2002年3月後半のdiary
■2002.3.18 /『滅びの道標 月光界秘譚3』
■2002.3.19 吝嗇の果て?
■2002.3.21 あしたから復帰
■2002.3.24 /『サトクリフ・オリジナル5 オデュッセウスの冒険』
■2002.3.26 不毛のきわみ/『三国志 五の巻 八魁の星』
■2002.3.27 /『イリヤの空、UFOの夏 その2』
■2002.3.28 つれづれ
■2002.3.30 プロ野球開幕
■2002.3.31 パソコンの道は険し
仕事用パソコンを買いに行く。
メモリとSCSIボード増設に一時間待たされる。それでも午前中に帰宅。お昼を食べてからセッティング。
そこで判明したこと。
増設したメモリが認識されない。SCSIコネクタの形状がちがうので接続できない。
店に電話をしたら、なんと店員がメモリ持参でやってきて、交換してくれた。びっくり。そりゃ、増設作業にも金を払ってはいるのだが。
疲れを癒そうと中継録画をみたら、また負けてた。
一時間待っているあいだに以下を購入。『暁の天使たち』をほんの少しだけ読んだ。
- 茅田砂胡『暁の天使たち』(中央公論新社C・NOVELS Fantasia)[Amazon][bk-1]
- 樹川さとみ『楽園の魔女たち 月と太陽のパラソル 後編』(集英社コバルト文庫)[Amazon][bk-1]
- 橘香いくの『緋色の檻 前編 有閑探偵コラリーとフェリックスの冒険』(集英社コバルト文庫)[Amazon][bk-1]
- バリー・ヒューガート『鳥姫伝』(ハヤカワ文庫FT)[Amazon][bk-1]
2002年のシーズンがはじまりました…そして負けました。
悔しいけど、壊れた試合をしたわけではないので、まあいいかと思います。先発投手が少ないから、三浦の時には勝ち星が欲しいけど、相手も佐々岡なわけだし。正直、ベストメンバーの広島相手に善戦したんじゃないでしょうか。ようやく念願のCMも何本か見られたし。そんなことで自分を慰めるのもどうかと思うが。
しかし、試合時間が思ったより短かったからって、1998年10月8日の映像なんて流さないでほしかった。あの顔もあの顔も、みんなもう(チームには)いないんだよ〜。泣けてしまうじゃありませんか。
図書館行きの予定で目覚ましをかけて寝たのに、時間よりもずっと早く地震で目覚める。もっと寝たいと布団でぐずぐずしていたら、寝過ごした。
ムアコックの『グローリアーナ』は、ついに一章分も読めずに返却。何度ページを開いても、一度に一ページ以上進まないんだもんな(T.T)。というわけで二週間借りていて読めたのは十数ページ。私には荷が勝ちすぎました。
もうひとつのがっかり。『三国志』のつづきがなかった。
そんなこんなでまたも、かわみなみ『シャンペン・シャワー 2』(白泉社文庫)[Amazon][bk-1]を購入。
サッカーの親善試合(再放送)をぼんやりと見てたんですが、日本代表がみんな長袖、手袋をしていた人もいたのに、ポーランドチームが半袖を着ていたので、現地の気候が想像できず、混乱しました。ポーランド人にとっては暑いくらいで、日本人には真冬並の気温ってどれくらいなんだろう。
秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その2』(メディアワークス電撃文庫.2001.324p.570円+税)[Amazon][bk-1]読了。『イリヤの空、UFOの夏 その1』のつづき。青春SF小説。
「その1」からつづいている「正しい原チャリの盗み方 後編」、ほか三編を収録。
特殊な状況下に置ける、ふつうの中学生の毎日というスタンスは変わらず。世界情勢や国の進んでいる方向など、背景はぼんやりとしかわからないのですが、日常生活に流れる得体の知れない緊迫感のようなものが、とてもリアルなのでした。それに、どうしてこんなにこまごまと再現できるんだろうと感心する心理描写。浅羽の妹、夕子ちゃんがかわいい。おもしろかった。
オーナーであるTBSの制作による横浜ベイスターズのCMが二十五日から放送開始だというので、ひまがあると興味がなくてもTBSにチャンネルを合わせていたのですが…ぜんぜんめぐりあえなかった(T.T)。なんという無駄な時間を費やしてしまったの。そういえば、日テレの番組CMは印象に残っているけど、TBSはぜんぜん覚えていないような。私が見られるような時間には放送しないということなのか。
e-hon経由で、中山星香『月魂の騎士 1』(秋田書店プリンセスコミックス)[Amazon]を購入。
北方謙三『三国志 五の巻 八魁の星』(角川春樹事務所.1997.292p.1600円+税)(文庫版[Amazon][bk-1])読了。
前の巻から張飛が大活躍。乱暴者の役割を演じているみかえりなのでしょうか。お似合いの嫁さんももらって、けっこう美味しい場面をさらっていってます。関羽と趙雲の影が薄いなー。
これは初心者の大ボケな感想なんですが、『三国志』って「三国」っていうくらいだから、国が三つ出てくるんですよね? ここまで北方三国志を読んできて、その三つの名前が一度も出てこないように思うのはただの見落としなのか、それとも「『三国志』を読む人は知っていて当然の知識」だから、説明するまでもないということなのか…。やっぱり、常識ということなんでしょうねえ。中国物は歴史の流れお構いなしにその本だけで世界を把握する私の場合、ここで描かれている時代背景もあんまりわかってないんですけどー(間抜け)。
午後から衣料品を買いにちょっと大きめのスーパーへ。
帰りに寄った本屋で、かわみなみ『シャンペン・シャワー 1』(白泉社文庫)[Amazon][bk-1]を発作的に購入。ストーリーはまったく覚えていなかったけど、ジョゼ関連のことは驚くほどよく覚えてた(苦笑)。
ローズマリ・サトクリフ(山本史郎訳)『サトクリフ・オリジナル5 オデュッセウスの冒険』(原書房.2001.250p.1800円+税
Rosemary Sutcliff "THE WANDERINGS OF ODYSSEUS",1995)[Amazon][bk-1]読了。『サトクリフ・オリジナル4 トロイアの黒い船団』の姉妹編。
イギリスの作家サトクリフが描くギリシャ神話の世界第二弾は、ホメロスの『オデュッセイア』のサトクリフ版。前作『トロイアの黒い船団』のあと、ギリシアの武将オデュッセウスが故郷のイタケをめざして旅立つところから始まります。それから地中海世界をあっちふらふら、こっちふらふらしながら十何年も放浪するオデュッセウス。自分は故郷にまっすぐに帰りたいのだと、本人主張するかも知れませんが、だれが信じてやるもんか(笑)。前途にある困難について必ず忠告を受けているのにもかかわらず、自分から頭をつっこんでしまう大バカ野郎です。かれの苦労はほぼ自業自得でしょう。おまけに自分の行為を反省しないし。おなじ船団にいた家来たちがあわれです。
そのあいだに、故郷ではオデュッセウスの帰還を待ちこがれる父親や奥さんや子どもが、当主不在のためにつらいめにあっている。もう、いい加減あんなやつ見捨てて、新しい人生を歩んだほうがいいよと言いたくなりました。
オデュッセウスに対する不満はこれくらいにして。
ギリシア神話は、北欧神話やケルトの伝説と比べると、いい加減で明るいかんじがしますが、それはやっぱり神さまが人間に簡単にかかわってしまうからのような気がします。大事なところで手をさしのべるというだけでなく、一見意味不明の干渉の仕方もしてくるし。過干渉の神さまとかれらに依存するひとびと。やっぱりあんまり好みじゃないです、ギリシア神話って。
でも、アラン・リーの挿画はうつくしい。
サーバーメンテナンスで更新ができないからと、感想を後まわしにして読む方に重心を移していたら、あとになってひどく後悔。記憶が薄れかけた状態で本をひっくり返しながら書くのは、とても面倒で手間がかかることでした。そんなことはすこし想像すればわかりそうなものなのに…。
そんなこんなでこの一週間、始めのうちは快調に読み進みましたが、あとになってペースがガクン。
まあ、こんなものですよね、私のすることだ…。
きのうからローズマリ・サトクリフ『オデュッセウスの冒険』[Amazon][bk-1]を読みはじめましたが、主人公のバカさ加減に本を取り落としそうです。ギリシアの古典にこんなことを書いたら罰が当たりそうですが。
先週たくさん届いた後なので、どうかなと思って出かけた図書館。案の定、なんにも届いていなかった。それにしても風が強い。
仕事用のPowerMacが立ち上がらなくなり、Apple正規プロバイダに電話で助力を請うたところ、「古すぎて」扱えないと引導を渡された。
買い替えなければならないのだろうか。しかし、現在使用しているソフトは現行バージョンのふたつ前だぞ。公表されている「OS対応状況」にも、古すぎて情報が載ってない。しかも、ああ、使用中のタブレットやらスキャナやらも、もう生産中止やら別系統の商品に吸収されていて、ドライバソフトがあるかどうかもわからない。それにプリンタも。
どうせやることは変わらないんだからと、OSのアップグレードもソフトのアップグレードも素通りしてきましたが、こういうことが起こるとその方針は間違いだったのかとぐらつきます。
でも、必要なければやっぱりバージョンアップは避けたい。システムが不安定になるのは、イヤだし。
しかたないので、現在のデータをなるべく使用できる方向でシステムを模索中。もしくは、混乱中。
通院。
やけに疲れるなと思ったら、外が温かいせいだった。冷房が入っているところまであった。イヤな季節が近づいてくる…。
麻城ゆう『滅びの道標 月光界秘譚3』(新書館ウィングス文庫.2002.236p.590円+税)[Amazon][bk-1]読了。『太陽の城 月光界秘譚2』のつづき。
太陽よりも月の光のほうが強く、月光を糧にする生き物たちが生息する月光界を舞台にしたシリーズのひとつ。「月光界秘譚」は、その月光界で太陽を崇めるジョーロウという国の滅亡の物語、なんですよね、たしか…。説明文が多いので読んでいるときに悩むようなことはほとんどない麻城ゆうですが、大きな流れをすっかり忘れ去りながらも支障なく読めてしまうのがコワイ。
今回は、スフィンクスとその子どもの玉ちゃんが活躍。緑魔はあいかわらず大ボケでとても頼りなく、潜在能力の大きさで力任せに世渡りしているかんじです。
フィリップ・プルマン(大久保寛訳)『琥珀の望遠鏡 ライラの冒険シリーズ3』(新潮社.2002.678p.2800円+税
Philip Pullman "THE AMBER SPYGLASS",2000)[Amazon][bk-1]読了。
『神秘の短剣 ライラの冒険シリーズ2』のつづき。
神秘の短剣の使い手である少年ウィルは、天使のバルサモスとバルクとともに、離ればなれになってしまったライラを探し求める。また、オーソリティーを信奉する教会組織も、ライラがイヴのように「人類を堕落させる」選択をする存在であることを知り、暗殺者を差し向けた。
母親のコールター夫人に捉えられたライラは、洞窟の中で眠り薬を飲まされつづけていた。延々とつづく夢の中で、ライラは死なせてしまった友人ロジャーと出会い、話をする。
圧倒的な物語。
なるほど、これはキリスト教会には受け入れがたい本だろうなあと思いましたが、キリスト教徒でない私の場合、そういうところにはまるで意識がなくて。つぎからつぎへと出てくる不思議な存在やものごと、できごとに翻弄され、真摯に生を全うし、死んでゆくものたちの姿に熱いものをおぼえつつ、最後までひといきに運ばれていったという感じのする読書体験でした。
たしかにめでたしめでたしの大団円にはほど遠いけれど、ずしりとした手応えの残る本だったと思います。
白熊の王イオレク・バーニソンや、魔女セラフィナ・ペカーラは期待どおり活躍してくれてとても嬉しかった。それにもまして異世界の小人族ガリベスピアンのシュバリエ・ティアリスとレディ・サルマキアのふたり。ふたりの存在がこの本の中で一番印象深く、哀しかった。こういう生き方って、現実的にはどうかと思うのだけど、物語の中ならばひねくれた私も涙を誘われます。ガリベスピアンたちはその後どうなったのかなあ。マダム・オクセンティールのもと、自分たちの世界で戦ってるのだろうか。
あと、なかなか理解できなかったコールター夫人。いつまたどんな悪事を働くのかとずっと身構えて読んでしまいました。ローク卿が必死になって彼女を助けてるシーンなんか、「身を挺してこの女を助けても、いいの? 大丈夫なの?」と忠告してやりたくなってたし(苦笑)。アスリエル卿ともども、なんとも複雑な人たちでした。その点、教会の人たちはひどくわかりやすかった。わかりやすいというのも危険なことなのね。