がけの信頼関係とでもいいましょうか。殴る蹴る、半殺しの目にあわされる(もちろん、調練中のことで、意味もなく暴力的なのではないのですが)。それでも心は通い合っている。ぜったい普通じゃありません。なのに心をうつのです。熱いです、やっぱり。

 2002.3.12(火)

 スー・ハリソン(河島弘美訳)ソング・オブ・ザ・リバー 上(晶文社.1999.492p.1900円+税 Sue Harrison "SONG OF THE RIVER"1997)[Amazon][bk-1]読了。紀元前六千年のアラスカを舞台に繰り広げられる、愛憎物語。

 〈いとこ川村〉の少女〈雲〉は、〈おじいさんの湖〉と呼ばれる神聖な場所で、〈川隣村〉の若者三人に暴行された。反撃した〈雲〉はその中のひとり、〈カモメの翼〉を殺したが、後の二人には逃げられてしまう。〈川隣村〉では〈カモメの翼〉の妻〈昼の女〉がお産に苦しんでいた。難産の末に生まれた赤子を見て、〈昼の女〉の叔母〈ムクロジ〉は驚愕する。両足の外側三本の指が水かきのようにつながり、左足は曲がっていたのだ。〈ムクロジ〉は姪には黙って赤子を〈おじいさんの湖〉に置き去りにする。翌日、赤子は〈雲〉に拾われ、授かり子として育てられるが…

 〈アリューシャン黙示録〉で有名なアメリカ人作家の上下巻。とはいえ、私がこの本を借り出したのは〈アリューシャン黙示録〉を読んだからではなくて、たまたまもう二、三冊借りたいなと思ったときに目に留まったからだったのですが。じつは〈アリューシャン黙示録〉は読んでません。
 ジーン・アウルの「始源への旅立ち」シリーズにすこし似ているかと思うのですが、こういう本はどういうところに分類されるのでしょうね。ファンタジーというには現実的にすぎるし、歴史小説と呼ぶのもためらわれる(先史時代だし)、かといってSFというのもはばかられる。
 ストーリーには殺人事件という核がひとつあるので、先への興味がとぎれることはありませんでした。閉塞的な生活の中で繰り広げられる愛憎劇にはうんざりさせられますが。
 それから訳ですけど、紀元前六千年のアラスカの描写に、「パーカ」「ベッド」「お玉」などなどの言葉が使われるのは個人的に好みません。つづきを読むのは留保中。

 2002.3.10(日)

 霜島ケイカーマイン・レッド セトの神民 前編(角川ビーンズ文庫.2001.190p.419円+税)[Amazon][bk-1]、
 霜島ケイカーマイン・レッド セトの神民 後編(角川ビーンズ文庫.2002.284p.533円+税)[Amazon][bk-1]読了。未来SF。

 辺境の惑星タピス。乾ききった砂漠の迷路のような街、首都クラル。そこにはイスラム風の風俗文化をまといながら、古代エジプトの神セトを怖れる人々が住んでいた。五日前にタピスに降り立ったジャスパーは、占い師の老婆に女難の相と「赤の色に気をつけろ」と告げられる。暗殺者に追われる途中で出会った炎のような赤い髪をした少年。少年が通りすぎた広場で起きた爆破テロ。タピスに伝わるアム・ドゥアト(冥界)という名のユートピアの存在を口にして、テロ組織マヘスとの取引を望んだジャスパーに、首領サザルが提供したのは赤い髪の少年テロリスト、エイジュの同行だった。

 映画みたいな話だなーと思いました。ストーリーに必要なシーンだけを編集しまくってつなげた感じ。いろいろとしてあるはずの設定も、ストーリー理解に必要な分だけを最小限に説明。つっこめば面白そうな設定や、あれはなんだったのかとはぐらかされたような気分になる物事とか、けっこう置き去りにされた事物があるような読後感。
 主役であるジャスパーの背後関係も起きている事柄の背景もまったくわからずに進む序盤より、小出しにでも視界がひらけてくる中盤以降のほうがおもしろかったです。
 一族の鼻つまみ者であるらしいジャスパーと、生まれたときから忌まれてきたエイジュとの関係などは、ありきたりな描写でちょっとつまらなかったんですが、墓守のアケルのキャラクターがたのしい。
 種明かしはえらくスケールが大きくて、昔読んだ宇宙SF(ほら話)ってかんじでした。といってもそんなに読んでいるわけではないのですが。なんとなく、雰囲気として。

 2002.3.9(土)

 賀東招二揺れるイントゥ・ザ・ブルー フルメタル・パニック!(富士見ファンタジア文庫.2000.382p.580円+税)[Amazon][bk-1]読了。SFアクションコメディーシリーズ「フルメタル・パニック!」の長編第三作。

 千鳥かなめは、貴重な高校二年の夏休みを文化祭の準備に費やしていた。思い出が欲しい。一生忘れられないような。このまま夏が終わってしまうなんてひどすぎる。でもいいの。残り一週間の夏休み。家でおとなしくゴロゴロしているわ。愚痴るかなめに宗介が提案したのは、なんと「二人だけで、数日間、南の島へ行かないか」。驚きとまどい、そして心ならずも期待に胸を膨らませるかなめだったが、もちろん、思い描いたようなロマンチックな旅になるはずはなかったのだ。戦争バカの宗介と一緒では。

 また長編が届きました。長編は回転がはやいのか、短編集の予約が滞っているのか。ともあれ、続きが読めるのは嬉しいことです。
 いつもどおり、かなめが巻き込まれているけど、今回の巻き込まれ方は〈ミスリル〉の内部にかなりは入り込むような巻き込まれ方で、おかげで〈ミスリル〉のことやテッサちゃんが艦長を務める潜水艦〈トゥアハー・デ・ダナン〉や、さらにはウィスパード関係の謎についてもだいぶ詳しいことがわかってきておもしろかったー。
 緊迫したストーリー展開にかなめと宗介の微妙な関係がからみ、読んでいて飽きません。爽快なお話。
 宗介の日常での大ボケぶりと戦闘シーンでの有能さのギャップというのは、なんか変身ヒーローに通じるものがあるよなー。本人はまったく変質していないのに。

 2002.3.7(木)

 北方謙三三国志 三の巻 玄戈の星(角川春樹事務所.1997.318p.1600円+税)(文庫版[Amazon][bk-1])読了。『三国志 二の巻 参旗の星』のつづき。

 先週は借りられなかったので二週間ぶりにつづきを読みました。
 申し訳ありませんが、このシリーズはあらすじを書くことを放棄してます。
 これほど人口に膾炙しているもののストーリーをなぞるのもなんだか無意味という気がするし。なぞるだけの知識もないときては墓穴を掘りまくりそうだし。

 この巻のクライマックスは、やはり呂布の…でしょうねえ。このひとの愛馬とのつながりの描写は胸が熱くなります。全般的にこの世界では女の扱いがひどいんだけど、呂布の奥さんたちは人として扱われていた気がする。『三国志』ってみんなこんな調子なんでしょうか。面白いんだけど、そういうところにはちょっとひっかかります。

『ロード・オブ・ザ・リング』 2002.3.6(水)

 春休みに突入したらますます行きづらくなりそうなので、行ってきました『ロード・オブ・ザ・リング』。
 平日の昼間のことなので、少しはすいているのではと期待していたのですが、開場前の映画館に長蛇の列を発見してげんなり。まだ上映時間まで四十分近くあるのに。この映画館で並んでまで観た記憶って、ずいぶん遡らないと思い出せません。
 もう少し早く来るべきだったかと後悔しかけましたが、それでもひとりだったので危惧していたほど悪い席ではなかった。というより、だいぶんいい席に座ったような気がする。映画を見慣れていない人たちが多かったのでしょうか。まさかね。
 席についてもまだ上映まで間があったので、長丁場にそなえ、コンビニで購入したおにぎりをふたつ食す(上映は11:30から。とても腹がもちそうにない)。ついで、お手洗いに。余裕を持って席に戻る。見渡すとほぼ満席でした。なんか不思議な感じ。
 映画については、よかった以上の言葉は出てきそうにないので言いません。
 出来がよかったあまりにケチもいろいろつけたくなるけど、それもやめ。
 超大作を観るにあたり、一番不安だったのは最近弱っている腰だったのですが、全然苦にならなかったとはいっときます。集中していたせいでしょうか。みじろぎひとつしなかった、というわけにはいきませんでしたが、時計を見たいなんて一度も思わなかったし。ほんとに三時間近くあったとは思えない、濃密な体験でした。
 エルロンドを演じた役者さんがどこかで見たことあるーといつまでもひっかかっていたのと、となりに座っていた男子高校生とおぼしき三人組がガラドリエルさまをさして「FFのシヴァみてー」と言い合っていたのが傷といえば傷。
 見終わった後はゆっくりと余韻を楽しむために、さっさと帰宅しました。
 でも、帰ってみたら小鬼たちがいてそれどころではなかった(泣)。

サーバーメンテナンスのおしらせ 2002.3.5(火)

 このページの上の方にも、トップページにも書いておきましたが、2002年3月15日(金)〜21日(木)の一週間、トクトクでサーバーメンテナンスをする関係で、当サイトへのアクセスはできなくなります。
 たしか、昨年にもこんなお知らせを書いた気がするのですが、なんか…今回のはえらく期間が長いような。全サーバーを一度に、というのも初めてですし。(というわけで、同時期に別サイトのほうもアクセスできなくなります。)それにしても一週間というのは…。

 谷瑞恵魔女の結婚 さまよえる水は竜の砦(集英社コバルト文庫.2002.284p.514円+税)[Amazon][bk-1]読了。中世ヨーロッパによみがえったケルトの巫女の、結婚願望ファンタジー。『魔女の結婚 聖なる夢魔の郷』のつづき。

 千五百年後の世界に目覚めたケルトの巫女、エレイン。彼女に宿る《流星車輪》の力を欲しているヨセフ騎士修道会を探るため、黒魔術師でもあるマティアスとその一行は、「漁夫王伝説」のある街にやってきた。マティアスのつてで印刷工場を営むベルツ氏の家に身を寄せたエレインは、一人娘である美少女シャルロッテのねこかぶりな性格に反発するが、自分の女としての魅力に不安を抱くようになる。そんなとき領主でヨセフ騎士修道会の後援者でもあるゴートハルト家から「ベルツ家にいる娘を三男の花嫁に」という使者がやってきた。

 四巻目にしてエレインちゃんのまわりはだいぶ危険になってきたようです。
 ようやく魔女狩りの雰囲気もすこしは漂うようになってきましたし、本人はいまひとつ理解していませんが貞操の危機にもみまわれ、それはなにも得体の知れない男からだけではなくて、無条件に信頼していたマティアスからも…
 今回はマティアスがどれだけ危険な男であるかがこれでもかと描かれているような(笑)。
 マティアスとエレインの関係は、ふたりがふたりとも認めないままにどんどん深くなっていっているようでございます。ほとんどラヴロマンス。ときどき読んでて恥ずかしいです。おもしろいけどー。
 ファンタジーな要素はだいぶ薄まってますが、「《流星車輪》を宿しているエレインははたして結婚できるのか」という問題が浮上してきて興味をつないでます。

 2002.3.4(月)

 樹川さとみ穢土 ―エド―(エニックスEXノベルズ.2001.264p.860円+税)[Amazon][bk-1]読了。『楽園の魔女たち』の著者の現代日本ホラー。

 恋人美弥子を亡くして失意の日々を送る青年、天野誠二。彼は天才といわれた日本画家だった。ルポライター細田は、天野がゆずりうけた遺品を追って、彼を訪れた。変死した占い師が呪具として使用していた、黒い髑髏。天野はそれを手元に置くことを厭い、美弥子の死後すぐに売り払っていたのだ。天野は細田から、美弥子という女性は別にいる。愛した女性は戸籍を買ってなりすましていたのだと知らされる。混乱する天野の前に、死んだはずの美弥子が現れ、生前の約束を果たすようにせまる。「自分を描いて」

 この本はたしか『SFマガジン』のレビューで見て予約したと記憶してますが、到着するのに半年以上かかったので、すっかり存在を忘れていました。
 ふつうのホラーです。というと言い方悪いけど、ホラーとしてなんの違和感もなく楽しめるホラー。現代日本を舞台にした樹川さとみというのはこれを読むまで想像つかなかったのですけど、これだけ読んだ人には『楽園の魔女たち』の存在など想像できないと思います。見事に現代小説。構造はファンタジーといってもいいような気がするけど、雰囲気がすでにホラーなのです。
 読んでいておもしろかったのは、画家としての視点からの記述。ルポライター細田氏の周辺がにぎやかでこのあたりが唯一コメディーぽかったかな。けっこうコンパクトな本なのに、話の密度は高くて、短い時間で楽しめたのも嬉しかったです。

腰痛悪化 2002.3.3(日)

 最近、机仕事の時間が増えているせいで、腰痛がひどくなってます。
 就寝前にストレッチをしておりますが、どうやらそれだけでは追いつかなくなってきた。いえ、運動不足なことは重々承知しているのですが…。不精者なので。
 こんなことでは三時間の映画なんてとても観られません。やはりもう少し体を動かすべきだろうな。と思いつつ、仕事量を減らすことを先に考える私。
 そんなわけで、本日はパソコンから離れて過ごしましたが、そのわりにテレビ(Jリーグ開幕戦)を見つづけたりしたのて、あんまり意味がなかったような。罰が当たったのか「得点シーンは見ていないときに訪れる」といういつもの法則がまたも実現されてしまいました。ちょっと寺原を見るためにチャンネル変えただけなのに…。

 賀東招二疾(はし)るワン・ナイト・スタンド フルメタル・パニック!(富士見ファンタジア文庫.1999.340p.560円+税)[Amazon][bk-1]読了。SFアクションコメディーシリーズ「フルメタル・パニック!」の長編第二作。

 女子高生千鳥かなめの頭痛の種、同級生の相良宗介は、じつは無国籍軍事組織〈ミスリル〉の軍曹、戦闘のスペシャリストである。だが、平和な日本にあっては日常生活を平穏に送ることのできない戦争バカだ。かなめは宗介のためにいろいろと気を配っていたが、なかなか報われない。その日も期末テストの勉強を教わりに来るはずだった宗介は、とうとう現れなかった。なんの連絡もよこさない宗介に、苛立つかなめだったが…

 いつもならシリーズ物は一冊用意されるごとに刊行順に予約を入れていくのですが、短編集と長編は別読み可能という情報を受け、さらにつぎの短編集に予約がたくさん入っているのを見て、両方予約を入れてみましたら、長編が先に届きました。やっぱり、ほかのひとも順番に予約するのだろうか。

 で、一気読みです。
 あらすじには書けなかったけど、今回は〈ミスリル〉の美少女艦長テレサ・テスタロッサ大佐、通称テッサが大活躍。ウィスパードとかの謎に関する情報の掘り下げは少ないですが、アクションシーンはほんとに突っ走ってます。
 そしてテッサちゃんがかわいい。完璧をめざしていた天才少女のわりに、茶目っ気たっぷり。狼狽しているのにその理由が自分で理解できない宗介がおかしいし、あらぬ妄想をふくらませるかなめもかわいいし。
 あー、おもしろかった。ということで、つづきが来るのを待ちます。

 2002.3.1(金)

 図書館行き。
 「フルメタル・パニック!」、長編と短編と一冊ずつ予約していたうちの長編が到着。
 『三国志』の半分くらいが書架に戻っていて、安堵。さっそく三巻を借りる。
 以下を購入。

 秋山瑞人イリヤの空、UFOの夏 その1(メディアワークス電撃文庫.2001.306p.550円+税)[Amazon][bk-1]読了。

 夏休み最後の夜。中学二年の浅羽直之は、学校に忍び込んでいた。UFO観測に明け暮れた日々を不毛とは思わないが、それでもなにかをやりたい気分でいっぱいだった。無人のプールで泳ぐことを思い、緊張と期待でいっぱいになった浅羽。だが、プールには先客がいた。それが、かれと少女の最初の出会いだった。

 という感じの「第三種接近遭遇」ほか、三編を収録した青春(SF)小説。
 舞台が「いつ戦争になってもおかしくない」状況の日本である事以外は、ふつうの中学生の日常がみずみずしく描かれていて、文章のいちいちが感覚的に腑に落ちるのがときどきうっとおしくなるほどに鋭いです。おかげで忘れていた中学時代のイヤなことまでも思い出してしまいました。
 といっても話が不快なわけではなく、ごくごくオーソドックスな「ボーイ・ミーツ・ガール」のものがたりと、登場人物たちの個性とで、とてもたのしく読めました。
 問題は、私が「その2」を予約したのかしていないのか、定かではないことです。


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