Reading Diarydiary最新)・books
last update 2002.2.17

2002年2月前半のdiary

最新の日記インデックス
2001年 1月 2月前・ 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月 >>
2002.2.2 『アメリ』
2002.2.3 /『楽園の魔女たち〜月と太陽のパラソル(前編)〜』
2002.2.5 /『三国志 一の巻 天狼の星』
2002.2.7 /『コンビネーション』
2002.2.9 「ソルトレークシティー五輪」開幕
2002.2.11 腰痛/『砂の覇王 6 流血女神伝』
2002.2.13 フィギュアスケートを見る/
2002.2.14 /『晴れやかな午後の光 足のない獅子』
2002.2.15 フィギュアスケートを見る2
フィギュアスケートを見る2 2002.2.15(金)

 先シーズンのフィギュアスケートでは、異様に「アランフェス協奏曲」を聞かされた記憶があるのですが、今シーズンはそれほど偏った選曲はないみたいですね。
 これまでのところで複数回聞いたのは、オペラ「トゥーランドット」の「Nessn Dorma」。この曲はいまだ聴きつづけているサラ・ブライトマンのCDに収録されているので、イヤでも耳についてしまいます。
 それから「プロフェッショナル」とやらのサントラ。これは聞いたことがないので中継アナウンサーからの情報で知ったのですが。でも、あんまり印象的な曲とは思えなかった。
 サントラといえばもうひとつ「ブレイブハート」。これはCDをわざわざ買った映画なんですが、演技がぜんぜん関係ないところで繰り広げられていたのが残念でした。鎖帷子を身につけて演技しろとはいいませんけど、三銃士みたいな衣装はかんべんして。
 ある選手が使用していた「スターウォーズ」のサントラは、おそらく新しい方のものだと思うのですが、「ハムナプトラ」のサントラにとっても似ていた気が。おなじ作曲者だったのでしょうか。
 それからそれから、いちばん気になったのは、アメリカのトッド・エルドリッジ。アナウンサーの声がクリアーでなかったので、確かではないのですが、どうも「ロード・オブ・ザ・リング」と聞こえたような気が…。フリープログラムをつくる時期にもうサントラが手に入ったてこと? なんだかとっても羨ましいぞ。と、まるでスケートと関係ないところで舞い上がっていたのでした。

 ペアの採点で談合があったとやらで大騒ぎになってますが、そんなものなくても審判の偏向なんていつものことでしょ。と思う私はかなり投げやり?

 2002.2.14(木)

 駒崎優晴れやかな午後の光 足のない獅子(講談社X文庫ホワイトハート.222p.530円+税)[Amazon][bk-1]読了。前作『開かれぬ鍵 抜かれぬ剣 下 足のない獅子』で完結した、中世イングランドを舞台に地方領主の子弟が活躍する、あかるい冒険物(?)「足のない獅子」シリーズの番外短編集。四作収録。

 ギルフォードの両親、ハロルドとキャサリンの出会いと結婚を描く、そのものズバリの「結婚」。
 生まれたときから聖職者になることを定められたジョナサン・ハワード十四歳が、長兄の苦境を救い、自分もちゃっかり便乗してしまう「叙任」。
 両親を亡くしてブラッドフィールドの館に世話になるようになった少年トビーが、ギルフォードとリチャードによって悪の道(笑)に誘い込まれる「宝物」。
 父親に世話をしている猟犬と同じように育てられている少年ガイと、ブラッドフィールドのふたりの従騎士との出会いを描いた「掏摸」。

 どれもキャラクターたちの個性がきちんと描かれているので楽しめましたが、個人的にはリチャードのお母さんエリナーがちょっとだけ出てくる「結婚」が興味深かったです。アンジェラおばあさまも(ここではまだ「おばあさま」ではないけど)活躍しておいでだし。ハロルドとキャサリンはこれといって特徴のない、温厚篤実で寛大なひとたちというイメージなんですが、このふたりのおかげで他のひとたちの個性がきわだっているかなと。

フィギュアスケートを見る 2002.2.13(水)

 きょうは図書館へ行くのはやめにして、朝からテレビにかじりついていました。
 理由は五輪。フィギュアスケートの男子シングルショートプログラムを観るためです。
 午前九時半くらいから、お昼のニュースで中断を挟み、午後二時過ぎまで。
 見る競技フィギュアスケートですから、演技をただ見るだけでもけっこう楽しいのですが、始めから観ていると、どんどん選手のレベルがあがっていくのがわかり、おもしろい。まずスピード感がちがうし、技の切れ味も違います。そして、たぶんまわりの力の入れ方も違うからなんでしょうけど、コスチュームにも金がかかってる。

 コスチュームといえば、男子のコスチュームは女子と比べるといろいろ難しそうだなと思います。見たとたんに「これは決まっている」と思うものってほとんどないです。まず本人に似合うようにつくればいいのでしょうが、プログラムとの兼ね合いもあるだろうし。徹底的にプログラム優先で、キャラクターコスチュームみたいなのはいいんです。中途半端にエレガントをめざしたようなのが、みていて一番つまらない。(アメリのお母さんが好きだったのはどういう感じの衣装だったのかしらん)
 女子の場合はうすもののスカートが風になびくのがけっこう好きなんで、ふと思ったのですが、男子でもやってみたらどうだろう? もちろん、下にはズボンをはいて、イスラム神秘主義のメウレウィー教団(だったっけ?)みたいなかんじでくるくると。エレガント系の美形のスケーターであれば、似合うのではないかと思うけど。(だれかいる?(^_^.))

腰痛 2002.2.11(月)

 寒いのに外出しました。家族が美術館に行くというので、便乗。
 期待どおりに寒かったのと、祝日で大変混んでいたのと、腰がめったやたらに痛くなってしまったのとで、えらい疲れて帰宅しました。
 こんなに腰が痛くなったのは初めてです。その場で寝転がりたいくらいでした。
 この痛み、まさかインフルエンザの前触れじゃないでしょうね。

 須賀しのぶ砂の覇王 6 流血女神伝(集英社コバルト文庫.2002.250p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界歴史ロマン「流血女神伝」シリーズの八冊目。『砂の覇王 5 流血女神伝』のつづき。

 エティカヤの第二王子バルアンと、名目上かれの正妃となったカリエの乗る船は、エティカヤの首都リトアへ向かう途中でチムダという海賊に襲われた。バルアン共々囚われの身となり、船倉で船酔いのために気を失ったカリエ。だが、目覚めたときには、およそ囚人にはふさわしからぬ部屋の釣床にいた。知らないあいだにエティカヤの大海賊トルハーンの船に移されていたのだ。バルアンとトルハーンは旧知の間柄なのだという。カリエは海賊船で見習い修行に励むことになる。

 今度は海賊修行ですか。忙しいですね〜カリエちゃん。
 読みながらむかーし読んだ帆船についての知識がおぼろに戻ってきて、完全に忘れたと思っていたことでもつつけば「そういえば」くらいに思い出すことができるもんだということがわかり、なかなか興味深かったです。書かれている以上のことは思い出せないのですがね。

 物語についていえば、バルアンのお兄さんシャイハンの屈折したひととなりはどうして形成されたかとか、いつも超然としているラクリゼもじつはゆれうごく人間であったとか、人間として生きることを拒絶しつづけるジィキが、娘との対面にとまどうようすとか、今回は読みどころ満載でした。おもしろかった〜。

 ところで、エディアルドの存在はどんどん薄くなっていきますわね。カリエちゃんたら、バルアンやトルハーンの武術の腕を評価する対象としてしかエディアルドのこと思い出さないんだもの。しかも、その思い出し方ときたら、感情の全然交じっていない、ほんとうに「ものさし」として出してきたという感じで。本人の出番も全くなかったし。登場人物紹介では、いまだ主役級の扱いをされているのにねえ。

「ソルトレークシティー五輪」開幕 2002.2.9(土)

 というわけで(?)、ソルトレークシティーで五輪が開幕しました。
 大して興味もないのに、見始めるとだらだらと止まらない開会式中継。
 ソルトレークにひるがえる日の丸は、気のせいか、普段見慣れているものよりも白地に占める赤丸の面積が広いような気がした。赤白の比率がちょっと違うだけなのに、なにか落ち着きません。
 それにしても、どうして「夜」に屋外で開会式をするのでしょうね、こんなに寒い時期に冬季五輪が開けるような寒い場所で。(照明効果を考えてなのでしょうが。)出席した人たち、演じた人たちがとーっても寒そうでした。
 もういい加減見るのを止めようかと思ったときにフィギュア・スケートのクリスティー・ヤマグチが出てきて滑ってみせたり、今度こそ消そうかと思うとスティングとヨーヨー・マが出てきて「フラジャイル」を演奏したりするので、結局ほとんど最後まで見てしまいました。でも、よかったのって、それだけ。
 画面を眺めながら母親と「クリスティー・ヤマグチは島倉千代子に似ている」ことを確認しあい、「ほら、岸田今日子みたいな子はどうしたの?」「タラ・リピンスキーはプロに転向して、大金を稼いでいるらしいよ」という会話をしてました。私たちはフィギュア・スケートのどこをみているのだろう(苦笑)。
 時差があるので、今回はほとんど生中継は見られそうにありません。
 ま、それはそれでいいけどね。

 2002.2.7(木)

 谷山由紀コンビネーション(ソノラマ文庫.1995.256p.466円+税)読了。弱小プロ野球団を舞台にした連作短編集。自分の限界を自分で計り、賢い世渡りをしていると自負していたドラフト一位投手が、ファームたたき上げでひたすらに野球に打ち込む若手三塁手に対して抱く複雑な胸のうちを描く「ジンクス」など七編を収録。ほぼ絶版状態なので、図書館で借りてきました。

 うーん、おもしろかったー。
 全体から見れば小さなことかもしれないけれど、選手ひとりひとりにとってはたったひとつの人生の一コマを、みずみずしく描いた短編集。ノンフィクションと違って、読後感はとてもさわやか。しかも、野球に関するいろいろはホントにしっかりと書き込まれているから、その部分でも堪能しました。技術的な要素まで物語の中で説明しつつ、全然ダレない。選手ひとりひとりのプレースタイルが目に浮かぶようで、読んでいて何度もニヤリとしました。

 狂言廻しの役割をしている若手売り出し中遊撃手、名倉大志くんは、出来過ぎなプレイヤーだと思います。三割三十本三十盗塁かー。たしか、あとがきが書かれて以降では広島の野村選手と金本選手が達成していたと思うけど、名倉くんはそのうえにルックスもいいんですからねー。プラス、得点圏打率の高いこと。こんな選手、横浜にも欲しい…。
 脱線しましたが(^_^;)、その万人が認めるヒーロー性を持った名倉が主役なのではなく、かれの存在に影響された人たちの物語であるところが、この連作のいいところではないかと思います。
 名倉大志という人物に対してそれぞれに嫉妬やら羨望やら対抗心やらをいだきつつ、葛藤し、自分を見つめ直して、誰のものでもない自分自身の人生を歩んでいく。完全実力主義の世界ですごす時間というのは、一般人の送る時間より凝縮されたものなのかもしれないなー。と、これはスポーツ・ノンフィクションを読んだときにも思うことですが。

 しかし、ソノラマ文庫のイメージとはまったく違う作品ではありますよね。おなじ著者の『天夢航海』ともかなりイメージがちがいますし。でも、この作品にふさわしいレーベルをまったく思いつかない私。
 いっそのことベースボールマガジン社なんかならいいかと思うけど、そうすると野球に関心のある人しか読まないだろうしねえ。

 『天夢航海』といえば、長野五輪直前にインフルエンザに罹患し、熱にうなされながら読んでいた記憶がよみがえります。もうすぐ、ソルトレーク五輪が開幕。もう、あれから四年経ったのですね。年をとると月日が経つのが速いです(T.T)。

 2002.2.5(火)

 北方謙三三国志 一の巻 天狼の星(角川春樹事務所.1996.324p.1553円+税)(文庫版[Amazon][bk-1])読了。

 有名な『三国志演義』を、ハードボイルド作家から歴史小説家に転身した感のある北方謙三が完全に自分のものにして描く、熱い男たちの物語。という感じでしょうか。
 私には吉川英治の『三国志』を第一巻の途中で挫折した経験があって、その後『三国志』にはまったく縁のない人生を送ってきました。でも、まったく興味がないわけではなくて、物語は知りたいのですがとっかかりがなかった。一度、失敗してますからどうしても腰が引けてしまうのです。
 今回、この本に手を出したのは、作家妹尾ゆふ子さんのサイトでもりあがっていたのと、著者が北方謙三だったから。
 かなり以前に読んだ『武王の門』(上[Amazon][bk-1]、下[Amazon][bk-1])という南北朝時代を舞台にした歴史小説は、ほんとうにおもしろかった。ついで読んでみた『破軍の星』[Amazon][bk-1]はそれなりでしたが、『武王の門』は別格におもしろかったです。北方謙三のハードボイルドは読んだことないし、読む気もないんですけど、歴史小説は好みかもしれないと、この本でインプットされました。でも、それ以降、読んでなかった。たしか、そのときはまだその二冊しかなかったんだと思うのですが…。書架になかっただけかも(苦笑)。
 で、半ば忘れかけていた北方謙三。いつのまにやらこんなにいろいろと歴史小説を出していたんですねー。

 物語の流れはもともとの『三国志』をほとんど知らないので、私はどうともいえないのですが、あちこちからもれ承るところによると、かなりアレンジしてあるらしいです。そういえば、挫折するまでに吉川版で読んだシーンは全然出てこなかったような気もする。
 でも、中身が濃いです、この本。もたつくようなところはいっさいなく、というか、描写がほとんどなくて、どんどん話が進んでいく。流れのなかでひとりひとりの人間の個性がくっきりと浮かび上がる。私の好みとしては、もうすこし、場の雰囲気とかも欲しいなとおもうのですが、こんなに壮大な物語には流れを阻害して邪魔なだけかもしれません。とにかく、すらすらと読めます。吉川英治で挫折した私にも、これなら大丈夫。かもしれない(^_^;)。

 2002.2.3(日)

 樹川さとみ楽園の魔女たち〜月と太陽のパラソル(前編)〜(集英社コバルト文庫.2002.268p.495円+税)[Amazon][bk-1]読了。ファンタジーコメディーシリーズ「楽園の魔女たち」の十五冊目。『楽園の魔女たち〜まちがいだらけの七日間〜』のつづき。

 魔女たちのローカイドでの生活も軌道に乗り始めたころ、マリアの元に速達が届いた。「レディ・イネス危篤」。どう見てもローティーンにしか見えず、家事以外には取り柄のないマリアだったが、一応人妻。レディ・イネスは行方不明の夫ジェイルの母親なのだ。大急ぎでバードホールに駆けつけたマリアだったが、彼女を待っていたのは危篤の義母ではなく、ぴんぴんしている義母が喪主を務める夫の葬儀だった。

 『アメリ』の余韻の中、購入した中でもっとも雰囲気の似たものを選んだつもりでしたが…(汗)。
 ともあれ、今回はマリアが行方不明の旦那さんを捜す話。であると同時に「楽園」の魔女たちのこれからの展開が気になる話でもありました。
 ひとりひとりがばらばらに動いていて、それぞれ全然関連性がなさそうで、四方に向かって話が進んでいってるようなのですが、後編ですべてがまとまるのかと思うとなんだか楽しみですね。
 殿下のお相手が気になります。

『アメリ』 2002.2.2(土)

 友人と一緒に映画を観に行きました。珍しく、タダ券ではなく自腹を切って(笑)。
 観たのは『アメリ』(監督ジャン・ピエール・ジュネ)。ちょうど公開開始時に映画情報番組かなにかで予告を観て、気になっていたので、映画でもと誘われたときに「よし、あれにしよう」と勝手に決めてしまったのでした。結果的には気に入ってもらえたようで、私もとても楽しかったのでよかった。
 細部までつくりこまれ、考え抜かれた作品ですが、力がぬけてほんわりした雰囲気でつぎつぎと忍び笑いがもれるような「愛らしい」フランス映画でした。
 小さなネタをたたみかけるようにつないでいくところや、ほんとうに些細なことなのに「なるほど」と腑に落ちてしまうようなキャラクター描写で、私はなんとなく三谷幸喜や昔の佐々木倫子を思い浮かべました。
 この映画がマンガだったら、何度も何度も読み返してるなあ、私。アメリのお父さんの小人人形のエピソードが特にお気に入り。

 帰宅してから公式サイトを探しました。普段映画は観たときだけしか関心がない私には珍しい行動です。それでキャストやスタッフなどの解説まで読んでしまったのですが、アメリ(オドレイ・トトゥ)の相手役だった俳優(マチュー・カソビッツ)が『クリムゾン・リバー』の監督・脚本家であったことを知って、びっくり。あの映画、ラストはともかく、映像はけっこう好きでした。

 ついでに関連商品を。
 イポリト・ベルナール『アメリ』(リトル・モア)[Amazon][bk-1]は、ノベライズなのでしょうか。
 ヤン・ティルセン『アメリ』(東芝EMI)[Amazon]はいかにも「フランス、パリ」って感じでとても映像に似合っていた音楽のサントラ盤です。

を購入。


Reading Diarydiary最新)・books

当サイトの画像および本文は管理人「ゆめのみなと」に著作権があります。
本サイト内の画像や文章の無断使用・無断転載はご遠慮下さい。
Copyright(c)2000-2002 Yumenominato. All Rights Reserved.