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2002年9月前半のdiary

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2002.9.2 絵はがきになりそうな/
2002.9.4 /『竜の挑戦 上 パーンの竜騎士8』『竜の挑戦 下 パーンの竜騎士8』
2002.9.6 /『GLASS HEART 熱の城』
2002.9.9 いつもの悪夢/
2002.9.10 本を分ける/『十六夜異聞 二 影の王国』
2002.9.12 怖いこと/『運命の糸車 グイン・サーガ86』
2002.9.13 今日の出来事/
2002.9.15 /『西の魔女が死んだ』
 2002.9.15(日)

 梨木香歩西の魔女が死んだ(新潮文庫.2001.226p.400円+税)[Amazon][bk-1]読了。

 学校に行けなくなった中学生のまいは、大好きな母方のおばあちゃんのもとでしばらく過ごすことになる。
 自然の豊かな人の少ない場所に住むおばあちゃんは、イギリスの人だ。まいはおばあちゃんの監督のもと、魔女の修行をすることになる。

 この本は再読。小学館から出ていたハードカバーを読んでいたので、文庫に落ちたときにはしばらく遠くから眺めていたのですが、後日譚らしい短編が収録されているという情報を得て、購入しました。それも一年くらい前の話ですが。
 冒頭と終わりしか覚えていなかったので、ゆっくりじっくり読みました。
 まいの心がどんなことで傷つき、どんなことで癒されるのか。小さなエピソードの積み重ねですが、読みながら自分の体験をかさねて思い起こさせるようなみずみずしさ。
 むきだしの心をかかえた子どもは、さまざまな日常の積み重ねで、生きていくことがどういうことなのかをすこしずつ知っていく。その過程でおばあちゃんがそっとそえてくれる、温かい手。
 まいはおばあちゃんからさまざまなことを吸収し、次第に生きる力を取り戻し、そのうち、おばあちゃんもひとりの人間なのだということに気がつく。苦い形で。
 「アイ・ノウ」
 おばあちゃんの、まいを励まし、落ち着かせ、心を温めてくれるこの言葉が、ラストシーンでくり返されたとき、涙がじわりとこみあげてきました。

 「渡りの一日」は、父親の単身赴任先に母親と移り住んだまいの、あたらしい友達ショウコとの一日のできごと。
 ひとつの経験を糧にしてすこし成長したまいの姿が、彼女の視野の広がりにあらわれていてちょっとうれしかった。

今日の出来事 2002.9.13(金)

 二週間ぶりに図書館へ出かけたが、予約本は一冊も届いていなかった。
 三冊借りて帰ったうちの一冊しかまともに読まなかった人間の愚痴ることではありませんが。
 つづけて借りているシリーズものも、ストックしてある「いつかは借りたい本リスト」中のものも、まったく見つからなかったので、以前借りたけど読めずに返した本と、何もないときに借りてくる本を借りた。

 妹から購入を頼まれた宮部みゆき『理由』。出版社を忘れていたので、一番手近な本屋で買えなかった。
 そこらですぐに見つかるだろうと高をくくっていたのだが、小さな本屋でそんな甘い考えは通用しなかったのです。図書館で検索し「朝日文庫」だと判明したあとで、朝日新聞の連載小説として毎日読んでいた記憶がよみがえった。出版社は移っていなかったのか。新潮かどこかで出てるものだと思いこんでいた自分。もう一件小さな本屋で冒険するのはやめて、大手に行くことにする。

 繁華街へ向かうバスの車窓から、○ジテレビの中継車を目撃する。
 とある川のとある橋の上で。
 まわりにも暇な見物人がかなりいた。曇ってはいたが、日が射すとかなり暑い。そんな中でご苦労なことだと思っているうちに、バスは現場を通りすぎた。

 宮部みゆき『理由』を購入。
 新刊平積み所にもレジ脇にも、山と積まれていたので、がっくりする。
 サトクリフ『ローマとケルトの息子』はまたも発見できず。服飾関係の本も見つからなかった。

 本屋の一軒とCD屋一軒の店内レイアウトがかなり変わっていた。
 ショッピングビルのそのフロア半分くらいがテナント入れ替えで閑散としている。最近、繁華街は行くたびにどこかしら変わっている。地下街では喫茶店が閉店していたし、見たことない安売りお菓子の店なんかがあったり。そのささいな違いにいちいちストレスを感じる私はトシなのだろうか。なんといっても一番のストレスは本屋のレイアウト変更なんだけど。

怖いこと 2002.9.12(木)

 現在、私がもっとも恐怖するのは体重計にのることです。

 先日、医者に「痛み止めを飲むときには必ず胃薬を飲むように」と言われてから、おとなしく、朝晩の食事後に顆粒状の青い胃薬を飲んでいるのですが、予測していたとおり、ものすごく腹が減るのです。

 朝食を食べてから二時間もたたないうちに、胃が空腹感を訴えてきます。くるしいです。さっき食べたばかりなのにと思うと、なんだか悔しくもある。そして悲しい。空腹感ってなんで悲しいんだ。
 そんな思いを二日ばかりつづけた後に、私の朝食量は増えました。

 夕食後は、もっと悲しい。
 夜中に目覚めるとお腹が鳴っている。しかし、いくら何でも起きて何かを食べようとまでは思わない。しかし、腹は鳴る。眠れない。
 そして、夕食のご飯の量も増えました。

 運動量は、以前のままです。
 怖いので、涼しくなったら運動しようかと思います(涼しくなったら、というのがくせ者)。

 栗本薫運命の糸車 グイン・サーガ86(ハヤカワ文庫JA.2002.318p.540円+税)[Amazon][bk-1]読了。異世界大河ロマン「グイン・サーガ」シリーズ八十六巻。『蜃気楼の彼方 グイン・サーガ85』のつづき。

 これも、購入時にちょい読みかけて止まってた。読みはじめると一気なのだけど、手にとる気分になるまでが大変。いや、最近はどの本もそうなんですが。
 イシュトヴァーンがメインのわりには暗くならない巻だった。アムネリスは…ですが。
 読み終えた後で前巻とどう状況が変わったのかを考えますと、…もう少し話が進んで欲しいなあ。そういえば、ヤツはどこへいってしまったのだろう。

本を分ける 2002.9.10(火)

 積んである本の山を、読了本と未読本に分けました。
 そんなの基本だろう、と自分でも思うのですが、暑さに朦朧とした頭は基本すらも認識できていなかった。なかに読みかけも発見して、自分に呆れる。
 十冊以上ある未読本(探せばまだ埋もれているかも)を積み上げて、さて、どれから読もうかと思案する。やっぱり、読みかけからかしら。

 諦めずに読んでいる、植田重雄『ヨーロッパの祭と伝承』[Amazon][bk-1]。今日読んだところで印象に残ったのは、「ワインの守護聖人ウルバン」の記述でした。たんに、ウルバン君(@『真世の王』)がこんなところに〜という、それだけのことなんですが。

 榎木洋子十六夜異聞 二 影の王国(集英社コバルト文庫.2002.220p.438円+税)[Amazon][bk-1]読了。ファンタジーシリーズ「影の王国」番外短編集。時系列的には『ブルー・ムーン 影の王国12』のつづき。

 異次元の月に存在した「影の王国」が瓦解した後の、登場人物たちのその後。買った後、少し読んだのですが、その後存在を忘れていた。
 一番出番が多いのは、黄の王子琥珀であった月留くん。地上に戻った月哉たちの後を受けて、新王とともに王国の今後のために奔走しています。月留くんの成長をみたい場合は読んでもいいかな。読者の期待する方向で収束する後日談というおもむきの一冊でした。

いつもの悪夢 2002.9.9(月)

 ようやく酷暑にひといきがつき、暑さのあまり眠れなくなるという状況から解放されて、嬉しいかぎりなのですが、最近悪夢ばかり見るので熟睡できません。
 いや、熟睡できないから悪夢を見るのか。
 これが古代インカの儀式の夢なんぞならロマンチックなのですが、私の悪夢はそんなファンタジーっぽいところはまるでありません。
 悪夢にはいくつかのパターンがあって、見ながら、「ああ、またこの夢を見ているな」と思っている場合が多い。すごくイヤです。
 そのうちのひとつは、駅でなかなか電車に乗れない、というもの。

 たどり着くと駅名が変わっていて、なぜか行く先も変わっていたり。駅舎が知らないうちに改築されていて、目的のホームになかなかたどりつけなかったり。その前に、行く先までの運賃表がなくなっていたり、自動券売機が妙な具合に改良(?)されていて、自分で切符の値段を入力しないと購入できないようになっていたり、それがテンキーじゃなくて、1と5と7しか入力できなくて、あとはプラスマイナスで計算するようになっていたり、お金を入れると小銭ばかり(しかも五百円玉とか百円玉はナシ)でお釣りが戻ってきたり、その中にはなぜか「八円玉」というのがふくまれていたり、一円玉の不良品(!)とかいうのも混じっていたり。それを財布にうつすのにものすごく手間取って、うしろにたくさんのヒトの列が形成されてしまい白い目に怯えたり…

 という具合に、まさに「悪夢」な状況がこれでもかと繰り広げられるのです。
 なかで一番「やだーっ」と逃げたくなったのは、小銭の山を見たときかなあ。
 小銭をつかんで移す、という行為がとことん苦手な私は、普段でもレジで小銭を出すのがイヤなばかりにたくさんのお釣りで財布をふくらませてしまうのでした(バカです)。
 とすると、この悪夢の肝は、「小銭」だろうか。「駅」ではなくて。

 熟睡できない理由は、わかってます。頸です。頸が痛くて、枕が頭の重みでへこんでくると、さらに痛くなるのです。
 しかし、頸が痛い夢は見ないんですよね。なぜだろう。

 植田重雄『ヨーロッパの祭と伝承』(講談社学術文庫)[Amazon][bk-1]を読んでいると、かならず寝てしまうのに困っています。文芸書以外の本を読むのが久しぶりだからか。たぶん、読み終わらないと思うけど、読んでも感想書かないと思います。読んだ分がちっとも頭に残ってないし。

 2002.9.6(金)

 若木未生GLASS HEART 熱の城(集英社コバルト文庫.2002.252p.505円+税)[Amazon][bk-1]読了。青春バンド小説「グラスハート」シリーズの八冊目。『GLASS HEART 冒険者たち』のつづき。

 熱いなあ。
 この話を少し涼しい日に読んで、よかった。倒れそうに熱いです。浮かされている。
 なんだか、「音楽」という名の異世界に入り込んで、現実世界に戻れなくなったひとたちの物語というイメージが浮かびました。それは普通に常識のなかで満足して暮らしていられる人たちには想像もつかない、心地よく浮遊した非日常で。天才藤谷先生は、異世界の女王に愛され過ぎたヒト。はたからみると、このうえなく光栄で幸せなことのように思えるけれど、それは逃れられない桎梏でもあり、そのまま踏みとどまると人間としての存在を薄れさせていくような副作用を持っている。その果てに待っているのは、肉体を捨てて純化され、至高の音となるという結末。最後の方は、ファンタジー風にアレンジした創作ですが(笑)

 ともあれ、まだ登場人物は現実世界に住んでいます。音楽に浮かされながら、とぎれとぎれに浮かんでくる日常と感情。読んでいて、音楽が聴きたくなりました。CDプレイヤーが壊れてから、聴きたいときに聴きたい曲を聴くのが、とてつもない贅沢であった時代に想いをはせたりしています。はやく買おうよ、CDプレイヤー。

 2002.9.4(水)

 アン・マキャフリイ(小尾芙佐訳)竜の挑戦 上 パーンの竜騎士8(ハヤカワ文庫SF.2001.395p.740円+税 Anne McCaffrey "ALL THE WEYRS OF PERN",1991)[Amazon][bk-1]、
アン・マキャフリイ(小尾芙佐訳)竜の挑戦 下 パーンの竜騎士8(ハヤカワ文庫SF.2001.405p.740円+税 Anne McCaffrey "ALL THE WEYRS OF PERN",1991)[Amazon][bk-1]読了。
 入植して2500巡年。惑星パーンに定期的にやってくる災厄「糸胞」に対する、竜騎士たちの戦いを描くシリーズ。

 南ノ大陸で発見されたのは、パーンに入植した先祖たちが使用していた人工頭脳アイヴァスだった。アイヴァスは永き眠りより覚め、失われてしまった多くの知識や技術を提示する。その行き着く最終目的には、パーンの人類を悩ませつづけてきた糸胞根絶の可能性への示唆があった。火山活動により南ノ大陸から入植者が去るまえに、最優先課題としてアイヴァスにあたえていったのが、糸胞根絶の方法を探ることだったのだ。
 ベンデン大巌洞ノ頭領フ−ラル、ルアサ城砦太守ジャクソムを始めとする人々は、アイヴァスの助言を実行に移すことで、糸胞根絶へと動きはじめるが、アイヴァスを「忌まわしきもの」と呼び、その存在を快く思わぬものたちもいた。

 すごーく久しぶりに読んだ「パーンの竜騎士」シリーズ。購入してから一年、寝かせてありました。前の話『竜の反逆者』から直接続いていたので、びっくりし、不安になりましたが、そんな私でもちゃんと話についてゆけるところがすごい。これまでシリーズに出てきたほとんどの人々がオールスターキャストで登場するのにちゃんと対応している自分が、なんだか不思議なくらいだったのでした(苦笑)。
 主役は白い竜ルースと、ルースの騎士でルアサ城砦の太守ジャクソム。竪琴師ノ長となったメノリや、ピイマアも、みんな子持ちになって出てきます。さらにベンデン大巌洞のフ−ラルやレサも齢を重ねたうえでもそれぞれの個性を発揮して登場。ろくでなしと思われていたフ−ルサンにさえ見せ場があってまたびっくり。
 そして竪琴師ノ大長ロビントン師。私はこのご老人が大好きです。かれがわくわくしながらアイヴァスと語り合うシーンは、とても楽しかった。
 さらにもちろん、竜たちは大活躍。竜騎士と竜との強い絆をあらわす、悲惨なエピソードもありますが、そうじて明るく好奇心に満ちていておちゃめ。火蜥蜴とのコンビネーションにも磨きが掛かってきてとても楽しいです。

 ストーリーは、中世に退行していたパーンの人々が、アイヴァスというコンピュータに出会ってものすごい技術革新を成し遂げるところが興味深かった。まさか、竜騎士たちが宇宙遊泳の訓練を受ける日がやってこようとは…。あんまり都合よく進みすぎのような気もしますが、ぐいぐいとひっぱられて最後まで読んでしまう、あいかわらずのマキャフリイ。ラストには涙うるうるなのでした。

絵はがきになりそうな 2002.9.2(月)

 九月に入りましたが、まだまだ暑い。空はぬけるように青くて、超高層ビルの風景は、まるで絵はがきにできそうな美しさでしたが、下界はアスファルトの炎熱地獄。これほど臨場感がなければ、空を眺めて歩きたかったです。
 先月の血液検査の結果が悪かったので、今日も血を採られてしまいました。汗で絆創膏がきちんと密着してくれなくて、半分剥がれてちくちくと痛むの、やな感じ。
 あと、胃薬をちゃんと飲むように念押しされた。だって、これを飲むと異様におなかが空くのですよ。必要以上に食べていると自負しているのに。胃が悪くなるよりいいでしょうと言われると、うなずかざるを得ないが。医者、笑ってました。
 ああ、しんどかった。次回も四週間後。まだ、九月か。

 を購入。
 サトクリフ『ケルトとローマの息子』[Amazon][bk-1]が見つからない(T.T)。
 アン・マキャフリイ『竜の挑戦 上 パーンの竜騎士8』[Amazon][bk-1]、まだ読んでます。


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