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2002年8月前半のdiary

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2002.8.3 欲望との戦い/『砂の覇王 8 流血女神伝』
2002.8.5 暑くてつらい/
2002.8.6 /『剣客商売 白い鬼』
2002.8.7 /『散歩屋さんの事件簿』
2002.8.8 残暑お見舞い申しあげます/
2002.8.10 最後までたどりつけない/
2002.8.11 /『陰陽ノ京 巻の三』
2002.8.12 /『図書室の海』『剣客商売 新妻』
2002.8.13 炎天下に帰宅/『マリア様がみてる レイニーブルー』
2002.8.16 一日に何リットル/『蒼い湖水(みず) キターブ・アルサール』
一日に何リットル 2002.8.16(金)

 非常に蒸し暑い。汗をびっしょりとかきつづける。クーラーをかけない鉄筋コンクリート住宅の中で一日過ごす私は、いったい毎日どれくらい汗を流しているのでしょう。乾く間もなく、つねに流れているし。
 図書館へたどり着くなり、本の返却、本の借り出しをして逃げ帰る。雲がもくもくとしていて、雷もゴロゴロ。しかし、雨は気配のみ。どうせ降るなら、一時間に五十ミリとか景気よく降ってくれないものだろうか。

 朝香祥蒼い湖水(みず) キターブ・アルサール(角川ビーンズ文庫.2002.254p.457円+税)[Amazon][bk-1]読了。アラブ風異世界を舞台にした「ヒロイック・ロマン」。『赫い沙原 キターブ・アルサール』のつづき。

 オアシス国家エラーン領主の座から追われたジャウザー家の四男、アルセス・サディマール・ジャウザーが、アル・シャマル族に身を寄せて二年。付近では渇水がつづき、重税に治安は乱れていた。けして涸れることのないはずの湖"青い水"までもが水位を下げているという噂に、アルセスは心穏やかではない。そんなおり、戦乱の最中に生き別れたアルセスの兄、ファラン・ナイル・ジャウザーよりの書簡が、クレイオ王国のサクス公の封緘を施されて届けられた。兄が生きていた。アルセスはアル・シャマル族の世話役カウスとともに、サクス公の所領イドリスへと向かう。

 違和感と疑問符とにしばられて、ぐだぐだといろいろ書いてしまった本のつづき。ですが、この度は、心の準備ができたというか、慣れが生じたせいなのか。それとも、自腹を切った本と借りた本への思い入れの違いのせいなのか。思いのほか、楽しめました。
 とくに、敵側ディラムの妾妃腹の息子サイードの近辺が、いかにも能なしで情の薄い血縁を持った不遇の貴公子という感じの展開ながら、アルセスのお姉さんアイシアさんや、利発でけなげで生意気な妹サルジュとのからみなどあっておもしろかった。
 主人公はまだ、そこにいて主役をあてがわれている、以上の活躍はしておりませんが、やっぱり、アル・シャマル族のカウスがかっこいい。
 戦いの部分が、なんだか立案段階から心許ない雰囲気なのは、それが狙いだったのだろうか。思いっきり、次巻に続いております。

炎天下に帰宅 2002.8.13(火)

 友人と昼食をご一緒する。
 近場ですべてを済ませる予定だったのに、あてにしていたショッピングセンターが休みで、結局繁華街まで出ることに。イタリアン・レストランに入って、食事をしながらだらだらとおしゃべりをして、三時過ぎに帰宅。
 外は暑いが、電車やビルの中は相も変わらず寒々、冷え冷えでした。

とみなが貴和『夏休みは命がけ!』(角川スニーカー文庫)[Amazon][bk-1]を購入。

 今野緒雪マリア様がみてる レイニーブルー(集英社コバルト文庫.2002.216p.438円+税)[Amazon][bk-1]読了。シリーズ十冊目。『マリア様がみてる チェリーブロッサム』のつづき。

 とりわけておいた『マリア様がみてる』。図書館の期限が近づいているので、購入本は後まわしにすることにして、先に読みました。
 この巻は新しく薔薇さまになった三年生と妹たちの、ちいさな心のすれ違いから生まれる葛藤を描いて、ちょっとブルーな展開。白・黄・紅、それぞれの姉妹たちの個性が、行き違いの原因やその後の展開にもあらわれていて、そのあたりがこのシリーズの醍醐味だなあと。
 そして、白と黄の薔薇姉妹(この書き方はなにやら(笑)の悶々には決着がつきましたが、いちおうヒロインの紅薔薇姉妹の話が、とちゅうで、ぶち切れてます。つづきが気になるー。本屋に行くとちょうど積んであるので、立ち読みしそうになります。予約、いつくるのかなあ。

 2002.8.12(月)

 恩田陸図書室の海(新潮社.2002.238p.1400円+税)[Amazon][bk-1]読了。恩田陸、初めてのノン・シリーズ短編集。十編を収録。

 並行読書をする、一番の原因だった本。
 一編読み終えるたびに満足感にひたってしまい、つぎのページを繰るための気力がなかなかわいてこないのです。だから、別の本を読んで気分転換を図っていた。
 作者のあとがきによると、「大長編の予告編」的な作品が多くて、導入部のうまさをつまみ食いしつつ、つづきが読みたいーともだえる話がずらずら。たぶん、ひとつずつ感想を書こうと思えば書けるのですが、いまはとてもそんな体力がないので、割愛させていただきます。つまみぐいといっても、物足りないというわけではなく、どっぷりと恩田陸ワールドにひたることはできました。表題作の「図書室の海」は『六番目の小夜子』の番外編。
 なかでは「オデュッセイア」が好きかなー。なんか、動く城塞都市のココロコがかわいい。名前がかわいいからかなー。絵本ぽい雰囲気で、話は壮大で、読後が楽しくて爽やかでした。

 池波正太郎剣客商売 新妻(新潮社文庫.1990.334p.514円+税)[Amazon][bk-1]読了。シリーズ六冊目。『剣客商売 白い鬼』のつづき。

 題名がすべてを語っています。
 もう、ここまでくるとネタバレなしには書けないことばかりだわ。
 「川越中納言」という隠微で汚い事件の話を読んでいたとき、ラッキーの「タルマ&ケスリー」シリーズにこんな話がなかったかと思ったのですが、確かめる手段がなく、とても気になりました。
 「道場破り」は道場破りをして生計を立てている人物の話ですが、こういうのは現代だとどういう職業になるのだろう…。うーん、感想ともいえない感想ばかりだな。

 2002.8.11(日)

 渡瀬草一郎陰陽ノ京 巻の三(メディアワークス電撃文庫.2002.266p.510円+税)[Amazon][bk-1]読了。平安京に陰陽師たちの活躍を描く、シリーズ三冊目。『陰陽ノ京 巻の二』のつづき。

 季節は夏。雨の気配はない。陰陽師阿倍晴明は、不安を覚えていた。かつて陰陽寮総出で愛宕山に封じた化け百足。それがあらわれたのはこんなふうに日照りの続いたあとに降った大雨のときではなかったか。
 龍神の血を引く外法師、弓削鷹晃は、ひとり笛を吹くゆうべの自分を見つめる気配を感じていた。悪意は感じられないものの、ひどく気になる気配。かれは気配をたどって、年老いた外法師と出会う。

 化け百足退治と、弓削鷹晃の出生にまつわる話。
 前巻に比べて動きの多い話でした。絡む因縁話が、負の感情をともなっていなかったせいか、大雨の最中にもかかわらず、雰囲気は明るかった。
 陰陽寮の登場人物が増えて、保胤の同い年の甥、賀茂光榮と、住吉清良の兄、兼良のふたりは、この話にはめずらしく若々しいキャラクターで楽しかったです。
 ところで、主役のはずの慶滋保胤くんは、まわりじゅうから気をつかわれているというか、心配されているというか。頼りにされているけど気づかわれながらという雰囲気で、よほどみんな彼のことが好きなんだなーと思われました。

最後までたどりつけない 2002.8.10(土)

 相変わらず暑く、さらにかなり強い風が吹きまくっております。家の中はほこりだらけでザラザラです。
 べたべたと暑いのよりはずーっとらくですが、それにしてもいつまで続くんでしょうか、この暑さ。いつもなら梅雨明けくらいにはじまる目のかゆみが、いまごろやってきて苦しい。気づくとゴシゴシこすって、さらに悪化させている。体力がすり減っているのと同時に、気力も摩耗していると感じます。
 その最たる現れだろうと思われるのは、本を一冊、読み切れないこと。
 まー、最近短編集に手を出していたのも悪いんですが。短編集は一作読むと区切りがついてしまって、勢いが止まるので。それでも「剣客商売」と『図書室の海』と『陰陽ノ京』と「封殺鬼」を交互に読むのって、なんだかヘンだし、この取り合わせでそれぞれに一気読みができないっていうのは、かなり問題有りだと思う。
 あと、「マリア様がみてる」は仲間に入れないようにして、とってあります(笑)。

残暑お見舞い申しあげます 2002.8.8(木)

 通院後、あまりの暑さにへばってしまい、毎日だらだらと過ごしておりました。
 きょうは、風が強いのと、ちょっと乾燥しているのとで、すこし楽でしたが。
 ぬけるような青空がひろがっていて、空だけみると、秋みたいです。ただし、立秋だからというわけではなく、たんに太平洋高気圧の中心に近いかららしい。ということは、これはハワイ並の気候ってことですか(どうしてここにハワイが出てくるかというと、太平洋の真ん中付近にあるのでなんとなく)。
 ハワイの夏の方が、らくじゃん。
 バワーズの好投も、湿度の低下と関係あるかもしれない。

 2002.8.7(水)

 麻城ゆう散歩屋さんの事件簿(小学館パレット文庫.2002.248p.514円+税)[Amazon][bk-1]読了。ペットシッターの青年が出会う事件を描いた、かるいミステリ。

 結城勇樹は、叔母の経営するペットシッターの会社でアルバイトをしている大学一年生。受け持ちの馬鹿でかいコリーは、ミステリ作家だという桜氏の飼い犬だ。安直にラッシーと名づけられたコリーの朝夕の散歩の時に、必ず通るある一軒の家があった。高級住宅街の中でも特殊なデザインの凝らされたその家は、古びてはいないものの手入れがされておらず、荒れ放題のひろい庭がラッシーの羨望をかき立てているようだった。ある朝、いつも通りにその家の前を通りかかったラッシーと勇樹は、無人と思われていた敷地から飛び出してきたポメラニアンの子犬と、その飼い主の少女と出会う。

 少年と青年の境目って、何歳なんだろう。
 というのは、この本の内容にはまったく関係ないのですが、勇樹の形容詞をどちらにするかで悩んだので。大学生を少年と呼ぶのはちょっと違和感あるけど、青年にはもうすこし骨太な響きがあるような気がするなあ。ま、どうでもいいんですが。
 話自体は、からくり屋敷の仕掛けを解くミステリー。「散歩屋さん」というペットシッターの仕事が変わった彩りを添えていて、麻城ゆうの話の中では理屈っぽさがいいほうに出た本だと思う。
 あとがきで「真冬の発行なのに、夏休みの話」で申し訳ないと書いてありましたが、夏に読んだからまったく大丈夫。というより、現実の夏はもっとだらだらしてべとべとして、うざったいものだよと、文句をたれていたのは私です。そんな本は読みたくもないですけどね。

 2002.8.6(火)

 池波正太郎剣客商売 白い鬼(新潮社文庫.1989.350p.514円+税)[Amazon][bk-1]読了。親子剣客の活躍を描く時代物シリーズ五冊目。『剣客商売 天魔』のつづき。

 表題作の「天魔」はシリアルキラーの話です。このシリーズには、普通の情のからんだ因縁話のほかに、猟奇殺人の話がときどきふくまれているのが異質なかんじです。犯人側視点からの描写がないので、不気味さがより際だっている。
 しかし、現代の基準でいけば、主役からして立派に殺人者なのではなかろうか…と思う私は、母親に言わせると時代物を読むための素地が欠けているんだそうな。
 あとは「三冬の縁談」。佐々木三冬さんの縁談話に、うろたえまくって役に立たない大治郎の姿がおかしかった。

暑くてつらい 2002.8.5(月)

 通院日。むちゃくちゃ暑いところと、むちゃくちゃ寒いところを行き来しているうちに、頭が朦朧としてくる。体温調節機能が狂ってしまいそう。
 暑さが収まるまで、薬の量を増やすことにとうとう同意。これ以上こわばりがつづくと、また変形が強くなるかもしらんと思い始めたので。
 肘関節の開きが悪くなっているらしく、血液検査の時、いつもの血管が浮き出なくなって、別の血管に針を刺されたのもショックでした。
 涼しくなってから減らす苦労は、もうこの際、無視することにする。

 帰りにCDプレイヤーを眺めにカメラ量販店に立ち寄る。ほんとに眺めるだけだった。壊れたCDプレイヤーを買ったときと、時代がまるで違うことを実感。単品のプレイヤーは高級品ばかり。安く買おうとすると、CDラジカセくらいしかない。でも、私の部屋にはCDラジカセを置くスペースはないのですー。ええい、どうしてくれようか(涙)。

 を購入。
 ぼーっとしているうちに買い逃したものがたくさんあるような気がする…

欲望との戦い 2002.8.3(土)

 昨日の雷雨で少しは過ごしやすくなるかと期待したんですが…。やっぱり暑いじゃないですか〜(涙)。昨夜も結局熟睡とはほど遠かったし。
 暑さに負けて、毎朝冷たい牛乳を飲んでいたら、胃の調子がおかしいです。そして、冷たいものを際限なく飲み食いしたい衝動に襲われてます。危険信号。負けて欲望のままに突っ走ると、寝込むことになるので我慢我慢。でも、飲みたい。

 須賀しのぶ砂の覇王 8 流血女神伝(集英社コバルト文庫.2002.244p.476円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界歴史ロマン「流血女神伝」の十冊目。『砂の覇王 7 流血女神伝』のつづき。

 海賊に捕らわれていたエティカヤの第二王子バルアンの正妃として、ルトヴィア皇帝ドミトリアスの保護下に入ったカリエ。平穏な生活に安穏としていたカリエだったが、亡国のカザリナ皇女としての自分が、ドミトリアスやトルガーナ伯爵となったミューカレウスの結婚相手と目されていることを知って愕然とする。自分はなによりもバルアンのマヤル(正妃)なのだと自覚するに至ったカリエの前に、北公とのつなぎをとるためにゼカロにいるはずのラハジル・ビアンが現れる。

 うーんうーん。ザカリア女神の恩寵を賜る存在って不幸。これじゃあ、まるで女神のために世界のすべてが存在するみたいですねえ。カリエちゃんも災難だけど、この災難をこの程度に受けとめられる強さも生半可なことではないなあと、ただただ嘆息。相手がサルベーンだからだろうか…。
 大海賊トルハーンの処遇をめぐる記述で、ルトヴィアの社会と国民の現状について、またドミトリアスの改革のむずかしさについて、とてもわかりやすく説明されていて、カリエちゃんの波瀾万丈だけではない物語世界の幅広さ、奥深さが感じられる一冊でした。
 次巻で『砂の覇王』は最終巻。バルアンのトルハーン奪回作戦と、カリエちゃんの行く末はいかに。


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